業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 

(単位 百万円)

 

連結

売上高

経常利益

親会社株主に帰属する

当期純利益

2022年3月期

223,282

7,851

3,836

2021年3月期

202,438

4,342

412

前期比

10.3%

80.8%

830.3%

 

個別

営業収益

経常利益

当期純利益

2022年3月期

7,694

3,263

3,452

2021年3月期

9,997

4,795

2,499

前期比

△23.0%

△31.9%

38.1%

 

 当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に解消されるなか、国内景気や個人消費は一進一退を繰り返しながら、持ち直しの方向に進みました。しかし、一方では断続的な行動制限による人流の減少やインバウンド需要の低迷に、一部商品での供給制約の長期化などの要素も加わり、依然として本格的な回復には至らない厳しい状況が続きました。また、足元では、円安進行によるインフレ圧力の高まり、更には社会情勢の変化に伴う資源価格の高騰や食料品等の物価上昇など、先行きは不透明であり、予断を許さない状況にあります。

 スポーツ用品販売業界におきましては、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会や北京2022冬季オリンピック・パラリンピック競技大会の後押しに加えて、屋外レジャーの活況や部活動を始めとする学校活動やスポーツ大会の再開などにより、販売エリアや競技種目ごとに異なる売上の伸長や回復基調を辿りました。

 天候要因としては、夏季は大雨・長雨、低気温により夏物販売が厳しいものとなった一方で、冬季は気温低下や降雪が冬物衣料やレジャーアイテムの追い風となりました。

 この様な状況のなか、当社グループは、店舗や本社における徹底した感染拡大防止策を講じることで、お客様の安全と事業の継続性を維持しつつ、市場環境が良好なカテゴリーのシェア拡大に努めました。ゴルフ事業では、新規出店やスポーツ店からの業態転換により大型ゴルフ専門店を増加させ、アウトドアやウィンタースポーツでは、売り場拡大や品揃え強化を行いました。また、モバイルポイントカード会員数の拡大と販促強化によるEC売上の引き上げを行いました。それらと並行して、環境変化に対応するために、人材開発と業務標準化を掲げ、主力業態の再構築にも取組みました。

 新規出店及び閉店につきましては、店舗のスクラップ&ビルド及び新業態フォーマットの開発を含めた新店の出店や既存店改装に注力しており、当連結会計年度では74店舗を出店し39店舗を閉店しました。これらにより、当連結会計年度末におけるグループの総店舗数は899店舗となり、グループ合計の売場面積は前連結会計年度末に比べて1,946坪増加して200,527坪となりました。

 以上の結果、当連結会計年度における連結業績は、売上高2,232億82百万円(前年同期比10.3%増)、営業利益49億99百万円(前年同期比80.7%増)、経常利益78億51百万円(前年同期比80.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益38億36百万円(前年同期比830.3%増)となりました。

 

〔主な商品部門別の営業概況〕

 <ウィンタースポーツ部門>

ウィンタースポーツ部門では、降雪の影響に加え、若年層のスノーボード需要の増加もあり好調に推移しました。

以上の結果、ウィンタースポーツ部門の売上高は、前連結会計年度比20.7%の増加となりました。

 

 <ゴルフ部門>

ゴルフ部門では、3密回避のスポーツとしてビギナー層を中心に市場拡大が継続していることに加えて、新商品の販売キャンペーンの実施やフィッティング販売を強化したことにより好調に推移しました。

以上の結果、ゴルフ部門の売上高は、前連結会計年度比21.1%の増加となりました。

 

 <一般競技スポーツ・シューズ部門>

一般競技スポーツ・シューズ部門では、部活動やスポーツ大会が徐々に再開されたことで、各競技用品やランニングシューズに加え、人流の回復に伴いタウンシューズやウォーキングシューズが前年を上回りました。

以上の結果、一般競技スポーツ・シューズ部門の売上高は、前連結会計年度比9.7%の増加となりました。

 

