当連結会計年度における当グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、ワクチン接種の効果等により、新型コロナウイルス感染症の影響が一時的に緩和傾向となる局面も見られましたが、強い感染力を持つ変異株の出現から感染者数は再拡大し、景気は後退局面のまま極めて不透明な状態が続きました。また、ロシアによるウクライナへの侵攻による世界情勢の緊迫から、サプライチェーンは寸断され、以前にも増して景気の先行きにとって厳しい状況が継続しています。
当家電販売業界におきましては、前年度のコロナ禍における特需の反動や、緊急事態宣言の発令にともなう休業や時短営業、夏場の天候不順等の影響から前年度との比較において、どの商品群もおしなべて落ち込みを余儀なくされました。一方で、販売チャネルにおきましては、前年割れの売上が続く店頭販売に比して、「非接触」のショッピングスタイルであるインターネット販売(EC)は引き続き好調に推移し、厳しい商況の中で当グループの業績を牽引しております。
このような状況下、前年度公表した3カ年の中期経営計画『JT-2023 経営計画』に当グループ一丸となって取り組んでまいりました。この計画は当グループの経営資源及び販売形態を有機的に統合・再編して、本業に一層磨きをかけるべく①各種販売チャネルの融合と、②人財ポテンシャルを引き出し、最大活用することを基本方針とし、営業キャッシュ・フローの創出と将来の成長に向けた投資の実行により、更なる発展に向けた強固な事業基盤の構築を目指した計画で、今年度はその2年目にあたり、目標達成と諸施策の実現に向け、具体的な戦略の元、着実に計画を遂行してまいりました。
店舗展開につきましては、店舗力の強化と投資効率の改善を目指して、高石店(大阪府)を含む8店舗の出店を行うとともに5店舗を撤収した結果、当連結会計年度末の店舗数は218店舗となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高409,508百万円(前年同期比91.2%)、営業利益8,884百万円(前年同期比53.7%)、経常利益9,701百万円(前年同期比58.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益6,391百万円(前年同期比72.0%)となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等の適用により、売上高は6,353百万円減少し、営業利益、経常利益はそれぞれ45百万円減少しております。
なお、当グループの事業は、家電製品等の小売業並びにこれらの付帯業務の単一事業であり、開示対象となるセグメントはありませんので、セグメント情報の記載を省略しております。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、投資活動による支出が営業活動及び財務活動による収入を上回った結果、前連結会計年度末より6,257百万円の減少となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は2,360百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益9,552百万円、減価償却費5,523百万円、減損損失1,023百万円、仕入債務の減少2,680百万円、未払費用の減少2,147百万円、未払消費税等の減少2,438百万円、法人税等の支払額7,034百万円等があり、全体では1,442百万円の収入と前年同期と比べ24,394百万円の減少(前年同期25,836百万円の収入)になりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、新規出店等による固定資産の取得による支出8,786百万円、差入保証金の差入による1,458百万円の支出等があり、全体では9,573百万円の支出と前年同期と比べ3,455百万円の減少(前年同期6,118百万円の支出)になりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金等の有利子負債の増加4,898百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出1,023百万円、配当金の支払2,011百万円等があり、全体では1,873百万円の収入と前年同期と比べ16,306百万円の増加(前年同期14,433百万円の支出)になりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における販売実績を都府県別に示すと、次のとおりであります。
(注) 1.当グループは、家電製品等の小売業並びにこれらの付帯業務の単一事業であり、開示対象となるセグメントはありませんので、セグメント情報の記載を省略しております。
2.「大阪府」には、店頭販売以外の売上が含まれております。
当連結会計年度における販売実績をチャネル別に示すと、次のとおりであります。
(注) 当グループは、家電製品等の小売業並びにこれらの付帯業務の単一事業であり、開示対象となるセグメントはありませんので、セグメント情報の記載を省略しております。
当連結会計年度における販売実績を品種別に示すと、次のとおりであります。
(注) 当グループは、家電製品等の小売業並びにこれらの付帯業務の単一事業であり、開示対象となるセグメントはありませんので、セグメント情報の記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
A.経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べて8.8%減少の409,508百万円となりました。これは主に、「非接触」のショッピングスタイルであるインターネット販売(EC)は前年度に引き続き好調に推移したものの、前年度のコロナ禍における特需の反動や、緊急事態宣言の発令にともなう休業や時短営業、夏場の天候不順等が影響を及ぼしたことによります。
店舗展開につきましては、店舗力の強化と投資効率の改善を目指して、高石店(大阪府)を含む8店舗の出店を行うとともに、5店舗を撤収した結果、当連結会計年度末の店舗数は218店舗となりました。
売上総利益は、売上高の減少等により、前連結会計年度に比べて12.2%減少の98,427百万円となりました。当連結会計年度は、デジタル販促等へのシフトが進み、販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べて6.3%減少しましたが、前連結会計年度に引き続き、将来に備えた人的資本やシステム関連への積極的な投資を継続していることにより、売上高販管費率は前連結会計年度に比べて0.6%増加し、営業利益は前連結会計年度に比べて46.3%減少の8,884百万円となりました。また、売上高営業利益率は前連結会計年度より1.5%減少し、2.2%となりました。
