文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において当社グループ(当社及び当社の連結子会社)が判断したものであります。
なお、将来に関する事項につきましては、不確実性を有しており、将来生じる結果と異なる可能性がありますので、記載しております事項に対する判断は、以下記載事項及び本項目以外の記載内容も合わせて慎重に行われる必要があります。
当社グループは、スーパーマーケットの経営を事業主体としており、店舗「原信」「ナルス」「フレッセイ」を各地に出店しております。
当連結会計年度の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日 企業会計基準委員会)等を適用しております。この結果、前年同期と収益の会計処理が異なることから、以下の経営成績に関する説明において売上高並びにその関連指数等の前年同期比は記載しておりません。
当連結会計年度を含む近年のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が2年以上に亘り続き、経済構造や人々の生活様式が過去の常識から大きく変化したことで悪化した景況は改善に至っておりません。加えて、世界的な諸問題に起因する物資の不足や滞留、価格上昇は国民生活に影響を与えております。
このような状況において、当連結会計年度における当社グループの連結経営成績は、売上高が2,464億50百万円、営業利益が103億10百万円(前年同期比14.9%減)、経常利益が106億15百万円(前年同期比15.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が70億74百万円(前年同期比14.6%減)となりました。また、1株当たり当期純利益は307円02銭となりました。
なお、当連結会計年度の期首から「収益認識に関する会計基準」等が適用されているため、売上高の前年同期比を記載しておりませんが、実質的な売上高は過去最高となり、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は過去2番目の水準となりました。
(前年同期の業績伸長と当連結会計年度の状況)
新型コロナウイルス感染症の影響がない前々年同期と比較した前年同期の業績伸長並びに当連結会計年度の状況は、下表に示すとおりであります。
前年同期につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大当初の異常な業績の伸長がありました。これを受け、当連結会計年度につきましては前年同期と比較した場合、若干その反動減がありましたが、当連結会計年度もいわゆる「巣ごもり化」による売上増加がありました。この結果、「収益認識に関する会計基準」等の影響をほぼ受けない営業利益以下各利益のいずれも連結会計年度としては過去2番目の実績となっております。
(「収益認識に関する会計基準」等の影響)
当連結会計年度の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号2020年3月31日企業会計基準委員会)等を適用しております。
本会計基準等の適用に関する従来の会計処理の方法との主な相違点は、下表に示す売上高、売上原価、販売費及び一般管理費間の組替調整であり、その詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (会計方針の変更)」をご覧ください。
なお、本会計基準等の適用に当たっては、本会計基準等の経過的な取扱いに従い、適用初年度の期首より前に新たな会計方針を遡及適用した場合の適用初年度の累積的影響額を適用初年度の期首の利益剰余金に加減し、当該期首残高から新たな会計方針を適用しております。したがって、前年同期の業績につきましては、本会計基準等の遡及適用が行われていない数値であり、前年同期と比較した場合、下表に示すとおり営業利益以下各利益について重要な影響はありません。
当連結会計年度における各セグメント別の経営成績を示すと、次のとおりであります。なお、各セグメントの経営成績につきましては、セグメント間の内部取引高を含めて表示しており、「収益認識に関する会計基準」等の適用前の前年同期と同適用後の当連結会計年度との比較数値であります。
当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響が長引く中、前連結会計年度に引き続き「お客様、従業員の安全安心を最優先に対応する」、「ライフラインとしての使命を果たす」、「社会貢献へ積極的に取り組む」を方針として掲げ、お客様、地域の皆様に、ここにアクシアルの店舗があってよかったと思っていただけるよう、私たちにできること、私たちだからすべきことを真剣に考え、店舗の営業継続に取り組みました。
この結果、当連結会計年度におけるスーパーマーケット事業の経営成績は、売上高が2,457億79百万円、営業利益が96億61百万円(前年同期比16.2%減)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」等の適用により、従来と同一の会計処理によった場合に比べ、スーパーマーケット事業の売上高は104億9百万円減少し、営業利益は5百万円増加しております。
当連結会計年度における業績の内容、取組みに関する事項は、以下のとおりであります。
(販売指標に関する動向)
当連結会計年度の販売指標は以下のとおりであります。なお、記載数値は「収益認識に関する会計基準」等の調整前で示しております。
(注)1 記載数値は、「収益認識に関する会計基準」等に基づく調整前の数値で記載しております。
2 店舗数は、当連結会計年度末現在におけるスーパーマーケットの設置店舗数であり、他業態の設置店舗数(100円ショップ3店舗)は含みません。
3 店舗売上高、来店客数、客単価、買上点数、一品単価は、スーパーマーケット店舗のみの数値であります。
4 客単価は、お客様一人当たりが一回のご来店でお買い上げになった金額の平均であります。
5 買上点数は、お客様一人当たりが一回のご来店でお買い上げになった商品数の平均であります。
6 一品単価は、お客様がお買い上げになった商品の一品当たり金額の平均であります。
7 既存店は、店舗開設より満13ヶ月以上を経過した店舗であります。
<来店客数>
新型コロナウイルス感染症の罹患を予防するため来店頻度を減らすといったお客様の動向が継続していることに加え、前年同期の反動もあり、来店客数は、既存店で前年同期に比べ1.8%減少いたしましたが、全店では前年同期に比べ0.8%減少にとどまりました。
<買上点数>
来店頻度を減らす分、来店時にまとめ買いをする、食事は外食を控え店舗で購入して内食・中食で済ますといったお客様の動向が継続していることに加え、オリンピックの自宅観戦や、前年同期よりも年末の帰省客が増加したこと等により、買上点数は、既存店、全店とも前年同期に比べ0.6%それぞれ増加いたしました。
<一品単価>
野菜相場は前年同期並みに推移しましたが、水産物、畜産物の相場上昇に加え、食料原価高騰による店頭売価改定の影響も一定程度あり、一品単価は、既存店で前年同期に比べ0.3%増加し、全店では前年同期に比べ0.4%増加いたしました。
<客単価>
