(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
ⅰ.経営成績の概況
新型コロナウイルス感染症まん延長期化やロシアによるウクライナ侵攻の影響等により先行き不透明な状況が続く中、当社グループは、2020年5月29日に発表した中期経営計画「Chori Innovation Plan 2022」の基本戦略に基づき、激変する社会・経済環境へ即応すべく、リスク管理を始めとした「守り」の施策を一層徹底する一方、持続的成長のための基本戦略を推進しております。
当連結会計年度における連結業績は、前期比大幅増収大幅増益となりました。経常利益は初の100億円台に到達し、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は最高益を更新しました。売上高は前期比31.4%増の2,840億96百万円となりました。利益面では、増収効果等による売上総利益の増加に加え、前期に中国の化学品製造会社グループに対する貸倒引当金繰入額50億85百万円を販売費及び一般管理費に計上したことの反動により、営業利益は前期比154.6%増の93億28百万円、経常利益は前期比120.6%増の102億74百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比446.2%増の68億11百万円となりました。
ⅱ.セグメントごとの経営成績
セグメントごとの経営成績は以下のとおりであります。
(繊維事業)
当セグメントにおきましては、株式会社STXの新規連結子会社化等により、売上高は、前期比28.2%増の1,155億39百万円となりました。一方、セグメント利益(経常利益)は、個人消費の低迷により衣料品分野が低調に推移したことに加え、原材料価格の高騰の影響等を受け、前期比23.1%減の29億80百万円となりました。
(化学品事業)
当セグメントにおきましては、全般的に堅調に推移しました。特に有機化学品、無機化学品及びファインケミカル分野が好調に推移したことにより、売上高は、前期比33.1%増の1,641億55百万円となりました。利益面につきましては、増収効果による売上総利益の増加に加え、前期に中国の化学品製造会社グループに対する貸倒引当金繰入額50億85百万円を販売費及び一般管理費に計上したこと(当期の計上なし)の反動により、74億10百万円のセグメント利益(経常利益)(前期は3億23百万円のセグメント損失(経常損失))となりました。
(機械事業)
当セグメントにおきましては、欧米州・アフリカ等における自動車の需要回復の影響等を受け、売上高は、前期比57.4%増の43億23百万円となりました。一方、利益面につきましては、増収効果もあり堅調に推移してきましたが、アラブ首長国連邦の取引先に対する売上債権の回収遅延が生じたことから、期末に貸倒引当金繰入額7億39百万円を販売費及び一般管理費に計上したことにより、6百万円のセグメント損失(経常損失)(前期は7億4百万円のセグメント利益(経常利益))となりました。
ⅲ.仕入、成約及び売上の実績
仕入高は売上高と概ね連動しているため、記載は省略しております。
成約高と売上高との差額は僅少であるため、記載は省略しております。
セグメントごとの売上高については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況 ⅱ.セグメントごとの経営成績」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」を参照願います。
なお、取引形態別に示すと、次のとおりとなります。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、1,341億21百万円となり、前連結会計年度末に比べ235億29百万円増加しました。株式会社STX及びその子会社2社の連結子会社化等に伴い、主に受取手形及び売掛金が181億30百万円、商品及び製品が66億81百万円、未着商品が29億52百万円増加し、関係会社預け金が30億円、現金及び預金が25億86百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における負債は、690億24百万円となり、前連結会計年度末に比べ172億64百万円増加しました。株式会社STX及びその子会社2社の連結子会社化等に伴い、主に支払手形及び買掛金が125億91百万円、短期借入金が31億34百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末における純資産は、650億96百万円となり、前連結会計年度末に比べ62億64百万円増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益の計上により68億11百万円、為替換算調整勘定が16億23百万円増加し、配当金の支払いにより15億99百万円、その他有価証券評価差額金が4億42百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ55億76百万円減少し、当連結会計年度末には、120億24百万円となりました。
<当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因>
