(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済環境は、年間を通じて新型コロナウイルス感染症の影響が大きく、感染拡大防止に向けて企業活動や消費者の行動が制限され、その収束時期が見通せない状況が続き、依然として厳しい状況が続きました。
当社グループが主力事業とするアパレル業界におきましても、2021年4月下旬から5月にかけての百貨店をはじめとする大型商業施設の休業や時短営業の影響は大きく、同年9月末に緊急事態宣言が解除された後も個人消費活動の戻りが鈍い状態が続き、その後再び、新たな変異株の流行が起こるなど、年間を通じて個人消費は極めて厳しい状況が続きました。
このような状況のもと当社グループは、収益回復を優先課題として、商品企画・製造と販売の両面から市場競争力の向上策と企業活動の効率化に取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて1億96百万円減少し、36億83百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて2億70百万円減少し、28億85百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて73百万円増加し、7億98百万円となりました。
b.経営成績
卸売販路、小売販路ともに売上減少の影響が大きく、当連結会計年度の売上高は43億74百万円(前年同期比16.3%減)となり、損益面におきましては、販売費及び一般管理費を前年同期に比べ18.5%削減いたしましたものの、売上高の減少に加え、たな卸資産評価損4億20百万円を計上したことなどから、営業損益は9億28百万円の損失(前年同期は18億97百万円の損失)となりました。経常損益は雇用調整助成金などの制度を活用して自然減を除く人員の削減を一切行わず、1億78百万円の利益(前年同期は15億98百万円の損失)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純損益は1億55百万円の利益(前年同期は21億35百万円の損失)となりました。
セグメント別の経営成績の概要は次のとおりであります。
<卸売事業>
新型コロナ禍の中、百貨店・専門店への来店客数が伸び悩み、店頭売上高が厳しい中、商品企画面では、デザインソースの変更、製造・仕入量の抑制・コントロール、製造原価低減の施策に努めるとともに、販売面では、消費者への訴求力を高める販売価格の見直し、百貨店や直営店の店頭での効果的な販売促進施策の実行に加え、取引条件の改善交渉、不採算取引の整理など、効率を重視した営業活動に継続して努めてまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響による消費マインドの低下の影響が大きく、当事業の売上高は22億62百万円(前年同期比19.6%減)となり、営業損益は8億6百万円の損失(前年同期は15億43百万円の損失)となりました。
<小売事業>
既存店舗の採算性を重視し、消費者への訴求力を高め魅力ある品揃えの見直しと、来社促進に効果的な販売促進策を講じるなど店舗単位の採算改善に努めるとともに、不採算店舗は撤退を進めてまいりました。EC販路の展開は、商材の見直しを進め、拡大に努めてまいりました。しかしながら卸売販路と同じく新型コロナの影響下、消費マインドは盛り上がりを欠き、当事業の売上高は21億円(前年同期比12.5%減)となり、営業損益は87百万円の損失(前年同期は3億20百万円の損失)となりました。
直営店数につきましては、当連結会計年度中に新規出店はなく、6店を退店し、当連結会計年度末の運営店舗数は当社グループ合計で41店となりました。
<福祉事業>
当社グループの社会福祉への取組みとして、障害者総合支援法に基づく「障害者福祉サービス事業」と農地法に基づく農業委員会の認可を受けた「野菜の生産及び販売事業」を両立させる事業を行う会社としてラピーヌ夢ファーム株式会社を設立、当連結会計年度末で事業開始後10年となりました。事業規模としては、連結売上高に占める割合は小さいものの、水耕栽培に加えて土耕栽培にも注力し、採算性改善に努めております。
当事業の売上高は11百万円(前年同期比1.2%減)となり、営業損益は34百万円の損失(前年同期は33百万円の損失)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が1億66百万円となり、たな卸資産の減少2億72百万円などがあり、3億57百万円の収入(前年同期は9億10百万円の支出)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、資産除去債務の履行による支出39百万円などにより、26百万円の支出(前年同期は3億8百万円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、3百万円の支出(前年同期は9億94百万円の収入)となりました。
この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べて3億28百万円増加して、15億60百万円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績を取扱製品別に示すと、次のとおりであります。
区分 |
生産高(千円) |
前年同期比(%) |
ジャケット |
188,008 |
59.6 |
ブラウス |
639,070 |
60.7 |
スカート、パンツ |
136,523 |
58.4 |
ドレス |
156,964 |
48.7 |
スーツ |
29,510 |
51.7 |
コート |
193,507 |
118.5 |
その他 |
55,747 |
52.3 |
合計 |
1,399,333 |
62.2 |
(注)1 金額は製造原価であります。
2 上記金額には消費税等は含まれておりません。
3 生産実績については、「卸売事業」、「小売事業」及び「福祉事業」の3つのセグメント別の把握が困難であるため、取扱製品別で開示しております。
b.受注実績
当社グループは原則として受注生産は行っておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
卸売事業 |
2,262,004 |
80.4 |
小売事業 |
2,100,748 |
87.5 |
福祉事業 |
11,726 |
98.8 |
合計 |
4,374,479 |
83.7 |
(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態及び経営成績の分析
1) 財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて1億96百万円減少し、36億83百万円(前連結会計年度末は38億80百万円)となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ1億90百万円減少の22億22百万円(前連結会計年度末は24億13百万円)となりました。これは主に、現金及び預金の増加3億28百万円があった半面、受取手形及び売掛金の減少2億17百万円、生産調整などによる商品及び製品の減少2億27百万円などがあったことによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ6百万円減少の14億60百万円(前連結会計年度末は14億66百万円)となりました。これは主に、器具備品の減少、差入保証金の減少等があったことによるものです。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて2億70百万円減少し、28億85百万円(前連結会計年度末は31億55百万円)となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ3億80百万円減少し、20億5百万円(前連結会計年度末は23億86百万円)となりました。これは主に、未払金の減少3億17百万円などがあったことによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ1億10百万円増加し、8億79百万円(前連結会計年度末は7億69百万円)となりました。これは主に、退職給付に係る負債の増加1億1百万円などがあったことによるものです。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて73百万円増加し、7億98百万円(前連結会計年度末は7億24百万円)となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益1億55百万円の計上によるものです。