 <スポーツアパレル部門>

スポーツアパレル部門では、冬季に気温が低下したことや降雪の影響もあり、アウターを中心に堅調に推移しました。

以上の結果、スポーツアパレル部門の売上高は、前連結会計年度比2.8%の増加となりました。

 

 <アウトドア・その他部門>

アウトドア・その他部門では、ソロ・デュオキャンパーを中心にキャンプ市場拡大が継続していることに加えて、カジュアル用途のアウターなどトレッキング用品が堅調に推移しました。

以上の結果、アウトドア・その他部門の売上高は、前連結会計年度比0.2%の増加となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 

(単位 百万円)

 

項目

前連結会計年度

当連結会計年度

営業活動によるキャッシュ・フロー

25,369

2,235

投資活動によるキャッシュ・フロー

△2,019

△5,164

財務活動によるキャッシュ・フロー

8,511

△2,119

現金及び現金同等物に係る換算差額

△23

619

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

31,839

△4,429

現金及び現金同等物の期首残高

12,483

44,323

現金及び現金同等物の期末残高

44,323

39,893

 

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、398億93百万円となり、前連結会計年度末に比べて44億29百万円減少しました。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、22億35百万円となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益を62億14百万円計上したこと、棚卸資産の増加による資金の減少額が61億62百万円、売上債権の増加による資金の減少額が12億9百万円であります。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、△51億64百万円となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出が35億21百万円、無形固定資産の取得による支出が12億65百万円であります。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、△21億19百万円となりました。主な要因は、配当金の支払額が13億56百万円、リース債務の返済による支出が7億59百万円であります。

 

(3)生産、受注及び販売の実績

①生産、受注実績

 該当事項はありません。

 

②商品部門別仕入実績

 当社グループは、一般小売事業の単一セグメントとみなしておりますが、商品部門別に示すと次のとおりであります。

部門

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

ウィンタースポーツ

4,040

3.2

5,940

4.2

ゴルフ

41,397

32.4

53,343

37.5

一般競技スポーツ・シューズ

37,014

29.1

40,474

28.4

スポーツアパレル

15,868

12.5

16,454

11.6

アウトドア・その他

19,565

15.4

19,134

13.4

スポーツ用品・用具計

117,886

92.6

135,347

95.1

ファッション衣料 計

136

0.1

165

0.1

その他

9,301

7.3

6,790

4.8

合計

127,325

100.0

142,303

100.0

(注)「その他」は、食品等の仕入を含んでおります。

 

③商品部門別販売実績

 当社グループは、一般小売事業の単一セグメントとみなしておりますが、商品部門別に示すと次のとおりであります。

部門

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

ウィンタースポーツ

9,000

4.5

10,865

4.9

ゴルフ

63,590

31.4

77,037

34.5

一般競技スポーツ・シューズ

58,870

29.1

64,586

28.9

スポーツアパレル

26,379

13.0

27,127

12.2

アウトドア・その他

30,895

15.3

30,946

13.9

スポーツ用品・用具計

188,736

93.2

210,563

94.3

ファッション衣料 計

428

0.2

444

0.2

その他

13,273

6.6

12,274

5.5

合計

202,438

100.0

223,282

100.0

(注)「その他」は、食品等の販売、宿泊事業等を含んでおります。

 

④地域別売上高

地域別

売上金額(百万円)

構成比(%)

