課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

フルサトグループは、経営理念において「グループにかかわるすべての人と社会の未来に寄り添い支える」をグループの志として掲げています。その志のもと、持続可能な社会の実現をサポートするために、グループが永続的に成長可能で、社員がいきいきと安心して力を発揮し活躍できる環境を目指すべき理想としています。そこにおいて生み出される“UNIQUE”な発想は、お客様の期待に応え喜ばれる価値となることで、差別化を果たし収益力を強化します。さらに、お客様に喜ばれる価値を創造することは、社員に働くことの意義を見出させ、士気を高めることにつながります。

グループ理念に基づいて、“UNIQUEな発想による価値創造経営の推進”を基本方針と定めています。コア事業の強化に加え、お客様の新たなニーズに対する強みの深化、新たな成長分野の発掘、育成等を手段として、複数の市場に展開し、高い成長領域への経営資本の配分を目標とする『事業ポートフォリオ経営』の追求に注力しています。

 

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(2)中長期的な経営戦略

経営の基本方針である“UNIQUEな発想による価値創造経営の推進”のもと、経営基盤の強化、企業価値の向上を目的とした中期的な経営計画を定め、グループ一丸となって遂行するところではありますが、新型コロナウイルス感染症の影響により策定を見送ってまいりました。

そのような状況下、2021年5月に株式会社マルカとの共同持株会社設立による経営統合を発表し、同10月1日より新たな体制でのスタートを切る予定となりました。フルサト・マルカホールディングス株式会社における新体制のもと、改めて中長期的な経営戦略の策定に取り組み、開示いたしますと共に、新たな枠組みにおいて目標の達成を目指して取り組んでまいる予定です。

 

 

 

 

 

(3)経営環境

当社グループは、主に工業生産、機械設備、建築資材、セキュリティなど景気感応度が異なる分野に分散して展開する事業ポートフォリオ経営を推進しております。

それぞれの事業における環境は次の通りです。

 

(機器・工具セグメント)

工業機器事業は製造業で使用される部品や消耗品、機器や機具・工具、中小型の機械まで販売対象は幅広く多岐にわたることから、国内製造業の生産稼働の状況に影響を受けます。2020年度の鉱工業生産指数は、(4-6月)前年同期比20.7%減、(7-9月)同12.7%減、(10-12月)同4.2%減、(1-3月)同1.3%減となり、年度後半向け回復の兆しが見られました。

自動車向け機械工具事業は、主に切削刃物や関連工具、検査機器などを自動車工業に販売していることから、自動車工業関連の生産稼働に関連性があります。2020年度の自動車工業生産指数は、(4-6月)同49.8%減、(7-9月)同16.5%減、(10-12月)同2.1%増と順調に回復してきましたが、半導体需給のひっ迫により(1-3月)同3.4%減と再びマイナスに転じました。

セキュリティ事業においては、物件数の減少が見られましたが、新型コロナウイルス感染対策関連のサーマルカメラの需要が大きく伸びました。

 

(機械・設備セグメント)

工作機械事業及びFAシステム事業の業績は、製造業の設備投資の影響を強く受けます。日本工作機械工業会の工作機械内需受注統計は(4-6月)前年同期比49.4%減、(7-9月)同37.4%減、(10-12月)同14.0%減、(1-3月)同1.6%増と期を追うごとに回復してまいりました。

 

(建築・配管資材セグメント)

建築資材事業の業績は、国内における鉄骨造(S造)及び鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の鉄骨系建築物の需要動向に影響を受けます。先行指標となる鉄骨造着工床面積は(1-3月)前年同期比14.9%減、(4-6月)同9.9%減、(7-9月)同21.1%減、(10-12月)同13.8%減となり、回復の傾向はみられませんでした。また、鉄鋼材料市況の動向は製商品価格に影響を与えるため注視が必要です。

 

