業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

  a. 経営成績

当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置の適用により経済活動が制約を受け、厳しい状況が続きました。先行きについては、新たな変異株の感染拡大やウクライナ情勢等に起因する経済の悪化が懸念されるなど不透明な状況が続くことが予想されます。

食肉業界では、新型コロナウイルス感染症の影響により外食需要が低迷する一方で家庭内需要が堅調に推移しました。また、世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大等により各商品の調達、販売環境が大きく変動するなど不確実性の高い事業環境が続いております。

このような状況の中、当社グループは「相場に左右されない収益力の強化」のテーマのもと、新たな取り組みとして7月に富士総合食品株式会社と業務提携契約を締結し、コロナ禍で需要が伸びているミールキット等、付加価値の高い商品の共同開発を進め、内食だけでなく外食や中食向けにも販路を拡大しております。また、全社的業務プロセス改革プロジェクト(Zeusプロジェクト)も順調に進捗しております。加えて、コロナ禍においても品質管理並びに衛生管理を徹底するとともに柔軟な勤務体制等の感染対策を講じ、社員の安全確保に配慮しつつお客様のご要望にお応えしてまいりました。

以上の結果、 当連結会計年度における売上高は 381,432百万円 (前期比9.2%増) 営業利益は 6,905百万円 (前期比3.3%増) 、経常利益は 9,165百万円 (前期比6.5%増) 、親会社株主に帰属する当期純利益は、昨年度に連結子会社の吸収合併に伴う法人税等の負担減少があり、その反動等が当期に影響を及ぼしたことから、 5,984百万円 (前期比13.5%減) となりました。

なお、当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日)を適用しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)」をご参照ください。

 

       事業部門別の営業概況は、次のとおりです。

       <食肉関連事業>

 食肉関連事業の売上高は378,704百万円(前期比9.3%増)となりました。

 また、部門別の業績は次のとおりであります。

   (食肉)

国内事業は、 輸入鶏肉を中心に取扱量が減少したものの、豚肉を中心に販売が堅調だったことから、取扱量全体では前期を上回りました。売上高は、取扱量の増加に加え、国内相場の上昇により前期を上回りました。売上総利益は、品目ごとに明暗が分かれる結果となりましたが、全体では前期比微増となりました。

また、カテゴリー別の業績は次のとおりです。
 国産食肉は豚肉を中心に販売が堅調に推移したことから取扱量は前期を上回りました。売上高は、牛肉相場が昨年度に比較し期前半に高値推移したことで販売単価も上昇し前期を上回りました。売上総利益は需要に合わせた調達を徹底したことや豚肉の堅調な販売、国産牛肉で期後半に調達環境が改善したことなどから前期を上回りました。

輸入食肉は、 不安定な調達環境の中、安定供給に努め、豚肉を中心に量販店向けの販売が好調に推移しましたが、需要に合わせた調達を徹底することで鶏肉の取扱量が減少し、全体の取扱量は前期比横ばいとなりました。売上高は豚肉の取扱量増加に加え、牛肉及び牛副生物の国内相場上昇により前期を上回りました。売上総利益は、牛副生物及び鶏肉で国内相場上昇や需要に合わせた調達の徹底により増益となりましたが、牛肉が調達コスト高により減益となり全体でも前期を下回りました。

輸出事業は、新型 コロナウイルス感染症の影響で台湾向けが伸び悩んだものの、米国向けを中心に期を通じて好調に推移したこと等から輸出重量は前期を上回りました。売上高は国産牛肉の輸出単価上昇の影響から前期を大きく上回りました。

これらの結果、食肉部門の売上高は300,225百万円(前期比8.3%増)となり、売上総利益は前期比微増となりました。

   (加工食品)

加工食品は、ハンバーグ商品の拡販に注力し、さらにスライス商品、ローストビーフ関連商品の販売が堅調に推移したことから、取扱量、売上高、売上総利益ともに前期を上回り、売上高は65,165百万円(前期比17.1%増)となりました。 

(ハム・ソーセージ)

ハム・ソーセージは、市販用商品の販売は比較的堅調だったものの、外食向け業務用商品で苦戦を強いられ、全体では取扱量、売上高ともに前期を下回り、 売上高は 11,343百万円 (前期比1.9%減)となりました。工場の業務改善による製造コストの安定化に努めたものの、取扱量減少の影響が大きく売上総利益も前期を下回りました。

(その他)

その他の取扱品につきましては、売上高は1,969百万円(前期比1.5%減)となりました。

      <その他の事業>

その他の事業につきましては、売上高は2,728百万円(前期比6.1%減)となりました。

 

   b. 財政状態

    イ. 資産

当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末と比べて、10,004百万円増加し93,572百万円となりました。これは、主として現金及び預金が減少したものの、商品及び製品、前渡金が増加したことによります。
 固定資産は、前連結会計年度末と比べて678百万円増加し48,829百万円となりました。これは、主として建物及び構築物が減少したものの、無形固定資産が増加したことによります。
 この結果、総資産は、前連結会計年度末と比べて、10,701百万円増加し142,428百万円となりました。

 

