業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度(2021年4月1日~2022年3月31日)における我が国経済は、昨年度に続き新型コロナウイルス感染症の影響により社会・経済活動に甚大な影響を受けるとともに、ウクライナ情勢の深刻化やインフレの加速により、景気動向については不安定な状況が続いております。

 印刷業界においては、日本国内において印刷需要が減少する中、受注競争による単価の下落、サプライチェーンの混乱、また海外においても現地企業との受注競争の激化等、依然として厳しい経営環境が続いております。

 このような状況のもと当社グループは、新型コロナウイルス感染症の収束長期化に加え世界的な半導体不足及び原材料高騰等により業績の見通しが立たない中、「新・中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)」三年目にあたり、「顧客企業における最高のサプライヤーになる基盤を整備する」を経営の基本方針に掲げ、成長に向けた新たなチャレンジによる売上の拡大と新基幹システム構築による効率化の推進により収益の改善に取り組んでまいりました。

 その結果、当連結会計年度の売上高は9,594百万円(前年同期比90.9%)と減少となりました。

 利益面につきましては、売上原価、販売費及び一般管理費の削減に努めた結果、営業利益は105百万円(前年同期は10百万円の営業損失)となりました。また、受取配当金及び為替差益の計上により経常利益は116百万円(前年同期は115百万円の経常利益)となり、固定資産売却益を57百万円及び受取保険金を55百万円、マレーシア子会社における災害損失等を180百万円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は35百万円(前年同期は133百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

日  本

売上高は7,429百万円(前年同期比95.6%)、セグメント損失は10百万円(前年同期は55百万円のセグメント損失)であります。

 

中  国

売上高は1,345百万円(前年同期比145.0%)、セグメント利益は25百万円(前年同期は27百万円のセグメント利益)であります。

 

アセアン

売上高は819百万円(前年同期比44.1%)、セグメント利益は106百万円(前年同期は31百万円のセグメント利益)であります。

 

財政状態につきましては、当連結会計年度末における総資産の残高は11,843百万円となり、前連結会計年度末比203百万円減少いたしました。これは、主に現金及び預金が464百万円、商品及び製品が205百万円、電子記録債権が170百万円、その他流動資産が319百万円増加いたしましたが、受取手形、売掛金及び契約資産が623百万円、原材料及び貯蔵品が556百万円減少したことによるものであります。

負債総額は4,125百万円となり、前連結会計年度末比107百万円減少いたしました。これは、主に電子記録債務が407百万円、短期借入金が444百万円増加いたしましたが、支払手形及び買掛金が990百万円減少したことによるものであります。

また、純資産総額は7,717百万円となり、前連結会計年度末比95百万円減少いたしました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益35百万円を計上したものの、配当金の支払30百万円及びその他有価証券評価差額金61百万円、為替換算調整勘定39百万円が減少したことによるものであります。この結果、自己資本比率は65.2%(前連結会計年度末は64.9%)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,934百万円(前年同期比465百万円増)となりました。

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により獲得した資金は、67百万円(前年同期は147百万円の使用)となりました。これは税金等調整前当期純利益47百万円(前年同期は46百万円の税金等調整前当期純損失)に非資金損益項目や営業活動に係る資産及び負債の増減等を加減算しております。主な加算要因は、減価償却費160百万円、売上債権の減少額531百万円、棚卸資産の減少額379百万円等であり、主な減算要因は、仕入債務の減少額709百万円、為替差損益47百万円、その他の流動資産の増加額236百万円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により使用した資金は、62百万円(前年同期比139.8%)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出67百万円、無形固定資産の取得による支出46百万円等の資金の減少要因によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により獲得した資金は、406百万円(前年同期比163.5%)となりました。これは主に、短期借入による収入444百万円等の資金の増加要因によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

  イ.生産及び仕入実績

  当連結会計年度の生産及び仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

日本(千円)

7,558,879

97.6

中国(千円)

1,393,411

157.3

アセアン(千円)

812,106

43.1

合計(千円)

9,764,398

92.8

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.不動産賃貸事業は、事業の性質上生産及び仕入実績には含まれておりません。

 

  ロ.受注実績

  当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

日本

7,221,188

96.9

545,475

74.1

中国

1,296,426

159.9

117,664

70.6

アセアン

832,009

45.0

50,842

133.5

合計

9,349,624

92.5

713,982

75.9

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.不動産賃貸事業は、事業の性質上受注実績には含まれておりません。