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は23億30百万円の減少(前期は58億89百万円の資金の増加)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益107億78百万円、仕入債務の増加額92億3百万円、支出の主な内訳は、売上債権の増加額127億19百万円、棚卸資産の増加額62億28百万円、法人税等の支払額37億87百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は1億97百万円の増加(前期は3億57百万円の資金の減少)となりました。収入の主な内訳は、有形固定資産の売却による収入7億50百万円、関係会社株式の売却による収入7億2百万円、支出の主な内訳は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出12億94百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は40億15百万円(前期は8億87百万円の資金の減少)となりました。減少の主な内訳は、短期借入金の純減額20億69百万円、配当金の支払額15億98百万円によるものであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
ⅰ.経営成績の分析
(売上高)
売上高は、繊維事業では株式会社STXの新規連結子会社化、化学品事業では有機化学品、無機化学品及びファインケミカル分野が好調に推移したこと、機械事業では欧米州・アフリカ等における自動車の需要回復等を主因として、全てのセグメントで大幅増収となり、前期比678億63百万円増の2,840億96百万円となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、益率の低下による減益影響はありましたが、売上高の増加を主因として、前期比42億92百万円増の306億50百万円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、株式会社STX等のM&A関連費用を含む一般経費の増加はありましたが、前期に中国の化学品製造会社グループに対する貸倒引当金繰入額50億85百万円を計上したことの反動により、前期比13億71百万円減の213億21百万円となり、営業利益は前期比56億64百万円増の93億28百万円となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外損益(純額)は、前期比47百万円減の9億45百万円の利益となりました。
経常利益は、営業利益が増加したことにより、前期比56億17百万円増の102億74百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
税金等調整前当期純利益は、経常利益が増加したことに加え、固定資産売却益3億18百万円、投資有価証券売却益2億21百万円等、特別損益(純額)が5億4百万円の利益計上となったことにより、前期比66億3百万円増の107億78百万円となりました。一方、法人税等合計は前期比9億81百万円増の39億64百万円となりました。
これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比55億64百万円増の68億11百万円となりました。
なお、中期経営計画「Chori Innovation Plan 2022」における重要指標との比較につきましては、以下のとおりであります。当社グループは、当連結会計年度(2022年3月期)において、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大の影響を受けながらも、中期経営計画の基本戦略を着実に推進することにより事業収益力を積み上げてまいりました。これをベースとして、中期経営計画最終年度となる2022年度の経常利益は120億円と見通しております。
ⅱ.財政状態の分析
当社グループの財務健全性、収益性及び資本効率を示す指標の推移は以下のとおりです。
・ネット有利子負債=有利子負債-現金及び預金-関係会社預け金
・自己資本比率=自己資本÷総資産
・経常利益ROA=経常利益÷((期首総資産+期末総資産)÷2)
・当期純利益ROE=親会社株主に帰属する当期純利益÷((期首自己資本+期末自己資本)÷2)
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
ⅰ.キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
ⅱ.資本の財源及び資金の流動性の分析
(資本の財源)
当社グループは、運転資金及び投資等の資金需要に対して、自己資金を充当することを基本方針とし、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、資金調達の多様化・低利調達を目的として受取手形等の流動化を促進するとともに、一部資金を銀行借入等により調達しております。
また、資金調達の安定化を目的として株式会社みずほ銀行をアレンジャーとする金融機関3社との間で、総額100億円のコミットメントライン契約を締結しており、将来において当社グループの成長のために多額の資金需要が生じた場合にも、外部からの資金調達は可能な体制を確保しております。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、120億24百万円であります。
(資金の流動性)
当社と親会社及び当社と主要な連結子会社の間で、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を導入しており、流動的に余剰資金、不足資金の融通を行うことで、資金効率の向上と資金調達コストの削減に努めております。
また、事業活動等を通じて獲得した資金については、適時、資金繰り計画を策定・更新し、必要な運転資金を確保しつつ、成長投資・株主還元に振り分けております。
なお、株主還元については親会社株主に帰属する当期純利益を基準に、配当性向30%以上とすることを基本方針としております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる要因等に基づき見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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