課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、いかなる経営環境においても揺るぎない経営基盤を構築するとともに、お客様満足度の高い製品・サービスの提供により、地域並びにお客様とともに成長していくことを経営の基本方針としております。

(2)経営環境

 当社グループが取り扱っている製品は、主に住宅の水回りに関連した上水道・下水道の整備に用いられることから、業績は新設住宅着工戸数の動向による影響を大きく受けます。長期的には、人口減少・少子高齢化に伴う市場の縮小が予想されており、当社グループを取り巻く経営環境は厳しい状況にあります。

(3)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題

 上記のような経営環境を踏まえ、当社グループが持続的に成長・発展していくため、2021年度から2023年度の3か年を対象とした、中期経営計画「Look Forward 2023」を策定し各施策への取り組みを進めております。

 中期経営計画「Look Forward 2023」最終年度の目標は、売上高220億円、営業利益13億10百万円、親会社株主に帰属する当期純利益9億50百万円の達成としております。目標達成のために、以下の施策を推進してまいります。

 

<ESGを意識した取り組み>

 サステナビリティの向上を伴う成長を実現すべく、中期経営計画「Look Forward 2023」のテーマとして設定いたしました。環境問題への取り組みとして、太陽光発電設備導入や非化石証書付き電力の使用等によりCO2排出量30%削減(2019年度比)を目指します。また、社会課題・ガバナンスへの取り組みとして、労務関連課題の整理・中長期的方向性の検討や新しいコーポレートガバナンス・コードへの対応を行ってまいります。その他現在すでに取り組んでいるESG関連施策については、活動の継続とその積極的な周知を図ってまいります。

 

<成長ドライバーの創出>

①既存事業・既存製品の拡充

 前中期経営計画「TakeAction2020」を通じて、ある程度具現化されてきた事業・製品についてさらなる拡充を目指してまいります。「災害分野」につきましては、主に豪雨対策に関連する製品群を中心に拡販を図り、また災害用浄水器のリニューアルにも取り組んでまいります。「ビル設備分野」につきましては、「ビニコア」の拡販を継続するとともに新規商材を開拓してまいります。順調に実績を伸ばしてきている「エクステリア分野」につきましても、さらなる拡充を目指してまいります。

②新規事業・新規市場の開拓

 今後の新たな成長の種を生み出していくために、継続的な新規事業・新規市場の開拓を行ってまいります。海外展開につきましては、前中期経営計画期間中にテクニカルサポート契約を締結したインドネシアのPT.Wahana Duta Jaya Rucika社との協力体制を軸に、同国における市場開拓の可能性を模索してまいります。植物工場に関連する事業につきましては、前中期経営計画期間中に製品化した培地用ウレタンマットの拡販・改良を行うとともに、この製品を端緒とした新たな展開の方向性を検討してまいります。また熱硬化性樹脂に関する研究を継続し、事業化を目指してまいります。その他経常的に新規事業、新規製品に関する案件を探索してまいります。

 

<基盤整備(Phase2)>

①収益構造の改革

 管工機材分野につきましては、引き続き製造工程における自動化・標準化を推進し、また既存製品群の見直し・強化、物流関連コストの最適化についても継続的に取り組んでまいります。

 水処理分野につきましては、新規案件、メンテナンス案件、商材販売に投下するリソース配分について再考すること、各種プラスチック成形分野につきましては、売上構成を転換し、生産効率の一層の向上を図ることなどにより収益改善を目指します。

②フレキシブルな体制の構築

 販売管理システムの更新を契機として、営業事務作業の一部自動化を図れるような仕組みを導入してまいります。また、ペーパーレス化、ワークフローシステム化を推進し、多様な勤務体系の導入を行うことで従業員一人一人の働き易さを向上させ、結果として生産性の向上を図ってまいります。

 

(4)新型コロナウイルス感染症の影響について

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が長期化する中、ワクチン接種の進展に伴い経済活動には回復の兆しが見受けられるものの、国内経済の先行きは依然として不透明な状況にあります。

 当社の取り扱う製品は、主に住宅の水回りに関連した上水道・下水道の整備に用いられることから、業績は新設住宅着工戸数の動向による影響を大きく受けますが、コロナ禍における住宅需要の高まりは依然として強く、引き続き堅調に推移するものと思われます。

 

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