買上点数、一品単価とも前年同期を上回ったことから、客単価は、既存店で前年同期に比べ0.9%増加し、全店では前年同期に比べ1.0%増加いたしました。
<売上総利益率>
商品販売における売上総利益率は、前年同期に比べ2.5ポイント増加し29.0%となりました。なお、「収益認識に関する会計基準」等の影響を除いた売上総利益率は、前年同期の反動による商品回転率の低下で、前年同期に比べ0.3ポイント減少し26.2%となりました。
(従業員の安全安心確保と事業継続性の担保)
新型コロナウイルス感染症の影響が長期に亘り収束が見えない状況において、従業員の安全安心を確保するとともに事業継続性を担保するため、当社グループ従業員約3,000名を対象として新型コロナウイルスワクチンの職域接種を7月~8月にかけて実施いたしました。なお、接種可能数量が限定されるため、対象者については、お客様と接する機会が多い従業員を優先し希望者を募って実施いたしました。
また、職域接種に限らず各自治体が行うワクチン接種についても、従業員が受けやすい環境を整えるため、当社グループの全従業員に対し、半日の有給休暇を2回付与いたしました。
(社会貢献)
新型コロナウイルス感染症の影響が長期に亘り、花火行事がなくなり収入が大幅に減少している花火師様を支援するため、原信、ナルスで販売するプライベート・ブランド商品1個につき1円を一般財団法人長岡花火財団他へ寄付する企画「花火師さんへ贈るまごころの1円プログラム」を実施いたしました。当該企画開始後は、開始前に比べ販売量が伸長し、お客様からご理解が得られたと感じております。
また、将来を担う若者に、世界の課題や自分たちにできることを考えていただき新しい価値を創造するグローカリストとして成長してほしいと願い、SDGsをテーマとした学習プログラムを開催いたしました。地元団体や当社グループが取り組んでいるSDGsに関する様々な取組みの講義や実際の現場視察、フィールドワーク等を通じ、参加者の意識向上の一助になれたものと考えております。
この他、各種寄付や自治体が行う各種施策への協力についても積極的に実施いたしました。
(地域の文化を守り伝える)
当社グループは事業を通じて地域の文化を守り伝えることも重要であると考えています。このたび、新潟県長岡市小国地域で50年以上にわたり地元の味として愛され続けてきた「小国饅頭」の製造者である旧山理屋菓子舗が廃業を決めたことを受け、大変残念に思い、当社グループのローリーは秘伝とされてきたこの饅頭の製法を店主に仰ぎ、これを会得して受け継ぐことができました。お客様からはご好評を得ており、今後は販売を拡大してまいります。
(モチベーションの向上)
前年同期の異常な売上高増加の反動を受け販売動向が鈍ることで従業員のモチベーションが下がりがちになる状況を見越し、販売方法を楽しく競い合い学び合うことを目的に、社内販売コンクール「Enjoy♪ 販売コンクール」を始めました。「伝えよう!原信ナルス、フレッセイの良さ、盛り上げよう!全店一番の売場」をスローガンに全店全部門が同じ目標を持って取り組むことで、お客様へ良い売場をご提供し、従業員のモチベーション向上が図られております。
(自動発注の拡大)
当社グループでは、商品の自動発注に2種類の需要予測型(統計解析型、AI型)を採用しておりますが、前連結会計年度に原信ナルスの日配部門へ導入したAI型をフレッセイの日配部門へ適用拡大いたしました。
また、原信ナルスでは生鮮部門における自動発注の適用拡大についても取組みをいたしました。
(電子決済の利便性向上)
電子決済の利用率向上を受け、スマホ決済サービスの取扱い種類拡大を図るとともに、決済方式をお客様、当社従業員双方にとって簡便性の高いストアスキャン方式へ変更いたしました。
また、会計機の次世代展開方針を検討するため、電子決済のみに対応したキャッシュレス・セルフレジの実験導入を行いました。利用状況や使い勝手等を検証し、今後の方針決定に活かしてまいります。
(プライベート・ブランド商品)
当社グループのプライベート・ブランド商品は、現行の統一デザインを採用してから7年が経過し、定着は図られているもののトレンドから外れてきているため、新デザインに変更いたしました。「つなぐ」をコンセプトに売場でも映えるデザインに仕上げ、認知性も向上させました。
また、新たに43品目を開発し、売上、利益の向上につながっています。
(お客様の健康を願って)
当社グループでは、お客様の健康維持を願って出汁で旨味を引き出しつつ減塩を図った商品「だし香る」シリーズの商品開発、販売に力を入れ、かつ、地元の食文化を尊重して惣菜や弁当に使用する原料に地元商品を優先しています。
この取り組みが評価され、原信ナルスオペレーションサービスは日本食糧新聞社が主催する「惣菜・べんとうグランプリ2022」において第1回の会社表彰を受けました。今後も、この取り組みを拡大してまいります。
(健康経営の推進)
原信とナルスは、健康経営優良法人認定制度の大規模法人部門において「健康経営優良法人」として認定されました。この認定制度は、地域の健康課題に即した取組みや日本健康会議が進める健康増進の取組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度であり、経済産業省が制度を設計し、日本健康会議が認定しているものであります。
当社グループは、長期ビジョンに掲げる健康経営の推進に向けて、健康経営方針を定め、各専門家等と連携した体制を構築し、従業員の健康づくりに取り組んでおります。今後も従業員の健康意識を高めながら、健康経営の推進に取り組んでまいります。
(環境マネジメントの向上)
当社グループでは、2000年に原信が日本の食品スーパーマーケットで初めて全事業所を対象に環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001の認証を取得して以来、現在では原信、ナルスの全事業所で認証を受けています。当連結会計年度は、3年に一度の更新審査が行われISO14001:2015(JIS Q 14001:2015)の認証を受けるとともに環境マネジメントレベル向上の評価をいただきました。
当社グループでは、原信、ナルスが環境保全や社会的責任に対する取り組みをまとめ、毎期CSR報告書を発行しており、二酸化炭素の排出量等、事業活動が及ぼす影響を開示しております。今後も引き続き脱炭素社会の実現に向け取組みを強化してまいります。
(発行体格付)
当社は、コーポレート・ガバナンスの充実に向けた取り組みの観点から、投資家やお取引先様に対し当社の信用力を客観的に明示し、当社の財務内容に関する健全性や経営の成長性、透明性を理解して頂くため、毎期、中立的第三者より評価を受け格付けを取得しております。
当連結会計年度において実施した評価においては、従来の格付け評価より向上しA(安定的)の評価をいただきました。
(出店・退店等)
出店につきましては、原信川窪店(10月、新潟県南魚沼市、売場面積1,919㎡)、フレッセイフィール藤岡店(10月、群馬県藤岡市、売場面積2,108㎡)、フレッセイ太田飯塚店(11月、群馬県太田市、売場面積2,053㎡)を新設いたしました。
改装につきましては、フレッセイ安堀店(7月、群馬県伊勢崎市、売場面積1,870㎡)、原信関屋店(7月、新潟県新潟市、売場面積2,329㎡)、原信糸魚川東店(11月、新潟県糸魚川市、売場面積2,057㎡)、フレッセイ天神店(3月、群馬県桐生市、売場面積1,961㎡)、原信吉田店(新潟県燕市、3月、売場面積2,050㎡)について実施いたしました。
