当社グループでは、市場ニーズの変化に対する的確な対応や技術革新への新たな対応などを通して、事業の持続的な発展を図り、合わせて社会に貢献していくことを目的として、基盤技術開発分野とともに、高機能材料事業、環境材料事業及び食品材料事業の各分野において、積極的な研究開発活動を行っております。
当社グループがこれまで蓄積してきた技術資源やノウハウを基盤として、今後の成長が見込まれる分野に的を絞った市場開発や技術・製品開発、更には生産技術開発などに注力するとともに、これらを支える基盤技術の深耕や新たなビジネス開発のための基礎的研究にも努めております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は
なお、事業セグメント別の研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。
(1) 基盤技術開発分野
基盤技術開発分野において、新たな開発品として磁場に応答して粘性が変化する性質をもつ磁気粘性流体のサンプルワークを開始しました。動力伝達機器、緩衝機器、ハプティックデバイスなどの幅広い分野での応用が期待されます。また、溶媒可溶型ポリイミド樹脂やエポキシ接着シートに関してはニーズ型の開発が進み、良好な評価が得られております。更に、バイオマテリアルに関する開発も成果を上げつつあり、サンプル提供を開始しております。これら、新規技術により開発された製品を市場における評価を受けながら本格的な製品化に向けて取り組んでおります。
基盤技術開発分野における当連結会計年度の研究開発費は153百万円であります。
(2) 高機能材料事業
高機能材料事業では、機能性フィルムに関連した研究開発と高機能樹脂に関連した研究開発とに大別されます。
機能性フィルムに関連した研究開発では、益々多様化・高度化する市場ニーズに応えるため、コーティングやラミネーション、フィルムの表面加工(サンドブラスト・プラズマ処理)技術を駆使し、これまで培った各種関連技術を複合して製品開発を行っております。各種高機能電子機器や先進安全技術を実現するための車載電子機器など、これらを構成する部品の生産及び性能を支える粘接着フィルムや遮光フィルムの開発に注力しております。
また、高機能樹脂に関連した研究開発では、主に、次世代自動車用の駆動モーターや電装部品、各種小型モーター、その他の電気・電子部品などで使用される電気絶縁材料や接着剤に関する高機能化のための研究開発を行っております。その他にも、各種電子機器の部品実装に関わる接着・封止樹脂の高機能化研究開発や、高熱伝導性の粉体塗料や接着剤、構造用接着剤の研究開発も行っております。更には、土木建築関連部材の防錆用塗料や接着剤の研究開発などにも注力しております。
高機能材料事業における当連結会計年度の研究開発費は
(3) 環境材料事業
環境材料事業では、コア技術のアクリル合成とブレンド技術を、紙パルプの中の板紙分野と紙パルプ分野以外に横展開することができた1年となりました。紙パルプ分野では、アクリル合成技術をベースに開発した新規ポリマーに改良を加えることで、新規歩留剤、多機能凝結剤、填料定着剤に、紙パルプ分野以外でも水処理用凝集剤の製品開発に注力した結果、実績化が進みました。
一方ブレンド技術では、殺菌剤で新規原材料メーカー等と協業することで、紙パルプ分野はもちろんのこと、塗料、填料、化学品メーカー等にも採用が進みました。また、当社主要事業の高機能材料事業向けに、洗浄剤、中和剤、表面処理剤の研究開発を進めており近々上市する予定です。
今後も、アクリル合成とブレンド技術をコア技術として、他社と差別化した製品開発に取組み、従来の紙パルプ分野はもちろんのこと、紙パルプ分野以外へも幅広い技術対応を進めてまいります。
環境材料事業における当連結会計年度の研究開発費は
(4) 食品材料事業
食品材料事業では、加工食品等への使用を目的とした、増粘剤・ゲル化剤などの開発に取り組んでおります。増粘剤・ゲル化剤は、低添加量で、味・風味を損なわず、食感を改善でき、温度変化に合わせて増粘・ゲル化を制御可能な製品の開発に成功しました。また、高カロリー食品向けのゲル化剤では、離水・離油抑制効果が高く、高油分でも安定性の良い製品を開発しております。様々な食品への用途提案を行い、本開発製品の本格販売に向け取り組んでおります。
食品材料事業における当連結会計年度の研究開発費は
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