業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当社は、前連結会計年度末より連結財務諸表を作成しておりますので、経営成績の状況において前年同期連結会計期間との比較分析は行っておりません。

 なお、2021年1月27日(みなし取得日 2021年3月31日)に行われた株式会社大将軍の企業結合について、前連結

会計年度において暫定的な会計処理を行っておりましたが、当連結会計年度に確定しております。この暫定的な会計処理の確定に伴い、当連結会計年度の連結財務諸表に含まれる比較情報において取得原価の当初配分額に重要な見直しが反映されています。前連結会計年度末との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額を用いています。

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度(2021年4月1日から2022年3月31日まで)におけるわが国の経済環境は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けました。新型コロナウイルスワクチンの接種率の向上等により段階的に軽減しているものの、依然として先行きが不透明な状況が続いております。

 外食業界におきましては、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置による営業時間の短縮、酒類の提供禁止や提供時間の制限がありました。本年3月にはまん延防止等重点措置が解除されましたが、大人数での会食や宴会を慎む動きは継続しており、厳しい経営環境が続いております。

 このような環境の中で、当社グループは、新型コロナウイルス感染症対策として、従業員のマスク着用、個人衛生チェックの徹底、アルコール消毒液の店内設置、客席のパーテーション設置など、感染予防対策を引き続き実施し、ご来店いただけるお客様に安心してお食事を楽しんでいただけるよう努めております。また、各業態において、巣ごもり需要の獲得に向けたテイクアウトの強化に努めております。TVCMや新聞折り込み広告等による認知の向上、お持ち帰り「お弁当販売」に加え、ご自宅でお楽しみいただける、お持ち帰り「しゃぶしゃぶセット」・「すきやきセット」の販売、季節やお客様のオケージョンに合わせたお弁当の販売等に取り組んで参りました。

 費用面においては、引き続き、一部店舗の休業及び時短営業店舗の従業員の一時帰休、客数予想をもとにしたシフト管理の徹底等により人件費を抑えると共に、家賃の減額交渉等を行い、経費削減に努めました。

 なお、営業外収益には、営業時間短縮要請に係る時短協力金等の助成金収入を53億27百万円計上しました。

 資金面については、8月31日に当社グループの更なる成長と安定的な財務体質の構築を実現するために第三者割当による第1回新株予約権を発行して資金調達を開始しました。

 店舗展開、改築・改装につきましては、3店舗の出店、5店舗の改装(1店舗は改装中)、11店舗の退店を実施し、当連結会計年度末の店舗数は194店舗となりました。

 なお、働き方改革の一環として株式会社木曽路において、5月10日、11日の2日間、全店一斉休業を実施しました。今後も働き易い魅力ある企業作りにも努めて参ります。

 

(財政状態の状況)

 当連結会計年度末における総資産は478億98百万円となりました。この主な内訳は、流動資産が227億21百万円、有形固定資産が145億20百万円、無形固定資産が29億61百万円、投資その他の資産が76億93百万円であります。

 一方、負債合計は212億96百万円となりました。この主な内訳は、流動負債が109億93百万円、固定負債が103億3百万円であります。また、当連結会計年度末における純資産合計は266億1百万円となりました。この主な内訳は、資本金が115億53百万円、資本剰余金が113億71百万円、利益剰余金が45億20百万円であります。

 以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は55.5%、1株当たり純資産は983.02円となりました。

 

(経営成績の状況)

 当連結会計年度の売上高は367億78百万円、営業損益は35億41百万円の損失、経常利益は18億20百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は6億50百万円となりました。1株当たり当期純利益は25.15円となりました。

 当連結会計年度におけるセグメント別の概況については、当社グループの事業は単一セグメントでありますので、その概況を部門別に示すと次のとおりであります。

 

木曽路部門

 しゃぶしゃぶ・日本料理の「木曽路」業態は、1店舗の出店、1店舗の改装(現在改装中)と2店舗の退店により、当連結会計年度末店舗数は122店舗であります。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、時短営業を実施いたしました。店内飲食での法人の宴会需要や予約獲得状況は回復しておらず厳しい状況が続いております。このような環境の中で新規顧客の獲得、来店動機づくりにTVCMを実施するとともに、引き続き、お持ち帰りお弁当販売やご自宅でお楽しみいただける「しゃぶしゃぶセット」等の販売で客数増に努めました。

 その結果、売上高291億13百万円(前年同期比 4.9%増加)となりました。

 

焼肉部門

 特選和牛の「大将軍」・国産牛焼肉の「くいどん」は、2店舗の出店、3店舗の改装、1店舗の退店により、当連結会計年度末店舗数は42店舗であります。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、時短営業、酒類の販売制限の影響を大きく受け、厳しい営業となりました。その結果、売上高は49億34百万円となりました。

 なお、前連結会計年度に株式会社大将軍の全株式を取得し、完全子会社化を行い連結範囲に含めております。連結子会社の企業結合日(みなし取得日)を前連結会計年度末としているため、前連結会計年度においては連結範囲に同社の業績は含めておりません。そのため、前年同期との対比は行っておりません。

 焼肉の「じゃんじゃん亭」業態は、当連結会計年度末店舗数は13店舗であります。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、時短営業、酒類販売の制限や業態転換により店舗数が減少したため、売上高は12億41百万円(同 19.0%減少)となりました。

