(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に加え、国際的な政治情勢の変化や原材料費の高騰などの影響により、依然として先行き不透明な状況が続いております。外食産業においても、商業施設内店舗では大規模な休業はなかったものの、一部地域においては営業時間短縮などの協力要請が断続的に発出された事に加え、外出自粛やサービスに非接触の要素を求める意識の高まりなどにより、引き続き厳しい経営環境に置かれております。このような環境のもと、当社グループにおいてはお客様と従業員の安全・安心の確保を第一に感染拡大の防止に取り組み、新しい生活様式や地域社会に寄り添った商品・サービスを提供してまいりました。
国内モスバーガー事業では巣ごもり消費に合わせた各種施策などにより売上が堅調に推移し、海外事業ではコロナ禍においても着実に店舗数を伸ばしました。その他飲食事業は前年度に不採算店の整理を行っており、業務効率化による収益性の改善に努めてまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高784億47百万円(前年度比9.0%増)、営業利益34億73百万円(同144.2%増)、経常利益36億34百万円(同154.6%増)となり、最終損益は主に新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う助成金収入12億16百万円、減損損失2億41百万円、税金費用11億53百万円等を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は34億19百万円(前年度比243.0%増)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。この結果、当連結会計年度の売上高は5億20百万円減少し、販売費及び一般管理費は5億20百万円減少しましたが、営業利益以下の項目への影響はありません。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
<国内モスバーガー事業>
国内モスバーガー事業においては、主として、以下の施策を展開いたしました。
a. 商品施策
当連結会計年度においては、マーケティングテーマを「CHANCE ~新たな時代に、新たな価値を~」として、4月にはレタスなどの野菜がおいしい春の時季に合わせて「クリームチーズベジ~北海道産コーンのソース~」を、5月には“海老で海老を食べる”リッチな味わいの「海老カツ オマールソース」を販売し、定番商品の「海老カツバーガー」をリニューアルいたしました。また、コロナ禍で出荷量が減少している産地や生産者の支援として、愛媛県愛南町の養殖真鯛を使った「日本の生産地応援バーガー 真鯛カツ」を発売し好評を博しました。7月にはスパイスにこだわった「クール スパイストマト」を発売し、TVCMに人気タレントを起用することで、モスバーガーのブランドイメージの向上を図りました。9月には「フォカッチャサンド 馬蹄型ソーセージ&グランピングソース」を発売し、定番商品では原材料に動物性食材を使用しない「グリーンバーガー<テリヤキ>」を発売いたしました。11月からは「すき焼き」をモス流にアレンジした「とびきり とろったま スキヤキ仕立て」、2月には和風旨だれの「とり竜田バーガー」を発売し、同時に定番商品の「チキンバーガー」をリニューアルいたしました。
また、新規のお客様のご利用や来店動機の創出につなげる施策として、8月には夏の福袋として「モス×カービィ サマーラッキーバッグ」、年末年始には「リラックマ」のグッズが入った「2022モス福袋」など、キャラクターとのコラボレーションを行いました。
b. 多様化するニーズへの対応
全国一律、画一的ではなく、商圏や立地、客層、多様化するお客様の利用動機に合わせて商品やサービス、店舗形態を変えていく取り組みを推進しております。新たな生活様式に合わせたテイクアウト専門店や、標準店舗の8割程度の床面積でも出店可能なビジネスモデルとして小型店舗を出店しております。1月にはテイクアウト専門業態としてよりフレキシブルな展開ができる、移動可能な「キッチンカー MOS50(モスフィフティ)」を導入いたしました。一方で、くつろぎの場を提供する外食本来の強みを活かし、カフェメニューやデザートを豊富にそろえた「モスバーガー&カフェ」も展開しており、3月末までに50店舗となりました。今後も引き続き、事業環境の変化に柔軟に対応できる体制を目指してまいります。
c. デジタル化の推進
コロナ禍の影響により、需要の増加した宅配やネット注文、セルフレジ、キャッシュレス決済などの拡大、推進に取り組みました。11月からネット注文時の店頭でのお支払い対応を終了し、事前のネット決済に限定した事で、商品のスピード提供や生産性の向上につながっております。また、3月からはネット注文においても「d払い(R)」「PayPay」での決済に対応いたしました。同じく3月には、これまで対応していたバーコード決済サービス会社3ブランドに加えて、「メルペイ」「J-Coin Pay」「ゆうちょPay」「Alipay」「WeChat Pay」の5ブランドについても店頭決済の取り扱いを開始いたしました。お客様の利便性向上のため、決済手段の多様化に対応してまいります。