退店につきましては、フレッセイ小鳥店(9月、群馬県高崎市、売場面積1,450㎡)、フレッセイ寄木戸店(11月、群馬県邑楽郡、売場面積1,669㎡)を閉鎖いたしました。また、現店舗を建て替えるため、フレッセイ館林店(6月、群馬県館林市、売場面積1,554㎡)、原信古正寺店(2月、新潟県長岡市、売場面積2,155㎡)を一旦閉鎖いたしました。
(全般)
当連結会計年度におけるその他の事業の経営成績は、売上高が53億73百万円、営業利益が5億90百万円(前年同期比6.5%増)となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」等の適用により、従来と同一の会計処理によった場合に比べ、その他の事業の売上高は1億66百万円減少し、営業利益については影響ありません。
当連結会計年度における業績の内容、取組みに関する事項は、以下のとおりであります。
(情報処理事業)
主力であるスーパーマーケット事業向けの販売は、情報システムの開発並びに情報処理のいずれも前年同期を上回ったため増加いたしました。一方、外部顧客向けの販売は、納期に至った受注案件が前年同期を下回ったため減少いたしました。この結果、営業利益は、前年同期に比べ0.7%増加いたしました。
なお、当連結会計年度においては、新製品として惣菜の店内加工や総菜工場を支援する生産管理システムの開発並びに自動発注システムにおけるAIエンジンの自社開発を完了し販売を進めております。加えて、情報セキュリティ関連について、改善支援サービスを新たに事業化し販路の拡大に努めております。
また、当事業の主体であるアイテックは、厚生労働大臣より「ユースエール認定企業」として認定を受けました。この認定は、若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良である企業に対し行われるものであります。今後も優良な雇用環境の整備に努め、雇用を通じ地域社会への貢献と事業拡大を果たしてまいります。
(印刷事業)
主力であるスーパーマーケット事業向けの販売は、前年同期においては新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言下におけるチラシ自粛等で印刷物等の納入が大幅に減りましたが、当連結会計年度は、チラシ等の受注が例年並みに戻ったためその反動で増加いたしました。また、外部顧客向けの販売は、前年同期を若干上回ったものの「収益認識に関する会計基準」等の影響で減少いたしました。この結果、営業利益は、前年同期に比べ136.2%増加いたしました。
なお、当連結会計年度においては、当社グループ外部より製本に係る事業譲受を行っており、今後、一層の収益向上に努めてまいります。
(清掃事業)
主力であるスーパーマーケット事業向けの販売は、安定した受注を受け前年同期に比べ増加いたしました。また、外部顧客向けの販売は、清掃関連の販売が前年同期並みであったことに加えリサイクル資材の販売単価が上昇し前年同期に比べ増加いたしました。この結果、営業利益は、前年同期に比べ4.8%増加いたしました。
(注)1 セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
2 当連結会計年度の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日 企業会計基準委員会)等を適用しております。この結果、前年同期と収益の会計処理が異なることから、前年同期比は記載しておりません。
3 主な商品別売上高の状況
(注)1 セグメント間の内部取引高を含めて表示しております。
2 当連結会計年度の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日 企業会計基準委員会)等を適用しております。この結果、前年同期と収益の会計処理が異なることから、前年同期比は記載しておりません。
3 主な商品別仕入高の状況
当連結会計年度における連結経営成績全般の各項目の内容を示すと、次のとおりであります。なお、各項目につきましては、「収益認識に関する会計基準」等の適用前の前年同期と同適用後の当連結会計年度との比較数値であります。
セグメント別の詳細に関しましては、「① セグメント別経営成績」及び「② 生産、受注及び販売の状況」に記載したとおりであります。
この結果、売上高(セグメント間の内部取引高消去後)は2,464億50百万円となりました。
また、売上総利益は724億3百万円となり、売上高売上総利益率は29.4%となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」等の適用により、従来の会計処理の方法によった場合に比べ売上高
は105億53百万円、売上原価は95億円、売上総利益は10億53百万円それぞれ減少しております。
諸経費につきましては、当社グループ全体の観点から、あらゆるコストの見直し、削減、適正利用に努め、削減の取組みを進めております。なお、総額につきましては、主に店舗の新設や改装並びに売上の状況に伴い変動しております。
人件費につきましては、前年同期に比べ4億99百万円増加いたしました。なお、売上高に対する比率は14.8%となり、労働分配率(人件費÷売上総利益)は50.4%となりました。
消耗品費につきましては、新型コロナウイルス感染症予防対策のための各種資材の使用量増加と同資材関係の価格高騰により、前年同期に比べ1億17百万円増加しております。
水道光熱費につきましては、契約内容の見直しや省エネルギー機器の導入により削減を図っておりますが、原油価格上昇に伴う電気料金値上げの影響により、前年同期に比べ3億36百万円増加しております。
支払手数料につきましては、キャッシュレス決済が増えていることに伴い増加しております。
この結果、販売費及び一般管理費は620億93百万円となり、売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は25.2%となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」等の適用により、従来の会計処理の方法によった場合に比べ販売費及び一般管理費は10億59百万円減少しております。
以上により、営業利益は前年同期に比べ14.9%減少し103億10百万円となりました。なお、売上高営業利益率は、前年同期に比べ0.5ポイント減少し4.2%となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」等の適用により、従来の会計処理の方法によった場合に比べ営業利益は5百万円増加しております。
設備の損害に関連して受取保険金が大幅に増加いたしましたが、前年同期において所有する不動産の収用等に関する受取補償金の計上があった反動で、総額は、前年同期に比べ27.0%減少し3億80百万円となり、売上高に対する営業外収益の比率は0.1%となりました。
効率的な資金活用に努め有利子負債を削減できたことから支払利息が前年同期に比べ8.8%減少した反面、契約解約損24百万円の計上があったため、総額は、前年同期に比べ14.2%増加し75百万円となり、売上高に対する営業外費用の比率は0.0%となりました。
インタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローの減少により、前年同期に比べ91.1ポイント低下し225.1倍となりました。
営業利益及び営業外損益の要因により、経常利益は前年同期に比べ15.5%減少し106億15百万円となり、売上高経常利益率は4.3%となりました。
また、経営の重要指標と位置付けている総資本経常利益率(ROA)の年間換算値は、経常利益の減少により、前年同期に比べ2.3ポイント減少し9.2%となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」等の適用により、従来の会計処理の方法によった場合に比べ経常利益は5百万円増加しております。
固定資産売却益並びに投資有価証券売却益の計上が若干あり、総額は、前年同期に比べ359.3%増加し19百万円となり、売上高に対する特別利益の比率は0.0%となりました。
減損損失が前年同期に比べ減少したため、総額は、前年同期に比べ13.8%減少し3億11百万円となり、売上高に対する特別損失の比率は0.1%となりました。
経常利益及び特別損益の要因により、税金等調整前当期純利益は前年同期に比べ15.5%減少し103億23百万円となり、売上高に対する税金等調整前当期純利益の比率は4.2%となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」等の適用により、従来の会計処理の方法によった場合に比べ税金等調整前当期純利益は5百万円増加しております。
課税所得の減少により、前年同期に比べ17.3%減少し32億49百万円となり、売上高に対する税金費用の比率は1.3%となりました。
また、税金等調整前当期純利益に対する税効果会計適用後の法人税等の負担率は前年同期に比べ0.7ポイント減少し31.5%となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」等の適用により、従来の会計処理の方法によった場合に比べ税金費用は1百万円増加しております。
以上の結果、当期純利益は前年同期に比べ14.6%減少し70億74百万円となり、売上高に対する当期純利益の比率は2.9%となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」等の適用により、従来の会計処理の方法によった場合に比べ当期純利益は4百万円増加しております。
すべての連結子会社は完全子会社であるため、該当事項はありません。
前年同期に比べ14.6%減少し70億74百万円となり、売上高に対する親会社株主に帰属する当期純利益の比率は2.9%となりました。
また、自己資本利益率(ROE)は、前年同期に比べ2.7ポイント減少し9.9%となり、1株当たり当期純利益は、前年同期に比べ52円42銭減少し307円02銭となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」等の適用により、従来の会計処理の方法によった場合に比べ親会社株主に帰属する当期純利益は4百万円増加しております。
当期純利益及びその他有価証券評価差額金の変動に伴い、前年同期に比べ20.7%減少し68億23百万円となりました。
なお、「収益認識に関する会計基準」等の適用により、従来の会計処理の方法によった場合に比べ包括利益は4百万円増加しております。
当連結会計年度の実績は、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益のいずれについても、当初の見込値を上回る実績値を達成することができました。
(当連結会計年度の見込みに対する実績の状況)
当連結会計年度における業績見込みに対する実績の状況を示すと、以下のとおりであります。
(注) 見込値は2021年5月6日付けで「2022年3月期の通期連結業績予想」として公表したものであります。
(業績見込みに対する実績の状況の分析)
売上高が当初の見込値を上回った要因につきましては、以下のとおりであると考えております。
・新型コロナウイルス感染症により内食・中食需要の高まりが続いていること。
・近年出店店舗が、概ね当初の予定を上回る実績を確保できたこと。
・当社グループの規模を活かした商品調達や品ぞろえの優位性が確保できたこと。
・当社ならではの名物商品やプライベート・ブランド商品の開発、各種サービスの充実により、当社グループ店舗のファンとなっていただけるお客様が増えたこと。
・営業全般における週間管理の仕組みが良好に運用され、売場管理や不要なロス削減が維持されていること。
営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益が当初の見込値を上回った要因につきましては、以下のとおりであると考えております。
・売上高の増加に加え、売上総利益率を高い水準で維持できたことにより、売上総利益が増加したこと。
・諸費用について、契約内容や調達先の見直し、適正利用の継続的取組みにより、削減を図ることができたこと。
当連結会計年度末における財政状態は、総資産が前連結会計年度末に比べ30億36百万円増加し1,168億55百万円、総負債が前連結会計年度末に比べ20億23百万円減少し427億96百万円、純資産が前連結会計年度末に比べ50億59百万円増加し740億59百万円となりました。また、1株当たり純資産額は3,214円13銭となりました。
当連結会計年度末における各セグメントの財政状態を示すと、次のとおりであります。なお、各セグメントの財政状態につきましては、セグメント間の調整額控除前で表示しております。
資産は1,098億30百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億69百万円増加いたしました。これは主に、キャッシュレス決済の増加により受取手形及び売掛金が前連結会計年度末に比べ12億52百万円増加したこと並びに店舗の新設、改装により有形固定資産が前連結会計年度末に比べ8億95百万円増加したことによるものであります。
負債は421億54百万円となり、前連結会計年度末に比べ27億17百万円減少いたしました。これは主に、課税所得の減少と中間納付の増加により未払法人税等が前連結会計年度末に比べ17億43百万円減少したこと並びにセグメントに帰属しない全社(持株会社である当社)に対する短期貸付金が前連結会計年度末に比べ7億70百万円減少したことによるものであります。
資産から負債を差し引いた純資産相当額は676億76百万円となり、前連結会計年度末に比べ44億86百万円増加いたしました。また、純資産相当額を資産で除した自己資本比率相当は、前連結会計年度末に比べ3.1ポイント増加し61.6%となりました。
資産は73億86百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億48百万円増加いたしました。これは主に、各種設備の投資に伴い有形固定資産が前連結会計年度末に比べ2億21百万円増加したこと並びに情報処理事業におけるソフトウエアの取得に伴い無形固定資産が前連結会計年度末に比べ84百万円増加したことによるものであります。
