業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況及び分析

 当社グループは、創業以来の原点である「現場主義」「顧客第一主義」を徹底し、製造業としての基本3本柱である「もっとも高品質で環境に配慮した製品を」「どこよりも競争力のある価格で」「必要なときに確実にお届けする」を実践しております。創業60周年を迎える2022年は「飛躍」をテーマとし、当社グループのあらゆるインフラを活用しながら、さらなる成長を目指しております。

 

(売上高の状況)

 当連結会計年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで)の売上高は1,957億円(前期比104.4%)となり、

過去最高を更新いたしました。当社グループにおいて生産する製品の売上高は1,517億70百万円(前期比103.4%)、当社グループが仕入販売する商品の売上高は439億29百万円(前期比107.9%)となりました。なお、当社グループは当連結会計年度より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用しており、

前期比については、2021年3月期に当該会計基準等を遡って適用した後の数値となっております。当連結会計年度における製品売上数量の前期比は103.0%となりました。

 スーパーマーケット向け容器については、内食需要が急増した前連結会計年度の反動から生鮮食品向け汎用容器の出荷が低調となった一方、惣菜向け容器の出荷は堅調に推移いたしました。

 飲食店におけるテイクアウト・デリバリーにおいては、大手外食チェーンや高級レストランによる取り組みが広がるなど市場の拡大が続いており、包装資材のECサイト「パックマーケット」の活用や飲食店への販路を持つ食材卸問屋との協業など新たな取り組みを通じた売上が拡大しております。

 以上のように需要が大きく変化する中、2020年9月以降はサプライチェーンマネジメントシステムにより、ほぼ

欠品のない供給体制を構築することができました。引き続き更なる精度向上に努め、安全安心な食生活を支えてまいります。

 

(利益の状況)

 当連結会計年度の営業利益は、前年同期に比べ28億78百万円の減益となる158億84百万円(前期比84.7%)、

経常利益は前年同期に比べ26億78百万円の減益(※1)となる167億3百万円(前期比86.2%)、償却前経常利益は、303億40百万円(前期比92.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益は112億6百万円(前期比91.8%)となりました。利益増加要因として、2021年10月に発表した価格改定による効果、テイクアウト・デリバリー向け容器の販売量増加や生産・物流現場における改善効果があった一方、減少要因として原料価格の上昇、電力料金の上昇、人件費及び労務費の増加がありました。また、中部第一工場の火災事故に伴う受取保険金23億62百万円、グループ会社の資産売却に伴う固定資産売却益2億41百万円を特別利益として計上した一方、火災事故に伴う経費の増加として火災損失63百万円、焼失した工場の代替資産として建設中の新工場に係る固定資産圧縮損22億29百万円、退職金制度変更に伴う退職給付費用2億32百万円等を特別損失として計上いたしました。

 なお、2021年10月29日に発表した修正計画策定時点の社内見通しに対し、当連結会計年度の経常利益は13.0億円の未達となりました。主な要因は、価格改定による利益増加があったものの、原料価格のさらなる急騰、電力料金の上昇によるコストの増加、前期の反動による生鮮食品向け汎用容器の出荷量減少によるものであります。

 

(※1)経常利益 利益増減要因

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(経営上の目標の達成状況)

 当社グループの連結経営目標は、売上高3,000億円、経常利益300億円、売上高経常利益率10%以上、1株当たり当期純利益250円としており、当連結会計年度における売上高は1,957億円、経常利益は167億3百万円、売上高

経常利益率は8.5%、1株当たり当期純利益は136.96円となりました。また、当社グループは、中長期的に資本

コストを上回るROE(自己資本利益率)を継続的に高めることが企業価値を向上させ、株主重視の経営につながると考えており、当連結会計年度におけるROEは8.8%となりました。引き続き、当社グループの成長戦略を推進し、収益拡大に取り組んでまいります。

 

(営業活動の状況)

 営業活動においては、容器によってお客様の生産性向上に貢献すること、容器によってお客様の価値を創造することにより、お客様の収益拡大に貢献するご提案を行っております。また、既存のお客様の深堀りによる取り組みの強化、冷凍食品・病院介護食などの新市場の発掘に加え、新たな販路であるテイクアウト・デリバリー市場に