d. 新たな事業展開
コロナ禍の影響で新たな生活様式が広がる中、当社ではご家庭や職場などでもお楽しみいただける物販商品など、モスブランドを活用した事業展開によって、収益源の多様化に取り組んでおります。他社とのコラボレーションとして、6月にはUHA味覚糖株式会社の「つむモスグミ」、11月にはオイシックス・ラ・大地株式会社にて「モスライスバーガー」(Oisixバージョン)を販売いたしました。いずれも第2弾の取り組みとなり、ご好評をいただきました。3月には、山崎製パン株式会社の「ランチパック(テリヤキハンバーグとクラムチャウダー風)」や、国分グループ本社株式会社の「K&K“CAN”Pの達人グリーンバーガーソイパティ」を2種、有限会社味源の「モスバーガーポテト(テリヤキチーズ風味)」と、コラボレーション商品を次々に発売いたしました。また、同じく3月からは前年度に話題を集めた食パンを復活販売し、新商品の「モスバーガーとヤマザキパンでじっくり考えた濃厚なチョコ食パン」を加えた2種で展開しております。
e. SDGsの推進
モスグループでは、経営理念「人間貢献・社会貢献」の実現のため、地域社会の一員として社会貢献活動に積極的に取り組んでまいりました。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に沿った「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」について情報開示を行うほか、11月には環境やフードダイバーシティなど、モスグループの社会活動をタイムリーに発信する「モスの森」(https://www.mos.jp/mori)を、モスバーガー公式サイト内に開設いたしました。1月には、引退後のアスリートを採用し、加盟店オーナーとして育成するプログラム「アスリート経営者 育成プロジェクト」を開始しており、キャリア形成の可能性を広げることで社会に貢献するとともに、加盟店オーナーのスムーズな事業承継も進めてまいります。また、3月からは「モスバーガー&カフェ」の業態において、障がいのある生産者が栽培・収穫した「ダイバースコーヒー」を中心にブレンドし、コーヒー豆かすなどを利用した「バイオコークス」を燃料に焙煎したコーヒー豆を使用した「ブレンドコーヒー」「カフェラテ」を発売いたしました。
国内モスバーガー事業の店舗数につきましては、当連結会計年度においては出店21店舗に対し閉店は30店舗で、当期末の店舗数は1,251店舗(前年度末比9店舗減)となりました。
以上の事業活動の結果、前年度に新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた、都心立地の店舗が多い直営店の売上高が回復傾向にあることに加え、郊外のドライブスルーの店舗が多い加盟店の売上高が引き続き堅調に推移したことにより、国内モスバーガー事業の売上高は634億7百万円(前年度比7.3%増)となり、営業利益については53億10百万円(同28.9%増)となりました。
なお、収益認識会計基準等の適用により、当連結会計年度の売上高は5億20百万円減少しましたが、営業利益への影響はありません。
<海外事業>
海外事業においては、国・地域ごとに施策を展開いたしました。
なお、海外事業に属する関係会社の当連結会計年度は2021年1月から12月であるため、同期間の情報を記載しております。
a. 台湾
2021年は台湾でのモスバーガー開業30周年を記念し、お客様へ日頃の感謝をお伝えするとともに、年間を通して積極的なプロモーション活動を行いました。9月からは、旭酒造株式會社とのコラボレーション企画として、鰻や牛ステーキなどの高品質食材を使用したライスバーガーに、銘酒『獺祭』を使用した商品を販売いたしました(シンガポール、香港においても同様のコラボ商品を展開)。さらに今年度も12月に開催された台北国際食品見本市に出展し、ご好評をいただきました。10~12月にかけて新型コロナウイルス感染症の感染者数が減少傾向にあったこともあり、売上は計画値に届くまで改善いたしました。空港や駅などの店舗は、観光客の減少により依然厳しい状況ですが、テイクアウトやデリバリーの強化、及び経費の抑制により引き続き利益の確保に努めてまいります。
b. シンガポール、香港
シンガポールでは、行政による座席数や営業時間短縮などの規制が一部緩和され、売上が回復傾向にあります。1月に世界的に有名な観光地に旗艦店となるマーライオンパーク店をオープンするなど、コロナ禍においても積極的な出店を継続し、5月には50店舗を達成することができました。12月には都心部オーチャード通りにアイオンオーチャード店をオープンし、さらなる発展に向けて出店を進めております。香港では、モスバーガー開業15周年記念キャンペーンや、キャラクターとのコラボレーション企画を行い新規顧客の獲得に努めました。また、当社が日本で展開しているパスタ専門店「ミアクッチーナ」のノウハウを生かし、海外における新規事業であるカジュアルイタリアン業態「モスクッチーナ」の1号店を9月にオープンし、計画を大きく上回る売上となりました。
c. インドネシア、オーストラリア、中国、韓国
