当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針及び見積りの概要については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、71億89百万円(前連結会計年度末は、72億58百万円)となり、69百万円減少いたしました。現金及び預金の増加(9億8百万円から13億8百万円へ3億99百万円増)、受取手形及び売掛金の減少(21億61百万円から20億52百万円へ1億9百万円減)、棚卸資産の減少(38億99百万円から36億7百万円へ2億92百万円減)が主な要因です。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、51億10百万円(前連結会計年度末は、52億87百万円)となり、1億77百万円減少いたしました。投資有価証券の増加(5億19百万円から6億6百万円へ86百万円増)、投資不動産の減少(16億33百万円から15億96百万円へ37百万円減)、繰延税金資産の減少(3億81百万円から2億3百万円へ1億78百万円減)、が主な要因です。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、52億55百万円(前連結会計年度末は、52億14百万円)となり、40百万円増加いたしました。支払手形及び買掛金の減少(18億11百万円から16億65百万円へ1億45百万円減)、短期借入金の増加(18億円から25億円へ7億円増)、1年内返済予定の長期借入金の減少(5億74百万円から5億11百万円へ63百万円減)、未払費用の減少(5億54百万円から1億46百万円へ4億8百万円減)が主な要因です。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、9億68百万円(前連結会計年度末は、9億43百万円)となり、24百万円増加いたしました。長期借入金の減少(3億40百万円から3億35百万円へ4百万円減)、退職給付に係る負債の増加(4億15百万円から4億34百万円へ18百万円増)が主な要因です。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、60億76百万円(前連結会計年度末は、63億87百万円)となり、3億11百万円減少いたしました。利益剰余金の減少(30億55百万円から26億89百万円へ3億65百万円減)、その他有価証券評価差額金の増加(△1億18百万円から△60百万円へ57百万円増)、が主な要因です。
当連結会計年度(2021年4月1日~2022年3月31日)における国内経済は、昨年に引き続き新型コロナウイルス感染症再拡大による影響で厳しい状況が続き、10月以降はワクチン接種の進行に伴い、感染者数の減少や緊急事態宣言の解除等により緩やかな回復基調に転じましたが、年明け以降はオミクロン株感染拡大を受け、再び急速に悪化いたしました。
当社グループの主要販路である百貨店・直営店舗においても、秋冬から年末商戦の期間ではコロナ感染者数減少を背景に入店客数増、外出機運や消費意欲の高まりにより盛り上がりを見せ、市況の回復が一時的にありました。しかしながら当連結会計年度を通じては、まん延防止等重点措置や緊急事態宣言が断続的に発出され、対象地域も徐々に拡大されたことによる店舗の営業時間短縮や売場の営業自粛、消費者の外出自粛による入店客数減少などが大きく影響した結果、小売業界でも同様に厳しい状況となりました。
当社グループにおいても累計売上、利益額ともに昨年度に続き極めて厳しい結果となりました。
このような状況下において、当社グループは、当連結会計年度の重点課題として掲げている新規販路の開拓、EC事業の拡大、収益の改善、マーケティング活動・広報活動強化、SDGsの取り組み、の5つを更に推進し、新型コロナウイルス感染症拡大防止の取り組みを継続し、在宅勤務や時差出勤等の柔軟な勤務体制、WEB会議システムの活用等の対応策を講じ、従業員、取引先、顧客への影響の最小化に努めつつ積極的に営業活動を進めてまいりました。
また事業継続の観点から引き続き、在庫の適正化、経費削減、投資の見直し等の取り組みを積極的に行うとともに物流センターの稼働率低下に伴い、勤務体制の見直しを行い経費抑制に努め取り組んでまいりました。
その結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高107億86百万円(前年同期比95.5%)、営業損失2億14百万円(前年同期営業損失4億62百万円)、経常損失1億22百万円(前年同期経常損失3億81百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失3億65百万円(前年同期親会社株主に帰属する当期純損失4億33百万円)となりました。
セグメントの業績は、以下の通りであります。
身の回り品事業
