(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度末における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善などを背景に緩やかな回復基調が続いておりましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により国内外の経済活動の縮小により景気は急速に悪化し、極めて厳しい状況となっております。
小売業界におきましては、顧客のライフスタイルの多様化による消費行動の変化や、業種業態の垣根を越えた競争の激化により、一段とめまぐるしい変化が続いております。さらにEコマースや個人間のリユース売買など、リアル店舗以外での消費の拡大が加速しており、当社を取り巻く環境は依然として厳しいものとなりました。
このような状況のもと当社は、低迷の続く売上を回復するために、まず、お客様に来店していただくことが最重要であると考え、各地域ごとに異なるお客様のニーズに対応できるよう、既存店の改装、テナントの導入、フランチャイズ加盟による新業態の導入等を行い来店客数の増加に取り組んでまいりました。
この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(a)財政状態
当事業年度末における資産の部は、2,373億4千6百万円となり、前事業年度末に比べ4千万円増加しました。これは主に、売掛金が20億5千4百万円、投資その他の資産「その他」に含まれる差入保証金が7億6千4百万円、有価証券が2億8千2百万円増加し、有形固定資産が28億2千9百万円減少したことによるものです。
負債の部は、557億6千1百万円となり、前事業年度末に比べ71億5千4百万円増加しました。これは主に、短期借入金が50億円、買掛金が17億8千2百万円増加したことによるものです。
純資産の部は、1,815億8千4百万円となり、前事業年度末に比べ71億1千3百万円減少しました。これは主に、利益剰余金が136億9千1百万円、自己株式が64億2千3百万円減少したことによるものです。
(b)経営成績
当事業年度における営業収益は1,535億4千万円(前年同期比4.9%増)、営業利益は95億9千8百万円(前年同期比6.7%増)、経常利益は100億9千4百万円(前年同期比10.4%増)、当期純利益は64億2千2百万円(前年同期比6.2%増)となりました。
当社では、お客様に来店していただくことが最重要であると認識し、各店舗での適切な売場構成を検証し、既存店の改装や、当社の事業とシナジー効果が見込める、100円ショップやBOOK&CAFEなどのフランチャイズ加盟による新業態の導入や集客力の高い食品スーパーなどのテナントの導入により、新たな売上・利益を創出するとともに、インターネットでの将来の消費者の購買行動変化を見据え、家具・ホームファッション商品のEコマース・ネットマーケティング体制を整備し、ECサイトと店舗との相互送客の確立による来店客数の増加に取り組んだ結果、既存店で客数が前年同期比11.0%増加しました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ5億4千9百万円減少し、143億9千8百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、141億2百万円(前年同期比48億7千4百万円増)となりました。
主な要因は、税引前当期純利益94億8千万円、減価償却費49億9千2百万円、法人税等の支払額26億7千9百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、57億6千4百万円(前年同期比9億5千6百万円減)となりました。
これは、主に有形固定資産の取得による支出43億7千1百万円、差入保証金の差入による支出12億3千2百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、88億8千6百万円(前年同期比28億3千2百万円減)となりました。
これは、主に自己株式の取得による支出100億3百万円、配当金の支払額37億7千6百万円、短期借入金による収入60億円によるものであります。
③仕入及び販売の実績
(a)仕入実績
仕入実績を示すと、次のとおりであります。
|
当事業年度 (自 2019年9月1日 至 2020年8月31日) |
前年同期比 (%) |
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住関連用品の販売事業 (百万円) |
97,509 |
103.9 |
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合計(百万円) |
97,509 |
103.9 |
(注)1 当社の事業区分は「住関連用品の販売事業」の単一セグメントであります。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(b)販売実績
販売実績を示すと、次のとおりであります。
|
当事業年度 (自 2019年9月1日 至 2020年8月31日) |
前年同期比 (%) |
|
住関連用品の販売事業(百万円) |
146,694 |
104.8 |
|
合計(百万円) |
146,694 |
104.8 |
(注)1 当社の事業区分は「住関連用品の販売事業」の単一セグメントであります。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(c)単位当たりの販売実績
販売実績を単位当たりで示すと、次のとおりであります。
項目 |
当事業年度 (自 2019年9月1日 至 2020年8月31日) |
前年同期比 (%) |
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売上高(百万円) |
146,694 |
104.8 |
|
1㎡当たり売上高 |
売場面積平均(㎡) |
651,355 |
100.5 |
1㎡当たり期間売上高(千円) |
225 |
104.2 |
|
1人当たり売上高 |
従業員数平均(人) |
4,489 |
103.2 |
1人当たり期間売上高(千円) |
32,679 |
101.5 |
(注)1 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2 1㎡当たり売上高は、期首、期末現在の平均売場面積(旧「大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律」に基づく面積)で計算しております。
3 従業員数は、臨時従業員数(8時間換算)を含めた期首、期末現在の人員より算出した期中平均在籍人員数によっております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態の状況
当事業年度の財政状態の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ①財政状態及び経営成績の状況 (a) 財政状態」に記載しております。
(b)経営成績の分析
当事業年度の経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ①財政状態及び経営成績の状況 (b) 経営成績」に記載しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(a)キャッシュ・フローの状況
当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(b)資本の財源及び資金の流動性
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金は、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成にあたりまして、当事業年度末における資産・負債及び当事業年度の収益・費用の報告数値並びに開示に影響を与える見積りを行っております。当該見積りに際しましては、過去の実績や状況に応じて、合理的と考えられる要因等に基づいて行っております。しかしながら、見積り特有の不確実性により、実際の結果とは異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (追加情報) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に伴う会計上の見積りについて」に記載しております。
(a)繰延税金資産の回収可能性
当社は、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(b)固定資産の減損
当社は、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、将来キャッシュ・フローの見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(c)資産除去債務
当社は、営業店舗等の開設にあたり、不動産所有者との間で不動産賃貸借契約を締結しており、退去時における原状回復義務に関し、「資産除去債務に関する会計基準」に基づき過去の実績等から合理的な見積りを行い、資産除去債務を計上しております。しかしながら、新たな事実の発生等に伴い、資産除去債務の計上額が変動する可能性があります。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、2019年度から2021年度までの中期経営計画を策定し、重視している経営指標は、営業収益及び営業利益、並びにROEであり、最終年である2021年度はROE5.0%達成を目標としており、当事業年度を含む、直近2会計年度の各指標の推移は、次のとおりであります。
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2019年8月期 |
2020年8月期 |
営業収益(百万円) |
146,387 |
153,540 |
営業利益(百万円) |
8,994 |
9,598 |
ROE(%) |
3.2 |
3.5 |
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