各国の現地に根差した店舗フォーマットを確立するため、国ごとにマーケットニーズを調査し、様々な施策のテスト・検証・改善に取り組んでおります。
d. タイ、フィリピン、ベトナム
タイでは、外出制限などの規制が一部緩和され、売上が回復傾向となっています。10月にはこれまで出店を行っていなかった郊外エリアにも展開し、売上を伸ばすことができました。フィリピンでも徐々に規制が緩和され順調に売上を伸ばしており、着実に拡大を続けております。ベトナムにおいては、新型コロナウイルス感染症の影響により1号店の出店に遅れが生じております。
海外事業の店舗数(2021年12月末日現在)につきましては、台湾302店舗(前年度末(2020年12月末)比16店舗増)、シンガポール54店舗(同7店舗増)、香港39店舗(同6店舗増)、タイ21店舗(同5店舗増)、インドネシア2店舗(同増減なし)、中国(福建省・江蘇省・上海市)8店舗(同2店舗減)、オーストラリア4店舗(同1店舗減)、韓国14店舗(同2店舗増)、フィリピン6店舗(同4店舗増)となり、海外全体の当期末の店舗数は450店舗(同37店舗増)となりました。
以上の事業活動の結果、海外事業の売上高は126億97百万円(前年度比20.1%増)、営業利益は2億77百万円(同315.0%増)となりました。
<その他飲食事業>
その他飲食事業では、商品力の強化、サービス品質の向上、テイクアウトやデリバリーの強化に努めております。商業施設内へ店内飲食中心の業態で出店している店舗が多数を占めており、新型コロナウイルス感染症対策として自治体からの営業時間の短縮要請による影響が続いておりましたが、要請の解除後には売上は回復傾向にあります。
各業態の当期末の店舗数は、「マザーリーフ」事業合計で14店舗、株式会社ダスキンとのコラボレーションショップ「モスド」事業1店舗、「モスプレミアム」事業2店舗、「ミアクッチーナ」事業2店舗、「カフェ 山と海と太陽」事業1店舗、「あえん」事業5店舗、「シェフズブイ」事業1店舗となり、その他飲食事業の合計で26店舗(前年度末比1店舗減)となりました。
以上の事業活動の結果、その他飲食事業の売上高は14億73百万円(前年度比1.5%減)、営業損失は3億46百万円(同5億82百万円損失減)となりました。
<その他の事業>
連結子会社の株式会社エム・エイチ・エスは衛生、株式会社モスクレジットは金融・保険・設備レンタル、株式会社モスシャインはグループ内業務のアウトソーシングなどにより、主に国内モスバーガー事業やその他飲食事業を支援しております。
これらによるその他の事業の売上高は8億69百万円(前年度比8.3%増)、営業利益は3億47百万円(同21.8%増)となりました。
当連結会計年度の財政状態につきましては以下のとおりであります。
a. 資産
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度に比べ47億74百万円増加し、696億2百万円となりました。流動資産は前連結会計年度に比べ66億26百万円増加し、固定資産は18億51百万円減少しております。流動資産が増加した主な理由は、利益の計上や助成金の受け取り、投資有価証券の償還等により現金及び預金が増加したことによるものであります。固定資産が減少した主な理由は、投資有価証券の償還及び長期貸付金の回収によるものであります。
b. 負債
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度に比べ15億36百万円増加し、210億26百万円となりました。この増加の主な理由は、短期借入金及び長期借入金の返済により減少した一方で、利益の増加等により未払法人税等が増加したこと及び仕入債務や未払金等の増加によるものであります。
c. 純資産
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度に比べ32億38百万円増加し、485億76百万円となりました。また、自己資本比率は前連結会計年度末69.6%から当連結会計年度末は69.4%と0.2%減少しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フロー104億49百万円、投資活動によるキャッシュ・フロー△7億98百万円、財務活動によるキャッシュ・フロー△38億25百万円等により、前連結会計年度末に比べ60億1百万円増加し、197億46百万円(前年度比43.7%増)となりました。
a. 営業活動によるキャッシュ・フロー
主として、税金等調整前当期純利益の増加や助成金の受取額のほか、売上債権、棚卸資産、仕入債務等の運転資金の増減により資金が増加したため、前連結会計年度比60億49百万円増の104億49百万円となりました。
b. 投資活動によるキャッシュ・フロー
主として、貸付けによる支出の減少や投資有価証券の取得による支出の減少により資金が増加した一方で、有形固定資産の取得による支出の増加や投資有価証券の売却及び償還による収入の減少により資金が減少したため、前連結会計年度比8億44百万円減の△7億98百万円となりました。
c. 財務活動によるキャッシュ・フロー