     ロ.負債

 流動負債は、前連結会計年度末と比べて、12,218百万円増加し55,119百万円となりました。これは、主として短期借入金、未払金、1年内償還予定の社債が増加したことによります。
 固定負債は、前連結会計年度末と比べて、6,393百万円減少し23,306百万円となりました。これは、主として社債が増加したものの、長期借入金が減少したことによります。
  この結果、負債合計は、前連結会計年度末と比べて、5,825百万円増加し78,426百万円となりました。

 

    ハ.純資産

     純資産合計は、前連結会計年度末と比べて、4,876百万円増加し64,001百万円となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

     当期末における現金及び現金同等物は、前期末残高に比べ3,577百万円減少し、10,952百万円となりました。

      (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産の増加、前渡金の増加があるものの、税金等調整前当期純利益、減価償却費、売上債権の減少等により1,420百万円の収入となりました。

  (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出、関係会社株式の取得による支出等により3,451百万円の支出となりました。

    (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入、短期借入金の増加があるものの、長期借入金の返済による支出、配当金の支払等により1,590百万円の支出となりました。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

  a. 生産実績

        当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日
 至 2022年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

食肉関連事業

118,288

108.0

その他の事業

1,562

89.1

合計

119,851

107.7

 

 (注) 金額は生産価額によっております。

 

      b. 商品仕入実績

      当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

食肉関連事業

231,702

117.2

その他の事業

2,713

103.6

合計

234,415

117.0

 

 (注) 1.金額は仕入価額によっております。

 2.セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

      c.  受注実績

    当社グループは受注生産を行っておりません。

 

      d.  販売実績

    当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

食肉関連事業

378,704

109.3

その他の事業

2,728

93.9

合計

381,432

109.2

 

 (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。また、当社は生産肥育から食肉の処理加工、製造、販売に至るまでの事業を主に国内で行う「食肉関連事業」を中心に事業活動を展開しており、報告セグメントは「食肉関連事業」のみであるため、セグメントごとの記載を省略しております。

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

   a. 概要及び売上高

 3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1) 経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況に記載のとおりであります。

 

    b. 売上原価、販売費及び一般管理費

 売上原価は前連結会計年度と比べて31,100百万円増加し、345,981百万円となりました。これは主に、前連結会計年度と比べ、一部輸入肉や加工食品の取扱重量が増加したことによります。
 販売費及び一般管理費は前連結会計年度と比べて870百万円増加し、28,545百万円となりました。これは主に、運賃や電算費が増加したことによるものです。

 

     c. 営業利益

 営業利益は前連結会計年度と比べて219百万円増加し、6,905百万円となりました。これは主に、販売費及び一般管理費が増加したものの、加工食品の拡販に注力し販売が堅調に推移したことによるものです。

 

   d. 営業外損益

 営業外損益は前連結会計年度と比べ、営業外収益が86百万円増加2,878百万円に、営業外費用が252百万円減少617百万円となりました。

これは主に、営業外収益については、持分法による投資利益が減少したものの、補助金収入が増加したことによるものです。営業外費用については、前期に補助金返還に伴う損失があったことによります。

 

   e. 特別損益

特別損益は前連結会計年度と比べ、特別利益が53百万円増加54百万円に、特別損失が457百万円増加731百万円となりました。

これは主に、特別利益については、投資有価証券売却益や固定資産売却益が増加したことによるものです。特別損失については、関係会社株式評価損が減少したものの、減損損失や投資有価証券評価損が増加したことによるものです。

 

   f. 親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比べて937百万円減少し、5,984百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の354円91銭に対し、307円37銭となりました。

なお、当社は2021年4月1日を効力発生日として1株につき2株の割合で株式分割を行っております。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、「1株当たり当期純利益」を算定しております。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

    a.  キャッシュ・フローの状況の分析

3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1) 経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。

 

   b.  資金需要

当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金及び設備資金等であります。

 

   c.  有利子負債

2022年3月31日現在の有利子負債の状況は以下のとおりであります。

 

年度別要支払額(百万円)

合計

1年以内

1年超2年以内

2年超3年以内

3年超4年以内

4年超5年以内

5年超

短期借入金

10,847

10,847

長期借入金

23,233

9,589

5,836

4,800

1,416

356

1,235

社  債

7,100

2,100

5,000

 

 

   d.  偶発債務

当社グループの第三者に対する保証は、関連会社等の借入金等に対する債務保証であります。
  保証した借入金の債務不履行が保証契約期間内に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があります。2022年3月31日現在、当社グループの債務保証に基づく将来における潜在的な要支払額の合計は5,711百万円であります。

 

   e.  財務政策

当社グループは、運転資金及び設備資金等の資金需要について、内部資金または借入や社債による資金調達により対応することとしております。
 また、グループ全体の資金効率を高めるため、2003年3月以降、主要子会社にCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入し、資金集中及び配分を行い、余剰資金の発生を抑制しております。合わせて、2020年1月、株式会社三井住友銀行をアレンジャーとして金額10,000百万円(期間3年)のシンジケーション方式によるコミットメントライン契約を10の金融機関と締結いたしました。これにより中長期的に手元流動性を補完し、より安定的かつ効率的な資金運用及び調達を可能にしております(借入実行残高-百万円、借入未実行残高10,000百万円)。
 

③ 重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

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