(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が断続的に発出され、12月には新たな変異株「オミクロン株」による感染再拡大の懸念や原料費及び物流費の高騰などの影響もあり、依然として不透明な状況が続いております。
当社事業と関連性が高い証券市場においては、大きく上昇した海外市場や製造業を中心とした好業績を映して株価は上昇し、一時は日経平均株価で約30年ぶりの高値を付ける場面もありましたが、新型コロナウイルス感染症拡大による景気の失速、中国市場の動揺、政局不安への懸念などから、総じて伸び悩む展開となりました。
一方、投資信託市場においては、公募投資信託の残高及びその増加額が過去最高となるなど、増加傾向が続いております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は5,280百万円(前年同期比1.4%減)、営業利益は738百万円(前年同期比6.6%増)となりました。また、経常利益は749百万円(前年同期比7.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は484百万円(前年同期比8.0%増)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
<投資情報事業>
証券会社向けレポート作成システムのソリューション開発案件の受注が好調に推移するとともに、連結子会社である株式会社キャピタル・アイが提供する資本市場関係者向けリアルタイムニュース『キャピタルアイ・ニュース』も堅調に推移しております。一方、ネット証券会社に提供している個人投資家向けコンテンツの受注が伸びず減少しております。販売費及び一般管理費は削減の効果もあり増収増益となりました。
その結果、売上高は1,374百万円(前年同期比0.1%増)、営業利益は560百万円(前年同期比5.5%増)となりました。
<ドキュメントソリューション事業>
企業年金関連の印刷やソリューションサービスは売上を大きく伸ばし業績に寄与しております。また、翻訳事業やE-mail・Fax同報配信サービスなど高付加価値商材が業績を伸ばしました。一方、金融法人における証券調査レポートの受注、グループ会社の株式会社東京ロジプロの配送サービスについては、金融法人における印刷物の需要減少傾向が続いており受注減少となりました。
その結果、売上高は1,797百万円(前年同期比1.1%減)、営業利益は189百万円(前年同期比24.8%増)となりました。
<ファンドディスクロージャー事業>
投資信託市場においては、公募投資信託の本数は微増するも、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済の停滞の影響を受け、印刷受注量の減少傾向が続き、当社における投資信託関連の印刷受注量は前年同期比で減少しております。また新ソリューション展開のための費用の増加もあり、前年同期比で減収減益となっております。
その結果、売上高は1,425百万円(前年同期比3.4%減)、営業利益は285百万円(前年同期比11.0%減)となりました。
<ITソリューション事業>
事業会社向けの受託開発を行っているビジネスソリューションの受注が減少しておりますが、売上原価、販売費及び一般管理費の削減により利益は増益となりました。
その結果、売上高は683百万円(前年同期比1.1%減)、営業利益は75百万円(前年同期比141.8%増)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ290百万円増加し、5,481百万円となりました。
流動資産合計は356百万円増加し、4,928百万円となりました。主な要因は、現金及び預金が394百万円増加したことによるものであります。
固定資産合計は65百万円減少し、553百万円となりました。主な要因は、のれんの償却により42百万円、のれんの減損処理により19百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ71百万円減少し、767百万円となりました。
流動負債合計は24百万円減少し、689百万円となりました。主な要因は、買掛金が13百万円、未払法人税等が8百万円減少したことによるものであります。
固定負債合計は前連結会計年度末より47百万円減少し、77百万円となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ362百万円増加し、4,714百万円となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益484百万円の計上による増加と、剰余金の配当130百万円による減少であります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度末と比べ393百万円増加(前年同期比10.0%増)し、4,324百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果取得した資金は、573百万円(前年同期は610百万円の取得)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益728百万円、減価償却費55百万円、のれん償却額42百万円であります。また、支出の主な内訳は、法人税等の支払額250百万円、未払消費税等の減少額20百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、49百万円(前年同期は42百万円の支出)となりました。支出の主な内訳は、無形固定資産の取得による支出33百万円、有形固定資産の取得による支出16百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、130百万円(前年同期は173百万円の支出)となりました。支出の主な内訳は、配当金の支払額130百万円であります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
ITソリューション事業 |
(千円) |
564,247 |
1.6 |
合計 |
(千円) |
564,247 |
1.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.ITソリューション事業以外のセグメントは生産活動を行っておりませんので、記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
ITソリューション事業 |
567,283 |
△5.5 |
159,220 |
14.6 |
合計 |
567,283 |
△5.5 |
159,220 |
14.6 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.ITソリューション事業以外のセグメントは受注から納品までの期間が短く、受注管理を行う必要性が乏しいため、記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
投資情報事業 |
(千円) |
1,374,511 |
0.1 |
ドキュメントソリューション事業 |
(千円) |
1,797,018 |
△1.1 |
ファンドディスクロージャー事業 |
(千円) |
1,425,573 |
△3.4 |
ITソリューション事業 |
(千円) |
683,141 |
△1.1 |
その他事業 |
(千円) |
- |
- |
合計 |
(千円) |
5,280,244 |
△1.4 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主要な販売顧客については、該当するものはありません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討結果につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については「2 事業等のリスク」に記載しております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は「(1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資金需要の主なものは、設備投資などの長期資金需要と、製品製造のための労務費、外注費等の製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金需要であります。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、事業活動に必要な資金を安定的に確保することを基本としております。資金需要につきましては、自己資金において賄っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績及び現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用しております重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
また、新型コロナウイルス感染拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
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