当社グループ製品を浸透させるための取り組みを行っております。

 2022年3月23日から25日にかけて開催しましたエフピコフェア2022では、「これからの・あたりまえ」をテーマに、原油高やコロナ禍におけるサプライチェーンの乱れからあらゆるモノの価格が上昇している状況下、容器でできるお客様のオペレーションコスト低減、お客様の環境経営につながるエコ戦略、お客様の商品が売れる提案や

冷凍食品売り場への展開など、今後を見据えたご提案を行いました。

 また、新たな需要の取り込みに向け、当社グループは包装資材のECサイト「パックマーケット」の品揃え充実、WEBマーケティングや、Instagram・YouTube・LINEなどSNSによる情報発信を通じた認知度向上への取り組みを進めております。

 

(生産部門の状況)

 生産部門においては、設備稼働率の向上、自動化の推進等により生産性の向上に努めており、2022年3月末時点で生産工程67ラインに自動化設備95台が稼働しております。また、食品安全マネジメントシステムの国際規格であるFSSC22000認証を通じた品質向上への取り組み、危険体感講習等を通じた安全教育の取り組みを推進しております。

 2020年11月30日の火災により被災した中部第一工場については新たな工場(2022年5月完成)を建設し、中部

地区の需要増加への対応及び自動化設備などの導入による生産性向上を図っております。

 今後の需要増加への対応及び製品の安定供給を目的として、関西工場(2022年9月完成予定)の建設を進めております。関西工場には生産ラインの新設に加え、福山エリアの生産能力の約3割を移設し、大都市圏である近畿

エリアに向けて生産を行ってまいります。工場近隣には単身寮であるピコハウス5号館(140戸、2022年9月完成予定)を建設し、人材確保に努めてまいります。さらに、2022年7月に茨城県坂東市に新たな土地を取得予定(2022年4月売買契約締結、敷地面積:51,810㎡)であり、首都圏エリアへ向けて中長期的に安定供給できる生産能力と保管能力を確保するため生産工場及び配送センターの建設を検討しております。

(物流部門の状況)

 当社グループは、物流コスト抑制のため、自社便比率を高め、かつトラック1台当たりの積載効率の向上に努めております。

 物流倉庫内作業においては無人搬送車(Automated Guided Vehicle)及び無人搬送フォークリフト(Automated Guided Forklift)の導入、音声ピッキングシステム、パレット輸送などの活用により、省人化及び効率化に向けた取り組みを一層強化しております。

 今後の需要増加への対応及び製品の安定供給を目的として、納品エリアに応じて仕分けを行う自動ソーター出荷

システムを備えた中部ハブセンター(2021年9月完成)を増築いたしました。中部ハブセンターの稼働に伴い、

全国の出荷量の約75%が自動ソーター出荷システムによる仕分けとなり、荷役コストの低減と積込み時間の短縮に寄与しております。また、関西工場と併設して建設中の関西ハブセンター(2022年9月完成予定)に加え、関西

工場・関西ハブセンターの敷地から約300mの距離にある別区画の土地を2022年9月に取得予定(2022年3月売買契約締結、敷地面積:29,130㎡)であり、新たな選別・配送センターの建設を検討しております。これらの設備

投資により、日本全国の当社拠点配送センター(北海道、東北、関東、八王子、東海、中部、関西、福山、九州)から半径150㎞圏内で、主要都市を含む全人口の7割をカバーできる物流ネットワークが完成いたします。

[新工場・新ハブセンターの概要]

 

中部ハブセンター

中部第一工場

関西工場・関西ハブセンター

所在地

岐阜県安八郡輪之内町

岐阜県安八郡輪之内町

兵庫県小野市

延床面積

27,575㎡

20,902㎡

79,511㎡

完成時期

2021年9月

2022年5月

2022年9月

投資総額

5,855百万円

8,529百万円

(圧縮記帳後 6,300百万円)

25,261百万円

 

(循環型のサステナブルな社会の実現に向けた取り組み)

