当社グループは、中期的な経営方針、事業環境の予測を策定しており、概要は以下のとおりとなります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針及び経営戦略等
①国内販売体制の強化
医療・高齢者施設市場の強化と介護レンタル市場のシェア拡大
②製品ラインナップ、事業領域の拡大
・マットレスなどベッドの周辺機器のラインナップ拡充
・医療高齢者施設向けベッド及び周辺機器のラインナップ拡充
③生産体制・コスト競争力の強化
・既存商品の継続的なコスト削減と新商品の開発コスト低減
・外部環境の変化に対応した生産及び安定供給体制の構築
④海外市場(東アジア)の強化
海外向けの医療用ベッドの販売体制づくり
⑤環境変化に適応した体制作り
働き方改革、新たな生活様式への適応
(2)経営環境
当社グループの医療介護用電動ベッド事業の各販売先市場における経営環境のとおりであります。
販売先市場 |
経営環境 |
福祉用具流通市場 |
・介護保険制度の改正に伴う、要介護認定の厳格化及び適正化 ・福祉用具の貸与価格の低下が一層進行 ・医療、介護機能の再編(医療施設の病床数削減と介護サービス量の拡大) ・新型コロナウイルスの感染拡大による事業活動への影響及び新たなニーズの発生 |
医療・高齢者施設市場 |
・高齢化の進展に伴う、要介護度が中度以下(※)の介護認定者の重度化 ・高齢者施設数の絶対的な不足とそれに応じた厚生労働省及び国土交通省の施設建設 計画の継続 ・医療、介護機能の再編(医療施設の病床数削減と介護サービス量の拡大) ・新型コロナウイルスの感染拡大による事業活動への影響及び新たなニーズの発生 |
家具流通市場 |
・一般家具及び普通ベッド市場の需要低迷 ・自宅での利用を前提としたデザイン性へのニーズの高まり |
海外市場 |
「(3)事業上及び財務上の対処すべき課題 ④ 海外市場の拡大」に記載のとおりであります。 |
※要介護度が中度以下…要介護度が要介護3以下の要介護認定者
(3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等として、ROE(自己資本利益率)を意識した経営を行っております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 国内販売体制の強化
当社グループは、医療介護用電動ベッドの製造・販売を主たる業務としており、福祉用具流通市場における収益がグループ収益の大半を占めております。当社グループは、当該市場の収益を基盤としつつ、医療・高齢者施設市場に注力することで国内営業力の強化を図ってまいります。
② 製品ラインナップ、事業領域の拡大
医療介護用電動ベッド事業においては、マットレスといった従来からのベッドに関連した製品に加え、離床センサーや見守りセンサーなどのIoTを生かした製品を企画開発し、製品ラインナップ及び事業領域を拡大させることにより、ベッド以外の収益源を確保し、安定した収益構造を構築してまいります。
③ 生産体制・コスト競争力の強化
当社グループは、医療介護用電動ベッドの製造販売を主たる業務としており、「高品質・高機能・低価格」を企業の強みとして事業展開しております。
当社グループでは、持分法適用関連会社のSHENGBANG METAL CO.,LTD.が、当社の主力製品である医療介護用電動ベッド及び周辺機器等の主要な部品であるスチール部品の製造から、品質検査、アッセンブリを行っており、品質検査については、当社の品質管理部門が指導、管理を行っております。
既存の生産拠点の効率化を図りつつ、外部環境の変化により発生する原材料高や為替相場の変動によるコストアップ、製造停止などのリスクにも対応するための最適な生産体制を構築することで、継続してコスト競争力の向上と製品の安定供給を行ってまいります。
④ 海外市場(東アジア)の強化
世界的な平均寿命の延伸と出生率の低下により、高齢化は日本国内に留まらず、世界規模での社会問題となっております。当社グループでは、中国を中心とした東アジア圏市場の開拓に取り組んでおり、販売の実績を着実に積み上げております。特に中国市場においては、当社製品の拡販と新顧客開拓を図るため、連結子会社の富若慈(上海)貿易有限公司を中心に営業活動を展開しております。
今後も各国の介護ニーズにあった商品開発や有力な代理店網の構築等の事業策を展開するなど販売体制を構築していくことで市場の拡大を図ってまいります。
⑤ 環境変化に適応した体制作り
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、テレワークの推進やソーシャルディスタンスの確保など、新たな生活様式に適応することが求められております。近年進めて参りました働き方改革に加え、こうした環境変化をいち早く感知し、柔軟に対応していくための組織体制の強化を実行します。
また、地球温暖化による自然災害も多発しており、事業の継続性を確保するための体制整備を図ってまいります。
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