文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「食を通して人を幸せにするグローバルな生活関連企業を目指す」を経営ビジョンとして掲げており、人々の食生活の向上に資するべく、創業以来、食肉卸売業を中核として様々な機能を強化してまいりました。現時点で、新型コロナウイルス感染症の蔓延が続いておりますが、当該状況下においても生活に必要不可欠な食品を安定的に供給することが当社グループの果たすべき責務であると認識しております。
今後も感染防止策と安全対策に万全を期しながら、人々の豊かな食生活の実現に一層貢献するべく、グループ一丸となって食肉関連製品の安定供給と、多様化が加速する食への要望に的確に応えうる商品提供の実現に取り組んでまいります。
①経営環境
新型コロナウイルス感染症の収束が見通せず、またウクライナ情勢等による景気の悪化が懸念されるなど、今後も先行き不透明な経済状況が続くことが予想されます。食肉業界では、新型コロナウイルス感染症の拡大による生産制限や輸出入制限、さらには世界情勢の悪化により需給バランスが大きく変化し、食肉の調達価格が高騰することや調達自体が困難になることが懸念されます。また、引き続き販売競争の激化、人手不足による物流費や人件費の増加傾向、環境意識のさらなる高まり等への対応が求められます。
②中期経営計画
このような経営環境下、当社グループは中期経営計画(2020年4月1日から2023年3月31日)を2020年度より開始しております。本中期経営計画は、日本国内での新型コロナウイルス感染症蔓延前に策定したものでありますが、販売競争の激化や物流費・人件費の増加傾向、環境意識の高まり等の経営環境はコロナ禍においても普遍的なものが多く、基本戦略の内容につき現時点では大幅な変更は必要ないものと考えております。なお、コロナ禍による環境変化も踏まえ、本中期経営計画をベースに目標数値や投資の実行時期等を見直し、2023年3月期~2025年3月期までの3ヶ年の中期経営計画の策定を進めてまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大長期化やウクライナ情勢等により、経済状況や事業環境の前提が大きく変化し先行きが極めて不透明であることから、策定を進めてまいりました中期経営計画につきましては再検討する必要があると判断し、公表を延期することといたしました。今後、2024年3月期~2026年3月期までの3ヶ年の中期経営計画を、経済状況や事業環境の変化を見極めた上、策定・公表予定です。
事業に関するSWOT分析を踏まえた本中期経営計画(2020年4月1日から2023年3月31日)の基本戦略は次のとおりです。
◆事業に関するSWOT分析
◆中期経営計画基本戦略(ⅰ~ⅵ)
③対処すべき課題
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に加え、世界情勢の悪化により、不確実性の高い事業環境が続く中、第84期は『「収益力強化」に向けた「体質改善」』のテーマのもと、社員一丸となり、以下の課題に取り組みます。
a.サステナビリティ経営の実践
「体質改善」への土台として、サステナビリティ経営を実践していきます。当社の重要課題でもある5つのテーマと10の課題に向けて各種施策を通じて目標達成に向けて取り組んでまいります。具体的には、当社の高度な衛生管理体制や、食肉のアウトパック機能を生かした賞味期限延長商品の開発により、食品ロス問題の解決に寄与してまいります。また、太陽光発電の活用や、営業車の排ガス抑制、エコフィードによる豚肉生産など環境へ配慮した取り組みも積極的に行ってまいります。
b.強固な事業基盤の構築と営業力の強化
変化し続ける消費者ニーズに対応するため、更なるマーケティング機能・商品開発機能の強化並びに販売力の強化を図り、当社ならではの商品・サービスの提供を実現し、収益力の向上に努めてまいります。また、今後大きな成長が見込める海外マーケットとして米国、中国での取り組みを強化してまいります。具体的には物流・加工・販売機能を有する当社事業モデルの海外展開、並びに和牛の輸出事業の強化など成長機会の創出に取り組んでまいります。
c.DX、業務プロセス改革及び物流改革
より強靭で柔軟な事業基盤を築くため、DXを活用した部門横断的な業務プロセス改革を推進してまいります。現行業務のあり方を見直し、業務の効率化を目指すとともに、経営判断の迅速化を目指して取り組んでまいります。物流改革では、2024年問題への対応や物流コスト抑制に着手しており、具体的には、外部物流会社と連携し、荷役業務の軽減・効率化を行い、コスト抑制やドライバー不足への対策と合わせて、環境負荷軽減にも貢献してまいります。
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