 当社グループは、気候変動問題及び海洋プラスチックごみ問題を対処すべき重要な課題と考えており、課題解決に向けて以下の取り組みを推進しております。

(a) リサイクルの推進

 当社グループ一丸となって、リサイクルに本気で取り組んでおります。1990年に6ヶ所のスーパーマーケットの使用済み容器回収ボックスからスタートしたエフピコ方式のリサイクルは、消費者の皆様のご理解・ご協力をいただき、2022年3月末時点で回収拠点が10,000ヶ所を超えました。この当社グループの自主的な取り組みは、1997年に施行された容器包装リサイクル法に基づく分別・収集の仕組みと合わせて、使用済み容器を資源として有効利用する社会インフラとして定着しております。

 昨今の環境意識の高まりを背景に、小売店の売り場において環境配慮及びSDGsへの貢献を訴求するパネル等による表示(※2)が急速に拡大しており、当社製品においてもエコ製品(エコトレー、エコAPET容器、エコOPET容器)へのエコマーク表示や「ペットボトルリサイクル品」の刻印追加を通じて、使用済み容器が再び新たな容器にリサイクルされていることをお伝えしております。このような動きを受け、CO2削減に貢献するエコ製品の引き合いが一段と増加しており、当連結会計年度の製品売上枚数に占めるエコ製品の割合は44%となりました。

 また、小売各社が省資源化の目標設定や取り組みを進める中、容器の機能を維持しつつプラスチック使用量を削減する施策として、再生原料を使用したエコ製品の販売拡大に加え、発泡素材を使用しプラスチック使用量を削減した製品等への切換え提案を進めております。

 

(※2)売り場での環境配慮及びSDGs訴求事例

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(b) 気候変動問題への取り組み

 当社グループは、石油由来製品と比較してCO2削減効果が30%あるエコ製品の販売によりサプライチェーン

全体のCO2排出削減を推進するとともに、当社グループ事業における2050年のカーボンニュートラル達成に向けた温室効果ガスの排出量削減に関する中長期目標を定め、2022年3月にTCFD提言へ賛同表明するとともに、TCFD提言に基づく開示を通じて、これらの目標達成に向けたガバナンス、戦略などを公表しております。

 再生可能エネルギーの導入については、2022年3月、関東エコペット工場及び関東八千代工場に設置した太陽光発電設備が稼働開始いたしました。今後、太陽光発電を中部・関西エリアへ展開することで、使用済みトレーリサイクル工場における再生原料製造工程を全て再生可能エネルギーでまかなうことが可能となり、エコトレーのCO2削減効果が30%から37%に上昇する見込みです。

 

(c) エフピコ環境基金を通じた取り組み

 当社は2020年3月にエフピコ環境基金を創設し、“環境保全”、“環境教育・研究”、“「食」の課題解決・「食」支援に関わる活動”の3分野においてさまざまな角度から活動をされている団体への助成を通じて、地域の皆様とともに持続可能な社会の構築を目指しております。2022年3月期は14団体へ助成を行い、また当社

グループ従業員も助成先団体の活動へ参加するなど、環境問題の解決に向けた取り組みを加速してまいります。

 

(d) 各種リサイクル手法及び代替素材の研究開発

 当社グループは、リサイクルの拡大推進が気候変動問題及び海洋プラスチックごみ問題の有効な対策の一つと

考え、単一素材におけるリサイクルの技術と仕組みが確立しているエフピコ方式のリサイクル「トレーto

トレー」「ボトルtoトレー」を着実に実行してまいります。さらに、発泡ポリスチレン容器の完全循環型リサイクルを目指し、DIC株式会社と協業しケミカルリサイクルの検討を行っております。従来、日用品雑貨等に

リサイクルされていた色柄付き発泡ポリスチレン容器を、ポリスチレンの原料であるスチレンモノマーへ再生し、最終的に当社製品へのリサイクルを目指してまいります。

 製品ラインナップ拡大の一環として、2020年6月に上市した植物由来原料を25%配合したバイオマスプラス

チック製品に加え、2021年4月には紙トレー、2021年12月にはエフピコチューパ㈱にて紙弁当容器(本体・蓋)、2022年2月には丼型の紙容器を上市いたしました。なお、当社及びエフピコチューパ㈱、エフピコ商事㈱はFSC®認証(FSC®C163782)を全営業所及び紙製品製造工場で取得しております。これら代替素材の特徴や環境に与える影響等について、お取引先様をはじめとするステークホルダーの皆様への正確な情報発信に努めてまいります。

