文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「誠実と正直こそ信頼への近道」を経営の基本方針として、以下の事項を基本理念に掲げ、会社に関わるすべての人々に比類のない喜びと感動を与えるため、高品質な製品とサービスを世界へ提供してまいります。
猟銃事業につきましては、欧米市場でのアウトドアブーム等による狩猟や射撃のニーズの高まりから、旺盛な需要が継続していく見通しであります。この販売機会に、新規顧客の獲得と既存のユーザーの販売増により、売上高の拡大を図ります。併せて材料費等の高騰を抑えるべく原価低減に取り組み、利益向上を目指してまいります。
工作機械事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の動向が不透明であり、機械部門については回復に時間がかかるものと思われます。ツール部門、加工部門は、相応の需要から底堅く推移するものと思われますが、全体では減収減益予想としています。
自動車関連事業につきましては、自動車業界の自動運転やカーボンニュートラルに向けた電動化への対応という大きな環境変化におかれています。木製ステアリングハンドルを中心とした当事業においては、純木製ステアリングハンドルと部分ウッドステアリングハンドルを確実に利益に結びつけてまいります。
以上の結果、次期の通期連結業績につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響も考慮し、売上高11,230百万円(前期比17.7%減)、営業利益680百万円(前期比67.0%増)、経常利益820百万円(前期比38.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益550百万円(前期比81.3%増)を見込んでおります。
なお、売上高及び利益については、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用した後の金額となっており、一部売上高及び利益について総額表示から純額表示になることの影響等を踏まえた数値となっております。
当社は2018年度より、ミロクグループの長期ビジョンとして「主力三事業の強みを活かし、向上させ、かつ新たな事業を創出することで盤石の経営基盤を築き、今後も成長し続ける企業グループを目指す」を掲げ、その実現に向けたマイルストーンとして中期経営計画を策定しております。
「2022中期経営計画」としましては、前計画に引き続き製品及びサービスにおいて競合他社と差別化を図り、収益性及び需要変化への高い対応力を有する収益基盤の構築、事業間のコミュニケーションの強化を通じて次代を担う人財の育成とグループの活性化を図ることを基本戦略として推進してまいります。
猟銃事業につきましては、世界的な銃のブランドであるブローニンググループの市場占有率拡大戦略に呼応し、高品質かつ多品種少量生産を可能としている当社製品の強みを活かしつつ、購買意欲を喚起する新製品をタイムリーに市場投入していくことで、アフターコロナでの旺盛な販売機会を逃すことなく、市場シェアの維持拡大に努めてまいります。
工作機械事業では、深穴明けというニッチな市場のハード面、ソフト面の両面でトータルサービスができる数少ない総合メーカーとして、加工部門を収益の柱と位置づけ、あわせて機械部門とツール部門の営業力を強化してまいります。
自動車関連事業では、木製ステアリングハンドルと3Dドライ転写ステアリングハンドルの生産に注力するとともに、品質・コスト・納期の向上を図り、新たな分野の開拓も目指してまいります。以上を通じて主力三事業で計画の達成に邁進いたします。
さらに、持続可能な開発目標であるSDGsの活動を展開していくなかで、既存事業に次ぐ4つ目の新たな事業も継続して模索してまいります。
セグメントごとの課題は次のとおりであります。
① 猟銃事業
猟銃事業につきましては、ブローニンググループへのOEM供給を行っており、ビジネスパートナーとして50年以上に及ぶ良好かつ密接な関係を構築しております。
主力の米国市場は、新型コロナウイルス感染症の影響はあるものの、アウトドアブーム等を背景とした狩猟や射撃のニーズの高まりとともに、安定した高水準の受注になると思われます。この需要獲得に向けて、生産能力の拡充を図るとともに、この数年開発に取り組んできた新製品の市場投入によって、新規及び既存顧客の増加により大幅な売上拡大を目指します。
また、工程の自動化やロボット化による生産効率化により、生産性の向上と顧客ニーズに対応した柔軟な供給体制の構築を実現してまいります。品質につきましては、後工程へ不具合品を出さない自工程完結の仕組みを徹底させ、品質管理体制の強化に絶えず取り組んでまいります。
② 工作機械事業
工作機械事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響はやや弱まりつつありますが、受注については先行きが見えない状況であります。また、今後自動車業界の脱炭素化に向けた動向によっては、少なからず影響が出てまいります。
このような環境のもと、販売戦略としては機械部門では継続して樹脂部品等に必要な金型の穴明け需要を取込み、日系企業が進出している東南アジア等での市場開拓を図ります。また、ツール部門では国内外を担当する営業体制とし、ユーザー情報を共有化し販売促進につなげていきます。加工部門では、半導体やFPD(フラットパネルディスプレイ)市場の需要を取込み、全国4拠点の稼働率向上を目指し、また拠点の追加も模索してまいります。さらに全部門において原価低減を推し進め、ニッチな市場での売上高及び利益拡大に邁進してまいります。
③ 自動車関連事業
自動車産業は、自動運転やカーボンニュートラルに向けた電動化への対応という大きな環境変化におかれています。
木製ステアリングハンドルを中心とした当事業においては、中期的に当事業の主力製品となっていく部分ウッドステアリングハンドルの原価低減に取り組み確実に利益に結び付けるとともに、自動車産業の環境変化に対応した製品開発と生産改善を推進し、当社加飾ハンドルの商権を維持拡大していきます。また新たに中核となりうる事業分野を確立すべく、研究開発と事業開発活動を展開してまいります。
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