業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況は、以下の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績等の概要

当連結会計年度における世界経済は、先進国を中心とした新型コロナウイルス感染症ワクチンの普及に伴って、段階的に経済活動が再開されましたが、再び変異株の流行等による感染者数が拡大するなど、地域や業種により状況は異なるものの、総じて新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況が継続しました。わが国経済においては、感染対策と社会経済活動の両立を進める中、業種等により所得や雇用環境改善等の景気持ち直しの動きも見られ、コロナ禍での生活様式の変化を背景に、グリーン住宅ポイント制度やこどもみらい住宅支援事業、住宅ローン減税延長等の住宅取得支援策が消費を後押しする形で新設住宅着工数は増加しました。一方で、足元ではロシアによるウクライナ侵攻により、世界経済は不安定かつ先行きの不透明感がいっそう強まっております。

このような事業環境の下、当社グループにおいては、新型コロナウイルス感染拡大防止策としての行動制限により、全国に展開するLOGWAY(展示場)への新規来場者数は前年同期比で93%に留まりましたが、営業システムの改善やLOGWAYコーチャー(BESSの家に暮らすユーザー)による口コミ発信等により、経営の先行指標である連結契約高は昨年同期比110.8%と伸長しました。また、連結子会社である株式会社BESSパートナーズ(以下、BP社)につきましては、業務効率改善の経営指導に努めた結果、前期に続き黒字決算となり収益体質への転換が定着しつつあります。

一方、ログハウスを主力事業とし、無垢の木材を多用する当社にとって、欧米や中国における木材需要の増加に端を発した木材供給不足や相場上昇(ウッドショック)による急激な資材の高騰は当期収益を大きく圧迫する要因となりました。売価改定や部材の複数購買化、固定費の削減等、収益率改善に向けた施策にも取り組んでまいりましたが、同業他社に比べ、契約から着工までの期間が長い特性もあり、昨年来の急激な原価高騰に対して収益力の維持・回復には及びませんでした。

その結果、当社グループの当連結会計年度における連結売上高は16,341百万円(前年同期比3.5%増)となったものの、利益面においては、連結営業損失は336百万円(前年同期は252百万円の損失)、連結経常損失は362百万円(同357百万円の損失)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は436百万円(同534百万円の損失)となりました。

 

(営業活動の状況)

① 商品面の取り組み

・ログ小屋の新たな提案として、「走るログ小屋」である可動式IMAGOを開発し、2021年10月に発売しました。走行実験を実施し、自動車けん引での安全走行確認を行った商品です。本物のログ小屋を自由気ままに暮らしを楽しむ道具として、「面白い暮らしを走らせる」ことで遊び心を引き出し、世の中を元気づけようという提案です。

・おおらかなカネ勾配(45°の直角三角形)の屋根に空中リビングとも言える大空間のベランダ「NIDO」を備え、家族が自然と集まる吹き抜け下のリビングが特徴的なG-LOG(なつ)のキャンペーンモデル「イスカⅡ」を、2021年4月から9月、同年11月から2022年2月までそれぞれ期間限定で販売しました。

・カントリーログキャンペーンモデル「クルード」の開発

  国産杉のログ材をシンプルに組み上げた、骨太で個性的な特徴を持つカントリーログ(不常識人)のキャンペーンモデル「クルード」を開発しました。2021年6月から9月、同年11月から2022年2月までそれぞれ期間限定で販売しました。

・ワンダーデバイスの特別モデル「ワンダーボイドS」の開発

  遊び心を取り込こんだワンダーデバイスの特別モデル「ワンダーボイドS」を開発しました。外と内をつなげる大きな窓、たくさんの窓を特徴に梺(ふもと)ぐらしを楽しむ家です。特別モデルとして2021年7月から2022年3月まで期間限定で販売しました。

 

 

