(業績等の概要)
当期におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染対策に万全を期し、社会経済活動を継続していく中で、各種政策の効果や海外経済の改善もあり、景気の持ち直しが期待されますものの、世界的なサプライチェーンの停滞や原材料価格の動向による下振れリスク、金融市場の変動など懸念材料も多く、いまだ先行き不透明な状況が続いております。
百貨店業界におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う臨時休業や営業時間の短縮をはじめ、大型催事の中止など営業機会の縮小による入店客数の大幅な減少や、インバウンド需要の激減などにより、いまだ厳しい営業活動が続いております。商況は徐々に復調の兆しが見え始めておりますが、新型コロナウイルス感染症拡大以前の水準には至っておりません。
当期における当社グループの業績につきましては、コロナ禍において極めて厳しい商況の中、地域のお客様に支えられながら、百貨店業を中心とした諸施策を講じてまいりました結果、売上高は531億44百万円(前期比105.2%)、営業利益は12億84百万円(前年同期は12百万円の営業利益)、経常利益は10億47百万円(前年同期は1億65百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は11億71百万円(前年同期は1億11百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
当社グループの主要事業であります百貨店業におきましては、高額品消費や家中関連需要などの好調なカテゴリーを強化するとともに、コロナ禍におけるお客様の生活様式の変化や地元消費喚起に対応するべく、販売チャネルの拡充やデジタル活用、様々な地域活性化の取り組みへの参画等を推し進めてまいりました。
好調カテゴリーの強化として、本館1階インポートブティックゾーンでは、昨年3月の「ルイ・ヴィトン」リニューアルに続き、10月から12月にかけて「コーチ」、「グッチ」、新館1階「ボッテガ・ヴェネタ」ショップのリニューアルを図るとともに、新規ブランド「サンローラン」、「バレンシアガ」のオープンなど、ラグジュアリーカテゴリーの品揃えを充実させてまいりました。
家中関連需要への対応につきましては、デンマークの高級インテリアショップ「BoConcept(ボーコンセプト)」を無印良品跡地に新規オープンし、百貨店らしい上質な品揃えとライフスタイルの提案を図ってまいりました。また、本館地階食品フロアでは、地元で長年愛されている創作料理の店「一椿」を新しくオープンいたしました。
地元消費喚起への取り組みといたしましては、プレミアム付き地域商品券事業への参画をはじめ、お中元ギフトを活用した北九州市の「地元の逸品支援事業」では、地元お取引先様支援のための送料無料企画を実施し、大変ご好評をいただきました。
販売チャネルの拡充・デジタル活用におきましては、SNSやホームページを通じファッションやライフスタイルなどをご提案する機会を増強するとともに、チラシ掲載商品を電話やオンラインで購入いただけるリモート販売の推進に努めております。また、デパ地下商材を当日配送できる「食品宅配サービス」の配送エリアを拡大し、お客様の利便性向上に努めてまいりました。
サテライトショップにおきましては、昨年8月にサンリブ若松内「若松ショップ」、本年2月に「市庁舎売店」を閉店いたしました。
長年のご愛顧に心より感謝申し上げます。
既存店舗につきましては、引き続きコロナ禍に対応した営業施策の見直しや運営体制の効率化など、収益性の改善を図ってまいります。
山口店におきましては、昨年3月に山口市と地域活性化を目的とした包括連携協定を締結し、中心市街地の活性化や地産地消の推進、市政情報の発信などの協力を図るため、地域の魅力を発信する交流スペース「コトサイト」を11月にオープンいたしました。また、商品施策として、若年層や働く女性のニーズにお応えするべく、1階にフレグランスコーナーやオーガニックヘアケアを中心とする「グラースアヴェダ」を新たにオープンし、ご好評をいただいております。
持続可能な社会への取り組みといたしましては、サステナビリティ基本方針を定め、環境保全と経済成長の両立による企業価値の向上と事業基盤の強化、地域社会との共創によるまちづくりへの参画、および働きやすい職場環境の整備や多様な人材が活躍できる機会の創出等を掲げ、取り組んでおります。
全社で取り組む「サステナブルアクション2021」、カーボンニュートラルへ向けた環境目標ならびに実績、およびその他ESGに関する取り組みにつきましては、当社ホームページのCSR欄に掲載しております。
こうした諸施策を講じる中で、当社グループは、コロナ禍においてお客様の安全を第一に考え、感染拡大防止策をお客様にご協力いただきながら徹底いたしております。
引き続きお客様に安心してお買物いただける環境と、魅力ある品揃えやサービスの提供に努めてまいります。
百貨店業における売上高につきましては、531億44百万円(前期比105.2%)、営業利益は14億78百万円(前期比719.4%)となりました。
② 友の会事業