負債は9億2百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億27百万円減少いたしました。これは主に、買掛金が前連結会計年度末に比べ1億29百万円減少したことによるものであります。
資産から負債を差し引いた純資産相当額は64億84百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億76百万円増加いたしました。なお、純資産相当額を資産で除した自己資本比率相当は、前連結会計年度末に比べ2.0ポイント増加し87.8%となりました。
当連結会計年度における連結財政状態全般の各項目の内容を示すと、次のとおりであります。
流動資産は324億23百万円となり、前連結会計年度末に比べ24億44百万円増加いたしました。これは主に、投資活動及び財務活動により使用した資金が営業活動により得られた資金の枠内に収まったことにより現金及び預金が前連結会計年度末に比べ14億26百万円増加したこと並びにキャッシュレス決済の増加により売掛金及び受取手形が前連結会計年度末に比べ12億1百万円増加したことによるものであります。なお、流動資産の構成比は前連結会計年度末に比べ1.4ポイント増加し27.7%となりました。
固定資産は844億32百万円となり、前連結会計年度末に比べ5億91百万円増加いたしました。その内容は次のとおりであり、固定資産の構成比は前連結会計年度末に比べ1.4ポイント減少し72.3%となりました。
有形固定資産は674億53百万円となり、前連結会計年度末に比べ11億18百万円増加いたしました。これは主に、店舗の新設、改装に係る設備投資によるものであります。
無形固定資産は24億55百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億11百万円増加いたしました。これは主に、ソフトウエアの取得によるものであります。
投資その他の資産は145億23百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億39百万円減少いたしました。これは主に、保有する投資有価証券の時価総額が減少し投資有価証券が前連結会計年度末に比べ4億82百万円減少したことによるものであります。
流動負債は282億66百万円となり、前連結会計年度末に比べ19億2百万円減少いたしました。これは主に、課税所得の減少と中間納付の増加により未払法人税等が前連結会計年度末に比べ17億34百万円減少したことによるものであります。なお、流動負債の構成比は前連結会計年度末に比べ2.3ポイント減少し24.2%となりました。その他、当連結会計年度末における当社グループ外部からの長期借入金及び短期借入金残高はありません。
固定負債は145億30百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億20百万円減少いたしました。これは主に、長期預り保証金が約定返済により前連結会計年度末に比べ84百万円減少したこと並びにリース債務が約定返済により前連結会計年度末に比べ59百万円減少したことによるものであります。なお、固定負債の構成比は前連結会計年度末に比べ0.5ポイント減少し12.4%となりました。
株主資本は726億47百万円となり、前連結会計年度末に比べ53億9百万円増加いたしました。増加要因は、親会社株主に帰属する当期純利益70億74百万円の計上、減少要因は、剰余金の配当18億43百万円及び単元未満株式の買取請求による自己株式の取得0百万円であります。
その他の包括利益累計額は14億12百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億50百万円減少いたしました。これは主に、保有する投資有価証券の時価総額が減少したことによりその他有価証券評価差額金が前連結会計年度末に比べ3億17百万円減少したことによるものであります。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ2.8ポイント増加し63.4%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、184億50百万円(前連結会計年度末比14億26百万円増)となりました。
当連結会計年度末における各セグメントの資金の期末残高を示すと、次のとおりであります。なお、各セグメントの資金の期末残高につきましては、報告セグメントに帰属しない全社(持株会社である当社)の資金の期末残高を含めず表示しております。
当社グループでは、内部資金の有効な活用を図る観点から、報告セグメントに帰属しない全社(持株会社である当社)が中心となって、グループ各社の余剰資金の集中と必要な部分への再配分を行うキャッシュ・マネジメント・システムを活用しております。
スーパーマーケット事業は、現金販売が主体であるため、資金の流動性が高く、滞留資金が極力生じないよう、効率的な資金繰りに努めております。
資金の期末残高は、129億9百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億46百万円増加いたしました。これは主に、営業キャッシュ・フローにより得られた資金の枠内で投資活動及び財務活動により使用した資金を賄ったことによるものであります。
資金の期末残高は、6億43百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億46百万円減少いたしました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出に加え、報告セグメントに帰属しない全社(持株会社である当社)に対する貸付金残高が前連結会計年度末に比べ増加したことによるものであります。
当連結会計年度における連結キャッシュ・フロー全般の各項目の内容を示すと、次のとおりであります。
営業活動の結果得られた資金は94億29百万円となり、前年同期に比べ50億20百万円減少(前年同期比34.7%減)いたしました。
これは主に、経常利益が前年同期に比べ19億54百万円減少(前年同期比15.5%減)したこと並びに法人税等の支払額が前年同期に比べ15億6百万円増加(前年同期比45.4%増)したことによるものであります。
投資活動の結果使用した資金は57億96百万円となり、前年同期に比べ18億29百万円減少(前年同期比24.0%減)いたしました。
これは主に、店舗の出店改装時期の関係で有形固定資産の取得による支出が前年同期に比べ12億39百万円減少(前年同期比17.0%減)したことによるものであります。
財務活動の結果使用した資金は22億5百万円となり、前年同期に比べ31百万円増加(前年同期比1.4%増)となりました。
これは主に、配当金の支払額が前年同期に比べ68百万円増加(前年同期比3.9%増)したことによるものであります。
当社グループは、スーパーマーケット事業を主体としており、売上金の回収期間が比較的短い特性があるため、営業活動の収益性を高める一方、余剰資金の削減を積極的に進め、手許流動性の向上と自己資金を主体とした事業運営に努めております。
設備投資については、営業活動によるキャッシュ・フローの範囲内で行うことを基本とし、近年の状況は、営業活動の結果得られた資金が毎期100億円強程度に対し、投資活動の結果使用した資金は毎期50億円から70億円程度で推移しており、方針に沿った結果となっております。