② 営業面の取り組み

・BESSの旗艦店である東京代官山の「BESSスクエア」において開設時以来の大規模な改修工事を行い、2021年4月に「BESS MAGMA」と改称してリニューアルオープンしました。訪れた方の“感性”が動き出す場所として未来に向けた暮らし文化を発信する拠点となり、新たなシンボル“センタードーム”を中心に屋外空間は悠久の時間をイメージし、これまでの枠にとらわれない暮らし提案へと全てのモデルをリニューアルしています。暮らしを文化する“MAGMA”となり、地殻変動を起こし、ニッポンの未来の暮らしの地平を広げることを目指してまいります。

・当連結会計年度では、昨年に引き続きコロナ禍での行動制限の期間が続きましたが、BESSファンの裾野の拡大を目指し、TVやラジオの新CMを投入し宣伝を行うとともに、LOGWAYを地域の文化活動や教育活動への活用と展開し、地域に根差した活動により認知向上を促進しました。また、LOGWAYコーチャーやLOGWAYのスタッフが、自身の活動拠点のLOGWAYへBESSに関心を持たれる方に向けて誘っていただく口コミ発信を強化し、来場者数の減少影響を最小限に留める工夫を凝らした取り組みを行いました。

・また、コーチャー座談会と称するユーザーのリアルなBESSライフの紹介を、移住(クラシガエ)オンラインセミナーと称して移住した先輩BESSユーザーの暮らしぶりを住宅の内部や周辺環境などの映像を交えてリアルタイムで配信するなど、コロナ禍にて人々の感性価値観が変容し始めている兆しを捉えた取組みを行っております。また、その移住先として、「梺(ふもと)」用地を紹介する「FuMoTo事業」を行っており、感性、価値観を共有するコミュニティーを全国に展開する取り組みを始めております。

・BESSの暮らしを検討する方を応援する「LOGWAYクラブ」制度を運営し、会員向けのサービスとして特別モデルの販売をはじめ、各種案内の優先提供など様々な会員特典を用意しています。上記のような取組みの効果もあり、当連結会計年度においては、多くのBESSファンが新たにクラブに入会しており、LOGWAYへの新規来場数は減少したものの、LOGWAYクラブの新規入会者数は1,428組(前年同期比1.4%増)となり、2022年3月末現在の未契約会員数は1,134組(前年同期比20.3%増)に達しております。

 

③ その他の取り組み

・ログハウスをはじめとする天然木材を多用している住宅商品を販売する当社では、自然の恵みを活かした、大らかで心豊かな暮らしの提案を行っており、自然にとっても人間にとってもサステナブルな事業活動を目指しています。BESS事業においては、事業活動の軸に「健康」を据え、「BESSの家健康宣言」として、BESS事業の活動方針を宣言しております。

・1988年に設立した「BESSフォレストクラブ」は、世界各地の自然保護プロジェクトの支援を行ってまいりました。2011年より森林保全活動に参加し、2016年より全国のLOGWAYで木や森と触れ合う様々なイベントを開催しています。

・ログハウス等に使用する国産材の比率を増やし、国内の木材使用を高める取り組みを行っています。これにより世界的な木材価格の高騰(ウッドショック)や海運の混乱の影響も軽減されることが期待されます。

 

(業績先行指標の状況)

先行指標となる全国BESS LOGWAY(展示場)への集客面では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため外出自粛などの行動制限が強いられた結果、全国のLOGWAYにおける新規来場者数は前年同期比6.7%減少しております。BESSでは暮らし体感型の展示場を展開していることから、この新規来場者数の減少が新規契約の獲得に及ぼす影響が大きいところですが、営業効率の改善の取り組みが奏功し、LOGWAYクラブの新規入会数は前年同期比で1.4%増、連結契約(受注)高は前年同期比10.8%増の15,076百万円、期末契約(受注)残高は12,139百万円(同4.0%減)となりました。

LOGWAY展開については、BESSスクエアを改修しBESS MAGMAとしてリニューアルオープンを行いました。現在の稼働拠点数は直営拠点を含めて40拠点となりました。

