課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

(1)経営方針

当社グループは、経営理念である三愛精神「人を愛し 国を愛し 勤めを愛す」と、コーポレートブランドである「Obbli」(オブリ)を礎に、人々の生活と産業を支えるパートナーとして、成長し続ける企業グループとなることを目指す。

 

(2)経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループの事業環境は、自動車の燃費向上や少子高齢化の影響などにより国内の石油製品の需要が減少傾向で推移するとともに、低炭素・循環型社会に向けてカーボンニュートラルを目指す動きが世界的に加速するなど大きな転換期を迎えている。また、新型コロナウイルスの感染拡大やウクライナ情勢の影響に伴う原油価格の高騰など足元の事業環境は不透明な状況が続いている。

こうしたなか、2021年度から2023年度までの中期経営計画を「変貌する未来への挑戦 Challenge 2030」とし、2030年度を照準に低炭素・循環型社会に対応した事業ポートフォリオへの進化に向けて経営基盤の再構築に取り組んでいる。

 

① 中期経営計画の概要

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② 中期経営計画の定量的目標に対する進捗状況

 

(参考)2020年度実績

2021年度実績

2023年度財務目標

連結経常利益

100億1百万円

131億20百万円

140億円以上

連結ROE

7.2%

8.0%

8%以上

連結配当性向

27.6%

33.2%

30%以上

 

 

③ 各事業別の対処すべき課題

イ.石油関連事業

<石油製品販売業>

石油関連事業は効率化事業に位置付け、ローコスト体制を構築し、安定利益を確保していく。当社グループは、競争力のある好立地・大型SSの新規獲得やSS事業の集約、デジタル技術を活用した業務効率化の推進などにより、石油小売事業のさらなる強化を図る。また、全国約1,000店舗のSSネットワークを有しており、このネットワークを活かし、モビリティの進化に合わせた新しい収益モデルの構築など、将来の石油製品需要の減退に備えたSS新業態の開発に取り組む。

 

ロ.化学品関連事業

<化学品製造販売業>

化学品関連事業は成長事業に位置付け、石油関連事業、ガス関連事業、航空関連事業に次ぐ「第四の柱」とするべく、「M&A・提携」、「研究開発体制」、「営業力」を推進・強化のうえ、高付加価値自社製品の販売を拡大する。当社グループは、自社研究所および生産設備を有しており、製品企画から出荷まで、一貫した生産体制と技術力で顧客のニーズに合った製品の開発・販売を推進する。

 

ハ.ガス関連事業

ガス関連事業は成長事業に位置付け、LPガス販売業については小売顧客軒数を拡大し、天然ガス販売業については競争力のある九州地方での新規需要家の獲得を強化する。

<LPガス販売業>

LPガスは人々の生活インフラを支えるエネルギーとして、需要は当面のところ底堅く推移し、安定的な市場環境が見込まれている。こうしたなかで、LPガス小売営業権の買収を含めたM&Aの推進により小売顧客軒数を拡大するとともに、デジタル技術を活用した業務効率化の推進に取り組む。

<天然ガス販売業>

当社グループは、九州地方において競争力のある営業エリアを有しており、佐賀天然ガスパイプラインによる天然ガスの供給や佐賀ガス株式会社による都市ガスの供給などをおこなっている。競争力のある九州地方の新規営業を強化し、佐賀天然ガスパイプラインエリア内における新規需要家の獲得を推進するとともに、カーボンニュートラルに向けた新たなオンサイトエネルギーサービスを提案することで販路を拡大する。

 

ニ.航空関連事業他

<航空燃料取扱業>

航空関連事業は安定基盤事業に位置づけ、国内において航空機給油施設の運営および給油事業者としての確固たる地位を確立し、業容を拡大する。当社グループは、創業以来、羽田空港において航空機給油施設の運営・管理と航空機への給油業務をおこなっており、現在は羽田空港をはじめとした全国27ヶ所で事業を展開している。コロナ禍からの航空需要の回復に合わせ航空機給油施設への投資やAIの活用による給油業務の効率化をおこなう。

また、航空業界においてカーボンニュートラルを目指す動きとして持続可能な航空燃料(SAF)への関心が高まっている。羽田空港においても取扱数量が増加しており、当社グループはSAFの保管および航空機への給油業務を遂行するとともに、自社の作業車両にはリニューアブル燃料を使用するなど、今後も航空業界全体のカーボンニュートラルに貢献していく。

 

ホ.成長事業への取り組み

上記のほか、成長事業として、風力発電向けメンテナンスサービス領域を拡大する。市場成長が見込まれる風力発電市場において、風力発電向けオペレーション・アンド・メンテナンス(O&M)領域を中心に事業モデルの構築・機能強化を推進する。2030年度には、M&Aを含めた投資拡大により事業・機能拡大と再生可能エネルギーO&M領域における収益源の確立を目指す。

 

④ 新型コロナウイルス感染症の影響について

世界的に拡大した新型コロナウイルス感染症の影響が長期化しており、当期においても緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が断続的に発出されるなど、社会・経済に大きな影響を及ぼした。

石油関連事業およびガス関連事業においては、主力商品であるガソリンやLPガス等が生活必需品であることから需要は引き続き堅調に推移するものと思われる。また、化学品関連事業においては、コロナ禍によって発生した一部の原材料と製品における調達難や物流遅延に対し、製品の安定供給に向けたサプライチェーンの強化に取り組んでいく。航空関連事業においては、国際線を含む航空需要が徐々に回復していくものと予想しており、航空需要の回復に備えて給油体制の整備に努める。

 

⑤ ウクライナ情勢の影響について

2021年末からウクライナ情勢が緊迫し、2022年2月にロシアがウクライナに侵攻したことで、世界的に原油を中心とした資源価格の高騰が起きている。

原油価格の高騰を受けて石油関連事業、化学品関連事業、ガス関連事業の仕入価格に影響が出ているが、引き続き仕入価格の上昇に合わせた適正な販売価格の維持に努める。航空関連事業においては、羽田空港発着の欧州路線で一部減便などの影響がみられるが、航空需要がコロナ禍の低迷から徐々に回復していくものと予想しており、現時点において影響は限定的であると見込んでいる。

 

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