当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度末における流動資産の残高は、40,877百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,427百万円増加しました。その主な要因は、現金及び預金の増加3,731百万円、受取手形及び売掛金の増加1,135百万円、製品を中心としたたな卸資産の減少459百万円などによるものです。
当連結会計年度末における固定資産の残高は、23,121百万円となり、前連結会計年度末に比べ975百万円増加しました。その主な要因は、有形固定資産の減少74百万円、無形固定資産の増加311百万円、投資有価証券の増加774百万円などによるものです。
当連結会計年度末における流動負債の残高は、22,121百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,254百万円増加しました。その主な要因は、支払手形及び買掛金の増加2,230百万円、短期借入金の返済による減少194百万円、未払法人税等の増加600百万円、設備関係支払手形の増加252百万円、その他に含まれる未払消費税等の減少318百万円などによるものです。
当連結会計年度末における固定負債の残高は、8,373百万円となり、前連結会計年度末に比べ838百万円減少しました。その主な要因は、長期借入金の減少1,020百万円、社債の減少39百万円、退職給付に係る負債の減少31百万円、リース債務の増加256百万円などによるものです。
当連結会計年度末における純資産の残高は、33,503百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,986百万円増加しました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加2,535百万円及び配当による利益剰余金の減少407百万円、その他有価証券評価差額金の増加235百万円、為替換算調整勘定の増加214百万円、非支配株主持分の増加337百万円などによるものです。
その結果、「自己資本比率」は47.0 %となり前連結会計年度末46.8%に比べ0.2%の増加となりました。
当連結会計年度(2020年12月~2021年11月)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の長期化に伴い経済活動の一部制限が続いたものの、ワクチン接種の進展による経済活動の段階的再開や海外需要の回復等を追い風に、企業業績は持ち直しの動きが見られました。
住宅業界におきましては、米国における住宅需要の急激な拡大等によって世界的な木材の供給不足や価格高騰を引き起こしたウッドショックが2021年の春先から顕在化いたしました。その影響により、住宅構造材に使用する輸入木材の需給が逼迫し、代替として国産木材の需要も急増したことから、木材価格が急騰する厳しい事業環境が続きました。一方、新設住宅着工戸数は、コロナ禍における住宅取得意欲の高まりや、住宅ローン減税の契約期限到来による駆け込み需要などの影響から、持家や貸家を中心に回復傾向で推移いたしました。
このような事業環境において当社グループは、原材料の確保や製品の安定供給に努め、コストダウンや生産性向上に取り組むとともに、販売価格の改定を行い収益の確保に努めました。また、建材製品やMDF(中質繊維板)のシェア拡大や国産針葉樹合板の活用推進、非住宅分野やリフォーム・リノベーション分野の市場開拓、抗ウイルス加工を施した製品の開発・拡販など様々な施策に引き続き取り組みました。
これらの結果、当連結会計年度における連結業績は、次のとおりです。
売上高 64,586百万円(前期比 2,302百万円 3.7%増)
営業利益 3,829百万円(前期比 1,041百万円 37.4%増)
経常利益 4,243百万円(前期比 1,330百万円 45.7%増)
親会社株主に帰属する当期純利益 2,535百万円(前期比 843百万円 49.9%増)
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
「ビノイエ」「モードコレクト」など内装建材シリーズのシェア拡大に引き続き取り組むとともに、「ラスティックフェイス リッチ・Jベース」「Jネクシオ」など国産針葉樹合板とMDFの複合基材を使用したフロアの拡販に注力いたしました。また、SIAA認証の抗ウイルス加工を施した製品を新たに開発し、市場投入いたしました。
さらに、バリアフリー商品群「ユニバーサル ディレクト」を足がかりに、高齢者施設や幼保施設など非住宅分野の開拓に取り組むとともに、マンションを中心にリフォーム・リノベーション需要の獲得にも努めました。
MDFについては、耐震性能や劣化軽減性能に優れた構造用ハイベストウッド(HBW)や、出資先・業務提携先のIFI社(インドネシア ファイバーボード インダストリー社)製の輸入MDFの拡販に取り組みました。
なお、引き続きコストダウンの徹底や原材料の確保に努めましたが、原材料・副資材価格が急激に上昇する厳しい事業環境のなか、下半期において合板基材のフロアやラスカット(内装外装下地材)などの販売価格改定を実施いたしました。また、堅調な住宅需要に支えられ、フロアや構造用HBWの販売量が増加いたしました。
この結果、住宅建材事業の売上高は40,490百万円(前期比4.0%増)、セグメント利益は2,838百万円(前期比18.8%増)となりました。
国産針葉樹合板は、2021年3月に連結子会社石巻合板工業株式会社で発生した火災の影響で生産量・販売量が一時的に落ち込んだほか、原油価格の上昇により接着剤価格も上昇したことなどから、製造コストは前期に比べ増加いたしました。また、期初から国内在庫が低水準で推移しておりましたが、ウッドショックを背景に原木価格が上昇傾向となるなか、第3四半期以降、新設住宅着工戸数の回復傾向を受け需給はますます逼迫し、販売価格は大幅に上昇いたしました。
