当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度において当社は、重点戦略として掲げている日本・韓国・中国での地域別戦略に取り組みが奏功したこと、及び前年の新型コロナによる影響から回復したことにより、主要セグメントである日本・韓国・中国において増収増益となりました。結果として、当連結会計年度の売上高は108,892百万円(前年同期比12.4%増)、営業利益は5,138百万円(前年同期は1,806百万円の営業損失)、経常利益は7,556百万円(前年同期は584百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,229百万円(前年同期比23.6%増)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計は116,375百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,387百万円増加しました。
流動資産は前連結会計年度末に比べ8,299百万円増加し、73,667百万円となりました。これは主に現金及び預金の増加13,200百万円、商品及び製品の減少5,279百万円によるものです。
固定資産は前連結会計年度末に比べ88百万円増加し、42,708百万円となりました。これは主に投資有価証券の増加3,698百万円、建物及び構築物の減少1,901百万円、使用権資産の減少949百万円、土地の減少225百万円、無形固定資産その他に含まれる商標権の減少208百万円、ソフトウェアの減少155百万円によるものです。
負債合計は前連結会計年度末に比べ307百万円減少し、29,716百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金の増加475百万円、リース債務の減少1,086百万円によるものです。
純資産は前連結会計年度末に比べ8,695百万円増加し、86,658百万円となりました。これは主に利益剰余金の増加5,364百万円、為替換算調整勘定の増加3,076百万円によるものです。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ、2.3%増の74.5%となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ13,513百万円増加し、32,757百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、13,515百万円の収入超過(前連結会計年度は2,393百万円の収入超過)となりました。これは増加要因として税金等調整前当期純利益9,300百万円、減価償却費4,520百万円、棚卸資産の減少5,498百万円があったことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、3,152百万円の収入超過(前連結会計年度は51百万円の収入超過)となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入3,867百万円、有形固定資産の取得による支出1,575百万円、投資有価証券の売却による収入290百万円、差入保証金の回収による収入415百万円などによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、3,520百万円の支出超過(前連結会計年度は2,586百万円の支出超過)となりました。これは主に短期借入金の返済による支出1,000百万円、リース債務の返済による支出2,021百万円などによるものです。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務諸表数値により算出しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループは、生産の状況について、セグメントごとの製品の製造場所等から判断し、日本が大半を占めており、重要性が乏しいため記載を省略しております。
原則として受注生産は行っておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 その他セグメントについては、海外子会社の清算及び株式売却に伴い金額が減少しております。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(a)財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末の資産合計は116,375百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,387百万円増加いたしました。増加の主な要因は、流動資産の増加です。
流動資産は前連結会計年度末に比べ8,299百万円増加し、73,667百万円となりました。このうち為替による増加額が1,106百万円あり、実質7,193百万円の増加になります。主な増加要因は現金及び預金の増加13,200百万円、減少要因は、商品及び製品の減少5,279百万円によるものです。
固定資産は前連結会計年度末に比べ88百万円増加し、42,708百万円となりました。これは為替による増加額353百万円を除くと実質265百万円の減少となります。これは主に、DCH再編等による投資有価証券の増加3,698百万円を、既存資産の減価償却等による有形固定資産の減少3,364百万円及び無形固定資産の減少384百万円が上回ったことによるものです。
(負債の部)
負債合計は前連結会計年度末に比べ307百万円減少し、29,716百万円となりました。このうち為替による増加額307百万円がありました。未払法人税等は881百万円減少したものの、賞与引当金の増加636百万円と、支払手形及び買掛金の増加475百万円などがありました。
(純資産の部)
純資産は前連結会計年度末に比べ8,695百万円増加し、86,658百万円となりました。このうち為替による増加額が1,219百万円あり、実質7,476百万円の増加となります。これは主に利益剰余金の増加5,364百万円によるものです。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ、2.3%増の74.5%となりました。
(b)経営成績の分析
連結実績及び連結当初計画(百万円)
セグメント別売上高実績及び当初計画(百万円)
日本セグメントにおいて、当社主力商品である「水沢ダウン」が好調となる等、重衣料の売上が堅調に推移しました。冬物の店頭消化が順調に進んだこと及び商品量のコントロールを強化したことで春物の投入を効果的に実行できており、春夏商品の立ち上がりが好調だったほか、自社ECの売上も伸長しました。韓国セグメントではランニングシューズ及びゴルフシューズの販売が好調なほか、『アンブロ』ブランドの売上が伸長しました。中国セグメントでは、上海デサント商業有限公司において『アリーナ』ブランドの売上が回復したことに加え、各ブランドの「独身の日」におけるEC売上が好調に推移しました。以上の結果から、売上高が前年同期比12,030百万円増の108,892百万円となりました。また、日本において新型コロナによる影響が他の地域と比べて小さく、販売店への来店客数が増加したほか、デサントジャパン株式会社のゴルフ事業が順調に推移した結果、売上高が当初の計画値を上回る結果となりました。
2022年3月期は中期経営計画「D-Summit 2023」の初年度として、特に日本事業の収益改善に注力しました。社内の経営指標をこれまでの売上重視から営業利益額・在庫月数といった収益性重視に変更するなど従業員のマインドセットの変化を推し進めた結果、年間を通して返品・値引といった販売ロスを抑制しました。その効果が当初の想定より大きく、日本のセグメント利益が大幅に改善しました。韓国において、新型コロナやベトナムでのロックダウンによる納期遅延、気候等による影響があったものの、上述の日本事業の収益改善により、営業利益は前年同期比6,944百万円増、計画対比2,038百万円増の5,138百万円となりました。
経常利益について、持分法適用関連会社である「Descente China Holding Limited」の継続的な伸長によって営業外収益が増加し、前年同期比8,140百万円増の7,556百万円となりました。加えて、当初想定を上回る営業利益の増加もあり、当初の計画値から3,256百万円増となりました。
また、2021年11月5日公表の「固定資産の譲渡及び特別利益の計上並びに当社及び連結子会社の本店(本社)移転に関するお知らせ」に記載のとおり、2022年3月期第3四半期において当社本社事務所を売却した結果、親会社株主に帰属する当期純利益が当初計画を上回りました。2021年3月期において、DCH再編に伴う持分変動利益を含む6,150百万円の特別利益があり、今年度の特別利益はそれを下回ったものの、経常利益の増加が特別利益の減少を上回った結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比1,190百万円増の6,229百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、店舗等への設備投資、子会社への増資等によるものであります。また、必要な運転資金及び設備投資につきましては、自己資金または銀行借入により調達するものとしております。なお、新型コロナの影響が資金繰りに波及することを防ぐため、引き続き、取引銀行4行と借入枠を維持しております。これにより十分な運転資金が確保でき、資金繰り面についての懸念を払拭しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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