主として、短期借入金の減少やリース債務の返済による支出の増加により資金が減少したため、前連結会計年度比11億6百万円減の△38億25百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績及び受注実績
当社グループのうち一部の連結子会社において生産を行っておりますが、グループ事業全体における重要性が低いため、生産実績及び受注実績については記載しておりません。
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 「収益認識に関する会計基準」等を当連結会計年度の期首から適用しており、顧客との契約から生じる収益を分解した情報を記載しております。なお、収益認識会計基準第89-3項に定める経過的な取り扱いに従っているため、前年同期比(%)については記載しておりません。
(注) 1.( )内数字は、直営店舗数で内数であります。
2.店舗売上高とは当社直営店及びフランチャイズ加盟店の売上高を合算したものであり、連結損益計算書に記載されている売上高とは一致しません。
(注) 「収益認識に関する会計基準」等を当連結会計年度の期首から適用しており、顧客との契約から生じる収益を分解した情報を記載しております。なお、収益認識会計基準第89-3項に定める経過的な取り扱いに従っているため、前年同期比(%)については記載しておりません。
(注) 1.( )内数字は、直営店舗数で内数であります。
2.店舗売上高とは当社直営店及びフランチャイズ加盟店の売上高を合算したものであり、連結損益計算書に記載されている売上高とは一致しません。
3.連結子会社のみを記載対象としております。
(注) 「収益認識に関する会計基準」等を当連結会計年度の期首から適用しており、顧客との契約から生じる収益を分解した情報を記載しております。なお、収益認識会計基準第89-3項に定める経過的な取り扱いに従っているため、前年同期比(%)については記載しておりません。
(注) 1.( )内数字は、直営店舗数で内数であります。
2.店舗売上高とは当社直営店及びフランチャイズ加盟店の売上高を合算したものであり、連結損益計算書に記載されている売上高とは一致しません。
(注) 「収益認識に関する会計基準」等を当連結会計年度の期首から適用しており、顧客との契約から生じる収益を分解した情報を記載しております。なお、収益認識会計基準第89-3項に定める経過的な取り扱いに従っているため、前年同期比(%)については記載しておりません。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
2021年度においても新型コロナウイルス感染症の猛威は未だ衰えず、2020年度に続いて厳しい事業環境となりました。加えて、原材料費の高騰も外食産業にとっては大きな逆風となりました。
このような環境の中で当社グループは、テイクアウトやデリバリーの強化など、コロナ禍で激動する外部環境への対応に全力を注ぎつつ、2019年度から取り組んできた中期経営計画の施策の推進に取り組みました。
経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ9.0%増収の784億47百万円となりました。主な増収の要因は、国内モスバーガー事業では、新型コロナウイルス感染症への対応策としてテイクアウトやドライブスルー、宅配の取り組みを強化したことなどが奏功し、海外では、シンガポールや香港などを中心にアジア圏での出店を続けたことにあります。このような取り組みの結果、国内モスバーガー事業においては43億8百万円の増収(前年度比7.3%増)、海外事業においては21億22百万円の増収(同20.1%増)、その他飲食事業は21百万円の減収(同1.5%減)、その他の事業が66百万円の増収(同8.3%増)となりました。
売上原価は、前連結会計年度の378億1百万円から29億74百万円増加し、407億76百万円となりました。売上原価率は前連結会計年度に比べ0.5%減少しております。売上原価増加の主な要因は、前述の売上高の増加によるものであります。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の327億48百万円から14億49百万円増加し341億97百万円となりました。金額の増加の主な要因は、店舗の閉店等により修繕費が1億15百万円、家賃地代が85百万円減少した一方で、宅配の取り組みを強化したこと等により支払手数料が4億60百万円、海外での店舗数増加等により給与手当が3億3百万円、卸売上高の増加により運賃が2億46百万円増加したことによるものであります。
c. 営業利益
売上総利益は35億円増加し、販売費及び一般管理費は14億49百万円増加いたしましたので、営業利益は前連結会計年度の14億22百万円に比べ144.2%増の34億73百万円となりました。売上原価率が0.5%減少し、販売費及び一般管理費率が1.9%減少したことにより、営業利益率は、前連結会計年度と比べ2.4%増加し4.4%となりました。
d. 営業外収益(費用)
営業外収益(費用)の純額は、前連結会計年度の5百万円の収益(純額)から1億55百万円増加し、1億60百万円の収益(純額)となりました。この収益(純額)の増加の主な要因は、前連結会計年度に計上した店舗の閉店に伴う解約違約金の減少によるものであります。
