課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、創業以来一貫して、アパレルの原点である品質を重視した商品づくりと消費者満足を基本に業績向上を目指し、ファッションを通じ美しく豊かな生活文化を創造し、社会の発展に貢献することを基本方針としております。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは紳士服・婦人服及び装飾品の製造販売を収益源とし、営業利益の拡大を目指して売上総利益率、販売費及び一般管理費率及び営業利益率を重視しております。更に、株主持分に対する投資収益の向上を目指して、ROE(自己資本利益率)を重視しております。又、株主還元の向上を目指して、DOE(株主資本配当率)を重視しております。

 

(3)経営環境

足元の経営環境については「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。

今後の見通しにつきましては、先ず新型コロナウイルス感染症が本年度以降全世界的に徐々に収束に向かい、その影響が段階的に緩和されるものと予測しております。また、外需の増加や政府の経済対策にも支えられて、ウクライナ情勢の推移や資源価格上昇の影響を受けながらも緩やかな景気回復が期待され、それに伴い消費環境も徐々に活性化して来るものと推測しております。

2023年2月期につきましては、『中期経営計画(2023年2月期~2025年2月期)』の初年度として、2021年2月期~2022年2月期における『再生プラン』遂行で得られた成果に基づき、安定収益構造を確立するとともに、事業拡大に向けた成長戦略の推進に着手いたします。

2023年2月期通期連結業績予想につきましては、売上高560億円、営業利益12億円、経常利益11億4千万円、親会社株主に帰属する当期純利益9億円といたします。

なお、2023年2月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日 企業会計基準委員会)等を適用するため、計画数値は当該会計基準等を適用した金額となっており、同基準による比較を行うため、2022年2月期以前の実績数値を当該会計基準等に適用した金額を参考値として記載しております。

また、当社グループは、アパレルを核とするファッション関連事業の単一セグメントでありますので、セグメン

ト情報の記載はしておりません。

 

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(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上課題

当社グループは2025年2月期を最終年度とする『中期経営計画(2023年2月期~2025年2月期)』を公表いたしました。その概要は以下のとおりです。

 

<中期経営計画(2023年2月期~2025年2月期)>

 Mission(=経営理念)

  ファッションを通じ、美しく豊かな生活文化を創造し、社会の発展に貢献する

 Vision

  高い価値創造力と強靭な収益力を併せ持った、またサステナブルな社会の実現に

  貢献することができる、エクセレント・カンパニーを目指す

 Values

  高品質・高品位・高付加価値商品を生み出すスキル

  優良なブランドポートフォリオとブランドビジネス遂行能力

  クリエイティブでかつ高い倫理観を持った社員

  優れた統治能力を持った経営者及び経営体制

 

① 中期経営計画(2023年2月期~2025年2月期)の全体像

 2020年4月策定の2ヵ年計画『再生プラン』により得られた成果に基づき、安定収益構造を確立するとともに、事業拡大に向けた成長戦略推進に着手するため、2025年2月期を最終年度とする『中期経営計画(2023年2月期~2025年2月期)』を策定いたしました。その概要は以下のとおりです。

 最終年度である2025年2月期に売上高625億円、売上総利益率63%、販売費及び一般管理費率56%、営業利益率7%、DOE(株主資本配当率)2%の配当実施を数値目標とし、2021年2月期からの2年間の『再生プラン』で実行してきた構造改革を継続推進することにより更なるKPI改善を実現し、確固たる収益基盤を構築することを目指します。併行して、会社を成長軌道に乗せるための施策として、ブランド戦略、チャネル戦略、マーケティング戦略、EC戦略の4つの戦略を推進してまいります。

 

 

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② 構造改革の継続推進

イ.粗利率改善の為の施策

 調達原価率の低減、プロパー販売比率の改善、インベントリーコントロール等の課題に継続して取り組むことにより、2025年2月期に売上総利益率63.0%を目標にその達成を目指してまいります。

 調達原価率の低減においては、生産上代倍率4.50倍を目指します。そのための施策として、主要取引先との取り組み強化によるSCM最適化、アウトレット/EC専用商材拡充等を進めます。

 プロパー販売比率の改善では、プロパー販売比率70%以上を目指し、品番削減・MD集約、売れ筋商品の期中追加及び値引幅の抑制、セール販売期間の短縮を実行いたします。

 インベントリーコントロールでは、仕入予算の20%のプール運用を通じ、売れ行きに応じて柔軟に対応できる体制を構築するとともに、MDサイクルを短縮化、期中追加生産体制の整備により期中対応力を強化することで在庫回転率向上を目指してまいります。