なお、当社は2021年5月27日開催の定時株主総会決議により、剰余金の処分による欠損填補を行っております。これらの結果を含め、前連結会計年度末に比べて、資本剰余金が21億36百万円減少、利益剰余金が22億90百万円増加しております。
2) 経営成績
(売上高、売上総利益)
当連結会計年度におけるわが国経済環境は、年間を通じて新型コロナウイルス感染症の影響が大きく、感染拡大防止に向けて企業活動や消費者の行動が制限され、その収束時期が見通せない状況が続き、依然として厳しい状況が続きました。
当社グループが主力事業とするアパレル業界におきましても、2021年4月下旬から5月にかけての百貨店をはじめとする大型商業施設の休業や時短営業の影響は大きく、同年9月末に緊急事態宣言が解除された後も個人消費活動の戻りが鈍い状態が続き、その後再び、新たな変異株の流行が起こるなど、年間を通じて個人消費は極めて厳しい状況が続きました。
このような状況のもと当社グループは、収益回復を優先課題として、商品企画・製造と販売の両面から市場競争力の向上策と企業活動の効率化に取り組んでまいりました。
しかしながら、卸売販路、小売販路ともに売上減少の影響が大きく、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べて8億53百万円減少して43億74百万円(前連結会計年度は52億27百万円)となりました。
売上総利益は、売上高の減少に加え、前連結会計年度にたな卸資産評価損を売上原価に計上したことと、製造原価の低減により、売上高総利益率が前連結会計年度に比べ13.3ポイント改善し、3億14百万円増加して19億47百万円(前連結会計年度は16億33百万円)となりました。
(営業損益)
営業損益は、販売費及び一般管理費を前連結会計年度に比べ6億54百万円節減いたしましたものの、売上高の減少に加え、売上原価にたな卸資産評価損4億20百万円を計上したことなどから、9億28百万円の損失(前連結会計年度は18億97百万円の損失)となりました。
(経常損益)
経常損益は、新型コロナウイルス感染症に係る特別措置に基づいた雇用調整助成金等の助成金収入等により営業外収益が営業外費用を上回り、1億78百万円の利益(前連結会計年度は15億98百万円の損失)となりました。
(税金等調整前当期純損益)
当連結会計年度において減損損失9百万円を計上したこと等から、税金等調整前当期純損益は1億66百万円の利益(前連結会計年度は21億26百万円の損失)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損益)
親会社株主に帰属する当期純損益は、上記の税金等調整前当期純利益に対し、法人税、住民税及び事業税11百万円等を計上したことにより、1億55百万円の利益(前連結会計年度は21億35百万円の損失)となりました。
3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載とおり、消費動向の変化、気象状況や災害等のリスク項目をはじめとする、様々なリスクが当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。当社グループでは、消費動向に留意しつつ、魅力的な製品の提供に努め、外部や事業環境の変化にすばやく対応するための情報収集、人材育成や組織体制の整備、内部統制強化等により、経営成績に影響を与える可能性のあるリスクの回避及び発生を抑え、適切な対応に努めてまいります。
c.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの経営成績につきましては「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載のとおりであります。
セグメントごとの財政状態につきましては、卸売事業のセグメント資産は前連結会計年度末に比べ1億99百万円減少の4億11百万円(前連結会計年度末は6億11百万円)となりました。
小売事業のセグメント資産は前連結会計年度末に比べ3億22百万円減少の3億34百万円(前連結会計年度末は6億56百万円)となりました。
福祉事業のセグメント資産は前連結会計年度末に比べ167千円増加の835千円(前連結会計年度末は668千円)となりました。
d.経営成績、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、事業活動の成果を示す売上高、営業利益、経常利益を重視し、キャッシュ・フローについても重点管理をしております。これらに関しましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおりです。
なお、長く続く新型コロナウイルス感染症の影響から中期経営計画「NL2023」の数値目標が大きく未達に終わる事から、2022年3月1日から2023年2月28日までの連結売上高は40億円、営業利益1億円を数値目標として掲げております。更に当該数値の改善ができるよう取り組み、企業価値の向上に努めてまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する事項
a.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは、以下のとおりであります。
|
2018年2月期 |
2019年2月期 |
2020年2月期 |
2021年2月期 |
2022年2月期 |
自己資本比率(%) |
59.4 |
65.7 |
56.1 |
18.4 |
21.5 |
時価ベースの自己資本比率(%) |
21.6 |
26.8 |
34.7 |
26.7 |
20.2 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
26.2 |
- |
- |
- |
4.6 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
3.6 |
- |
- |
- |
24.4 |
(注)1 各指標の算出方法は、以下のとおりです。
(1) 自己資本比率:自己資本/総資産
(2) 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
(3) キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
(4) インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
2 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
3 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
4 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
5 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
6 利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
7 2018年2月期及び2022年2月期以外のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載しておりません。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの事業活動における必要資金は、当社グループ製品の製造に係る原材料費等の費用や販売費及び一般管理費等の運転資金、直営店舗及び百貨店売場等の開設及びリニューアルに係る投資資金が主なものであります。
運転資金及び投資資金の調達につきましては、短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。これらにより、資金の流動性は十分に確保されているものと判断しております。
また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は15億60百万円、有利子負債の残高は16億40百万円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。
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