文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は2022年6月に迎えた会社設立75周年を経た現在、改めて原点である顧客起点に立ち返り「ものを創り 人を創り お客様と共に心豊かな毎日を創る」という不変のミッションのもと、いつの時代でも どのような環境下でも お客様の不満や問題を解決し 求められるものを提供し 最初に想起される真のブランド「シン・ブランド創り」を目指しております。
時代・市場・環境は常に変化し、企業はその変化を敏感に察知し、柔軟に対応し、その時々でベストなパフォーマンスをしていかなければ生き残っていくことができないと考えます。
今後当社が更なる成長を遂げるためには、時代に適合した戦略を実践していくことが不可欠であります。メーカー発アパレル企業として当社が取り組んできた安心安全で高品質な商品の提供は今後も継続してまいりますが、時代の流れとともに物づくり以外にも求められる価値は益々多様化しております。転換期を迎えた人々のライフスタイルや価値観が様変わりする中、いつの時代でもお客様に求められ続ける真のブランド創りを目指してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社は、株主資本の効率的運用及び収益性の追求の観点から、ROE(自己資本当期純利益率)を重要な経営指標ととらえ、その向上を目指して経営に取り組んでおります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社は、中長期的な経営戦略として中期ビジョン「Yamato2023」を始動しております。
当社の基幹事業である「クロコダイル」は、1963年の販売開始以来、半世紀以上にわたり愛され続ける当社のオリジナルブランドです。「〝大人のTPO〟をスマートに演出するブランド」をコンセプトに、改めて原点である顧客起点に立ち返り、既顧客の満足度向上と活性化に繋がる商品の強みや付加価値を戦略的に構築し、また潜在顧客が興味を持ち共感できる新しいスタイルを提案してまいります。更に商品・店舗・コミュニケーション等すべてにおいて一貫性を保ち提供することで、お客様のブランドに対する認知・認識を深め顧客を獲得し、事業の持続的成長を目指してまいります。「創造的な移動を続ける都市生活者のための機能服」をコンセプトに、オンラインショップをベースに展開する「CITERA(シテラ)」は、常に洗練された、時代に響くスタイルを創り出しております。ブランドの顔となる商品開発に引き続き注力することで更なる売上拡大を目指してまいります。また、米国発アウトドアファッションブランド「Penfield(ペンフィールド)」と、ハワイ発カジュアルサーフブランド「Lightning Bolt(ライトニングボルト)」はブランド認知度と価値向上に注力し、ライセンス事業の拡大を目指してまいります。
今後も事業の更なる成長を図るとともに、株主の皆様への利益還元や資本効率の改善等による中長期的な株式価値の向上を目指してまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
来期の展望としましては、新型コロナウイルス感染症の収束時期が未だ不透明である中で、資源価格の高騰や円安を背景とした急激な物価上昇による個人消費の落ち込みも懸念され、当社を取り巻く環境の先行き不透明感は継続するものと思われます。また、現時点で新型コロナウイルス感染症の収束時期や影響を正確に予測することは困難ではありますが、2022年8月期の上期は緊急事態宣言発令期間や宣言解除後の経過措置期間、およびまん延防止等重点措置の適用期間においては、既存店売上が平時であった2019年8月期に対し約8掛と長引くコロナの影響を受けました。また下期においては感染者数が落ち着いた4月から7月は売上が持ち直したものの、感染が拡大していた3月、および感染拡大第7波となった8月はその影響を受けており、今後の感染状況によっては、既存店舗の集客や稼働率が低下し売上高が減少する等、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このような状況の中、当社グループは、原点である顧客起点に立ち返り「ものを創り 人を創り お客様と共に心豊かな毎日を創る」という不変のミッションのもと、いつの時代でも どのような環境下でも お客様の不満や問題を解決し 求められるものを提供し 最初に想起される真のブランド「シン・ブランド創り」を目指しております。
また、3年後のあるべき姿に向けた中期ビジョン「Yamato2023」にて掲げた3つの分野①収益率を高める分野(GMS) ②売上を徹底的に伸ばす分野(EC/CITERA) ③将来の成長基盤を確立する分野(直営)、これら各分野が目指す指標と活動を連動して実践することで事業構造の転換を図り、企業価値・ブランド価値・提供価値 それぞれの「価値拡大」を目指してまいります。
①収益率を高める分野(GMS)については、あるべき店舗の原型づくりを目指し、「シン・ブランド」を体現する為に不可欠となる店舗の空間設計や新什器の実証実験を行っております。一貫性ある店舗展開で、既顧客の活性化と潜在顧客の獲得による全体の底上げを図りながら、GMSの店舗あたりの売上と収益率を高め、中長期的なブランド価値の拡大に繋げてまいります。
②売上を徹底的に伸ばす分野(EC/CITERA)については、中期ビジョン「Yamato2023」が完了する翌年の全社売上シェア1割(「収益認識に関する会計基準」等の適用前の会計基準比較)を射程圏内に捉え進捗しております。これまで注力してきた会員獲得・付加価値の高い商品の開発・販売在庫の確保・コミュニケーションの一貫性に重点を置き取り組みを強化することで、引き続きクロコダイル、CITERA共に順調な成長を遂げてまいります。
③将来の成長基盤を確立する分野(直営)については、潜在顧客の獲得と、一つの店で結果を出し成功事例を築き上げることを目的とし、それを実現する為の商品と店舗の原型づくりを戦略的に推し進めてまいりました。この分野については事業構築に最も時間を要する領域ですが、ようやくその目途がついたことで、直営プロパー・アウトレット共に新店の出店を再開してまいります。今後も直営事業は当社の成長には欠かせない領域となるため、引き続き将来の成長基盤の確立に注力してまいります。
これら一つ一つの戦略を確実に実行することで事業構造の転換を図り、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。
お知らせ