資金調達の方法については、自己資金を基本とし、短期的に運転資金が不足した場合には、金融機関から短期運転資金の調達を行っており、長期運転資金の調達については、現時点では想定しておりません。
資金調達の状況については、当連結会計年度末において、金融機関から借り入れている短期借入金並びに長期借入金(1年内返済予定のものを含む)の残高はありません。なお、当連結会計年度において、金融機関より短期運転資金を延べ336億円調達し、延べ336億円返済しております。
今後の資金需要の動向については、概ね、これまでと同様の状況が続くと考えております。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(3) キャッシュ・フローの状況の概要及び分析・検討内容」に記載したとおりであります。
当社の企業集団のキャッシュ・フロー指標を示すと、次のとおりであります。
(注)1 各指標の算出方法は以下のとおりであります。
自己資本比率 = (自己資本)÷(総資産)
時価ベースの自己資本比率 = (株式時価総額)÷(総資産)
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 = (有利子負債)÷(キャッシュ・フロー)
インタレスト・カバレッジ・レシオ = (キャッシュ・フロー)÷(利払い)
2 各指標はいずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
3 株式時価総額は、(期末株価終値)×(期末発行済株式総数(自己株式控除後))により計算しております。
4 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象にしております。
5 キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
6 利払いは連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループが主として事業展開しております小売業、特にスーパーマーケット事業については、競合各社の新規出店が相次ぎ、市場全体がいわゆるオーバーストアの状態にあり、企業淘汰や外資を巻き込んだ業界再編の様相を呈しております。このような状況は、当社グループがドミナント化を図りつつ出店している地域にも重要な影響を及ぼしていると判断しております。
消費者のライフスタイルは年々変化しており、生活シーンの多様化はますます進んでいくものと考えております。
このような現状において、数ある企業の店舗から当社グループの店舗へのお客様の支持を獲得し続けていくためには、販売する商品の鮮度・価格・品質といった基本的事項の徹底はもとより、食を中心とした生活全体に対する様々な提案と接客サービスの充実を図っていくことが重要であると考えております。
当社グループを取り巻く経営環境は、個人消費の動向や他社との競合の問題等を踏まえ、今後も厳しい状況が続くものと考えております。
当社グループは、これらの状況を踏まえ、お客様から真にご支持をいただける経営を行っていくことが重要であると考えており、経営理念を「我々は毎日の生活に必要な品を廉価で販売し、より豊かな文化生活の実現に寄与することを目的とする」と定め、それぞれの事業が地域に密着して経営を行っております。
特に、主力であるスーパーマーケット事業は、「鮮度」、「品質」、「品揃え」、「価格」、「サービス」などにおいて地域のお客様から圧倒的に支持されるリージョナル・チェーンの実現を目指してまいります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準(いわゆる日本基準)に基づき作成されており、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローに関する以下の分析を行っております。
当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定の設定を行う必要があり、仕入リベート、貸倒債権、投資、法人税等、財務活動、退職金、偶発事象や訴訟等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。また、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判断しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数値についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積り及び仮定に基づく数値と異なる場合があります。
当社グループは、特に、以下の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定が重要であると考えております。
① 新型コロナウイルス感染症
会計基準では、会計上の見積りを「資産及び負債や収益及び費用等の額に不確実性がある場合において、財務諸表作成時に入手可能な情報に基づいて、その合理的な金額を算出すること」と定義しております。また、「財務諸表作成時に入手可能な情報に基づいて、その合理的な金額を算出する」上では、新型コロナウイルス感染症の影響のように不確実性が高い事象においても、一定の仮定を置き最善の見積りを行うことが求められております。一定の仮定を置くにあたっては、外部の情報源に基づく客観性のある情報を用いることができる場合には、これを可能な限り用いることが望ましいとされている一方、今般の新型コロナウイルス感染症の影響については、会計上の見積りの参考となる前例がなく、今後の広がり方や収束時期等に統一的な見解がないため、外部の情報源に基づく客観性のある情報が入手できない状況にあります。この場合、新型コロナウイルス感染症の影響については、企業自ら一定の仮定を置くこととされております。
新型コロナウイルス感染症の今後の広がり方や収束時期については、想定の域を超えるものでありますが、現状に鑑み、一定程度、世界的な感染状況は続き、世界経済及び国内経済に影響を及ぼすものと考えております。なお、当社グループの事業活動の範囲は、本邦(地方圏)のみであり、国内の状況が主たる影響要素となりますが、翌連結会計年度中は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に何らかの影響があるものと考えております。
当社グループは、スーパーマーケット事業を事業主体としており、ライフラインとしての社会的役割を担っております。そのため、行政による休業要請の対象とはならない事業継続を前提としております。なお、事業継続において、商品の調達に関しては、一部商品で制限があるものの全体としては、重要な影響はないものと考えております。また、店舗の営業においては、お客様の安全を守ることはもとより、ライフラインとして事業継続するために、従業員の安全を守る様々な対策を行っており、一時的に休業しなければならない事態になったとしても期間及び範囲は限定的で、全体として重要な影響はないものと考えております。