営業体制は、BESS事業全体(販社含む)の専任営業員数(BESS専任の営業として在籍する営業員数)は、144名と前期末より15名減少いたしました。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(連結経営成績に関する分析)

当社グループの当連結会計年度における連結売上高は、直販部門及びBP社(連結子会社部門)の売上高の増加が寄与し前年同期比3.5%増の16,341百万円となりました。一方、利益面においては、固定費の削減等に努めたものの、ウッドショックによる原価高騰の影響が大きく、連結営業損失は336百万円(前年同期は252百万円の損失)、連結経常損失は362百万円(同357百万円の損失)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純損失につきましては、当社グループの現状を会計に反映し繰延税金資産の一部取崩し等を計上した影響もあり436百万円(同534百万円の損失)となりました。

 

(連結財政状態に関する分析)

当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末比で1,176百万円減少の12,021百万円、負債は同512百万円減少の9,828百万円、純資産は同663百万円減少の2,192百万円となりました。それぞれの主な増減要因につきましては、次の通りであります。

総資産につきましては、「仕掛販売用不動産」が461百万円、「売掛金及び完成工事未収入金」が357百万円、前連結会計年度末比でそれぞれ増加した一方、「現金及び預金」が同2,045百万円減少したこと等によります。

負債につきましては、「買掛金及び工事未払金」が568百万円、「長期借入金」が459百万円、前連結会計年度末比でそれぞれ増加した一方、「短期借入金」が同1,500百万円減少したこと等によります。

純資産につきましては、親会社株主に帰属する当期純損失436百万円を計上したこと等によります。

その結果、自己資本比率は18.2%となりました。

 

(個別業績の概要)

当事業年度における売上高は、営業施策が奏功した効果もあったものの、全国的な新型コロナウィルス感染症による行動制限が継続された影響による集客の伸び悩み、さらにウッドショック等に端を発した資材調達の遅延等により、前年同期比0.8%増の12,609百万円に留まりました。また、利益面においては、上記連結経営成績に記載の状況により、営業損失347百万円(前年同期は250百万円の損失)、経常損失365百万円(同363百万円の損失)となりました。また、繰延税金資産の一部取崩しを計上した影響により当期純損失は440百万円(同470百万円の損失)となりました。

 

 

(報告セグメントの業績概要)

当社グループの単一事業であるBESS事業は、暮らしのブランド『BESS』の下、『「住む」より「楽しむ」』をスローガンに、個性的で楽しい暮らし方のデザインにまで踏み込んで開発した企画型住宅(=ログハウス等の自然派個性住宅)の提供を行っております。住宅引渡時点での顧客満足以上に、暮らしをスタートしてからの「“ユーザー・ハピネス”の実現」を使命としています。

その業績概要については、以下の3つの報告セグメントに区分されます。

 

イ 直販部門

連結売上高の33.7%(外部顧客売上高ベース)を占める直販部門は、東京都・代官山の「BESS MAGMA」(2021年4月にBESSスクエアをリニューアルオープン)、東京都・昭島の「BESS多摩」及び神奈川県の「BESS藤沢」の直営3拠点で、東京・神奈川圏を中心とする顧客との直接の工事元請契約によるBESS企画型住宅等の提供を主要事業としております。

当連結会計年度の業績は、期初の契約残高は減少していたものの(前年同期比19.8%減)、単価アップ等により、セグメント売上高は5,511百万円(同10.9%増)、セグメント利益は603百万円(同8.5%増)となりました。

一方、業績先行指標となる受注状況については、感染症拡大防止のための外出自粛要請などの影響により集客数が大幅に減少する中、全国LOGWAYの旗艦店として2021年4月に開設した「BESS MAGMA」のオープン効果や営業システムの改善などにより、セグメント契約(受注)高は、4,885百万円(同37.2%増)となりました。

 