e. 特別利益(損失)
特別利益(損失)の純額は、前連結会計年度の29百万円の損失(純額)から9億86百万円利益(純額)が増加し、9億57百万円の利益(純額)となりました。この利益(純額)の増加の主な要因は、減損損失が前連結会計年度の10億81百万円から8億39百万円減少し2億41百万円となったことによるものであります。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は34億19百万円(前年度比243.0%増)となり、自己資本利益率は前連結会計年度と比べ5.1%増加し7.3%となりました。
セグメントごとの経営成績等の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等であります。投資を目的とした資金需要は、店舗の設備投資、システム開発投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は39億93百万円、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は197億46百万円となっております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、この連結財務諸表の作成に当たりまして、当社連結グループ内における債権・債務及び取引は全て相殺しております。
当社グループは特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと理解しております。
当社グループでは、固定資産の減損会計等の会計上の見積りについて、連結財務諸表作成時において入手可能な情報に基づき実施しております。新型コロナウイルス感染症については、事業や地域、業態、立地等の条件によって影響のある店舗はあるものの、翌連結会計年度以降の当社グループの事業活動へ与える影響は全体として軽微であるものと仮定し、会計上の見積りを行っております。
なお、当該見積りに用いた仮定の不確実性は高く、新型コロナウイルス感染症の収束時期及び経済環境への影響が変化した場合には、上記の見積りの結果に影響し、将来の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
a. 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、主として店舗を基本単位として資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しております。
回収可能価額の評価の前提条件には、投資期間を通じた将来の収益性の評価や資本コストなどが含まれますが、これらの前提条件は長期的な見積りに基づくため、将来の当該資産グループを取り巻く経営環境の変化による収益性の変動や市況の変動により、回収可能性を著しく低下させる変化が見込まれた場合、減損損失の計上が必要となる場合があります。
b. 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積額が減少し繰延税金資産の一部または全部を将来実現できないと判断した場合、その判断を行った期間に繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
当社グループは、当社グループの債務者に対する債権回収不能時に発生する損失の見積額について、債務者の財務状況に応じて、一般債権、貸倒懸念債権、破産更生債権等の3区分にて、貸倒引当金を計上しております。一般債権は貸倒実績率法、貸倒懸念債権及び破産更生債権等につきましては財務内容評価法により貸倒引当金を計上しております。債務者の財政状態の悪化により、その支払い能力が低下した場合、または、当社グループにおける加盟店からの債権の回収サイトが延長となった場合に、貸倒引当金の追加引当が必要となる場合があります。
d. 投資損失引当金
当社グループは、関係会社への投資について、投資先の財政状態の実情を勘案し、一定の算定基準による必要額を見積計上しております。将来の投資先の業績不振により、投資先の財政状態が悪化した場合、投資損失引当金の追加引当が必要となる場合があるとともに、現在の投資簿価の回収不能事態が発生した場合には減損処理が必要となる場合があります。
e. 退職給付費用
当社グループは、従業員の退職給付に備えるため、退職給付に係る負債を当連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込み額に基づき計上しております。従業員の退職給付費用には、勤務費用・利息費用・期待運用収益及び前連結会計年度に発生した数理計算上の差異によるものに加えて、確定拠出制度及び確定拠出制度と同様に会計処理する、複数事業主制度への拠出額も含まれております。
このため、退職給付費用は、従業員の勤続年数の変化、数理計算上の差異の費用処理額の増減、長期期待運用収益率の変化による期待運用収益の増減、期末における割引率の水準により大きく変化します。
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