業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、アフターコロナを見据えた市場動向により、一部業界では緩やかな回復の兆しが見受けられたものの、先の見えない新型コロナウイルス感染症の影響に加え、デジタル化・高速5G通信の進展に伴う半導体需給の逼迫や、原油価格高騰による材料調達コストの急激な上昇、コンテナ船の運航遅延、中国における電力制限やゼロコロナ政策によるロックダウンの影響、更に世界的な半導体不足やロシアによるウクライナ侵攻などにより、世界経済及び事業環境が混沌とし、企業業績は極めて厳しい状況が続いております。海外市場では一部諸外国で景気の回復基調が高まってきているものの、依然として、世界経済への不透明感が広がっております。今後の経営環境については、一定の感染症対策及びワクチン接種の普及により、持ち直していくものと見込んでおりますが、本格的な回復には相当な時間を要することが想定されます。

こうした状況下で当社グループは、引き続きグループの特長を生かした事業運営とスピーディーな経営判断を心がけ、関係するグローバルな成長市場とともに、今後市場拡大が見込まれる高速5G通信・半導体・次世代自動車・自然エネルギー分野・蓄電池・化粧品等への差別化した製商品の拡販、新規顧客の開拓、バイオマテリアルを含めた国内外の産学連携の加速に注力しつつ、顧客に密着した生産・物流体制の更なる改善にも取り組んでまいりました。経済活動が再開する中、前年度において、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により受注が低迷した、主要取引先の自動車部品業界や製紙業界への販売は大幅に回復しました。

その結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高が227億2千8百万円(前年同期比17.3%増)、営業利益が7億1千5百万円(前年同期比118.4%増)、経常利益が8億6千5百万円(前年同期比117.4%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は6億9千4百万円(前年同期比154.4%増)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

[高機能材料事業]

スマートフォンなどの電子機器業界向け関連製商品の販売では、海外向けコーティング製品の市場環境に変動が見られたものの、既存顧客の深耕を図り、差別化製商品の拡販に努めたことで、前年同期を上回りました。自動車部品業界向け製商品の販売では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、関係業界の受注環境が悪化した前年同期から市況が改善するとともに、海外子会社におけるEV関連部品向けの受注動向が順調に推移し、前年同期を上回りました。その結果、当事業全体の売上高は165億6千万円(前年同期比14.3%増)、営業利益は7億2千4百万円(前年同期比85.4%増)となりました。

 

(主な製商品群の概況)

製商品群

概況(数値は前年同期との対比)

コーティング製品

スマートフォン向けコーティング製品の販売は、海外向けの受注動向に変動が見られたものの、新規顧客の獲得等により3.8%の増収となりました。

高機能樹脂製品

自動車部品業界向け電気絶縁用樹脂製品の販売や、電気・電子機器のセンサー用樹脂製品の販売は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受け、売上が著しく減少した前年同期から市場環境が改善したことや、海外子会社においてEV関連部品向け絶縁樹脂製品の販売が伸長したことにより、18.4%の増収となりました。

電子材料

電子機器向け回路基板材料の販売は、前年同期に低迷した自動車部品業界向けの需要が新型コロナウイルス感染症拡大前の水準に回復し、12.3%の増収となりました。

機能性樹脂

自動車部品業界向けの熱可塑性樹脂、回路基板向け熱硬化性樹脂の販売は、新型コロナウイルス感染症拡大前の受注水準に回復したことや、需給逼迫による価格高騰の影響もあり、17.9%の増収となりました。

 

[環境材料事業]

主要な販売先である製紙業界では、新聞・塗工紙の市場は厳しい事業環境が続いているものの、板紙・生活産業用紙は使用用途の拡がりにより堅調に推移しており、当社グループにおいても、市場ニーズに応じて、特長を生かした差別化製商品の拡販と新規用途や周辺市場の開拓に取り組んでまいりました。前年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、主要な顧客である製紙会社の操業が低下していましたが、当年度は受注環境が好転したことにより、製商品の販売は大幅に回復し、また製品の販売増加は、利益を押し上げる要因となりました。その結果、当事業全体の売上高は43億5千4百万円(前年同期比29.7%増)、営業利益は7千5百万円(前年同期比550.9%増)となりました。

 

(主な製商品群の概況)