 引き続き、技術は進歩するという前提のもと、石油由来のプラスチックに代わる選択肢として、各種リサイクル手法の調査研究や紙・バイオマス等新素材の情報収集を進めるとともに、環境負荷の低い容器の開発を通して、循環型社会の実現と持続可能な社会の構築を目指してまいります。

 

(ESG・SDGsへの取り組み)

 当社グループは、エフピコ方式のリサイクル、障がい者雇用に加え、人権やガバナンスに関する取り組みの強化並びに情報開示の充実化を図っております。ダイバーシティ(多様性)の推進に向け、障がいのある従業員が活躍できる仕事、内容を考え、働きやすい職場環境を創出して障がいのある従業員の雇用を促進しております。2022年3月時点で、エフピコグループの障がい者雇用率は12.6%となりました。さらに、女性従業員の職域拡大、継続

就業支援、管理職の増加を目指す取り組みに関して「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画」を厚生労働省の女性の活躍推進企業データベースに掲載し、2022年以降採用の女性比率について総合職30%以上、2026年までに女性管理職を50名、男性の育児休業の取得率を30%以上とする目標を定め、様々な取り組みを推進しております。

 また当社は、従業員の健康管理を経営的視点で考え、戦略的に実践することで、従業員の活力及び生産性の向上につなげていく健康経営に取り組み、2022年3月に「健康経営優良法人2022(大規模法人部門)」の認定を取得しました。

 これらの取り組みの結果、当社は、FTSE Russellの「FTSE4Good Index Series」、「FTSE Blossom Japan Index」、「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」、MSCI社の「MSCI 日本株女性活躍指数(WIN)」の構成銘柄に選定されております。

 また、お取引先様と共同し子ども食堂への容器提供を実施しており、2020年5月以降、弁当容器・汁物容器等を9回にわたり計752,280セット提供いたしました。

 引き続き、SDGs(持続可能な開発目標)の実現に向けた取り組みを実施してまいります。

 

(今後の見通し)

 新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、当社グループは食の需要動向の変化を引き続き注視してまいります。

 原料面については、当社グループ製品主要原料であるポリスチレンの価格が2021年4月、7月、10月と3回にわたり上昇したことから、2021年10月に「価格改定のお願い」を発表し、当社製造製品について価格改定を実施いたしましたが、その後、ロシア・ウクライナ情勢を背景とする原油価格の大幅な急騰、それに伴う国産ナフサ及びベンゼンの急騰、また円安の進行により、原料全般が予想を大きく上回る上昇幅となり、さらに生産設備等で使用する電力料金についても近年例のない水準で高騰が続いております。このような状況下、当社グループは使用済み

容器など回収原料の調達量拡大に加え、生産部門における自動化、物流部門における積載効率改善、製品アイテム数の適正化などあらゆる部門で合理化の取り組みを実施しておりますが、大幅な原料価格や電力料金の高騰を自助努力で吸収することが極めて困難な状況にあることから、2022年6月1日出荷分より、当社製造製品全般において15%以上の価格改定を発表いたしました。

 販売面については、環境意識の高まりを背景にエコ製品及びプラスチック使用量を削減した製品の一層の需要

増加が見込まれます。新市場として、テイクアウト・デリバリー市場、冷凍食品市場及び病院介護食市場の更なる拡大・定着が見込まれます。冷凍食品市場に対しては、お客様のニーズに合わせ、耐熱・耐寒性及び断熱性を併せ持つマルチFP容器、冷凍下の衝撃に対して破損しにくいエコOPET容器、従来品と比較しプラスチック使用量を削減できる耐寒PPi-タルク容器等をご提案しております。

 当社グループの更なる企業価値向上を目指すための組織再編について、エフピコ商事株式会社(以下、エフピコ商事)とエフピコみやこひも株式会社(以下、エフピコみやこひも)が、2022年7月1日を効力発生日として、