 

その他部門

 居酒屋(素材屋、とりかく、ウノ、大穴)業態は、8店舗の退店により、当連結会計年度末店舗数は8店舗(前年同期末比 8店舗減少)となりました。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、酒類の提供禁止や制限により店舗の休業と時短営業を実施いたしました。ランチ営業やお弁当販売等を実施し、2022年3月にまん延防止等重点措置は解除されたものの、大人数での宴会需要や接待の低迷や時短営業、酒類販売の制限などが大きく影響しました。その結果、売上高は6億90百万円(同 27.5%減少)となりました。

 和食 しゃぶしゃぶの「鈴のれん」業態は、店舗の異動はなく、当連結会計年度末店舗数は5店舗であります。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、時短営業を実施いたしました。店舗数の減少や時短営業が大きく影響しましたが、前年同期は、店舗休業を実施したこともあり、売上高は4億79百万円(同 2.7%増加)となりました。

 その他業態は、からあげ専門店の「からしげ」、外販(しぐれ煮、胡麻だれ類)、不動産賃貸等であります。売上高は3億68百万円(同 2.1%減少)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は176億17百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は36億56百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が9億91百万円、助成金収入53億27百万円等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は16億41百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出16億23百万円、差入保証金の差入による支出2億17百万円等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動の結果使用した資金は4億円となりました。これは主に、短期借入れによる収入118億円、短期借入金の返済による支出187億円等によるものであります。

③販売及び仕入の実績

イ.販売実績

   当社の事業は飲食店としての事業がほとんどを占める単一セグメントであります。当連結会計年度における販売実績の内訳を部門別・地域別に示すと次のとおりであります。

  ・部門別販売実績

部門別

事業内容

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

木曽路部門

しゃぶしゃぶ・日本料理の「木曽路」

29,113百万円

104.9

焼肉部門

特選和牛の「大将軍」・

国産牛焼肉の「くいどん」

4,934

焼肉の「じゃんじゃん亭」

1,241

81.1

その他部門

居酒屋

690

72.6

和食 しゃぶしゃぶの「鈴のれん」

479

102.7

その他

368

98.0

   (注)総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。

 

  ・地域別販売実績

地域別

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

中部地区

11,159百万円

関東地区

19,009

関西地区

5,999

九州地区

657

 

ロ.仕入実績

項目別

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

原材料

肉類

4,766百万円

 

野菜類

1,063

 

魚介類

2,335

 

調理済加工食品

2,645

 

飲料

697

 

米・パン類

450

 

乳製品

153

小計

12,112

商品

店頭商品

122

合計

12,234

   (注)店頭商品とは菓子類及び胡麻だれ等であります。

 

(2)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループは適切な成長性と収益性の確保を通じて着実な業容拡充と企業価値の向上を図ることを経営目標としております。そのために、売上高成長率及び売上高経常利益率を目標指標としています。業績の中期的展望については、当面は、過去最高業績水準である、売上高500億円、営業利益・経常利益30億円、利益率6.0%を業績目標としています。この中期的展望を元に、単年度の売上高、営業利益・経常利益、及び同利益率の目標値を設定し、目標達成に向けた施策や目標との乖離原因等について分析・検討して参ります。

 

 今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルスワクチン接種率の向上や治療薬の開発等により徐々に経済が回復基調にあるものの、依然として新型コロナウイルス感染症の収束時期が見通せないことに加えて、ウクライナ情勢等の地政学的リスクによる資源・エネルギーや食材等の価格高騰により、景気の先行き不透明感は強まることが予想されます。

 このような経営環境の中で、当社グループは引き続き店内飲食だけでなく、持ち帰り弁当やしゃぶしゃぶセット等の販売で客数増の施策等を行い、売上の増大を図って参ります。また、基本方針どおり、お客様の食の安全・安心を追求するとともにコンプライアンスを徹底して参ります。そして、組織の在り方を見直し、教育体系を整備し、新規出店や新事業開発で企業規模の拡大を目指して参ります。新世代の木曽路へ魅力のある企業づくりを行い、人材の確保、定着、育成へとつなげて参ります。

 さらに、当社グループは事業ポートフォリオの再構築を行って参ります。焼肉事業を第2の柱とし、新事業・新業態への進出・拡大も視野にいれて業容を拡大して参ります。また、人と人との接点に外食の喜びを創造する取り組みを行うことにより、お客様との接点の強化に努めます。その取り組みにより、お客様のご要望を把握し、新たなニーズの掘り起こしを行って参ります。

 以上の施策を実行して参りますが、今後も新型コロナウイルス感染症の収束状況等により、業績が大きく変動する可能性があります。業績予想の修正が必要になった場合は速やかに開示いたします。

 

(3)資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要は原材料及び人件費を主とした、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、新規出店、店舗の改築・改装、名古屋工場設備改修及び情報システム関連投資等によるものであります。

 当社グループの事業活動拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入と社債の発行等による資金調達を基本的な方針としており、今後の調達の安定性と低コスト調達を実現するために調達方法の多様化も進めて参ります。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は127億88百万円となっており、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は176億17百万円となっております。

 当社グループは将来の資金需要に円滑な調達を進めるため、株式会社日本格付研究所より、発行体格付け「BBB⁻」を取得しております。

 

(4)重要な会計上の見積り及び当該見積に用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び該当見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

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