期末事業所数

北海道

11,234

5.0

21

青森県

5,151

2.3

16

岩手県

4,573

2.0

19

宮城県

5,393

2.4

9

秋田県

3,282

1.5

14

山形県

3,222

1.4

10

福島県

17,033

7.6

32

茨城県

8,001

3.6

22

栃木県

4,340

1.9

8

群馬県

2,077

0.9

7

埼玉県

9,692

4.3

24

千葉県

8,779

3.9

39

東京都

50,060

22.4

93

神奈川県

10,238

4.6

31

新潟県

4,387

2.0

12

富山県

1,121

0.5

2

石川県

1,890

0.8

5

福井県

544

0.2

1

山梨県

76

0.0

1

長野県

4,862

2.2

7

岐阜県

670

0.3

2

静岡県

3,221

1.4

7

愛知県

6,808

3.0

20

三重県

2,316

1.0

9

滋賀県

921

0.4

2

京都府

1,165

0.5

2

大阪府

9,970

4.5

30

兵庫県

2,651

1.2

9

奈良県

1,581

0.7

5

和歌山県

973

0.4

2

島根県

1,272

0.6

2

岡山県

1,280

0.6

3

広島県

3,076

1.4

9

山口県

1,124

0.5

6

徳島県

665

0.3

2

香川県

790

0.4

2

愛媛県

1,681

0.8

3

高知県

723

0.3

1

福岡県

8,671

3.9

19

佐賀県

1,221

0.5

2

長崎県

600

0.3

2

熊本県

2,904

1.3

7

大分県

2,087

0.9

3

宮崎県

1,573

0.7

4

鹿児島県

1,349

0.6

3

沖縄県

2,572

1.2

7

小計

217,842

97.6

536

海外

5,439

2.4

50

合計

223,282

100.0

586

 

(4)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、将来事象の結果に依存するため確定できない金額については、仮定の適切性、情報の適切性及び金額の妥当性に留意した上で会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する見積りの前提は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)今後の見通し」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、現況及び将来の新型コロナウイルス感染症の収束状況及びウィズコロナ時代の当社グループの取組み・諸施策のシナリオは以下のとおりです。

ⅰ 新型コロナウイルス感染症の収束状況

 新型コロナウイルスの感染状況は、日々変化しており、未だ収束時期の予測は困難であります。しかし、一方で、当連結会計年度は1年を通してワクチンの複数回接種が拡大し、重症化リスクの減少や感染者数のなだらかな減少により、徐々に行動制限が緩和されました。今後は部活動やスポーツイベントの再開による一般競技スポーツ需要が回復すること、及びEC市場の拡大が持続することなどから、新たな生活様式に対応した売上拡大の環境が整うことを見込んでおります。

ⅱ ウィズコロナ時代の当社グループの取組み・諸施策

 当社グループでは、継続して全ての店舗・事業所において朝昼夕の検温、マスク着用、手洗いの徹底、自治体の要請に合わせた臨時休業や営業時間短縮、輪番体制や時差出勤及び在宅勤務の実施、定期的な室内換気、オフィスにおける少人数定員の座席配置、不要不急の出張の制限、不特定多数の人が集まるイベントの開催・参加の延期・中止の検討といった予防措置を徹底的に実施し、お客様の安全と事業を維持できる体制で運営しました。

 事業面では、主力業態の競争力の強化と経営効率の向上を目的とした組織再編や体制変更を推進しつつ、3密回避のレジャー・スポーツの品揃えの強化やモバイルポイントカード会員数の拡大、並びにECとリアル店舗の連携強化、さらには人材開発と業務の標準化など継続して主力業態の再構築に取組みました。

翌連結会計年度には、激変する市場環境に向けて、改めてキャッシュ・フロー経営に基づく企業価値創造とグループ各社の競争優位性を高めることに注力します。主な重点施策としては、新たな生活様式に対応したマーケティングとマーチャンダイジング、店舗のスクラップ&ビルドと新たな業態フォーマットの開発、人材開発と業務標準化の推進の3つの取組みにより、通期では新型コロナウイルス感染症前の業績水準に回復すると見込んでおります。

 なお、連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりです。

(繰延税金資産)

 当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得を見積もった上で、将来の税金負担額を軽減する効果を有する範囲内で繰延税金資産を計上しております。課税所得の見積りに使用される前提は、グループ各社の過去実績、現在及び今後見込まれるマーケットの状況、タックスプランニング等を踏まえて決定していますが、前提条件の変化があった場合には、評価性引当額の計上に伴い、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 なお、新型コロナウイルスの感染状況の予測は困難でありますが、2023年3月期におきましては、大規模な行動制限が起きないことを前提としたシナリオを設けて見積りを行っております。