販売動向につきましては、外出自粛要請や生活様式の変化等による内食、中食需要の高まりから、売上高の増加があるものと考えておりますが、一方で、経済活動停滞による消費者の収入源、消費減による売上高の減少もあるものと考えております。なお、増減全体を勘案したその程度は、当社グループが主に取り扱う商品(日常的に消費される食品)の特性上、平時と比較して重要な影響を及ぼすものではないと考えております。
以上のとおり、新型コロナウイルス感染症が、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に与える影響は、プラス要素とマイナス要素が混在しておりますが、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り(繰延税金資産の回収可能性、固定資産の減損、有価証券の減損、貸倒引当金の設定、退職給付に係る資産又は負債の算定、仕入リベートの計上、並びに、その他財務諸表作成全般に係る事項)において、これらの要素はいずれも重要な影響がないものと仮定し、過去の経営成績を参考に、通常予測可能な事項を盛り込んだ形で算定しております。
新型コロナウイルス感染症の影響に関しましては、不確実性の高い要素を含むため、将来の当該資産グループを取り巻く経営環境の変化による収益性の変動や市況の変動により、当連結会計年度における会計上の見積りに用いた仮定との乖離が生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。
② 繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、連結納税制度は適用しておらず、繰延税金資産について、当社グループ企業(納税主体)ごとに、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号 企業会計基準委員会)に定める「企業の分類に応じた繰延税金資産の回収可能性に関する取扱い」における会社分類を検討し、同指針に定める一時差異のうち、将来減算一時差異に係る繰延税金資産の回収可能性を評価しており、将来における一時差異の解消見込み(以下、「スケジューリング」といいます。)が明確でないと判断された将来減算一時差異に係る繰延税金資産については、回収可能性がないと判断し、評価性引当額を設定して繰延税金資産から控除しております。なお、その内容につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (税効果会計関係)」に示したとおりであります。
会社分類の評価においては、一時差異の総額、過去の課税所得、将来の経営環境の評価等を含み、過去実績、翌期の予算、今後の経営環境、中期経営計画等を総合的に勘案し検討しており、当連結会計年度末において、近い将来に経営環境の著しい変化が見込まれないという仮定のもと、当社グループ全社が、会社分類1(繰延税金資産の全額について回収可能性があると判断する会社)又は会社分類2(スケジューリング不能な将来減算一時差異に係る繰延税金資産については原則として回収可能性がないと判断されるが、将来減算一時差異のうち、将来のいずれかの時点において損金に算入される可能性が高いと見込まれるものについて合理的な根拠をもって説明が可能な場合、その将来減算一時差異に係る繰延税金資産については回収可能性があると判断する会社)のいずれかに該当すると判断しております。
会社分類2に該当する会社においては、スケジューリング可能な将来減算一時差異に係る繰延税金資産の全額を回収可能と判断しており、スケジューリング不能な将来減算一時差異に係る繰延税金資産については、当連結会計年度末現在、14億82百万円の評価性引当額を設定しております。なお、この対象のほとんどは、固定資産の減損損失計上に伴い計上された土地等の非償却資産に関する将来減算一時差異に係る繰延税金資産であり、売却等に係る意思決定又は実施計画等がない限り、当該繰延税金資産に対する評価性引当額の取崩は行われません。
会社分類及び繰延税金資産の回収可能性を評価するにあたっては、将来の課税所得及び慎重かつ実現性の高い継続的な税務計画を検討しますが、将来、各当社グループ会社を取り巻く経営環境の変化がもたらす課税所得の見込みや会社分類の変更、スケジューリングの変化等により、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に影響を及ぼす可能性があります。なお、繰延税金資産の一部又は全部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産に対する評価性引当額の控除増加額を費用として計上します。同様に、繰延税金資産の一部又は全部を将来回収できると判断した場合は、当該判断を行った期間に繰延税金資産に対する評価性引当額の控除減少額を収益として計上します。
当社グループは、主としてスーパーマーケット事業を営んでおり、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、他の資産又は資産グループから概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位を考慮し、主として店舗を基本単位として資産のグルーピングを行っており、収益性が著しく低下した資産又は資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。なお、当連結会計年度において計上した減損損失1億5百万円であり、その内容につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結損益計算書関係) ※5 減損損失」に示したとおりであります。
回収可能価額の評価は、正味売却価額と使用価値のいずれか高い方により測定しております。正味売却価額は、各資産グループの構成資産について、市場価格が観察できる場合には観察可能な市場価格とし、市場価格が観察できない場合には、路線価又は固定資産税評価額等を勘案した合理的な見積りにより算定しております。また、使用価値は、各資産グループの継続的使用と使用後の構成資産の処分によって見込まれる将来キャッシュ・フローを、借入資本コストと自己資本コストを加重平均した資本コスト(WACC)で現在価値に割り引いて算定しております。
店舗に関する将来キャッシュ・フローは、継続的な使用とその後の処分によって見込まれるキャッシュ・フローを、その構成要素である売上高、売上総利益率、販売費及び一般管理費、構成資産の処分価値等について、過去実績、競合関係や近隣状況の変化、翌期の予算、今後の改廃等を総合的に勘案し、年度ごとに算出した値の経済的残存使用年数における累計値として見積もっております。経済的残存年数は、上限を20年とし、自社物件及び普通借地物件については、店舗の残存耐用年数を用い、定期借地物件については、残存借地期間を用いております。資本コストは、外部より入手しており、当連結会計年度において用いた値は11.9%で、その算定基礎には、当社の負債・株式時価総額の構成のほか、国債の利回り、予想マーケットリターン、当社株式の株価、株式市場全体の株価指標等の要素が含まれております。
なお、重要な会計上の見積もりの内容につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り) 1 スーパーマーケット事業に係る固定資産の減損」に示したとおりであります。