製商品群

概況(数値は前年同期との対比)

ファインケミカルズ

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、製紙会社における新聞・塗工紙の生産が大幅に落ち込んだ前年同期から顧客操業度が回復するとともに、段ボール等の板紙関連向けの取扱い拡大や顧客ニーズに即した販売活動の推進による海外市場の新規採用等が寄与し、22.3%の増収となりました。

製紙用化学品

顧客操業度が回復するとともに、紙塗工用バインダーの販売が石化・モノマーの高騰や新規拡販による取引量の増加により、32.4%の増収となりました。

 

[食品材料事業]

食品材料事業では、健康に優しく特長ある天然の食品素材を主要な取扱い商品としており、的を絞った施策により、食品業界などへの拡販に鋭意注力してまいりました。これに加えて、これまでの営業活動で蓄積した食品に関わる様々な情報や技術を活用して、新規商材の発掘や市場の開拓、さらには、独自性の発揮できる新規複合食品素材の開発といった新たなテーマにも積極的に取り組んでおります。当連結会計年度の販売では、前年度から引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響により、業務用加工食品向けは落ち込んだものの、家庭用加工食品向けの需要が堅調に推移したことで、増粘安定剤や乾燥野菜の販売は、前年同期を上回りました。その結果、当事業全体の売上高は17億6百万円(前年同期比16.2%増)、営業利益は1億5千3百万円(前年同期比9.2%減)となりました。

 

(主な製商品群の概況)

製商品群

概況(数値は前年同期との対比)

食品素材等

家庭用加工食品向けの堅調な需要と、増粘安定剤や乾燥野菜の取引量の増加により、16.2%の増収となりました。

 

[その他の事業]

当社グループの成長を支える新たな事業領域を開発・育成すべく取り組んでいる「その他の事業」では、アフリカから輸入した生花を国内で販売し、新たなビジネスチャンスの可能性を追求するとともに、市場開発用に新たな商材を導入して、試販等による事業化への検討を行っております。当連結会計年度における輸入生花の販売では、国際航空貨物輸送が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により停滞した前年同期から正常化されつつあり、取扱い量が増加しました。その結果、「その他の事業」の売上高は1億6百万円(前年同期比74.8%増)、営業利益は1千3百万円(前年同期は営業損失2百万円)となりました。

 

(2)資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループは、主に営業活動によって得られるキャッシュ・フローの創出を図るとともに、事業運営において必要な長期運転資金として金融機関からの借入れを行い、資金を調達しております。また、営業活動、設備投資、借入金の返済等の資金需要に備えて、十分な資金を確保するために、資金の流動性及び資金調達の多様化に努めております。

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して7億7千1百万円減少して、47億1百万円となりました。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、4億7千万円の資金減少(前連結会計年度は5億6千万円の資金増加)となりました。これは主に、売上債権の増加額6億5千8百万円、棚卸資産の増加額11億5千6百万円等の資金減少要因が、税金等調整前当期純利益8億5千万円、仕入債務の増加額4億6百万円等の資金増加要因を上回ったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、4億1百万円の資金減少(前連結会計年度は8千9百万円の資金減少)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出3億1百万円、有形固定資産の取得による支出2億7千5百万円、投資有価証券の取得による支出1億4百万円等の資金減少要因が、定期預金の払戻による収入2億8千6百万円等の資金増加要因を上回ったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、1億2百万円の資金減少(前連結会計年度は1億円の資金減少)となりました。これは主に、配当金の支払額9千7百万円によるものであります。

 

(3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当該事項につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)重要な会計方針及び見積り」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

高機能材料事業(千円)

5,668,563

114.2

環境材料事業(千円)

797,578

121.3

食品材料事業(千円)

1,453

19.8

報告セグメント計(千円)

6,467,595

114.9

その他の事業(千円)

合計(千円)

6,467,595

114.9

(注)金額は製造原価によって表示しております。

 

(2)受注実績

当社グループは一部を除いて受注生産は行っておりません。

 

(3)販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

高機能材料事業(千円)

16,560,988

114.3

環境材料事業(千円)

4,354,777

129.7

食品材料事業(千円)

1,706,294

116.2

報告セグメント計(千円)

22,622,059

117.1

その他の事業(千円)

