文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
フジシールグループは、「包んで価値を 日々新たなこころで 創造します。」を経営理念に掲げ、パッケージングを通じ、すべての人が笑顔で安心して暮らせる循環型社会・持続的社会の実現に貢献することで、企業価値の向上を図ってまいります。
わたしたちのビジョン~ありたい姿~
『人と環境にやさしい価値を届ける』 ・パッケージング市場で持続的成長 フジシールグループは、パッケージングを通じて人々と社会に豊かさ・幸せ・喜び・安心を届ける会社であり続け、これからも環境配慮型製品で業界をリードしていきます。そのために、フジシールグループは勇気をもって変化をチャンスと受け入れ、新たな価値を持つパッケージを創造し続けます。 ・持続可能な社会の実現に貢献する会社 フジシールグループは、パッケージング会社として、循環型社会の実現に積極的に取り組み、その一つとして、2025年までに売上の100%を環境配慮型製品に切り替えます。また、その根幹となる社員とパートナーが、より安全で健康でいられる職場環境を追求していきます。 ・ワクワクを創る会社 ~ワクワクなしに成長なし~ フジシールグループは、社員が創造と挑戦をワクワクしながら成長できることを応援します。また、公平・公正を基本とした相互の信頼関係と研鑽で、顧客・パートナーと共にワクワクを創造します。そして、株主とのオープンな会話を通じ、ワクワクを共有します。 |
(2)中期経営計画
<市場機会>
当社グループは、環境課題への対応ニーズ加速、消費者ライフスタイル多様性の加速、消費地の拡大の3つの変化
をビジネスチャンスと捉えております。
これらの変化に対し、当社グループの有する「世界で市場をリードするお客様の多様なパッケージニーズに対し、ローカルの製販開体制で柔軟かつアジャイルに対応し、培った技術や経験を他地域に展開する力」、「素材技術、生産、顧客のアプリケーション、アフターサービスまで一貫した技術保有を通じた、市場要求への対応力や検証能力とQCDの提供力」、またそれらを通じて培った「イノベーティブなグローバル顧客との強い関係」を活かし、継続成長してまいります。
<中期経営計画の全体像>
グループのありたい姿を実現していくために策定した新しい中期経営計画では、①ラベル事業の海外展開の加速及び収益性強化、②一次包装拡大、③新規事業創出の3つの重点課題をサステナビリティ経営の実践により、グローバルベースで加速させてまいります。
<事業目標>
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2024年3月期目標 |
売上高 |
1,930億円 |
営業利益率(営業利益) |
10%(193億円) |
ROE |
10% |
シュリンク事業営業利益率 |
15% |
海外売上比率 |
48% |
一次包装売上比率(一次包装売上高) |
18%(340億円) |
新規事業売上高 |
30億円 |
<環境目標>
2024年3月期までに、生産活動による温室効果ガス(GHG)排出量(Scope1+2)の売上高原単位を2018年3月期比6%削減、2026年3月期までに再生可能設計製品・再生材使用製品など自社で定義する環境配慮型製品の売上比率100%を達成いたします。
<基本戦略>
中期経営計画の基本戦略は、持続的な企業価値を向上させることのできる企業体制及び事業ポートフォリオの構築を追求することであり、①ラベル事業の海外展開の加速及び収益性強化、②一次包装拡大、③新規事業創出の3つの重点課題への取り組みをグローバルベースで実践してまいります。
①ラベル事業の海外展開加速と収益性強化 ~シュリンク事業・タック事業で環境配慮型のラベルでリーダーポジション確立する~
・ 多品種少量化に対応
・ 顧客のグローバル展開及びローカルニーズ対応
・ 包材と機械との組合わせでシステムギャランティーを価値にする
②一次包装拡大 ~人と環境にやさしい一次包装を創造し、パウチ事業を第2のコア事業へと成長させる~
・ 従来のプラスチック容器から減量化で、資源循環型社会へ寄与