 

  ハ.販売実績

  当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

日本(千円)

7,429,937

95.6

中国(千円)

1,345,457

145.0

アセアン(千円)

819,254

44.1

合計(千円)

9,594,649

90.9

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2020年4月1日

至  2021年3月31日)

当連結会計年度

(自  2021年4月1日

至  2022年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

SONY TECHNOLOGY(THAILAND)CO.,LTD

1,755,260

16.6

128,628

1.3

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループは、新型コロナウイルス感染症の収束長期化に加え世界的な半導体不足及び原材料高騰等により業績の見通しが立たない中、「新・中期経営計画(2020年3月期~2022年3月期)」三年目にあたり、「顧客企業における最高のサプライヤーになる基盤を整備する」を経営の基本方針に掲げ、成長に向けた新たなチャレンジによる売上の拡大と効率化の推進による収益の改善に取り組んでまいりました。その結果、当連結会計年度の売上高は、9,594百万円(前年同期比90.9%)と減収となりました。

 利益面につきましては、売上原価、販売費及び一般管理費の削減に努めた結果、営業利益は105百万円(前年同期は10百万円の営業損失)となりました。また、受取配当金及び為替差益の計上により経常利益は116百万円(前年同期は115百万円の経常利益)となり、固定資産売却益を57百万円及び受取保険金を55百万円、マレーシア子会社における災害損失等を180百万円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は35百万円(前年同期は133百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、持続的な成長のための積極的な投資と株主への最大限の利益還元に必要な資金の確保、並びに強固な財政基盤の維持を目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの創出に努めております。

 その他運転資金及び設備投資資金については、主として自己資金から充当し、必要に応じて金融機関からの借入れにより調達していく方針であります。

 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、2019年6月に策定いたしました「新・中期経営計画(2019年3月期~2022年3月期)」において、市場環境や当社グループの現況等を総合的に検討し、連結営業利益率目標を1.1%並びに連結営業利益目標を150百万円としております。

 当連結会計年度については、印刷需要が減少するなか受注競争による単価の下落等、依然として厳しい経営環境が続いている中、前年比では大幅に利益改善となりましたが、連結営業利益率、連結営業利益ともに目標を下回る結果となりました。

 

 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

日  本

 パネル関連製品の幅広い営業展開と、シール・ラベル製品の受注確保のため既存取引先の深耕のほか日用品関連等の新規分野への営業展開を積極的に行い、製造面については、歩留率の改善等による効率化を重点的に進めてまいりました。

 電気機器関連のラベル・ステッカー関連製品が減収となったことにより、当連結会計年度の売上高は7,429百万円(前年同期比95.6%)となりました。また、利益面については、販売費及び一般管理費の削減に努めましたものの、セグメント損失は10百万円(前年同期は、55百万円のセグメント損失)となりました。

 日本セグメントに所属する連結子会社は、株式会社トムズ・クリエイティブであります。

 

中  国

 中国セグメントにつきましては、連結子会社燦光電子(深圳)有限公司について、2019年8月に製造工場を閉鎖し、販売会社として国内の営業部門及び生産提携先との連携を強化し、中国市場における業績の安定化を目指して積極的な営業展開を継続いたしました結果、当連結会計年度の売上高は1,345百万円(前年同期比145.0%)となり、セグメント利益は25百万円(前年同期は27百万円のセグメント利益)となりました。

 なお、中国セグメントに所属する連結子会社は、光華産業有限公司及び燦光電子(深圳)有限公司で あります。

 

アセアン

 アセアンセグメントに所属する連結子会社サンコウサンギョウ(マレーシア)SDN.BHD.、サンコウサンギョウ(バンコク)CO.,LTD.及びサンコウサンギョウ(ベトナム)CO.,LTD.につきましては、日本国内外からの営業面・製造面の支援を受け、積極的な営業活動及び製造工程の改善等を図っております。

 その結果、新型コロナウイルス感染症の収束長期化による活動制限及び渡航制限の影響を大きく受けたものの、AV機器関連シール・ラベル分野において受注増となりました。しかしながら電気機器関連のパネル事業においては受注減となり、当連結会計年度の売上高は819百万円(前年同期比44.1%)となりました。利益面においては、マレーシアにおける受注増とタイ工場閉鎖による製造原価、販売費及び一般管理費の削減により、セグメント利益は106百万円(前年同期は31百万円のセグメント利益)となりました。

 

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