(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う緊急事態宣言の発出・延長、まん延防止等重点措置の適用が各自治体において断続的に行われ、全国的に経済活動が停滞し、個人消費の低迷が続きました。10月以降は、ワクチン接種も進み、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が解除されたことで、経済活動が再開され、個人消費も上向きましたが、12月には、新たな変異株(オミクロン株)の出現による感染再拡大により、景気の先行きは依然不透明な状況が続いております。
当社グループが属するファッション・アパレル業界におきましては、政府や自治体の緊急事態宣言、まん延防止等重点措置等の実施により、外出自粛による消費低迷や購買志向の変化、インバウンド客数の減少等により厳しい経営環境となっております。
このような状況のもと、当社グループは全国の店舗におきまして、お客様と従業員の健康と安全を最優先に考え、感染防止の取組みを実施した上で営業を続けてまいりました。
基幹ブランドであるサマンサタバサからはSDGsへの取組みとして、エシカルなファッションを提案する新ライン「Samantha Green by Samantha Thavasa」がデビューし、名古屋、札幌、有楽町にて期間限定のPOP UP SHOPを開催いたしました。通常の店舗におきましては認知度、訴求力の高いインフルエンサーやキャラクターのコラボ企画商品をECと連動して展開し、売り上げの回復を図ってまいりました。また、社会環境が大きく変化した今、お客様のライフスタイルやそれに伴うニーズに対応すべく、顧客接点の拡大を図る為に、インスタグラムLIVE配信など各種SNSを用いた商品情報の発信力強化も進めております。一方で仕入れの抑制や在庫販売の強化、広告宣伝費、販売促進費などの経費削減にも努めてまいりました。
当期の当社グループにおける店舗展開は、以下のとおりです。
バッグ事業は1店舗の出店、10店舗の退店、ジュエリー事業は3店舗の出店、3店舗の退店、アパレル事業は5店舗の出店、10店舗の退店、海外事業は1店舗の出店、8店舗の退店となった結果、当社グループ合計で前年度末比21店舗純減し、当連結会計年度末の店舗数は288店舗となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は253億66百万円(前年度比12.3%増)、営業損失は27億55百万円(前年度は35億21百万円の損失)、経常損失は24億95百万円(前年度は35億99百万円の損失)、固定資産の減損損失16億12百万円を計上したことにより、税金等調整前当期純損失40億56百万円(前年度は99億83百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失41億52百万円(前年度は100億49百万円の損失)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は205億74百万円であり、前連結会計年度末と比較して34億92百万円減少しております。主な要因は、商品及び製品が12億2百万円、有形固定資産が16億18百万円、無形固定資産が2億25百万円、投資その他の資産が5億96百万円減少したことなどによるものであります。
当連結会計年度末における総負債は180億57百万円であり、前連結会計年度末と比較して7億81百万円増加しております。主な要因は、支払手形及び買掛金が4億31百万円、未払金が1億87百万円、未払法人税等が1億22百万円、その他(流動負債)が4億21百万円減少した一方、短期借入金が11億75百万円、長期借入金が9億6百万円増加したことなどによるものであります。
当連結会計年度末における純資産は25億17百万円であり、前連結会計年度末と比較して42億74百万円減少しました。主な要因は、利益剰余金が41億52百万円減少したことなどによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ、5億69百万円増加し、30億61百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、14億76百万円となりました。主な減少要因は、税金等調整前当期純損失40億56百万円、仕入債務の減少額5億67百万円などによるものであり、主な増加要因は、減価償却費6億56百万円、減損損失16億12百万円、たな卸資産の減少額12億17百万円などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、55百万円となりました。主な増加要因は、差入保証金の回収による収入1億5百万円、保険積立金の解約による収入1億円などによるものであり、主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出2億56百万円、無形固定資産の取得による支出76百万円、差入保証金の差入による支出79百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、20億80百万円となりました。主な増加要因は、短期借入金の純増額11億75百万円、長期借入れによる収入13億5百万円などによるものであり、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出4億円などによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当連結会計年度における生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
バッグ |
6,128 |
+27.4 |
ジュエリー |
1,371 |
+8.0 |
アパレル |
2,262 |
+2.8 |
その他 |
1,215 |
+34.4 |
合計 |
10,977 |
+19.5 |
(注)1 金額は、仕入価格の金額によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(b)販売実績
当連結会計年度における販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
バッグ |
14,925 |
+9.6 |
ジュエリー |
2,981 |
+16.1 |
アパレル |
5,060 |
+10.3 |
その他 |
2,399 |
+32.1 |
合計 |