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、「STAND BY YOUR FUTURE あなたの未来に寄り添い支える」を志として掲げ、社会やステークホルダーの持続可能な未来が実現するよう、サポートを行うことができるグループでありたいと願っています。昨年来の世界的な新型コロナウイルス感染拡大により、人々の生活環境は大きく変わりましたが、状況に即した持続可能な未来の実現を模索する中で、グループとして優先的に対処すべき課題を設定し、取り組んでまいります。

また、株式会社マルカとの経営統合につきましては、本年5月7日に経営統合契約書を締結し、本株主総会でのご承認が得られることを前提として、共同株式移転の方式により、本年10月1日に両社の完全親会社となる「フルサト・マルカホールディングス株式会社」を設立いたします。新たに設立される共同持株会社では、工作機械における取扱規模の拡大、ロボットシステムインテグレーター事業の拡大、グローバルマーケットにおける協業、経営資源の効率化及び戦略投資によるキャッシュ・フロー創出力の向上などのシナジー実現を通じて、プラットフォーム戦略の進展を図り、ものづくりを全力でサポートする技術商社として、企業価値の更なる向上に努めてまいります。

 

〈法令及び社会規範の遵守〉

当社グループは、グループ理念のOUR STANDARDS(私たちの判断基準)の中で、「高い倫理観を持って関係法令および社会のルールを守る」とうたっています。同基準に記されている「人権の尊重」、「公平・公正の履行」とともに、社会で活動する私たちの思考及び行動における重要な判断の基準として遵守してまいります。

 

〈生産性の向上〉

構造的なエネルギー不足や、少子高齢化の進行による今後の労働力不足等が予測される中で、競争力を維持し収益を拡大していくために、生産性の向上に取り組んでまいります。製造現場における自動化だけでなく、RPAをはじめとする様々なデジタルテクノロジーを活用した広範な業務の自動化を推進し、クラウドPBX・クラウドFAXを導入するなど多様な働き方ができる環境の整備を行うなど、当社グループ全ての部署において労働生産性を向上させることにより、収益性のみならず、省エネルギーの推進や働き方改革にもつながるものと考えております。

 

〈人材の確保と育成〉

変動の激しい経営環境の下、柔軟な発想でビジネスを構築し、事業領域を拡大していくために、多様かつ優秀な人材の確保、発掘、育成が不可欠となっており、重要な経営課題であると認識しております。社員がいきいきと働き続けられる環境を実現するため、2021年4月より新たな人事制度を開始し、働き方改革、ワークライフバランスの充実に資する福利厚生の拡充なども図りながら、従来からの考え方に捉われずに、組織を新陳代謝させていくことのできる、全ての世代が活躍できるフィールドを整備していくことにスピード感を持って取り組んでまいります。

 

〈ビジネスポートフォリオ経営の推進〉

当社グループは、安定的な収益性の確保と確実な成長性の実現を目指し、業績変動リスクの分散を目的として、ビジネスモデルや景気感応度等の異なる複数の事業に分散して展開する、ビジネスポートフォリオ経営を推進しております。それぞれの事業の強化において必要とされる分野を、M&Aやアライアンス等を用いて積極的に補完し、最適な価値の創出に努めてまいります。

 

〈グループガバナンスの強化〉

当社グループはM&Aや業務提携等による事業領域の拡大を永続的な成長戦略と位置付け、それに伴うグループ経営における実効的なガバナンスの強化を、重要な経営課題であると認識しております。

その課題への対処としてグル-プ各社のコーポレート機能の統合や内部統制システムの強化など、経営資源の集中投資を効率的かつ戦略的に実施し、グループガバナンスの強化を図ってまいります。

 

〈サステナビリティへの取組み〉

今や地球環境や社会が抱える課題の解決は世界共通のものであり、多くの国が将来的なカーボンニュートラルの実現を表明しています。そのような中にあって、企業の果たす役割への期待も高まっており、ESG投資への対応の観点からもサステナビリティを重要課題と捉える動きが広まっています。当社グループにおいては、グループ各社の事業活動を通じて実施可能なSDGsゴール/ターゲットを設定し、ESGの取組みに連動させながら、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

 

 

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