課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針、経営戦略

当社グループは、持続的に成長し社会に貢献する企業であり続けるため、以下の通り経営理念を定めております。

〔企業理念〕

 主体的に価値創造に挑戦することにより個の成長を促し、さらなる社会貢献を実現できる企業となる。

〔ミッション〕(社会に果たすべき使命)

・木の良さを活かして快適な空間創造に寄与する。

・木をムダなく使い持続可能な森林循環に貢献する。

〔コアバリュー〕(理念実現のための共通の価値観)

 共生・誠実・しんか(深化・進化・伸化・新化)

これら経営理念を具現化するため、ビジョン2030「木の心地よさを住まいから様々な空間へ」を掲げ、より成長できる企業になることを目指してまいります。

そのための経営戦略として以下の3つを定めるとともに、理念を実現するために当社グループの全役職員が共有する基本姿勢として以下の3つを定めております。

〔経営戦略〕

・木の良さを活かす事業領域への集中

・様々な空間へ対象を拡大しバリューチェーンにおける競争力を強化

・財務・非財務両面の経営基盤の強化

〔理念実現のための基本姿勢〕

・SDGsとリンクしたCSV(共通価値の創造)の推進

・ガバナンスの強化

・コミュニケーションと挑戦を促す企業文化

当社グループは、長年培ってきた合板、MDF(中質繊維板)など木質系建材の素材についてのノウハウを生かし、多様化するユーザーのニーズに適合した総合的な製品群を安定的に提供することにより社会に貢献してまいります。

なお、当業界の指標である新設住宅着工戸数は、少子化、増加した住宅ストック等の観点から減少すると予想しておりますが、高齢化が進展するなか安心安全・快適な住環境の確保や、老朽化した住宅の建替え、リフォーム需要など、住環境の改善に対する潜在的なニーズには根強いものがあると確信しており、当社グループは多様化するユーザーのニーズを迅速、的確にとらえてまいります。また、住宅向けだけでなく、公共・商業施設や宿泊施設など非住宅分野向けの製品開発や販路拡大に取り組み、新たな市場の開拓を図ってまいります。

さらに、為替相場や海外情勢、原材料の資源問題、自然災害や感染症拡大による物流停滞について適切に対応するため、国産材の活用をはじめ、原材料調達パイプの多様化や、原材料の分散化を進めるとともに、一層の品質向上にも努めてまいります。

これらの企業活動を通じ、営業基盤の拡充、経営資源の最適活用、コスト競争力の強化、営業基盤の拡充に努め、永続的な収益力の向上をはかることにより、株主様、取引先様、従業員など全ての利害関係者の信頼にお応えしてまいります。

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、持続的に企業価値の向上を図るために、各種施策の徹底により収益力の強化をはかり、業績の向上や企業体質の強化に努めておりますが、その進捗度合いをはかる経営指標として「営業利益」「経常利益」などの損益項目に加え、「自己資本比率」「売上高経常利益率」を重視し、収益力の高さを維持する経営を実践してまいります。

(3) 経営環境及び優先的な対処すべき課題

2022年11月期の見通しにつきましては、ウッドショックに端を発する原材料・副資材の供給不足や価格高騰は依然として続いており、今後も厳しい事業環境が続くものと思われます。また、新たな変異株による新型コロナウイルス感染再拡大の懸念もあり、景気の先行きは依然として不透明な状況です。なお、長期的には国内人口の減少に伴い、新設住宅着工戸数は継続的に減少するものと予想されます。

当社グループはこのような事業環境のもと、引き続き原材料の確保や製品の安定供給に努めながら、収益確保のため固定費のコントロールなど各種コストダウンの徹底に取り組むとともに、原材料価格高騰によるコストアップに見合った販売価格の改定を必要に応じて実施いたします。また、リフォーム・リノベーションや高齢者施設、幼保施設向け製品の販売強化に加え、公商施設や宿泊施設向け製品の開発や販路拡大など非住宅分野のさらなる市場開拓に引き続き取り組むことによって、フロアや建具、住宅構造材など建材製品を様々な空間に展開し、シェアの拡大を図ります。住宅向けにおいても高齢者の増加やライフスタイルの変化に伴う新たなニーズに応えるため、「ユニバーサル ディレクト」のさらなる充実を図るとともに、抗菌・抗ウイルス製品やテレワーク対応製品などの開発、拡販に取り組みます。さらに、ITの活用により、業務の効率化や従業員の負担軽減を図るとともに、テレワークなど柔軟な働き方を可能にすることで、働き方の多様化や生産性向上、人材確保に努めます。その他にも、安全管理の徹底や設備投資による省力化、人材の育成など各種施策を引き続き実施して、収益性改善と企業体力強化に努めます。

なお、これらと並行し、SDGsへの取り組みとして、植林により再生可能な木材資源である国産材を使用した国産針葉樹合板や、再生資源・未利用資源である廃木材のチップを使用したMDFを引き続き積極的に活用するとともに、健全な森林を整備するため、これらの原材料として間伐材を積極的に受け入れることで、CO2の削減や持続可能な森林循環に貢献してまいります。

 

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