(退職給付に係る資産及び負債並びに退職給付費用)

 退職給付に係る資産及び負債並びに退職給付費用は、将来の退職給付債務算出に用いる割引率や年金資産の長期期待運用収益率等、数理計算上の前提条件に基づいて算出しております。当社グループにおいては、割引率は期末の国債利回りをベースに毎期見直すとともに、長期期待運用収益率は年金資産の過去5年平均の運用利回り実績に基づき設定しており、使用した数理計算上の前提条件は妥当なものと判断しておりますが、これらの前提条件自体の変更が行われた場合、退職給付に係る資産及び負債並びに退職給付費用に影響を与える可能性があります。

(固定資産の減損)

 当社グループは、キャッシュ・フローを生み出す最小単位として各店舗設備を基本単位とし、のれん及び事業用資産については管理会計上の区分に基づいて資産のグルーピングを行い、減損会計を適用しております。収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しています。固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。

 

 なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響は2022年3月末における減損の兆候の判定及び回収可能価額の算定にあたって、将来キャッシュ・フローの見積りに反映しており、当社グループが店舗展開する全ての地域において、大規模な行動制限が起きないことを前提としたシナリオを設けて見積りを行っております。

 

②当連結会計年度の財政状態の分析

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ8億25百万円増加し、2,083億8百万円となりました。流動資産は、好調なアウトドアやゴルフを中心に品揃えを強化したこと、商品確保に対する懸念への対応や物流の乱れなどにより商品が48億84百万円増加しました。また売上の回復に合わせて受取手形及び売掛金が増加しましたが、現金及び預金は44億29百万円減少しました。以上の結果、前連結会計年度末に比べ8億25百万円増加し2,083億8百万円となりました。固定資産は、新規出店と既存店への改装による設備投資の実施により4億41百万円増加し、612億95百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ15億29百万円減少し、895億99百万円となりました。好調カテゴリーの品揃え強化に伴う仕入債務の増加により、電子記録債務が13億77百万円増加しました。また、金融機関からの長期借入金を1年内返済予定の長期借入金に59億53百万円振り替えております。

 当連結会計年度末の純資産は、利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ23億55百万円増加し1,187億8百万円となりました。

 

③当連結会計年度の経営成績の分析

 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、以下のとおりであります。

ⅰ 売上高の状況

 当連結会計年度の連結売上高は、度重なる緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などを受けて、都市部やショッピングセンターを中心に人流と客数増減の影響を大きく受けました。そのような中、コロナ禍において急速に市場拡大したゴルフ市場や降雪による良好なプレー環境となったウィンタースポーツ市場において、若年層を中心にエントリーユーザーの取込により前年同期比で大幅な増収となりました。また、一般競技スポーツ・シューズについては、部活動や各種大会の再開による需要の段階的な回復が見られ増収となりましたが、本格的な回復は翌年度以降に見込んでおります。地域別では、都市部を中心に改善となりましたが、首都圏、京阪神、及び福岡県などでのインバウンド需要の減少影響は継続しております。

 これらにより、新型コロナウイルス感染症の影響は依然としてありながらも、前連結会計年度比208億43百万円(10.3%)増加の2,232億82百万円となりました。翌連結会計年度以降に関しては、部活動や各種大会の一般競技スポーツ・シューズ需要やインバウンド需要などのリバウンドを期待するだけでなく、モバイルポイントカード会員数の拡大による囲い込みとECを活用した販売サービスの拡充、エントリーユーザーに対しての商品構成の強化を進め客数の増加に注力してまいります。