・ “使いやすい、保管しやすい、捨てやすい”スパウト付きパウチ容器を創造
・ ライフスタイルの多様化から生まれる一次包装の課題を解決
③新規事業創出 ~社会課題・市場の変化へ対応することで、第3・4の事業を創る~
・ M&A、パートナーとのアライアンス、スタートアップとの協業と積極投資を通じ、新素材を使ったパッケージングの開発、循環型パッケージング促進はじめ新たなドメインの事業を創出
<投資・財務戦略>
中期経営計画の3年間に獲得する営業キャッシュ・フローに加えて、適時かつ適切な資金調達を行い、中期経営計画の事業目標達成及びサステナビリティ経営に必要な投資を積極的に実施いたします。具体的には、通常投資と戦略投資を合わせて、新たに475億円の投資枠を設定いたしました。
<株主還元>
中期経営計画では、株主の皆様への「配当政策」の内容を見直し、株主還元のコミットを強化・明確化いたしました。連結配当性向20~25%を目標として安定的な配当政策を実施するとともに、財務基盤とのバランスを考慮した自己株式の取得を通じた株主還元も検討してまいります。
<サステナビリティ経営の強化>
中期経営計画では、持続的な企業価値向上に向けた経営の実践を最重要課題に掲げております。
新設したグループサステナビリティ委員会は、取締役会の監督の下、グループ全体のESGに関する目標設定や進捗状況のモニタリング、達成内容の評価等を実施し、サステナビリティ経営を推進・強化することにより、資本コストを上回るリターンを確保し、当社グループの企業価値の向上に努めてまいります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題と対応方針
当社グループは、ビジョン、ありたい姿を実現するために以下の課題に取り組み、事業運営を行ってまいります。
-全世界的にも解決が求められている「気候変動問題」や「海洋プラスチック問題(生物多様性の保護)」を始めとする環境問題が人類共通の重要課題であることを認識し、循環型社会の実現に向けて、環境側面を考慮したものづくりを進める。環境負荷低減に加え、環境配慮型製品を開発・生産し、事業活動を通じて当社グループだけではなくお客様とともに環境に対する目標の達成を実現していく。
-大きく変動する経済情勢、加速する市場やお客様の変化のスピード、消費者ライフスタイルの多様性、消費地の拡大等、変化するお客様の課題に対しスピードを持って解決し、更なるサービスを提供できるグローバルなものづくり体制を構築、維持、発展させる。
-お客様により近い現場で、お客様のパッケージの課題をお聞きする。課題解決のスピード、質を上げる。同時に、明日の課題を解決する開発ができる体制を強化する。
-人にやさしいパッケージで社会に貢献することを目指し、そのための研究開発に従事する人財の育成や研究開発の奨励・助成等を推進・支援する。
-当社グループの価値観を共有し、成長をリードする人財の育成を加速する。
-市場の変化、自然災害、感染症の拡大等々、多様化し増加するリスクを常に意識し、リスクマネジメント体制を構築するとともに、変化に適合すべく、そのリスクマネジメント体制自体の継続的な見直しを行い、確実な運用を行う。
-財務体制の強化とグローバル資金の有効活用及び管理の強化を推進し、財務基盤を強化するとともに、変化するリスクに対応した規程体系の整備による法務基盤の強化、情報セキュリティ対策の強化を図る。
-透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行う仕組みとして、コーポレート・ガバナンスを強化する。
さらに、今後、社会経済情勢・国際情勢など経営環境の急激かつ大幅な変化が予想されます。当社グループは飲料、ホームパーソナルケア、医療などエッセンシャルビジネスと位置付けられている事業を展開しており、このような変化の激しい時代にあっても、平時・有事を問わず安定供給を行う体制を構築し、お客様、従業員、取引先 、株主、社会をはじめとするすべてのステークホルダーとともに、引き続きサステナビリティ経営を推進し、成長してまいります。
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