課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針、経営戦略等

当企業グループは、社是に加え、経営理念・経営戦略として事業活動の効率化、財務体質の強化及びキャッシュ・フロー重視の事業活動を推進しております。一方でこれらの事業活動の持続的な成長を維持するために、中長期的な課題である気候変動を含むサステナビリティ課題について、優先順位を上げて対応しております。具体的には、企業価値の最大化を目指すために、また、広く社会的使命を果たすために社是に加え、社是に基づいたミッション・ステートメントを策定し、これらを行動計画の基礎としながら日々実践しております。

 

社是

「吾々は社業を通じて社会に貢献することをモットーとする。」

「吾々はその繁栄を、常に怠りなき商品の開発と、たゆみなき販路の開拓によって達成させる。」

 

(ミッション・ステートメント)

Our Mission(社会に果たすべき使命)」

私達は、長年機械と技術の総合商社として培った技術力を活かし、最適商品のマネジメントにより、産業界の顧客に新たな価値を提供します。

 

Our Vision(実現したい内容)」

私達は、機械と技術の総合商社として、産業界の未来価値創造企業を目指します。

Advanced Technology for Optimum Machinery”「ATOM」

 

Our Concept(達成の為の基本的考え方)」

①私達は、社会に対する公正さを堅持し、地球環境の保全等社会の要請への積極的な対応により、企業の社会的責任を全うします。

②私達は、顧客への最適商品の供給を通じて、産業界の発展に寄与し、社会に貢献します。

③私達は、常に世界のトレンドと市場のニーズに目を向けて、先端技術商品を取り込み、新市場の開拓を行い、顧客とメーカーの信頼に応えます。

④私達は、情報力、技術力、提案力を常に錬磨し、結集して、価値を創造し、企業価値を高めて株主の負託に応えます。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当企業グループは、経営指標として、受注高・売上高の前期比成長率、各利益の前期比成長率、総資産経常利益率、売上高経常利益率、自己資本利益率(ROE)などを採用しております。これらの指標は業績拡大の目安であり、基本的に前期に比べ増加しているかどうかをもって会社成長の目安としております。特に利益額については、簡単にかつ正確に計測でき、株主をはじめとしたステークホルダーへの還元や社会貢献の原資でもある重要なものと考えております。また、連結ROEの目標は10%を継続的に維持することとしており、これにより、株主資本コスト以上の水準が確保できると考え、毎期達成努力しております。これらを重要な指標として認識し、今後も事業の効率化や販売促進策等の推進により目標の達成に努めてまいります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比(%)

受注高

90,086

116,024

128.8

売上高

89,646

96,890

108.1

営業利益

3,283

4,396

133.9

経常利益

3,794

4,762

125.5

親会社株主に帰属する当期純利益

2,736

3,177

116.1

 

 

自己資本利益率(ROE)(%)

10.4

10.8

売上高経常利益率(%)

4.2

4.9

総資産経常利益率(%)

5.8

6.7

 

 

 

(3)中期経営計画方針

当企業グループは、2022年度までの3ヵ年に亘る以下の「第11次 中期経営計画」を策定しており、業績の向上を目指すと同時に、企業体質の強化にも努めてまいります。

 

当該方針の具体的施策は以下の通りであります。

①将来を担う人材の確保と育成により、いかなる環境変化にも耐えうる堅固な組織作りを行なっていくこと。

②地域特性に適応した拠点整備、人材配置、及び商品提案を行い「エリア戦略」を更に推進させることで、顧客の満足度アップを目指すこと。

③省人・省力化をテーマとして、急速に変化する製造環境に対応した商品、具体的にはIoT、AI、画像処理、認識システム、センサー類等の最先端技術を取り込んだビジネスモデルを、仕入先との連携強化、及び当社技術部門との協働により、コーディネート力をつけ、取扱商品の高付加価値化と差別化を提案すること。

④グローバル事業の拡大を踏まえ、特にアジア市場に於いては日本国内顧客向けと同等程度の商品・情報提供が可能な体制を目指し、拠点の整備、現地化の推進、および最適人材の教育・配置を実施していくこと。

⑤機器設置工事の請負が可能なエンジニアリング商社としての組織つくり及び監理技術者の教育を実施するとともに、請負工事に於いては法令順守及び安全管理・労務管理を徹底することにより、技術の向上と承継に繋げ、企業競争力を付けていくこと。

 