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ロ.販売費及び一般管理費のコントロール

 売上拡大に伴う変動費増加及び店舗投資、販促投資等の新規投資計画を盛り込み、2025年2月期の販売費及び一般管理費は2022年2月期に対して44億1千万円増加の350億円を計画しており、売上連動の消化売場家賃相当額の増加額22億6千万円を除く実質の増加額は21億5千万円を計画しております。

 一方で、『再生プラン』により削減した固定費を引き続き抑制することにより、2025年2月期の販売費及び一般管理費率を2022年2月期に対して5.6ポイント削減し56.0%とすることを計画しております。

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③ 成長戦略

イ.ブランド戦略

 アッパーミドル市場で確固たるプレゼンスを構築し、この市場でのトップランナーを目指してまいります。

また、一部ブランドについては、アッパーミドル市場で確立されたステイタスをベースにディフュージョン展開を通じたミドル市場への参入にチャレンジいたします。

 

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ロ.チャネル戦略

 主力販路である百貨店は、既存店の人員体制見直し及びブランド複合展開等により効率化を進める一方、採算性の見込める有力店舗への新規出店を積極的に進めてまいります。

 直営店、アウトレット、ECは成長販路と位置づけ、直営店ではブランディング強化の一環として基幹ブランドの出店を進めるとともに、ディフュージョン展開を通じて新たな販路として都市型ファッションビル、ショッピングセンターへの出店を強化してまいります。

 アウトレットでは、専用商材等の品揃え充実による既存店舗の売上拡大を図るとともに、有力施設への更なる出店を進めてまいります。

 ECにおいては、コンテンツ強化、商品画像改善、スタッフコーディネート活用等によるリアルなコーディネートの提案等サービス機能のレベルアップを進めるとともに、実店舗との相互補完体制を確立し、プロパー売上の更なる拡大を目指してまいります。

 また、それぞれのチャネル間の相互送客を強化し、お客様の購買の選択肢を広げることで、オムニチャネル化を通じたOMO(オンラインとオフラインの統合)推進を目指します。

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ハ.マーケティング戦略

 CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)の強化のため、顧客基盤の整備とデータ活用を推進します。また、VOC(お客様の声)活用により、各ブランド顧客との関係深化を目指します。

 顧客タッチポイントの強化として、ECや電話注文にも対応した総合カタログの発刊や、SNS/アプリ活用による双方向コミュニケーションの強化、越境EC/ライブコマースを活用したインバウンド対応強化を進めてまいります。

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ニ.EC戦略

 2025年2月期にEC売上高98億円を目指してまいります。ECプラットフォームを刷新し、ブランドサイトとECサイトを一体化した統合サイトの構築を進めます。これによりブランディング強化とお客様の利便性を両立させたサイト運営体制を構築するとともに、OMO推進によるECと実店舗の相互補完体制の確立を目指します。

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④ 資本戦略

 強固な財務基盤の確立を目指し、収益拡大により中期経営計画の3年間で40~50億円の資本を積み上げるとともに、併行して資本流動化を進めることで、2025年2月期には株主資本400億円超、ROE(自己資本利益率)8.5%を達成することを目指します。また、強固な財務基盤を背景として将来成長に向けた投資を積極的に推進いたします。

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⑤ サステナビリティ

 サステナブルな社会の実現に寄与することは、当社における最重要経営課題の一つと認識しております。この課題に取り組むことは、当社のCSRそのものを変革し、当社の企業価値を向上させるための不可欠なプロセスと捉えております。

 GHG(温室効果ガス)排出量の長期削減目標として、SCOPE1・2の排出量を2050年までにネットゼロとすることを定めました。

 この長期目標の達成に向けたアクションプランを確実に実行するべく、従前のCSR推進委員会をサステナビリティ委員会に改称するとともに、役割、構成、内容を大きく見直し、経営会議直轄の委員会として定期的に経営会議及び取締役会に報告を行い、課題解決に向けた議論を行っております。

 加えて、全社サステナビリティ戦略立案及びサステナビリティ推進体制の強化を目的として、専任部署であるサステナビリティ推進室を設置いたしました。

 また、当社ホームページの開示情報について、2022年3月に全面刷新を行い、GHG排出量の削減目標とともに、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の枠組みに基づく開示を実施しております。

 なお、サステナビリティにつきましては、当社ホームページ→企業情報→サステナビリティ に掲載しておりますのでご覧ください。(https://www.sanyo-shokai.co.jp/company/sustainability/)

 

『中期経営計画(2023年2月期~2025年2月期)』につきましては、当社ホームページ→企業情報→投資家情報→決算短信→中期経営計画(2023年2月期~2025年2月期) に掲載しております。

(https://www.sanyo-shokai.co.jp/company/ir/statement.html)

 

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