当社グループの研究開発の基本姿勢は、妊娠、出産から子育て、そして高齢者、介護などの生活シーンにおいて生活者の研究を核に新たなニーズを掘り起こし、技術シーズの裏付けを持った新しい商品およびサービスを生み出すことにあります。
中央研究所を拠点とする開発本部では、グループの各開発部門と連携しながら、効率的かつ迅速な商品開発の実現を図ることでグローバル市場での競争優位性の実現を目指しております。特に、当社の中核となる哺乳・授乳商品カテゴリにおいては専任の開発組織の設置等を通じ、グローバルに展開し、永続的に開発可能な体制の強化を図っております。
また、同研究所には開発本部とともに購買・品質管理本部も設置し、新商品開発時における商品評価及び量産化後の品質管理を担っております。研究開発から量産化に至る一貫した商品開発体制を備えることにより、同研究所は各拠点の現地開発体制も含めたグループ全体の商品開発機能の中枢を担っております。
なお、2019年1月より、事業部門を地域別に4つに分割し、日本事業、中国事業、シンガポール事業及びランシノ事業として、その役割と責任を明確にしております。そのうえで、商品企画だけでなく、商品開発、品質管理も現地で完遂する仕組みを構築し、さらなるスピードアップを目指しております。
今後も、グローバルに安心・安全な商品の提供を目指し、グループ全体の研究開発体制をさらに強化してまいります。
なお、研究開発に携わる人員の総数はグループ全体で259名となっており、当連結会計年度における研究開発費の総額は
(日本事業)
日本市場では、おうち時間をもっと家族の幸せな時間にし、家族の幸せの輪をはぐくむバウンサー「Wuggy(ウギ―)」や、企業限定の大人気ベビーカーシリーズ「BASIS(ベイシス)」の第5弾として「BASIS ポルカドットデニム」をそれぞれ新発売しております。加えて、家庭それぞれで異なる育児や家事のやり方を、動画や画像・テキストでパートナーに共有し、新たに始まった育児生活を支援する育児・家事共有サポートアプリ「我が家のトリセツ」の提供も開始しております。また、60年以上にわたる基礎研究のもとに開発された哺乳器である2代目(従来型)「母乳実感®」をさらにアップグレードし、従来型に比べ、より“赤ちゃんが自然に飲める”3代目「母乳実感®」の発売に向けた活動を積極的に行いました。
この結果、当連結会計年度の研究開発費は
(中国事業)
中国市場では、先行して3代目となる哺乳器「自然実感(日本名:母乳実感®)」シリーズを発売しております。また、他社との技術コラボレーションにより、赤ちゃんの「自分で飲む」練習をサポートするベビー用ステンレス製保温カップを発売しました。さらに、継続的な赤ちゃんのお肌に関する基礎研究を活かし、ベビースキンケアカテゴリにおいて、低刺激で敏感肌の赤ちゃんも使用できる「温泉シリーズ」を発売したほか、ベーシックシリーズについても全面リニューアルを行っております。
この結果、当連結会計年度の研究開発費は
(シンガポール事業)
東南アジアやインド等の市場に対して、グループで培った技術をベースとし、サステナブルな製品を選好傾向があるジェネレーションZやミレニアル世代に向け、自然由来で赤ちゃんの肌にやさしく、地球環境にもやさしい新スキンケアシリーズ「ナチュラル・ボタニカル・ベビー」を新発売しました。また、中間所得層のお客様をターゲットとした高品質かつお買い求めやすい価格のおしゃぶり、歯ブラシ等オーラルケア商品の発売に向けた研究開発に取り組みました。
この結果、当連結会計年度の研究開発費は
(ランシノ事業)
ランシノ事業では新規商品カテゴリである産前・産後ケア商品を新発売しており、更なる商品ラインアップ拡充に向けた活動を行いました。また、さく乳器の進化・改良や、新規商品カテゴリへの拡大に向けた活動など、多様なニーズのある市場に向けて積極的な活動を行いました。
この結果、当連結会計年度の研究開発費は
(全社)
当社の中核となる哺乳・授乳商品カテゴリへ特化し、グローバル市場での競争優位を実現するための活動を実施しました。
特に、商品開発段階において、商品の新たな評価手法の検討をはじめ、基礎研究成果の学会発表等にも積極的に取り組みました。
この結果、当連結会計年度の研究開発費は99百万円となりました。
今後も市場ニーズに的確に応える商品の開発に努めるとともに、基礎研究により培われた成果を中長期的視野での商品開発に繋げていくことにも注力してまいります。
お知らせ