課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

 当社は、経営理念に基づき、お客様の製品づくりや商品販売の一翼を担っているという誇りと責任感を常に持ち、

①包装資材事業を中心に、良質な製品を適時に、かつ、十分に供給いたします。特に、環境や社会に十分に配慮した素材や製品を開発し供給いたします。

②長年の知識・経験と技術力をベースとして技術革新に挑み、「よきモノづくり」を極めること、きめ細かいサービス提供に徹することで、お客様のご要望にお応えすることを目指します。

③それらを進めることで、株主様、お客様、取引先様、地域社会の皆様、そして、従業員などのすべてのステークホルダーの皆様の多様なニーズに的確にお応えし、豊かな社会への貢献を目指します。

 

<経営理念>

 ・お客さまに学べ  それが社会への貢献につながる

 ・技術革新に挑め  それが会社の発展につながる

 ・夢と利益を追え  それが皆の幸福につながる

 

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、自己資本利益率(ROE)を会社の総合力を判断する指標として位置付け、収益の向上に努めております。2024年度を最終年度とする中期経営計画において自己資本利益率(ROE)3%を目標としており、また、中長期的には5%達成を目指してまいります。

 

(3) 経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 今後の見通しについては、わが国経済は、新型コロナウイルス感染症が若干の落ち着きを見せるものの、依然としてインバウンド需要の回復は見込めず、また、渡航・外出の抑制や雇用・所得環境の悪化などによる個人消費の低迷などから主に非製造業を中心とした企業業績の不振が続くことを背景に、本格的な景気回復には時間を要することが予想されます。また、ロシアによるウクライナ侵攻や原油をはじめとする資源高、円安などを背景に不透明な経済状況が続くことが予想されます。

 包装資材事業をめぐる情勢については、新型コロナウイルス感染症の一定の収束に今しばらくの時間を要すると見込まれることや雇用環境の悪化、少子高齢化の進行による将来不安、一般消費財価格の値上がりなどにより個人消費がさらに低迷する懸念もあり、厳しい事業環境が続くことが予想されます。

 このような状況の中、当社グループは、引き続き経営管理体制及び業務執行体制の強化を図り、厳しい事業環境に迅速に対応するとともに、お客様へ当社製品を安定的に供給するために新型コロナウイルス感染防止対策の徹底を継続しつつ、業容の拡大を目指し、新規分野の開拓、定期品の受注増大、環境や衛生面に配慮した材料・製品の企画提案、差別化された商品・技術の開発などで競争優位性の確保・拡大に注力してまいります。また、CO2排出削減・廃棄物低減をはじめ、内部管理体制の強化、人財育成を通したESG経営を実践・強化することで、持続的成長・企業価値向上に努め、SDGsに貢献してまいります。

 包装資材事業については、まず営業面で、引き続き環境配慮資材や当社デザイン・構造設計に係る企画力並びに加飾技術力のアピールなど企画提案型の営業活動を継続的にきめ細かく実施し、新型コロナウイルス感染拡大により売上が減少した化粧品分野を中心とした受注拡大、医薬品・食品・日用品分野の既存客先からの受注拡大とグローバル企業を含む新規客先の開拓、ラベル部門での新規分野・新規客先の開拓に積極的に取り組むとともに、採算性を一層重視した受注活動に注力してまいります。また、ベトナム現地法人(TOIN VIETNAM CO., LTD.)及びタイ現地法人(TOIN (THAILAND) CO., LTD.)は、既存客先からの増注を図るとともに、トーイングループの認知度アップを図りつつ、当社グループのさらなる連携強化と協力会社ネットワーク拡大を推進し、東南アジア全域の日系企業、外資系企業並びにベトナム及びタイ国内のローカル大手企業のさらなる開拓、増注を図ってまいります。

 また、包装資材の周辺事業として、市場のニーズに即した製品の開発・販売や包装機械メーカーとのタイアップによる包装機械と包装材のセット販売などを模索してまいります。さらに、収益面においては、エネルギーや諸資材の価格上昇、物流コストの上昇に対して、お客さまのご理解をいただきつつ、諸施策を実施してまいります。

 生産面においては、工場運営の効率化、省人化・省力化・省エネルギー化の推進、品質管理体制の一層の強化、DX推進による業務プロセスの改革と品質・生産性向上の検討、外部協力会社のネットワーク拡大等を推進するとともに、ベトナム現地法人(TOIN VIETNAM CO., LTD.)は、品質保証体制の再構築、新技術の習得、最適な材料調達ルート確立のための諸施策の実行と内部管理体制の改善・強化を継続し、収益基盤の安定化に努めてまいります。

 

 

 

 精密塗工事業については、新たな商品開発での事業範囲の拡大を推進することなどで新規分野・新規客先の需要先の開拓に注力するとともに、生産面では、生産体制の整備を図り、引き続き高品質な商品提供ときめ細かなサポートにより売上の拡大・安定と収益性の向上による事業の安定化を目指してまいります。

 その他事業については、デザインからアッセンブルまでの一貫受注体制をセールスポイントに、医薬部外品・化粧品・食品製造の許認可を活用しつつ、引き続き定期的な商品の受注拡大に注力してまいります。生産面では、フレキシブルな生産体制の編成、省人化・省力化等の推進により生産力の向上を図るとともに、HACCP取得により、お客様のニーズに対応した品質保証体制を一層強化し、コスト競争力の強化に努めてまいります。

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