研究開発活動

 

5 【研究開発活動】

当社グループでは、新たな価値を提供する活動を継続・促進するため、研究開発活動に取り組んでいます。 当連結会計年度の研究開発費の総額は 2,344 百万円であります。

基礎的な研究分野では、ニューノーマルな働き方とワークプレイスを再定義し、それを実現する先端デジタル技術の応用研究に取り組んでいます。従来の専用空間としてのオフィスにとどまらず、広がりゆく多様な働く環境を「そこで求められる機能」と「どこで働くかという場所自体」の2軸で捉え直し、『スマートオフィス』と称して研究開発を進めております。

また、新しい世代の多様な働き方を支える「学び場」、特に高等教育・大学DX(デジタル変革)の推進と先端技術の実用化研究を行っています。次世代の学びの場を『スマートキャンパス』と定義し、大学との産学連携プロジェクトによる実証研究を通して、先端技術の具現化を進めております。

 

[ワークプレイス事業]

これら基礎的な研究の成果として、オフィス分野における新サービス「パフォーマンストレイル」と「ワーカーズトレイル」を発売しました。「パフォーマンストレイル」は、社員のパフォーマンス向上に向けた課題発見のためのクラウド アンケート システムで、パフォーマンスと健康状態を改善するための行動や環境を把握することができます。「ワーカーズトレイル」は、ビーコンを活用した位置情報提供アプリケーションで、誰がどこにいるのかが一目でわかる機能や、座席を予約ができる機能と共に、オフィス内での活動の見える化が実現できます。これらのデータを組み合わせることで主観と客観の両面から社員の状態を可視化し、より良い「働く」のデザインに貢献します。

オフィス家具の分野においては、Web会議の増加に応えるために、遮音性能に優れたクローズドブース「アドセル」、手軽な施工が可能なローパーティション型ブース「ライトブース」、さらに簡易な「アドサイトWebブース」の3機種を発売しました。遮音性能と施工性に合わせて様々な遠隔コミュニケーションのニーズに対応します。

コロナ禍を経てセンターオフィスに求められるチームの連帯感醸成の場を演出するアイテムとして、“木の心地よさ美しさ”を兼ね備えたビッグテーブル「シルタ」を発売しました。本物の木の一枚板を思わせるライブエッジと6mのロング天板を2本の脚で支える剛性が、社員が集うシンボリックな空間を演出し、同時に国産材活用で生物多様性に貢献するエコな商品です。 

さらに、フレキシブルな働き方にあわせてオフィスの運用を見直す企業が増えるなか、収納スタイルを運用に合わせて選べるパーソナルロッカー「イフス」を発売しました。

チェア商品では、今まさに求められるフレキシブルなオフィスにマッチする商品を発売いたしました。「オリカチェア」は、カジュアルなデザイン、座り心地のよいベンディングシート、高い収納性、抗ウイルス張地を特徴としたミーティングチェアです。また、オフィスに留まらず在宅勤務用としても販売好調なvertebra03チェアにお客様から要望の多かった「4本脚回転タイプ」を追加しました。

建材分野におきましては、パーティションシリーズ「アドレッド」とデザインが調和したダブルガラススライディングウォール「デルダ」を発売しました。ガラス面を最大化させ遮音性を持たせた移動間仕切でコロナ禍のファシリティ再編をサポートします。また、感染症対策に応える商品として、非接触で自動開閉が可能な扉「オートスイングドア」を「クレアパート」の中にラインナップしました。

家庭用家具分野におきましては、在宅ワークの需要拡大に合わせ、「家ではたらく」をコンセプトに、在宅ワーク向け家具の充実を図っております。「サリダ ワントーン チェア」は、張地からキャスターに至るまで、チェア全体を1色に統一することでインテリアに調和するチェアです。

また、活動量が減りがちな在宅ワークでも心身ともにリフレッシュできる環境づくりのサポートを考えた「サリダ リフティング デスク」を発売いたしました。

なお、研究開発費の額は 1,357 百万円であります。

 

設備機器・パブリック事業

設備機器分野におきましては、コロナ禍のEC市場の拡大を背景とした物流倉庫における課題に対して、シャトル式立体自動倉庫「システマストリーマー(SAS-R)」の機能拡充に注力しました。SAS-Rを荷合わせ用途だけではなく、倉庫内でのGTP(Goods To Person:歩行レスピッキング)システムにも対応できるように、取扱いできる荷物サイズの拡大を図りました。

また、運用開始後のお客様負担を軽減するため、IoT技術の活用でメンテナンスや突発的なトラブル対応を容易にするシステムを開発し、実証実験を進めております。

さらに、 GTPシステムにおける自動搬送装置の専用ラックなど、新たな分野への需要拡大を図っております。

なお、研究開発費の額は 987 百万円であります。

 

 

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