106,521

174.8

合計(千円)

22,728,581

117.3

 

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び記載内容に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」において記載しておりますが、特に以下に記載する重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

 

① 有価証券の減損処理

当社は、金融機関や取引に関連する会社等の株式等を政策的に保有しておりますが、これらの有価証券は株式市場の変動リスクを負っています。当社は、合理的な評価基準に基づき有価証券の減損処理を実施しております。

 

② 貸倒引当金の計上基準

当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。

 

③ 有形固定資産の減損損失について

当社グループは、事業の種類を基礎とした管理会計上の区分に従ってグルーピングを行っております。当該資産グループについて収益性が著しく低下した場合には、回収可能価額まで減損損失を計上しております。

 

④ 退職給付債務について

当社グループは、従業員に対して確定給付型の退職給付制度を設けております。退職給付債務及び退職給付に係る負債並びに退職給付に係る資産の計算における年金資産については、割引率・長期期待運用収益率等各種比率に基づき合理的な基準による見積り計算を実施しております。

 

⑤ 繰延税金資産の回収可能性の評価

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存し、その見積額が減少した場合は、繰延税金資産が減額され税金費用が追加計上される可能性があります。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高が227億2千8百万円(前年同期比17.3%増)、営業利益が7億1千5百万円(前年同期比118.4%増)、経常利益が8億6千5百万円(前年同期比117.4%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、6億9千4百万円(前年同期比154.4%増)となりました。

 

① 売上高の分析

当連結会計年度におけるわが国経済は、アフターコロナを見据えた市場動向により、一部業界では緩やかな回復の兆しが見受けられたものの、先の見えない新型コロナウイルス感染症の影響に加え、原油価格高騰による材料調達コストの急激な上昇、更に世界的な半導体不足やロシアによるウクライナ侵攻などにより、世界経済及び事業環境が混沌とし、企業業績は極めて厳しい状況が続いております。

こうした状況下で当社グループは、引き続きグループの特長を生かした事業運営とスピーディーな経営判断を心がけ、関係するグローバルな成長市場とともに、今後市場拡大が見込まれる高速5G通信・半導体・次世代自動車・自然エネルギー分野・蓄電池・化粧品等への差別化した製商品の拡販、新規顧客の開拓、バイオマテリアルを含めた国内外の産学連携の加速に注力しつつ、顧客に密着した生産・物流体制の更なる改善にも取り組んでまいりました。経済活動が再開する中、前年度において、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により受注が低迷した、主要取引先の自動車部品業界や製紙業界への販売は大幅に回復しました。

その結果、当連結会計年度の売上高は227億2千8百万円(前年同期比17.3%増)となりました。

 

② 販売費及び一般管理費の分析

当社グループにおいて、国内外市場における販売の回復に伴う発送配達費の増加等により、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は32億3千6百万円(前年同期比6.9%増)となりました。

 

③ 営業外損益及び特別損益の分析

営業外収益は、前連結会計年度から8千万円増加して1億8千1百万円(前年同期比80.1%増)となりました。これは主に、為替差益の計上によるものであります。また、営業外費用は、前連結会計年度から1百万円増加して3千1百万円(前年同期比4.2%増)となりました。これは主に、固定資産除却損が増加したことや、前連結会計年度において為替差損を計上していたことによるものであります。

特別利益は、前連結会計年度において投資有価証券売却益を計上しましたが、当連結会計年度では、当該事項は発生しておりません。また、特別損失は、前連結会計年度から2億1千9百万円減少して1千4百万円(前年同期比93.9%減)となりました。これは、減損損失が減少したことによるものであります。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により依然として厳しい状況が続いております。また、世界的な半導体不足、資源価格の高騰、ロシアによるウクライナ侵攻など、かつてない先行き不透明な状況が続いております。

こうした予測の難しい経営環境の中で、当社グループは自社製造販売と仕入販売に係る営業活動に鋭意取り組んでおりますが、当社グループの関係市場や販売先では、競合各社間の競争が近年特に激化しており、そのため、当社グループの経営環境は益々厳しい状況が続いております。

