課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループでは、経営理念を「わたしたちは、豊かなくらしのにないてとして、常に正道に立ち、お客様起点で社業を運営します。」と掲げ、エネルギーを中心とした生活者周辺サービスの充実をはかっております。

 常に生活者目線で新しいサービスを拡充していくのはもちろんのこと、自然エネルギーの活用や省エネ住宅機器の設置推進等により、引き続き地球環境保全へ貢献してまいります。

 また、「安全・安心」を最優先して提供できるよう保安や品質管理の取り組みを継続的に強化し、高い倫理性に基づき、企業の社会的責任を果たしてまいります。

 

(2)経営戦略等

 当社グループは経営理念に掲げる「豊かなくらしのにないて」となるべく、コア事業であるエネルギー周辺事業の競争力を維持しながら、主として以下の事項に注力してまいります。

①自社電源保有の強みを活用した電力ビジネスの収益力拡大

自社電源を保有する優位性を最大限活用するため、電気の販売ならびに電力の供給等をはじめとする電力ビジネスの収益力拡大を目指すとともに、家庭用燃料電池や蓄電機器の普及に注力します。

②生活周辺サービスの強みを活かした顧客基盤の拡大

生活周辺サービスに強みを持つ当社グループとして、既存事業においても次世代事業においても販売活動の基はお客様であり、お客様を増加させることが当社グループの経営基盤です。今後も当社グループのファンが1人でも多くなるよう、お客様軒数拡大を図ります。

③フーズ事業の積極的な店舗展開、一層の品質管理とホスピタリティ強化

フーズ事業の積極的な店舗展開と飲料水事業の販路拡大を図り、安定した事業基盤の強化に努めてまいります。今後もお客様に満足していただける商品提供とともに、より一層の品質管理とホスピタリティを強化してまいります。

④持続可能な社会づくりへの貢献

ESGの観点から長期的な視野で当社グループの事業を鑑み、あらゆる社会課題の中から経営が優先的に取り組むべき課題を検討した結果、以下の6つのマテリアリティを特定し、各々にKPIを設定しております。

  1)環境へ貢献…自社のCO2削減率、顧客のCO2削減率

  2)地域社会への貢献…募金活動拡大や清掃活動等の地域/社会貢献活動の実施

  3)コンプライアンスの徹底…ITコンプライアンス、ハラスメント、人権に関わる研修回数

  4)安全および災害対策の強化…災害を想定した安否確認訓練回数

  5)健康経営…定期健診受診率、精密検査受診率、適正体重維持者率、ストレスチェック受検率、喫煙率、

運動習慣者比率

  6)ダイバーシティの推進…育児休業取得率、女性就業比率、女性管理職比率、ダイバーシティ研修回数、

キャリアセミナー回数、産前産後休業研修回数

各KPIに対し定量目標と目標年度を設定し、これらの達成を目指すことで、多様なステークホルダーの皆様と新たな価値創造を継続し、持続可能な社会づくりに貢献してまいります。

⑤アジア地域を中心としたグローバルへの更なる進化

 当社連結子会社であるTRIFORCE INVESTMENTS PTE.LTD.を通じてグローバルなビジネスへの投資と支援を実施し、アジアを始めとする世界の皆さまに、持続可能な価値をもたらすよう努めてまいります。

 

(3)経営環境

 当社グループを取り巻く経営環境は電力・ガス自由化以降脱炭素化分散化デジタル化という流れの中電力・ガス・熱供給分野の一体的な改革が進みエネルギー市場の垣根を越えた総合エネルギー市場が創出されておりますさらにAI・IoT等の革新的な技術の導入や異なるサービスの融合といったイノベーションの創発を通じエネルギー選択自由度の拡大や料金の最大限の抑制等消費者の利便性が向上しております

 また世界規模でのCO2削減取り組みや激甚化する自然災害に備えたインフラ強靭化生活様式の変化等の国内外の多様な環境変化に対応し環境適合安定供給経済効率の更なる高度化を進める必要があります

 なお、新型コロナウイルスの対応の影響については、リビング&ウェルネス事業及びフーズ事業において、一定の影響はあるものの、グループ全体としては限定的で、大きな影響は受けないものと見込んでおります。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社グループは、持株会社である株式会社ミツウロコグループホールディングスの傘下に、エネルギー及び生活周辺サービスを中心とした「株式会社ミツウロコヴェッセル」、エネルギー関連商品の物流事業の最適化と統合的な管理を行う「株式会社ロジトライホールディングス」、風力発電所やバイオマス発電所の運営と小売電気事業として電気を販売する「ミツウロコグリーンエネルギー株式会社」、「株式会社ミツウロコヴェッセル」、フーズ事業の経営の統合的な管理を目的とした「株式会社ミツウロコフーズ」、バーガーレストランチェーンの運営を行う「カールスジュニアジャパン株式会社」、リビング&ウェルネスをテーマとした施設経営及び不動産賃貸を営む「株式会社ミツウロコ」、海外事業を統括する「TRIFORCE INVESTMENTS PTE.LTD.」、リース事業会社「株式会社ミツウロコリース」の8事業会社の他、グループ内における共通機能会社「株式会社ミツウロコクリエイティブソリューションズ」、「株式会社三鱗」、「株式会社トライフォース」を含めた合計11社を配置した企業グループとして経営体制を敷いております。

 当社グループの中心事業であるエネルギー事業、中でも高い収益力を維持するLPガスは災害時に強い分散型エネルギーとして注目されておりますが、その市場傾向は成熟期にあり、人口減少が見込まれるこれからの時代にあって飛躍的に市場規模が拡大することは見込めず、灯油やガソリン等の石油製品は需要が減少傾向にあります。こうした状況下で競争力を維持し、安定した収益を確保するため、徹底した合理化による事業コストの削減はもとより、次世代の中核となり得る事業の市場開拓と収益力拡大による成長戦略が重要となります。

 持株会社制による経営体制により、既存事業・次世代事業の区別なく、それぞれの事業会社に権限と責任を委譲し、迅速な経営判断で環境の変化に対応していくのはもちろん、持株会社は各会社の監督機能としてグループ全体の成長を一義に、人・物・金の重点投資先を戦略的に判断してまいります。

 環境問題への取り組みについては、エネルギーを軸とした当社の事業を通じカーボンニュートラル実現と安定供給の両立に向けた持続可能なエネルギーサプライチェーンの構築と地域に密着した安全で安心なサービスの拡充に努め、再生可能エネルギーの普及、配送業務のDX化等を通じた燃料消費量の抑制とCO2の削減への取り組み、ペットボトルのラベルレス化による環境負荷の低減を積極的に推進してまいります。

 また、企業を支える重要な存在である従業員が、身も心も健康に働ける組織であるように、「ミツウロコヘルスケア宣言」のもと、①健診受診100%②受動喫煙防止③女性の健康④メンタルヘルス⑤新しい生活様式への対応を5本の軸とした健康経営を進めております。今後も、従業員の健康増進のために様々な取り組みを行ってまいります。

 また、当社グループでは「ミツウロコグループ人権方針」を定め、様々なステークホルダーの人権尊重に継続的に取り組むとともに、女性活躍推進を始めとするダイバーシティ&インクルージョンを推進してまいります。

 これからも、常に企業の社会的責任の観点に立ち、高い倫理性に基づいた誠実な経営活動・事業活動に努めるとともに、“豊かなくらしのにないて”として社会の持続的な発展に貢献してまいります。

 株主の皆様におかれましては、当社グループの経営活動にご理解をいただき、引き続き一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 

 

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