事業等のリスク

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経済状況

当社グループの取り扱う商品は主に百貨店、チェーンストア、専門店を通じて、最終個人消費者に販売されております。従いまして、当社グループの売上高は、個人消費動向の影響を大きく受けることになります。

2020年初めより発生した新型コロナウイルス感染症の拡大にて、商業施設等の営業自粛、不要不急の外出規制等により経済活動が大きく制限されることで個人消費が縮小した事象は、依然、当社グループの経済活動に影響を与えております。

 

(2)百貨店による影響

日本の人口減少、百貨店に来店していた顧客の高年齢化、消費者の消費行動の変化等を背景に、百貨店において、閉店・売場の縮小・業態の変更等の動きが加速化しております。当社グループの売上高の中で構成比率の大きい百貨店マーケットの縮小は、当社グループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)天候による影響

当社グループの取り扱う商品にはパラソル、洋品毛皮など季節商材が含まれております。これら季節商材は、一般に冷夏・暖冬・少雨といった天候不順の場合、売上高が減少するなど、当社グループの業績は天候により影響を受ける可能性があります。

 

(4)品質管理による影響

当社グループの取り扱う商品は、消費者や取引先へ出荷する前に、その安全性、機能性、規格等について、品質管理室又は第三者の検査機関の検査を実施して万全の体制を取っておりますが、予測しえない品質トラブルや製造物責任に関する事故が発生した場合は、企業やブランドイメージの低下、多額の損失が発生する可能性があります。

 

(5)為替の変動

当社グループは商品及び原材料の一部をヨーロッパはじめアジア各国から輸入しております。一般に、他の通貨に対する円高は当社グループの事業に好影響をもたらし、円安は当社グループの事業に悪影響を及ぼします。

当社グループは、輸入取引に係る為替変動のリスクに備えるため、通常の取引の範囲内で為替予約取引を行っておりますが、中長期的な為替変動は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)個人情報の取り扱い

当社グループは、個人情報の取扱いについて厳格に運用管理しておりますが、サイバー攻撃等の不測の事故により重大な情報セキュリティー事故が発生した場合は、当社グループの社会的信用や企業イメージの低下により、当社グループの経営に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)棚卸資産の収益性の低下

当社グループは商品在庫に評価ルールを定め定期的な商品時価の見直しを図っておりますしかし新型コロナウイルス感染症の影響等による商業施設等の休業又は百貨店の閉店・売場の縮小・業態の変更等といった市況の急激な変化天候不順個人消費動向の変化等の諸要因が複合的に生じた場合需要の大きな低下に伴う追加的な棚卸資産評価損が生じ当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)有利子負債の状況

新型コロナウイルス感染症の影響等により、当社商品の販売機会が大きく損なわれたこともあり、売上高の減少・在庫の増加に伴い、有利子負債残高が増加傾向にあります。

有利子負債残高の増加は、当社グループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)他社との提携等の変動

当社グループは「4 経営上の重要な契約等」に記載の契約先をはじめとして、多くの海外企業と商標使用権の取得、デザイン複製品の製造販売に関する契約を結んでおります。

現状各契約先とは良好な取引関係を維持しておりますが、契約先との契約が終結した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)継続企業の前提に関する重要事象等について

当社グループは前連結会計年度において新型コロナウイルス感染症拡大に伴う営業活動の制約や販売機会の喪失の影響により大幅な減収とそれに伴う営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスの計上を余儀なくされました

さらに当連結会計年度においても新型コロナウイルス感染症の収束に向けてワクチン接種が進捗しているものの昨年9月末の緊急事態宣言解除後も感染再拡大の懸念等から個人消費の戻りが鈍く本年1月以降オミクロン株の感染急拡大を受けて再び悪化に転じたことから売上の回復が限定的となり営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上することとなりましたこれらの事象により継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在することを認識しております

このような状況の下当連結会計年度を初年度とする第1次中期経営計画に基づく経営方針より主力販路である百貨店部門での売上の回復、並びに成長領域である専門店・量販店の販路拡大Eコマース事業及び直営店事業の強化による売上の回復及び既存販路全般での粗利益率改善に注力し新規商品の仕入の抑制販売管理費の継続的な削減を進めております

また財務面では8行の金融機関で合計52億円の借入枠の当座貸越契約を結び34億円の借入を行っており未実行借入枠が18億円ありますこれにより運転資金を十分に確保しており金融機関とも緊密な関係を維持していることから資金繰りの懸念は無いものと考えております

以上のことから現時点で当社グループにおいて継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております

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