エフピコ商事を存続会社とする吸収合併を実施いたします。エフピコみやこひもの持つ包装資材問屋及びその先のユーザーに対する販売網にエフピコ商事が有する商品のマーチャンダイジング力及び商品調達力を組み合わせることにより、顧客ニーズに応じた商品提案が可能となり、資材消耗品の販売増加に寄与するものと考えております。

 また、当社は、東南アジアを中心に簡易食品容器の製造・販売を行うLee Soon Seng Plastic Industries Sdn. Bhd.(本社:マレーシア、以下「LSSPI社」といいます)の株式を三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、以下「三井物産」といいます)が60%、当社が40%取得する株式譲渡契約を締結し、LSSPI社を持分法適用関連会社とすることを決定いたしました。

 東南アジア市場は人口増加や所得水準の向上による食品容器市場の拡大が見込まれます。当社は、製造面における省人化や成形サイクル短縮などによる生産能力の増強やコストダウン及び高付加価値製品の開発を支援し、三井物産は、アジア市場で1,000を超える出資・提携先を持つネットワークを活用した販売拡大を目指します。上記取り組みにより、LSSPI社の東南アジア地域における競争力向上と利益の最大化を実現させてまいります。

 これらの価値創造提案や新マーケット創出に加え、リサイクル技術の研究開発、M&Aなどを通じて、持続的な成長を目指してまいります。

 2023年3月期の連結業績予想につきましては、売上高2,120億円(前期比108.3%)、営業利益164億円(前期比103.2%)、経常利益170億円(前期比101.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益112億30百万円(前期比100.2%)としております(※3)。上記の見通しにつきましては、当社グループが現時点で入手可能な情報に基づき判断したものであり、今後、様々な要因によって業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がありますが、開示すべき事項が生じた場合には、速やかにお知らせいたします。

 

 

(※3)経常利益 利益増減計画

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(用語説明)

エコトレー

:スーパーマーケットの店頭などから回収されたポリスチレン容器と工場内端材を原料とするリサイクル発泡ポリスチレン容器(1992年販売開始)

エコAPET容器

:スーパーマーケットの店頭などから回収されたPET透明容器、PETボトル及び工場内端材を原料とするリサイクルPET(ポリエチレンテレフタレート)透明容器

耐熱温度+60℃(2012年販売開始)

エコOPET容器

:エコAPET容器と同じ原料を使用する二軸延伸PETシートから成形したリサイクルOPET

 透明容器

耐油性に優れ、透明度も高くOPS容器(従来からの二軸延伸ポリスチレンシートから成形した透明容器)と同等の耐熱性を実現

耐熱温度+80℃(2016年販売開始)

マルチFP容器

:-40℃~+110℃の耐寒・耐熱性及び断熱性に優れた発泡PS(ポリスチレン)容器

 冷凍からレンジ加熱まで幅広い用途で使用可能(2010年販売開始)

耐寒PPi-タルク容器

:従来の耐寒PPフィラー容器と比較し、強度を保ちながらプラスチック使用量を削減した

 容器(2022年販売開始)

FSC®

 

:Forest Stewardship Council®(FSC®)は、責任ある森林管理を世界に普及させることを

 目的とする国際的な非営利団体。FSCは、環境、社会、経済分野の利害関係者の合意に

 よって支持された、責任ある森林管理の原則に基づく規格を定める。

 

 

 

 

(2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

(3) 財政状態の状況及び分析

 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて154億61百万円増加し、2,626億95百万円となりました。主な増減は、売上高の増加を主因とする受取手形及び売掛金の増加21億54百万円、中部ハブセンターの倉庫増築及び関西工場・関西ハブセンターの新設工事などによる有形固定資産の増加92億17百万円であります。

 負債合計は、前連結会計年度末に比べて79億86百万円増加し、1,302億39百万円となりました。主な増減は、原材料価格の上昇を主因とする買掛金の増加26億96百万円、設備投資資金の調達を主因とする借入金(短期借入金及び長期借入金)の増加68億73百万円であります。

