課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、経営理念に『「サービス先端企業」として、「顧客満足主義の実践」「取引先との相互利益の尊重」「創造的革新の社風創り」の3点を共通の価値観として浸透させ、競争に打ち勝ち、お客様、株主の皆様、そしてすべての取引先の皆様の期待に添うようにチャレンジを続け社会的責任を果たしてまいります。』を掲げております。

国内においては、ペイメント事業を中核に、リース事業やファイナンス事業など、さまざまなビジネスにおいてグループ各社とのシナジーを強化していく一方、お客様に付加価値の高いサービスを提供するため、多種多様な企業との提携ネットワークの充実を図ってまいります。また、グローバル事業においては、成長著しいアジア圏内において、各国に即した金融ビジネスを提供することで地域の経済発展に寄与することを目指してまいります。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、「サービス先端企業」を経営理念に、お客様の利便性を徹底的に追求し、系列や業態などの枠組みを超えた多様な提携パートナーとともに革新的なサービスを創造し続けております。当社グループを取り巻く経営環境は、新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に与える影響や金融資本市場の変動影響に留意が必要な状況であることに加えて、先進的テクノロジーの活用や異業種参入によって新たな金融サービスが次々と創出されるなど、企業間競争が激しさを増すものと予想されます。

このような状況において当社グループは、『総合生活サービスグループへの転換~リアルとデジタルの融合でカスタマーサクセスを実現~』を中期経営ビジョンとして掲げ、「Innovative」「Digital」「Global」を基本コンセプトとした2025年3月期までの中期経営計画を策定いたしました。「総合生活サービスグループ」への転換に向けて、グループや提携先と「セゾン・パートナー経済圏」の確立に注力し、グループ企業間の事業シナジーによる他社にはない価値の創造を目指してまいります。加えて、お客様のあらゆる困りごとに、親切に適切に素早く解消することで顧客満足度向上を目指してまいります。

そして、Environment(環境)・Social(社会)・Governance(ガバナンス)を意識した経営を実践し、これまでよりも便利で豊かな社会の発展に寄与することで、当社の持続的な企業価値の向上を目指してまいります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、企業価値の向上を目指すにあたり、財務の健全性の維持向上を優先課題とし、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)、親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率)を重要な指標としております。

 

・中期経営計画における数値目標 2025年3月期 連結事業利益    700億円

・中長期的な経営指標 親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)  10%超

親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率) 15%程度

 

(4) 事業上及び財務上の優先的に対処すべき課題

当連結会計年度を終えた時点で、当社グループにおける対処すべき事業上の課題及び諸施策は次のとおりです。

① ペイメント事業の再生

他社のポイント戦略や異業種参入などにより競争環境が激しさを増しているペイメント事業においては、AMEXブランド拡販に加えて新たなカードビジネスモデルの確立として、新GOLDカード戦略に重点をおきペイメント事業の再生に取り組んでまいります。

個人領域においては、当社の強みである幅広いアライアンスに「新たなロイヤリティサービス」を加えた新GOLDカード戦略を策定し、お客様に選ばれるメインカードを目指してまいります。

法人領域においては、SMEマーケット(Small and Medium Enterprises:中小企業)に資源を投下し、ビジネスカードと法人関連商材のクロスセルの取り組みを加速させることで法人マーケットのシェア拡大を目指してまいります。

 

② ファイナンス事業の健全な成長及び新たな事業領域への進出

ペイメント事業のみならず事業者の設備投資計画に合わせて、OA通信機器や厨房機器などを提供するリース、地域金融機関と提携し、資金使途を事業性資金にも広げたフリーローンの信用保証、カード会員向け優待を付加した「フラット35」、投資用不動産購入をサポートする「セゾンの資産形成ローン」など、マーケットニーズに即したファイナンス機能の提供と提携先企業とのリレーション強化を通じて収益源の多様化を実現しております。今後も、「フラット35」、「セゾンの資産形成ローン」、「セゾンの家賃保証 Rent Quick」等に加え、2022年4月から提供を開始した金融機関向け「住宅ローン保証」をはじめとする新規マーケットへの挑戦に注力しファイナンス事業の多角化を目指してまいります。

 

 

③ グローバル事業の展開加速

国内で蓄積した金融サービスのノウハウを、金融アクセスが不十分なアジア諸国で展開すべく、FinTech企業をはじめとした現地企業への投資や協業を通じて、将来を見据えたグローバル事業の収益基盤の拡大に取り組んでおります。

東南アジア・インドを中心に、銀行などから十分な金融サービスが受けられていないアンダーサーブド層をターゲットにしたレンディング事業に加え、海外のアーリーステージのスタートアップに対するインベストメント事業を中核事業として、グローバル事業を当社事業の大きな柱にするためにグローバル事業の展開を加速しています。また、International Headquarter(国際統括機能)をシンガポールに設置するなど事業拡大を支える基盤構築にも取り組んでいます。これらの事業を通じてファイナンシャル・インクルージョン並びに国際連合が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)への取り組みを推進し、世界的な社会課題の解決に貢献してまいります。

 

④ 与信管理・回収体制強化による債権の健全化や経営資源の有効活用による生産性向上

初期与信・途上与信においては、内外の環境やお客様の状況に応じた適正与信を実施するとともに、モニタリング強化によって不正利用被害の抑制を図っております。債権回収においては、お支払い期日までの事前入金訴求によって延滞発生を未然に防止する一方、延滞発生後のお客様に対してはコンタクト及びカウンセリングの強化による、債権保全を行っております。また、不正使用検知システムにAI(人工知能)を導入し不正検知の精度向上を目指すなど、お客様に安心、安全な決済環境を提供するとともに、利便性の高いサービスを提供し顧客満足度の向上を目指してまいります。また、経営資源の有効活用により生産性向上に努めてまいります。

 

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