ロ 販社部門

連結売上高の28.2%を占める販社部門は、全国の地区販社に対して、BESSブランドと販売システム等を提供するとともに、BESS企画型住宅の部材キット等を供給する事業を行っております。

当連結会計年度の業績は、期初の契約残高の減少(前年同期比18.1%減)、ウッドショックによる原材料の調達遅延などにより、セグメント売上高は7,101百万円(同4.6%減)、セグメント利益は、ウッドショック影響による原価率の上昇などにより、192百万円(同53.5%減)となりました。

また、セグメント契約(受注)高につきましては、3,913百万円(同4.2%減)となりました。

 

ハ BP社

連結売上高の38.1%を占める国内連結子会社のBP社は、千秋(秋田県)、金沢(石川県)、熊谷(埼玉県)、水戸、つくば(茨城県)、富士、浜松(静岡県)、東愛知(愛知県)、糸島(福岡県)、熊本(熊本県)及びその連結子会社である株式会社BESS札幌が担う札幌(北海道)、同じく株式会社BESS岐阜が担う岐阜(岐阜県)による合計12拠点のBESS LOGWAYを営業拠点として、顧客との直接の工事元請契約によるBESS企画型住宅等の提供を主要事業としております。

当連結会計年度の業績は、直近引き継いだ3拠点(糸島、熊本、千秋)の売上進捗化及び事業効率性の高い経営への体質改善が奏功し、セグメント売上高が6,500百万円(前年同期比15.5%増)となり、セグメント利益は166百万円(同775.0%増)となりました。

また、セグメント契約(受注)高につきましても、BESSつくばの移転リニューアルの効果や営業システムの改善などにより、6,277百万円(同5.2%増)となりました。

 

 

② 受注及び販売の実績

前連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)                (単位:百万円)

セグメント

区分

品目名称

前連結会計年度繰越高

当連結会計年度契約高

当連結会計年度売上高

次期繰越高

当連結会計年度施工高

契約残高

うち施工高

直販部門

ログハウス等

部材キット販売

158

230

389

319

69

ログハウス等工事

6,137

3,313

9,450

4,469

4,980

166

4,572

その他

18

18

179

(小計)

6,296

3,561

9,858

4,968

5,050

166

4,572

販社部門

ログハウス等

部材キット販売

3,285

4,085

7,370

4,680

2,690

その他

587

(小計)

3,285

4,085

7,370

5,267

2,690

 BP社

ログハウス等

部材キット販売

23

23

23

ログハウス等工事

4,487

5,943

10,430

5,521

4,908

13

5,523

 その他

9

(小計)

4,487

5,966

10,453

5,554

4,908

13

5,523

 合計

 

14,069

13,613

27,682

15,790

12,649

180

10,096

(注)1 前連結会計年度以前に契約したもので、契約の更改等により金額に変更のあるものについては、当期契約高に含めております。

2 次期繰越高のうち施工高については、未成工事支出金により手持工事の施工高を推定したものであります。

3 「ログハウス等工事」の施工高は(売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致しております。

4 各部門の「その他」(販促物販売収入等)は、契約高の繰越管理を行っておりませんので、「前期繰越高」「当期契約高」及び「次期繰越高」の欄の記載は行っておりません。

当連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)                (単位:百万円)

セグメント

区分

品目名称

前連結会計年度繰越高

当連結会計年度契約高

当連結会計年度売上高

次期繰越高

当連結会計年度施工高

契約残高

うち施工高

直販部門

ログハウス等

部材キット販売

69

362

432

260

171

ログハウス等工事

4,980

4,494

9,475

5,050

4,425

122

5,006

その他

28

28

197

0

(小計)

5,050

4,885

9,936

5,508

4,597

122

5,006

販社部門

ログハウス等

部材キット販売

2,690

3,913

6,603

4,032

2,570

その他

574

(小計)