固定資産の回収可能価額の評価の前提条件には、投資期間を通じた将来の収益性の評価や資本コストなどが含まれますが、これらの前提条件は長期的な見積りに基づくため、将来の各資産グループを取り巻く経営環境の変化による収益性の変動や金融市況の変動により、回収可能性を著しく低下させる変化が見込まれた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、追加の減損損失が発生する可能性があります。
当社グループは、保有目的が純投資目的以外の目的である投資株式のほか、債券等を保有しており、これらの投資には、市場価格のない株式等以外のものとして時価法で評価する上場株式等と、市場価格のない株式等として主として移動平均法による原価法で評価する非上場株式等が含まれております。なお、当連結会計年度末現在における投資有価証券の残高は29億64百万円であり、このうち時価をもって連結貸借対照表計上額とするものが26億4百万円、取得原価をもって連結貸借対照表計上額とするものが3億60百万円であります。時価をもって連結貸借対照表計上額とするものの内容につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (有価証券関係)」に示したとおりであります。
上場株式等への投資の場合、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、個別銘柄ごとの市場価格の推移、金融市場の動向、発行会社の業績等を総合的に勘案した時価の回復可能性を考慮し、必要と認められた額について減損処理を行っております。また、非上場株式等への投資の場合、それらの発行体の純資産額等に基づく評価額が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理を行っております。
将来の金融市況の悪化又は発行会社の業績不振により、現在の投資有価証券の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能額を生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、投資有価証券評価損の計上が必要となる可能性があります。
当社グループは、債権の貸倒時に発生する回収不能見込額に対して貸倒引当金を計上しております。
債権区分については、貸倒懸念が顕在化していないものを一般債権とし、貸倒懸念が顕在化しているものを貸倒懸念債権等として区分しております。
貸倒懸念が顕在化していない一般債権については、当社グループ企業ごとに、過去の貸倒実績と同等の貸倒実績が発生する可能性があるとの仮定のもと、過去3年の貸倒実績率に基づいて債権の期末残高に対し一括で回収不能見込額の見積りをしており、貸倒実績率は0.00%~0.05%で、貸倒引当金を1百万円計上しております。貸倒懸念が既に顕在化している特定の貸倒懸念債権等については、個別に回収可能性を勘案して回収不能見込額を見積もっており、対象となった貸倒懸念債権等の総額は当社グループ合計で56百万円であり、これに対し貸倒引当金を46百万円計上しております。
債権の回収可能性の評価は、債権保有先からの回収状況等の評価等が含まれますが、当社グループには考慮しえない外的要因が含まれるため、将来の債権に関する貸倒懸念の変化により、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、設定する貸倒引当金の金額に影響を及ぼす可能性があります。なお、一般債権の貸倒実績率が増加した場合又は債権の回収可能性を評価し貸倒懸念債権の増加を認識する判断した場合、当該判断を行った期間に貸倒引当金の調整額を費用として計上します。同様に、一般債権の貸倒実績率が減少した場合又は債権の回収可能性を評価し貸倒懸念債権の減少を認識する判断をした場合は、当該判断を行った期間に貸倒引当金の調整額を収益として計上します。
⑥ 退職給付に係る資産又は負債の算定
当社グループは、一部の企業で積立型の確定給付制度(規約型確定給付企業年金制度)を採用しております。退職給付に係る資産又は負債の計上にあたっては、退職給付債務と年金資産の純額を、退職給付に係る資産又は負債として計上しており、その内容につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (退職給付関係)」に示したとおりであります。
退職給付債務の算定においては、退職給付見込額を見積り、現在価値に割り引くことで算定するため、数理計算上の仮定の要素が含まれております。その主要なものにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (退職給付関係) 2 確定給付制度(簡便法を採用した制度を除く。) (8) 数理計算上の計算基礎に関する事項(加重平均)」に示したとおりであります。なお、割引率算定の基礎となるデュレーション(退職給付の支払見込期間を支払見込期間ごとの金額の現在価値で加重平均したもの)は11.9年であり、これに基づき対応する国債の利回りを指標として決定しております。
これらの計算基礎については、「退職給付に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第25号 企業会計基準委員会)の定めに基づき、数理計算上の仮定に重要な変動が生じている場合には、これを見直し、退職給付債務を再計算することとされております。当社グループでは、重要な変動の有無について、継続して検証を行っておりますが、退職給付債務が10%以上変動すると推定される場合には、退職給付債務の再計算を行い差額の追加計上を行います。なお、退職給付債務が10%変動する場合に該当するのは、割引率が現状より1.1ポイント程度変動した場合と想定しております。
数理計算上の仮定の前提となる要素につきましては、将来の経済条件、従業員構成等を含むため、数理計算上の仮定の見直しが生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、認識する退職給付に係る資産又は負債並びに退職給付費用の金額に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、仕入高について、通常、発注書に基づき当社グループに対して商品が納品された時点、又は、サービスが提供された時点に計上しており、仕入リベートについて、入金済みのものについては、その確定額を仕入高から控除し、入金未了のものについては、リベート契約書と仕入実績に基づいた見積り額を仕入高から控除しております。なお、見積りにあたっては、取引先より確認書を入手した上で、算定を行っております。
仕入リベートの前提となる契約については、仕入実績に基づいて一定割合又は一定額で受領するものや、一定の条件を満たした場合に受領するものなど、様々な形態があるため、将来の契約内容や仕入実績の状況により、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において、認識する仕入リベートに影響を及ぼす可能性があります。
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