株式会社井筒屋友の会が前払式の商品販売の取次を行っており、外部顧客に対する売上高はなく、業績につきましては、営業損失8百万円(前年同期は10百万円の営業損失)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益や減価償却費等の計上により19億78百万円の資金収入(前連結会計年度は8億87百万円の資金収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、主に差入保証金の返還による収入等がありましたものの、有形固定資産の取得により8億33百万円の資金支出(前連結会計年度は72百万円の資金支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入金の返済等により14億68百万円の資金支出(前連結会計年度は9億87百万円の資金支出)となりました。
(生産、受注及び販売の実績)
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
また、当社及び当社の連結子会社は、百貨店及び友の会事業を行っており、生産及び受注については該当事項はありません。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
友の会事業におきましては、株式会社井筒屋友の会が当社グループの百貨店業に対して前払式の商品販売の取次を行っており、販売実績はありません。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度に比べ6億87百万円減少し、473億円となりました。これは主に、有形固定資産の建物及び構築物が減少したことによるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ14億59百万円減少し、382億70百万円となりました。これは主に、長期借入金や前受金が減少したことによるものであります。
純資産は、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加により前連結会計年度末に比べ7億72百万円増加し、90億29百万円となりました。
②経営成績の分析
a) 概況
コロナ禍において極めて厳しい商況の中、地域のお客様に支えられながら、百貨店業を中心とした諸施策を講じてまいりました結果、売上高は531億44百万円(前連結会計年度比105.2%)、営業利益は12億84百万円(前年同期は12百万円の営業利益)、経常利益は10億47百万円(前年同期は1億65百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は11億71百万円(前年同期は1億11百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
b) 売上高
当連結会計年度の百貨店業の売上高は531億44百万円(前連結会計年度比105.2%)となりました。
また、友の会事業は、当社グループの百貨店業に対して前払式の商品販売の取次を行っており、売上高はありません。
販売費及び一般管理費は、108億46百万円(前連結会計年度比93.8%)となり、前連結会計年度に比べ7億17百万円の減少となりました。
営業外損益は、2億37百万円の損失(前連結会計年度は1億78百万円の損失)となり、前連結会計年度に比べ59百万円損失が増加いたしました。
特別損益は、5百万円の損失(前連結会計年度は1億87百万円の損失)となり、前連結会計年度に比べ1億82百万円損失が減少いたしました。
当連結会計年度は、投資有価証券評価損5百万円を特別損失に計上いたしました。
(2) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度の現金及び現金同等物は前連結会計年度に比べ3億23百万円減少し36億4百万円となりました(前連結会計年度は39億28百万円)。これらの要因は以下のとおりであります。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益や減価償却費等の計上により19億78百万円の資金収入(前連結会計年度は8億87百万円の資金収入)となりました。
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、主に差入保証金の返還による収入等がありましたものの、有形固定資産の取得により8億33百万円の資金支出(前連結会計年度は72百万円の資金支出)となりました。
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入金の返済等により、14億68百万円の資金支出(前連結会計年度は9億87百万円の資金支出)となりました。
当社グループの運転資金需要の主なものは、商品の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要の主なものは、店舗のリニューアル・設備の修繕等の設備投資であります。
当社グループの資金調達におきましては、自己資金の他金融機関からの借入等による資金調達を行っております。なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による不測の事態に備え、取引金融機関との当座貸越契約に基づき、借入枠50億円を設定しております。当該契約に基づく当期末における借入実行残高は5億円であります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表に作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
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