2,690

3,913

6,603

4,607

2,570

 BP社

ログハウス等

部材キット販売

69

69

54

15

ログハウス等工事

4,908

6,208

11,117

6,161

4,956

30

6,178

 その他

10

(小計)

4,908

6,277

11,186

6,225

4,971

30

6,178

 合計

 

12,649

15,076

27,726

16,341

12,139

153

11,184

(注)1 前連結会計年度以前に契約したもので、契約の更改等により金額に変更のあるものについては、当期契約高に含めております。

2 次期繰越高のうち施工高については、未成工事支出金により手持工事の施工高を推定したものであります。

3 「ログハウス等工事」の施工高は(売上高+次期繰越施工高-前期繰越施工高)に一致しております。

4 各部門の「その他」(販促物販売収入等)は、契約高の繰越管理を行っておりませんので、「前期繰越高」「当期契約高」及び「次期繰越高」の欄の記載は行っておりません。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フロー)

連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、3,129百万円となり、前連結会計年度末5,174百万円に対し2,045百万円の減少となりました。

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動により568百万円の資金減少(前年同期は421百万円の増加)となりました。これは、税金等調整前当期純損失359百万円(同500百万円の損失)、棚卸資産の増加額596百万円(同52百万円の減少)、売上債権の増加額353百万円(同1,232百万円の減少)、前受金及び未成工事受入金の減少額160百万円(同309百万円の増加)等による資金減少要因が、仕入債務の増加額568百万円(同721百万円の減少)、減価償却費267百万円(同295百万円)等の資金増加要因を上回ったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動により使用した資金は361百万円(前年同期は577百万円)となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出283百万円(同476百万円)及び無形固定資産の取得による支出46百万円(同72百万円)等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動により減少した資金は1,111百万円(前年同期は1,803百万円の増加)となりました。これは、短期借入金の純減少額1,500百万円(同1,667百万円の増加)、長期借入金の返済による支出1,211百万円(同581百万円)等の資金減少要因が、長期借入れによる収入1,600百万円(同920百万円)等の資金増加要因を上回ったことによるものであります。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループの運転資金の主要な需要は営業費用であります。具体的には、ログハウス等部材キットに係る部材等の調達費、施工に要する外注費等の「売上原価」と、人件費、広告宣伝販促費、研究開発費等の「販売費及び一般管理費」であります。

当社グループの運転資金及び設備資金につきましては、内部資金のほか金融機関からの借入により資金調達することとしております。そのうち、運転資金は複数の金融機関との間で締結しているシンジケーション方式によるコミットメントライン契約(総額2,000百万円、うち借入実行残高1,400百万円)をはじめとする短期借入金を中心に、設備投資などの長期性資金については、長期借入金(2022年3月末残高3,151百万円)を中心にそれぞれ調達しています。

資金の流動性につきましては、顧客契約から売上計上及び代金の回収までのサイクルが長い(直販部門では元請工事の一般的な工期が約1年)ことなどを勘案して、借入金による調達実行を機動的に活用しながら、常に不測の事態に備えて厚めの残高(月商の3ヵ月を目安)を維持するよう努めております。

 

(財務政策)

当社の株主還元としてはDOE(連結純資産配当率)を重視した長期的な視点での安定的配当を基本とし、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保の確保にも配慮していく考えであります。

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における資産、負債の報告数値、並びに報告期間における収入、費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行う必要があります。当社の経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び過程を過去の実績や状況に応じ、合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。特に、新型コロナウイルス感染症について、当社グループとしては、徐々に収束に向かうものの、展示場来場者の回復には相当の期間を要するものとするシナリオを想定し、一部の会計上の見積りを行っておりますが、その影響は不確実であり予測が困難な状況です。これらの見積りと実際の結果が異なった際は、当社グループの連結財務諸表及びセグメントの業績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、重要な会計上の見積りに係る計上基準については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4 会計方針に関する事項(3)重要な引当金の計上基準及び(追加情報)」に記載の通りであります。

 

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