身の回り品事業につきましては、まん延防止等重点措置や緊急事態宣言が断続的に発出された影響と、ギフト需要が高まる第4四半期にオミクロン株感染拡大の影響が出ましたが、年間を通して新規販路の開拓を行い、株式会社ロフト、日本郵政株式会社、生活協同組合、書店等の新規販路開拓と新規催事の獲得もでき、一定の成果を上げることができました。また、新たにコストコとの取り組みをスタートさせることもできました。
主要取引先である百貨店及び直営店に関しましては、最大の繁忙期である3月商戦におきましてオミクロン株拡大の影響をうけ、ギフト需要が低迷したことにより、売上全体を押し上げることができず身の回り品事業全体の売上は前年比96.0%となりました。
ハンカチーフにつましては、オリジナル商品開発販売や新規コンテンツの販売等を積極的に取り組みましたが、ギフトニーズの減少がハンカチーフ需要に影響を及ぼしたことに加え、昨年度好調に推移した当社においてハンカチーフのカテゴリーに分類されるマスクの売上の減少が大きく影響し、売上は前年比93.2%と厳しい結果となりました。
スカーフにつきましては、12月の繁忙期も好調に店頭売上を構築でき、1月のクリアランス商戦に関しましても順調に推移した結果、スカーフ・マフラーの売上は前年比119.9%となりました。
タオル・雑貨につきましては、前半はTV通販・EC事業を中心に売上が伸長しましたが、来店客数の減少やバッグの在庫処理を行った直営店の不振が大きく影響し、売上は前年比95.3%となりました。
フレグランス事業
フレグランス事業につきましては、年明け以降のオミクロン株感染拡大の影響を受けましたが、年間を通しては、主要販路である百貨店及び直営店販路に於いて、新規取扱いブランドが好調に推移し大きく売上を伸長させることができました。しかしながら売上構成比の高いホールセール事業に於いて厳しい状況が続き、事業全体としての売上は前年比92.4%となりました。
全事業全体として、本年度も新型コロナウイルス感染症再拡大による影響を受け、大変厳しい状況であり、売上は減収となりましたが、売上総利益、販売管理費、営業利益、経常利益は、大幅に改善することができました。また、下期だけで見ますと本業力と言われる営業利益段階で黒字に転換することができ、翌期に繋がる成果となりました。
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、第2[事業の状況]2[事業等のリスク]に記載しております。
当社グループは、より強固な経営基盤を確立する為、『川辺株式会社・新中期経営計画2020』における経営指標を採算性の向上とし最重要課題と認識しております。
当社グループは、目標とする経営指標として「総資本利益率 (ROA)2.61%」「株主資本利益率 (ROE)4.60%」を主要な経営指標目標として定めておりますが、当連結会計年度のROAは△2.98%(前年度ROA△3.46%)、ROEは△6.02%(前年度ROE△6.79%)の結果となりました。これは、主として売上総利益の増加(3,860,630千円から3,906,325千円へ45,695千円増加)及び販売費及び一般管理費の減少(4,323,031千円から4,120,767千円へ202,263千円減少)したことによる影響であります。
(単位:千円)
(単位:千円)
(注) 金額は仕入価額によっております。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、3億99百万円増加し、13億8百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の減少は、1億74百万円(前年同期は5億79百万円の減少)となりました。これは主に税金等調整前当期純損失、売上債権の減少額、仕入債務の減少額、未払費用の減少額等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、49百万円(前年同期は7億5百万円の増加)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の増加は、6億23百万円(前年同期は51百万円の増加)となりました。これは主に短期借入金の増加額、長期借入金の返済による支出等であります。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループは、事業運営上のリスク及び経済環境の急激な変化に備えるため、一定の流動性を確保することを基本方針としております。そのため資金の調達についても営業活動から得られたキャッシュ・フローに基づく内部資金を基本としつつ、金利状況、投資回収スケジュール、運転資金のポジションを勘案し、金融機関からの借入等外部調達を検討するなどして調達の多様化を図っております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 〔注記事項〕 (重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
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