製造販売では、高機能材料事業及び環境材料事業において、販売先の個別動向や販売先が属する電子部品・自動車・製紙といった業界動向、更には、各業界に占める販売先の位置づけなどが、当社グループの販売数量や販売価格に大きな影響を与える可能性があります。また、市場における競合各社間の競争激化を反映して、特にコーティング製品や高機能樹脂製品を中心に海外の廉価品の台頭などによって販売価格が下落したり、あるいは、原油価格の高騰などで原材料価格が上昇し製造コストが増加するといった要因により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

仕入販売では、商社活動全般において、エレクトロニクス関連業界や製紙業界、更には食品業界といった当社グループの販売先が関係する業界全体の動向に加え、当社グループの仕入先メーカーの生産供給体制と販売先の需要とのバランスが、販売数量及び販売価格に影響を与える可能性があります。また、競合他社による廉価販売や新商品の市場投入で既存の商流・商権が変化することなどにより、当社グループの販売数量の減少及び販売価格の下落を引き起こす可能性があります。

 

(4)戦略的現状と見通し

当社グループは、事業の重点化と他社との差別化を重要な戦略と位置づけて、引き続きグローバルな視野に立って将来的に成長が期待できる事業分野と市場へ、経営資源を重点的に集中させ、研究開発資源の有効かつ効率的な活用と「経営環境の変化に対するスピーディーな対応」で、ビジネスの強化と事業領域の拡大に努めてまいります。

具体的には、製造販売においては、とりわけ電子部品や自動車部品、更にはデジタル光学機器といった業界を中心に、コーティング製品や高機能樹脂製品の差別化戦略、付加価値の高い新規開発製品の市場投入などで拡販と事業領域の拡大を図り、また、仕入販売においては、特長ある既存商品群の物流・販売網強化と顧客ニーズに的確に応えるための仕入先との共同開発その他の協働、更には、新規商権の獲得などにも注力してまいります。

また、当社グループのグローバル展開では、アジア各地の当社子会社を拠点として、中国やタイ・ベトナム・インドを中心としたアジアの新興市場を事業活動のメインに据え、これに加えて、堅調な景気が続く米国や欧州その周辺市場においても、生産・物流・販売の機能強化と更なる情報収集に努めてまいります。

(5)経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループの経営陣は、最新の経営環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案すべく尽力しておりますが、米中の貿易摩擦や、中東情勢、為替レート、資源価格の大幅な変動等に加え、新型コロナウイルス感染拡大が世界中の経済・社会活動にも大きな影響を及ぼしており、当社グループの経営環境は一段と厳しい状況が予想されます。

当社グループとしましては、引き続き新型コロナウイルス感染拡大の影響には十分注意しながら、今後もこうした状況を正確かつ的確に把握してグループの総合力を効果的に発揮できるよう、引き続きコーポレート・ガバナンスの強化とスピーディーな経営判断を心がけ、業績の向上に努めていく方針であります。

 

(6)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載のとおり、達成目標は、売上高営業利益率4.0%、総資産経常利益率(ROA)5.0%、自己資本比率60.0%、海外地域売上比率20.0%であります。

当連結会計年度において、売上高営業利益率及び総資産経常利益率は前連結会計年度を上回りましたが、達成目標には至らず、自己資本比率及び海外地域売上比率は、達成目標及び前連結会計年度を上回りました。

売上高営業利益率及び総資産経常利益率は、主に、当社グループの主力製品である自動車・家電部品業界向け電気絶縁用樹脂製品の販売が前年度から市場環境が回復し増加したことや、海外子会社においてEV関連部品向け絶縁樹脂製品の販売が伸長したことで、事業所や工場の稼働率を高め、前連結会計年度と比較して利益水準を改善させる要因となったものの、達成目標には至りませんでした。他方で、自己資本比率の上昇は、業績が回復したことで親会社株主に帰属する当期純利益により利益剰余金が増加したことによるものであります。また、海外地域売上比率は、海外子会社においてEV関連部品向け絶縁樹脂製品の販売が伸長したことで海外向け売上高の割合が高まったことによるものであります。

次年度以降は、引き続き、高機能材料事業における製品の販売を伸長させるとともに、新たな用途展開による製品販売の拡充を推進することで、事業所の稼働率を高め、更なるコスト低減に取り組むことにより、当社グループ全体の収益基盤を確立させ、恒常的な目標達成に向け努めてまいります。

 

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