輸入南洋材合板は、生産現地であるインドネシアやマレーシアにおいて、新型コロナウイルス感染症の急激な拡大に伴いロックダウンが発令されるなど深刻な状況が続き、原木の供給量や人員が不足し生産量が低迷いたしました。このため、産地価格が急激に上昇するとともに、供給不安から国内の販売価格も大幅に上昇いたしました。
この結果、合板事業の売上高は24,096百万円(前期比3.2%増)、セグメント利益は2,535百万円(前期比37.6%増)となりました。
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ3,731百万円増加し、20,224百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益4,099百万円となり、減価償却費の計上による1,978百万円の増加や、持分法投資利益の計上による255百万円の減少、売上債権の増加による1,135百万円の減少、たな卸資産の減少による393百万円の増加、仕入債務の減少による2,217百万円の増加、未払消費税等の減少による318百万円の減少、法人税等の納付による725百万円の減少などの要因から、6,869百万円の収入(前期は3,273百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資などの有形固定資産の取得による1,066百万円の減少などの要因から、1,174百万円の支出(前期は3,145百万円の支出)となりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による1,281百万円の減少、リース債務返済による259百万円の減少、配当金の支払額407百万円などの要因から、1,957百万円の支出(前期は1,077百万円の支出)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、製品製造原価によっており、消費税等は含まれておりません。
当社グループの生産は主に見込生産を行っているため、記載を省略しています。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績及びそれぞれ総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
また、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定における新型コロナウイルスの感染による影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
当連結会計年度(2020年12月~2021年11月)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の長期化に伴い経済活動の一部制限が続いたものの、ワクチン接種の進展による経済活動の段階的再開や海外需要の回復等を追い風に、企業業績は持ち直しの動きが見られました。
住宅業界におきましては、米国における住宅需要の急激な拡大等によって世界的な木材の供給不足や価格高騰を引き起こしたウッドショックが2021年の春先から顕在化いたしました。その影響により、住宅構造材に使用する輸入木材の需給が逼迫し、代替として国産木材の需要も急増したことから、木材価格が急騰する厳しい事業環境が続きました。一方、新設住宅着工戸数は、コロナ禍における住宅取得意欲の高まりや、住宅ローン減税の契約期限到来による駆け込み需要などの影響から、持家や貸家を中心に回復傾向で推移いたしました。
このような事業環境において当社グループは、原材料の確保や製品の安定供給に努め、コストダウンや生産性向上に取り組むとともに、販売価格の改定を行い収益の確保に努めました。また、建材製品やMDF(中質繊維板)のシェア拡大や国産針葉樹合板の活用推進、非住宅分野やリフォーム・リノベーション分野の市場開拓、抗ウイルス加工を施した製品の開発・拡販など様々な施策に引き続き取り組みました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は64,586百万円となり、前連結会計年度に比べ2,302百万円の増加となりました。営業利益は3,829百万円となり、前連結会計年度に比べ1,041百万円の増加となりました。また、経常利益は前連結会計年度に比べ海外関連会社の持分法による投資利益の増加及び前連結会計年度に発生した災害による損失の保険金を当連結会計年度に計上したことにより4,243百万円となり、前連結会計年度に比べ1,330百万円の増加となりました。これにより当連結会計年度の売上高経常利益率は6.6%となり、前連結会計年度に比べ1.9%の増加となりました。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は、2,535百万円となり前連結会計年度に比べると843百万円の増加となりました。
当連結会計年度の財政状態につきましては、「第2 事業の状況、3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況、3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
また、当社グループの資金需要は、主に製品製造のための原材料・副資材の調達や製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用の支払いにより生じる運転資金と、生産設備の新設及び更新による設備投資資金であります。
なお、当社グループの事業活動を円滑に行うため、営業キャッシュ・フローのほか、安定的な財源確保のため金融機関からの借入金及び社債により資金調達を実施しております。
当社グループの当連結会計年度末の借入金及び社債の残高は,7,676百万円でありますが、営業活動によるキャッシュ・フローや現金及び現金同等物の残高を考慮すると、将来必要とされる運転資金及び設備投資資金、有利子負債の返済に対し、当面十分な流動性を確保しております。
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