ⅱ 販売費及び一般管理費

 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、売上高や来店客数の段階的な回復と行動制限の緩和から、プロモーション活動の再開による広告宣伝費、EC拡大継続に伴う配送コストをはじめとした販売費、また前年の休業や営業時間短縮実績の反動もあり店舗費が増加しました。一方で人件費は緊急事態宣言やまん延防止等重点措置に合わせて輪番体制を実施するなど、感染対策を取りながらの店舗オペレーションを実施し、さらに人材開発と業務標準化による効率化を継続して取組みました。以上により、販売費及び一般管理費は前連結会計年度比60億円(7.9%)増加の820億54百万円となりました。

 翌連結会計年度以降に関しても、引続き既存店舗における経費構造の改善を進める一方で、新規出店や売り場修正と老朽化した店舗修繕のための前向きな経費支出を計画しております。

ⅲ 営業利益

 当連結会計年度は、上記のとおり売上高が増加したことに加え、在庫水準の適正化に向けた消化促進による荒利率の低下や、評価損の計上を織り込んだ売上総利益は前連結会計年度比82億33百万円(10.4%)増加しました。なお、売上総利益率は「収益認識に関する会計基準」等の適用もあり前年同期比0.1ポイント上昇しております。売上総利益の増加が販売費及び一般管理費の増加幅を上回ったことから、営業利益は前連結会計年度比22億32百万円増加し、49億99百万円となりました。

 

ⅳ 営業外損益、特別損益

 営業外収益は、助成金収入16億63百万円、不動産賃貸料6億34百万円、業務受託料2億99百万円、為替差益5億59百万円の計上などにより38億93百万円となりました。

 また、営業外費用は、不動産賃貸費用4億78百万円、業務受託費用2億72百万円などにより10億41百万円となりました。これらにより、経常利益は78億51百万円(前連結会計年度比35億9百万円増加)となりました。

 特別利益は関係会社株式売却益1億49百万円、災害による損失に対する受取保険金で1億11百万円などにより2億93百万円となりました。

 特別損失は減損損失12億93百万円に加えて、固定資産除却損2億90百万円計上などにより、19億30百万円となりました。

ⅴ 親会社株主に帰属する当期純利益

 上記の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は38億36百万円(前連結会計年度比830.3%増、34億23百万円増加)となりました。

 

④当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析

 キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、下記のとおりであります。

 

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

自己資本比率(%)

63.8

55.9

56.8

時価ベースの自己資本比率(%)

21.6

19.9

20.1

(注)1.自己資本比率:自己資本/総資産

2.時価ベースの自己資本比率:株式時価総額(自己株式は除く)/総資産

3.キャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは有利子負債、利払いが僅少又はないため表示を省略しております。

 

⑤資本の財源及び資金の流動性

(資金需要)

 当社グループの運転資金需要は、主に商品の仕入と販売に関する立替資金と、販売費一般管理費等の費用であります。投資を目的とした資金需要は、新規出店や既存店舗の改装、及びソフトウェア投資といったスポーツ小売事業に関するものに加えて、周辺領域に関する固定資産投資やM&A等によるものであります。

(財政政策)

 当社グループは、キャッシュ・フロー経営による手元資金での小売事業運営を基本方針としつつ、事業活動の維持拡大に一時的に必要となる資金を、国内外で安定的に確保するために、資金の性格に応じて金融機関からの借入等で資金調達を行っております。

 経常的な運転資金は、主なお取引金融機関各行で設定している当座貸越枠内での調達を中心としていますが、長期資金需要がある場合には、対象事業の事業計画に基づく資金需要や、金利動向、返済見込み等を考慮しつつ、長期借入金での調達を適宜判断して実施しております。また、グループ内での資金調達に関しては、原則として、当社からのグループファイナンスで対応しております。

 投資判断における財務方針としては、企業価値の向上に資するために、投資のリスク分類に応じて資本コストのリスクプレミアムを加算したリターンを確保するキャッシュ・フロー創出が必要であるという考え方を採用しております。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は、155億89百万円となっております。

 

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