営業外損益は、新型コロナウイルス感染症支援対策の補助金等の受給により、営業外収益は前連結会計年度に比べて182.3%増加の1,235百万円となり、営業外費用が3.2%減少したことにより、経常利益は前連結会計年度に比べて41.4%減少の9,701百万円となりました。また、売上高経常利益率は前連結会計年度より1.3%減少し、2.4%となりました。
特別損益については、固定資産売却益等により、特別利益は前連結会計年度に比べて119.6%増加の1,284百万円となりました。また、当グループでは、店舗のスクラップアンドビルドによる「店舗力の強化」が必要不可欠であると考えておりますことから、当連結会計年度においても店舗の撤収または改装等に伴う減損損失及び固定資産除却損を特別損失に計上しましたが、前連結会計年度における大阪日本橋地区再開発等の大規模な案件がなかったこと等により、特別損失は前連結会計年度に比べ67.8%減少し、1,433百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて28.0%減少の6,391百万円となりました。
また、当連結会計年度の1株当たりの当期純利益は、前連結会計年度の331.62円と比べて92.84円減少の238.78円となりました。
当連結会計年度の経営成績等は、2020年8月に公表しました当グループの中期経営計画である『JT-2023 経営計画』の2年目にあたり、同計画の諸施策にグループ一丸となって取り組んでまいりました。同計画は前連結会計年度を初年度とする3カ年の経営計画であり、2022年5月に計画値の一部見直しを行い、最終年度の2023年3月期の計画値として、売上高420,000百万円(うちインターネット販売80,000百万円)、営業利益10,000百万円、経常利益10,000百万円、売上高経常利益率2.4%、自己資本比率45.0%以上、ROE7.0%以上、ROA5.0%以上、ROIC5.0%以上、配当性向30.0%程度とする計画で、堅実かつ着実な成長を目指しております。なお同計画の詳細は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) JT-2023 経営計画(2020年4月1日~2023年3月31日)について」をご参照ください。
当グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、消費マインドの低下、天候不順等が上げられますが、耐久消費財の販売を主業とする当グループにとって、一定の買い替え需要は常に存在することから、他社との比較において人的な生産性の向上と積極的な販売促進策の実行により、厳しい環境下においても安定的な業績をあげることができるように努力してまいります。なお、その他の要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
なお、当グループの事業は、家電製品等の小売業並びにこれらの付帯業務の単一事業であり、開示対象となるセグメントはありませんので、セグメント情報の記載を省略しております。
B.財政状態の分析
当連結会計年度末は前連結会計年度末に比べ、資産は流動資産が707百万円増加し、固定資産が6,387百万円増加したため、合計で7,095百万円増加し、当連結会計年度末の資産合計は217,417百万円となりました。資産の増減の主な内容は、長期前払費用4,972百万円増加、未収入金4,901百万円増加、前払費用1,697百万円増加、建設仮勘定1,169百万円増加、現金及び預金6,407百万円減少等であります。
負債は流動負債が1,524百万円減少し、固定負債が9,282百万円増加したため、合計で7,757百万円増加し、当連結会計年度末の負債合計は118,776百万円となりました。負債の増減の主な内容は、契約負債24,054百万円増加、借入金等の有利子負債4,898百万円増加、未払法人税等4,133百万円減少、ポイント引当金3,885百万円減少、商品保証引当金3,108百万円減少、支払手形及び買掛金2,680百万円減少、未払消費税等2,245百万円減少、未払費用2,147百万円減少等であります。
純資産は「収益認識に関する会計基準」等の適用にともなう期首の利益剰余金の減少4,871百万円等により、株主資本が446百万円減少し、その他の包括利益累計額が215百万円減少したため、合計で661百万円減少し、当連結会計年度末の純資産合計は98,641百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
なお、当グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは次のとおりであります。
(注)自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
※営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を使用しております。
B.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当グループの資本の財源及び資金の流動性については、当グループの運転資金需要のうち主なものは商品の仕入を中心とした営業性費用と、人件費等の販売管理費用が中心となります。投資関連の費用としては、小売業という特性から店舗開発や店舗の改装といった設備投資が中心となります。
当グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金については自己資金、金融機関からの短期借入及びコマーシャル・ペーパーによる調達を基本としております。また、設備関連資金については金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は42,052百万円となっております。また、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は2,360百万円となっております。
今後の重要な設備投資計画等につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1) 重要な設備の新設等」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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