業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 (1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりで

あります。

 なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首より適用

しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)」に記載して

おります。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度の世界経済は、感染症のワクチン接種の普及や各種経済政策の効果により、景気回復の兆しが見られましたが、新たな変異株の感染拡大に加え、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に伴う資源価格の高騰や世界的なインフレが懸念されるなど、先行き不透明な状況で推移いたしました。国内経済についても、世界経済の回復により企業収益の改善や設備投資の回復が見られましたが、世界経済と同様のリスク要因に加え、年度末にかけて円安が急速に進行するなど、景気悪化への懸念が払拭できない状況が続きました。

当歯科業界におきましては、世界各国での経済活動の再開に伴い、歯科材料・機器の需要に回復の動きが見られましたが、歯科医療におけるデジタル化の進展により企業間競争は激化しており、楽観視できない経営環境が続きました。

このような状況の中、当社グループは2021年4月から第四次中期経営計画をスタートさせ、“国内市場でのプレゼンスを維持・拡大しつつ、海外事業の拡大を目指す”、“過去の延長線上にない既存枠外の施策が必要”という認識のもと、積極的な事業活動を展開してまいりました。

具体的には、デジタル歯科分野の市場拡大に対応するCAD/CAM関連製品をはじめ多くの新製品を積極的に市場投入いたしました。また、中東・アフリカ市場の開拓を目的にアラブ首長国連邦・ドバイに駐在員事務所を開設するほか、海外市場向け研削材の生産工場としてベトナムの製造子会社を稼働させるなど、海外需要の取込みに向けた活動を展開してまいりました。さらに、創立100周年記念事業の一環として京都本社内において、福利厚生施設やショールームなどを備える新社屋の建設に着手したほか、サステナビリティの観点を踏まえた経営を推進するための体制を整備するなど、将来の成長を見据えた経営基盤の強化にも努めました。

当連結会計年度の経営成績は、売上高 28,137 百万円(前年同期比14.0%増)、営業利益3,217百万円(同39.8%増)、経常利益3,658百万円(同45.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,546百万円(同52.1%増)となり、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益ともに過去最高の業績となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 (デンタル関連事業)

国内では、当期に市場投入した歯科用象牙質接着材「ビューティボンド Xtreme」や、前期に発売を開始した歯科切削加工用レジン材料「松風ブロック HC ハード Ⅱ」などのCAD/CAM関連製品が売上に寄与し、実質的には前年同期比増収となりましたが、収益認識に関する会計基準の適用に伴う売上高の減少により、前年同期比減収となりました。

海外では、これまでの積極的な拡販戦略が功を奏し、北米、欧州及び中国を中心に既存製品の売上が堅調に推移したほか、為替変動の影響もあり、前年同期比増収となりました。

これらの結果、デンタル関連事業の売上高は、25,876百万円と前年同期比3,541百万円(15.9%)の増収となり、販売費及び一般管理費が増加したものの、営業利益は3,065百万円と前年同期比974百万円(46.6%)の増益となりました。

 

  (ネイル関連事業)

国内では、感染症の再拡大による活動制限や巣ごもり需要が一巡した影響を受け、主力のジェルネイル製品の売上が低調に推移し、前年同期比減収となりました。

海外では、台湾において感染症拡大の影響により売上が伸び悩んだものの、米国においてSNSの積極的な活用によりWeb販売の売上が増加したことから、前年同期比増収となりました。

これらの結果、ネイル関連事業の売上高は、2,168百万円と前年同期比100百万円(4.4%)の減収となり、営業利益は131百万円と前年同期比69百万円(34.5%)の減益となりました。

 

  (その他の事業)

その他の事業におきましては、工業用研磨材は半導体の供給不足等による自動車の減産の影響により、部品を含む自動車業界向けの売上は伸び悩んだものの、内外経済の回復に伴い生産用機械向け需要が増加傾向にあったことから、全体の売上は年間を通じて好調に推移しました。

これらの結果、その他の事業の売上高は、92百万円と前年同期比16百万円(21.9%) の増収となり、営業利益は14百万円と前年同期比11百万円(557.2%)の増益となりました。

 

② 財政状態の状況

 (流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末比2,632百万円増加し、20,462百万円となりました。現金及び預金の増加が主な要因です。

 

 (固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末比263百万円増加し、20,247百万円となりました。ベトナムの製造子会社SHOFU Products Vietnam CO., Ltdの設備投資等に伴う有形固定資産の増加が主な要因です。

 

 (流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末比224百万円増加し、4,437百万円となりました。未払法人税等の増加が主な要因です。 

 

 (固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末比69百万円減少し、3,332百万円となりました。繰延税金負債の減少が主な要因です。 

 

 (純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末比2,741百万円増加し、32,940百万円となりました。利益剰余金の増加が主な要因です。 

 

以上の結果、自己資本比率は80.5%と前連結会計年度末比1.1ポイント上昇しました。

 

 ③ キャッシュ・フローの状況

  当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ、1,902百万円増加し、8,208百万円となりました。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、3,736百万円のプラス(前期比907百万円の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益3,611百万円によるものであります。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、1,288百万円のマイナス(前期比2,792百万円の増加)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出964百万円によるものであります。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、1,074百万円のマイナス(前期比4,097百万円の減少)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出814百万円によるものであります。

 

 ④ 生産、受注及び販売の実績

(生産実績)

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

デンタル関連事業

13,870

25.2

ネイル関連事業

829

△4.3

その他の事業

99

22.0

合計

14,798

23.1

 

(注) 1  金額は販売価格によっております。

2  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(受注実績)

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

当社グループは、販売計画に基づいて、生産計画を立て生産を行っておりますが、一部の製品に関しては受注生産を行っております。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

デンタル関連事業

764

45.1

289

17.9

ネイル関連事業

その他の事業

合計

764

45.1

289

17.9

 

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(販売実績)

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

デンタル関連事業

25,876

15.9

ネイル関連事業

2,168

△4.4

その他の事業

92

21.9

合計

28,137

14.0

 

(注) 1  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

主たる相手先の販売実績割合が、10%未満のため記載しておりません。

3  セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

 

 

 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

  ① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(経営成績の分析)

当連結会計年度の当社グループの売上高は、28,137百万円と、前年同期比3,457百万円(14.0%)の増収となりました。

営業利益は、販売活動の制限が徐々に緩和されたことで販売費及び一般管理費が増加したものの、増収効果により3,217百万円と前年同期比916百万円(39.8%)の増益となりました。

経常利益は、営業外費用の減少により増益幅が拡大し、3,658百万円と前年同期比1,135百万円(45.0%)の増益となりました。

特別損失として固定資産除却損47百万円を計上した結果、税金費用を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は、2,546百万円と前年同期比872百万円(52.1%)の増益となり、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益ともに過去最高の業績となりました。

 

(財政状態の分析)

当連結会計年度の財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。

 

 (資本の財源及び資金の流動性に係る情報)

当社グループは現在、必要な運転資金及び投資資金については、自己資金及び金融機関からの借入により資金調達しております。また、機動的かつ安定的な資金調達体制を構築するため、取引金融機関4行とコミットメントライン契約を締結しております。
 当社グループは、金融機関と良好な関係を構築しており、将来に必要な運転資金及び投資資金を今後も安定的に調達することが可能であると考えております。

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

  ② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり重要となる会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等    (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりでありま    す。

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 等 (1) 連結財務諸表  注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

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