 純資産合計は、前連結会計年度末に比べて74億75百万円増加し、1,324億55百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益112億6百万円及び剰余金の配当37億22百万円によるものであります。

 

(4)  キャッシュ・フローの状況及び分析

① キャッシュ・フローの状況及び分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より18億60百万円増加し、197億45百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得した資金は、231億48百万円(前期に比べ86億66百万円の減少)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益164億58百万円、減価償却費136億36百万円、仕入債務の増加26億96百万円、保険金の受取額23億62百万円などによる資金の増加、他方、売上債権の増加21億44百万円、棚卸資産の増加18億84百万円、法人税等の支払額71億2百万円などによる資金の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により支出した資金は、228億66百万円(前期に比べ37億34百万円の支出増加)となりました。

これは主に、関西工場・関西ハブセンターの建設及び生産設備等に関する有形固定資産の取得による支出232億46百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により獲得した資金は、15億78百万円(前連結会計年度は150億86百万円の支出)となりました。

これは主に、長期借入れによる収入240億円、長期借入金の返済による支出171億26百万円、リース債務の返済による支出15億38百万円及び配当金の支払額37億23百万円などによるものであります。

 

② 資本の財源及び資金の流動性

1)経営資源の配分に関する考え方

 当社グループは財務健全性と資本効率のバランスを考慮し経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。

 営業活動により獲得した資金の配分のうち設備投資に関しては、中長期的な成長に向けた高付加価値製品の供給体制を維持、構築するために毎期180~250億円の設備投資を継続してまいります。

 株主還元については、継続的かつ安定的な配当を実施していくことが経営の最重要課題の一つと考えており、連結ベースでの配当性向は30%を目途にしております。

2)資金需要の主な内容

 当社グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では製品原材料の購入費用及び電力料、修繕費、消耗品費など製造経費のほか、仕入販売する商品の購入費用、運搬及び保管費、人件費などの販売費及び一般管理費であります。

 また、投資活動に係る資金支出は、環境に配慮した高付加価値製品の供給体制構築に必要な成長投資のほか、既存の生産設備や物流施設の維持更新及び自動化による効率改善を目的としたものであります。

3)資金調達

 当社グループの主たる財源は、営業キャッシュ・フロー、金融機関からの借入れ及びコマーシャル・ペーパーの発行によるものであります。

 子会社の資金調達については、原則として親会社からのグループファイナンスに一元化する運用を行っております。その結果、連結ベースでの資金コストを低減するとともに、効率的な資金運用を実現しております。

 また、資金の流動性については、現金及び預金に加え、機動性及び流動性確保の補完機能を高めるため総額100億円のコミットメントライン契約を有しております。

(5) 生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

    製品別生産実績

品目

生産高(百万円)

前年同期比(%)

製品

 

 

 トレー容器

25,163

102.4%

 弁当・惣菜容器

61,404

110.8%

 その他製品

2,101

104.1%

合計

88,670

108.1%

 (注)1 生産高は、主として生産数量に見積り製造原価(単価)を乗じて算定しておりますが、その他製品の一部については、販売価格によっております。

2 当社グループは、簡易食品容器関連事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。

製品・商品仕入実績

品目

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

製品

 

 

 トレー容器

1,793

110.3%

 弁当・惣菜容器

15,960

117.0%

 その他製品

1,400

104.7%

小計

19,154

115.4%

商品

 

 

 包装資材

32,488

98.9%

 その他商品

1,176

85.3%

小計

33,665

98.4%

合計

52,819

103.9%

 (注) 当社グループは、簡易食品容器関連事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。

 

② 受注実績

 当社グループは、主として需要見込による生産方式のため、受注状況については特記すべき事項はありません。

③ 販売実績

品目

販売高(百万円)

前年同期比(%)

製品

 

 

 トレー容器

39,244

100.5%

 弁当・惣菜容器

109,134

104.3%

 その他製品

3,391

110.9%

小計

151,770

103.4%

商品

 

 

 包装資材

41,935

107.4%

 その他商品

1,994

118.7%

小計

43,929

107.9%

合計

195,700

104.4%

 (注)1 総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。

2 当社グループは、簡易食品容器関連事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。

 

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