課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

  当社グループは、「真実と信頼」を創業以来の経営理念とし、消費者第一主義に徹した経営のもと、ファッションを通じて社会の生活文化向上に貢献することを目指しております。また、その基本方針に基づき、ご愛用いただくお客様一人ひとりの満足度向上並びにファンの増大を目標とした事業展開を推し進め、消費者、取引先、株主の皆様にご満足頂けますよう企業価値を更に高める努力を続けてまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

  当社グループは、事業活動の成果を示す売上高、営業利益、経常利益を重視しています。また、キャッシュ・フローについても重点管理をしております。

  なお、当社グループは「ファッションとデジタルで顧客接点の拡大」をビジョンとして掲げ、世界に選ばれる一着を目指して、①PRIDE(時流に乗らず時流をつくる)②QUALITY(国境を越えていくラピーヌクオリティ)③MIND(これからも一着一着に思いを込めて)のコンピタンスのもとに事業活動を行っています。

なお、長く続く新型コロナウイルス感染症の影響から中期経営計画「NL2023」の数値目標が大きく未達に終わる事から、2022年3月1日から2023年2月28日までの連結売上高は40億円、営業利益1億円を数値目標として掲げております。

 

(3) 中長期的な経営戦略

  当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響により売上高の低迷が長く続き、今後も、売上高がコロナ禍以前の水準に戻ることが難しいとの認識に基づき、以下の施策の実行により、安定的な収益構造の確立と永続的な成長発展の実現を目指しております。

①中期経営ビジョン「ファッションとデジタルで顧客接点の拡大」

  わたしたちがクリエイトする文化とお客様との絆を、リアル店舗、WEBなど、多様なチャネルを通じて深め、ブランド価値を高めていきます。

②重点施策

 当社グループの主力事業である、婦人服及び服飾雑貨の卸売・小売事業について、

・供給するデザインソースの変更や販売価格の見直しによる新規顧客の開拓を進めます。

・百貨店、直営店売場など店頭VP(ビジュアルプレゼンテーション)は、従来の顧客へ向けた新商品のPRではなく、戦略商品をPRして、従来はラピーヌを知らなかった消費者に向けてアピールを強化し、新顧客の増大を図ります。

・製造、仕入のコントロールによる在庫リスクの低減を図ります。

・発表型数・展開サイズの絞り込みによる低コスト生産を実現し、製造原価の低減による適正粗利の確保に努めます。

・事業活動で使用する固定費用の効率的運用に努めるとともに、低減を図ります。

連結子会社の福祉事業については、

・野菜の水耕栽培、土耕栽培の生産性向上に努めます。

・作業効率アップに資する施設利用者の教育訓練に努めます。

 

(4) 経営環境

①企業構造

  当社グループは、婦人服及び服飾雑貨の企画、製造、販売を主たる事業とする当社及び連結子会社1社、また

野菜の生産・販売と障害者雇用を両立させる福祉事業を行う連結子会社1社により構成されており、当社グループの事業全体の売上高及び営業利益に対し、婦人服及び服飾雑貨の企画、製造、販売事業の売上高及び営業利益は、いずれも大部分を占めております。

  事業規模及び内容につきましては、「第一部 企業情報 第1 企業の概況 3 事業の内容」に示しております。

②主要製品・サービスの内容

  当社グループが企画、製造、販売する主要商品は、婦人服及び服飾雑貨であります。その内容につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③生産、受注及び販売の実績 a.生産実績」に取扱製品別の生産実績の状況を記載しております。

③顧客基盤

  当社グループの主要事業が主に対象とする顧客は、当社グループ商品を長くご愛用いただいている顧客のほか、不特定多数の一般消費者であります。販売方法は店舗における顧客との対面によるものが大半を占めますが、近年、急速に変化している生活様式や消費行動に対応するため、ECサイトの再構築に取り組んでおります。これにより、多様な販売チャネルを通じて顧客との接点を深めるとともに、新規顧客の獲得にも注力し、当社グループのブランド価値を高めてまいります。

④事業を行う市場の状況

  国内市場の情勢は、少子高齢化や人口減少による影響に加え、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大が懸念されるなか、感染抑制と経済活動継続を両立するための試行錯誤が続いています。今後の経済情勢については、ワクチンの普及により緩やかに回復すると見られますが、収束の見通しは立っておらず、今後も不透明な経営環境が続くと予想されます。

  競合の状況につきましては、市場内で競合する事業者が多数存在しております。また、EC市場が急速に成長しており、メーカー直販のECサイトが拡大するなど、競合環境は厳しさを増しております。

  なお、コロナ後の新しい生活様式に対応して店頭とECの連携に対応していくことが重要となっております。

⑤販売網

  当社グループは、東京、大阪の各営業拠点から、全国の婦人服専門店、百貨店を中心に卸売販売を行い、また直営店舗を通じた小売販売を行っており、直営店舗は当連結会計年度末時点で41店を展開しております。またEC事業については、自社運営サイトのほか、大手百貨店ECサイトや有力ECモールを通じて販売を行っております。

⑥競合他社との競争優位性

  当社グループといたしましては、独自性を発揮し、競争優位性を確保するため、以下の3点に注力しております。

・価格、品質、機能を重視した新商品開発

・好立地売場の確保と接客技術の向上

・実店舗とWEBチャネルの連携強化により、お客様が使いやすく魅力あるサービスを提供

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財政上の課題等

  当連結会計年度におきましても、2020年初頭から続く新型コロナウイルス感染症により、百貨店をはじめとする大型商業施設の営業自粛や時短営業、消費者の外出自粛など事業活動への影響が大きく、また、2022年1月からは新型コロナ変異種が急拡大するなど、一年間を通じて厳しい状況が続き、売上高が前年同期に比べ16.3%減少し、営業損失9億28百万円を計上いたしました。

 また、取引金融機関からは借入金元本の返済猶予を受けており、継続して借入金弁済条件の変更交渉を行っております。

  当社グループは、当該状況を解消すべく、以下の対応策を実行してまいります。

①卸売・小売事業については、

・供給するデザインソースの変更や販売価格の見直しにより、価値ある新商品の開発に努め、消費者への訴求力を高めていきます。

・百貨店、直営店売場など店頭VP(ビジュアルプレゼンテーション)は、従来の顧客向け中心の新商品PRではなく、戦略商品をPRして、従来はラピーヌを知らなかった消費者に向けてアピールを強化し、新顧客の増大を図ります。

・製造、仕入のコントロールによる在庫リスクを低減する。

・製造原価の低減策を2022年春夏期以降、本格的な実行と検証を繰り返し、適正粗利を確保する。

・加えて、引き続き固定経費と変動経費の徹底的削減を継続して、2024年までの期間に売上高の維持拡大と安定的な経常利益を確保できる体制を整えてまいります。

②ラピーヌ夢ファーム株式会社の福祉事業については、

 野菜の水耕栽培、土耕栽培の生産性向上に努めるとともに作業効率アップに資する施設利用者の教育訓練に努め、営業利益の創出を2024年までに実現できる体制を整えてまいります。

③資金の確保については、

 製造原価の低減、販売費及び一般管理費削減の取り組み強化、取引金融機関への返済猶予の依頼、政府による緊急経済対策に基づく各種税金及び社会保険料の納付猶予制度などの利用により、当連結会計年度末における現金及び預金は15億60百万円と、当面の事業継続に必要な資金を確保しております。今後も同様の取り組みを継続するとともに、取引金融機関との関係を維持しつつ、継続的に支援いただくための協議を行ってまいります。

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