以上に掲げた施策を丁寧かつ継続実施しながら、必要に応じて中期的な目標・方針・施策を調整し、コスト管理と技術評価の徹底により経営の効率化を図ってまいります。さらには、リスクマネジメント、コーポレート・ガバナンス、および内部統制システムの更なる強化にも取組み、企業価値を高め、株主をはじめとするステークホルダーの更なる満足を目指します。

 

(4)優先的に対処すべき事業上の課題

新型コロナウイルス感染症に対しては、ワクチン接種の進展による行動制限の緩和に伴い経済活動が活発化し、総じて回復基調が続きましたが、新たな変異株の懸念もあり、収束は見通せない状況です。しかし経済活動への影響は限定的にとどまると見込まれ、当社におきましては、前期に引き続き感染症拡大の防止と事業継続体制維持の観点で経営判断をしております。

具体的には、当企業グループの客先・仕入先、役職員やその家族をはじめとする、当企業グループに係わる全ての皆さまの安全・健康を第一に考え、政府・地方自治体の要請に従いながら、テレワークの一層の拡充、シフト勤務や時差出勤の実施、さらには勤務時間の短縮などの対策を必要に応じて講じると同時に、客先への納入業務やサービスの維持向上に努めております。企業活動の自粛による売上高および利益へのマイナス影響が一時的に生じておりますが、これらは一定期間続くものの経済はその後緩やかに回復に向かうと想定され、当企業グループへの影響は長期間続かないものと考えております。

今後もテレワーク環境のさらなる整備に向けてデジタル活用を推し進め、事業活動に取り組んでまいります。

一方で、一部地域における地政学的リスクの高まりや、国際紛争等に起因する原材料の価格高騰、半導体をはじめとする部品不足、物流停滞の長期化、物流コストの高騰など、懸念事項はございますが、取引先との緊密な連携を図り、適時必要な対策を講じていく所存でおります。

 

(5)対処すべき課題

当企業グループは、上述の通り中期経営計画を推進いたしておりますが、現在対処すべき課題として位置づけているものは、次のとおりであります。

 

①人材育成

次世代を担う幹部職候補の人材育成に向け、将来の展望を踏まえた戦略的な人事配置を行うとともに、女性・外国人・中途採用者の管理職への登用等、コア人材の多様性推進に努めてまいります。また、労働に対する価値観が多様化する中で、ワークライフバランスの向上を目指し、従業員の活躍環境の整備、テレワークをはじめとした「新しい働き方」の選択肢を充実してまいります。

②エリア制の進化とビジネスの拡大

当社の事業拡大のため、営業拠点機能の強化をはかってまいります。

各エリアの強化を目指し、子会社のもつ機動力をより発揮するため、地域特性に合わせた拠点の整備を行い、顧客数の増大をはかります。また、成長分野業種の攻略に対しても適切な業界戦略を行ってまいります。

これは海外においても同様であり、主にタイ、ベトナム等のアセアン地域の特性、ニーズに合わせた拠点機能の充実に努めてまいります

③取扱商品の拡大と仕入先との連携強化

今後のさらなる成長を期するため、AI・IoT、ロボット等を既存ビジネスへ付加した提案型商品、さらには、環境・物流・食品をはじめとする成長分野およびSDGs・ESG課題の解決につながる様々な分野の新商品の開拓に注力してまいります。仕入商品のグローバル化は、今後ますます高まっていくと思われます。これに対して、当社海外事業部門、技術部門および審査部門の連携、また国内外の仕入先との連携した技術サポートで、リスク回避を行うとともに、顧客満足度の向上に努めてまいります。

④持続可能な社会の実現

社是に基づいた事業活動を通じて、「持続可能な社会の実現」に向けた社会課題の解決に、サステナビリティ経営(環境・社会・経済)の観点からSDGsを捉まえ、積極的に取り組んでまいります。また、ステークホルダーの皆様から信頼される企業を目指し、透明性のある経営体制の構築と積極的な情報開示に努めてまいります。

 

以上を課題として、今後のいかなる経済環境においても、業績に対する影響への適切な対応を行い、社会的規範を遵守し、リスクマネジメント、コーポレート・ガバナンスならびにその基盤となる内部統制システム等の更なる強化に取り組み、企業価値を高め、株主をはじめとするステークホルダーの皆様の満足度向上を目指してまいります。

 

なお、当企業グループのSDGsへの取り組み活動を17の目標に対応させると次のとおりであります。

 


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