25,366 |
+12.3 |
(注)1 その他には、「サマンサタバサNEXT PAGE」「アンダートゥエンティファイブサマンサタバサ」「ナンバーセブン サマンサタバサ」などの販売が含まれております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(c)受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準により作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして経営者による会計方針の採用、資産・負債及び収益・費用の計上については会計基準及び実務指針等により見積りを行っております。この見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なることがあります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)経営成績の分析
(売上高及び売上総利益)
売上高は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う緊急事態宣言の発令・延長・まん延防止等重点措置の適用が継続的に行われ、全国的に経済活動が停滞し、感染症再拡大の懸念による消費マインドの低下や購買志向の変化が大きく影響したものの、253億66百万円(前年度比12.3%増)となりました。
売上総利益は、前連結会計年度に比べて11億67百万円増加し131億49百万円(前年度比9.7%増)となり、売上高に対する比率は53.0%から51.8%と1.2ポイントの減少となりました。
(販売費及び一般管理費及び営業利益)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて4億2百万円増加し159億5百万円(前年度比2.6%増)となり、売上高に対する比率は68.6%から62.7%と5.9ポイントの減少となりました。主な要因は、人件費・広告宣伝費、販売促進費及び業務委託費の見直しを行ったものなどであります。
この結果、営業損失は27億55百万円(前年度は35億21百万円の損失)となりました。
(営業外損益及び経常利益)
営業外収益は、前連結会計年度に比べて1億18百万円増加し4億94百万円となりました。営業外費用は、前連結会計年度に比べ2億20百万円減少し2億34百万円となりました。
この結果、経常損失は24億95百万円(前年度は35億99百万円の損失)となりました。
(特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益)
特別利益は、投資有価証券売却益92百万円となりました。
特別損失は、店舗等の固定資産の減損損失16億12百万円など合計16億53百万円を計上しました。
その結果、税金等調整前当期純損失40億56百万円(前年度は99億83百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失41億52百万円(前年度は100億49百万円の損失)となりました。
(b)財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は117億9百万円で、前連結会計年度末に比べ10億52百万円減少しております。主な要因は、商品及び製品が12億2百万円減少したことなどによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は88億65百万円で、前連結会計年度末に比べ24億40百万円減少しております。主な要因は、減損等により有形固定資産が16億18百万円、無形固定資産が2億25百万円、投資有価証券の売却等により投資その他の資産が5億96百万円減少したことなどによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は72億97百万円で、前連結会計年度末に比べ34百万円減少しております。主な要因は、短期借入金が11億75百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が4億31百万円、未払金が1億87百万円、未払法人税等が1億22百万円、その他(流動負債)が4億21百万円減少したことなどによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は107億59百万円で、前連結会計年度末に比べ8億15百万円増加しております。主な要因は、長期借入金が9億6百万円増加したことなどによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は25億17百万円で、前連結会計年度末に比べ42億74百万円減少しております。主な要因は、利益剰余金が41億52百万円減少したことなどによるものであります。
(c)キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概況 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(d)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(e)資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入の他、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、出店等の設備投資によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は142億48百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、30億61百万円となっております。
(f)経営方針・経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが重要と考えております経営指標(KPI)は、売上高営業利益率であります。当該KPIを採用した理由は、当社は事業規模の拡大とともに利益率の向上を目標としており、その推進をする上で重要な指標と考えているためです。当連結会計年度は営業損失27億55百万円となりましたが、企業価値を継続的に拡大し、利益率の向上を目指してまいります。
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