当グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、記載事項のうち将来に関するものは、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1)経営方針
当グループは、以下の経営理念の下、地域のお客さまを重視する姿勢を徹底することにより、地域社会から信頼され、株主の皆さまや市場からの評価を得られる金融サービスグループを目指すとともに、グループの更なる飛躍に向けた改革に邁進し、企業価値の最大化を目指してまいります。
<りそなグループ経営理念>
(2)経営環境
(経営環境)
我が国においては、人口減少・高齢化の進展や急速なデジタル化、お客さまの行動多様化の継続など、不可逆的な社会構造変化が加速しています。また、マイナス金利政策の長期化に加え、新型コロナウイルス感染症の影響も長期化し、急速な経済活動の停止・再開が繰り返されるなど、日本においても景気動向に大きな影響を及ぼしています。加えて、地球温暖化・気候変動など環境・社会課題への対応への要請が世界的に高まるなか、お客さまのビジネスモデル・ライフスタイルのあり方も変化しつつあります。
(3)中期的な経営戦略及び優先的な対処すべき課題
(経営の方向性)
上述の環境・状況変化が中長期的にも予想され、また想定外の事態が発生する中において、当グループでは、「リテールNo.1」に徹底的に拘り、首都圏・関西圏における有人拠点網や、法人・個人のお客さま基盤、フルラインの信託機能といったりそなの強みを活かしつつ、従来型のビジネスモデルを時代の変化へ適合させてまいります。
また、中長期的には『「持続可能な社会への貢献」と「自らの持続的な成長」の両立』を目指すことが不可欠であると考え、その目指す姿の実現に向けて、2020年5月に、2022年度までを計画期間とする中期経営計画(以下「本計画」という。)を策定、公表いたしました。
2021年6月には、目指す姿の実現に向けた取り組みを更に加速させるため、2030年度をターゲットとする3つの長期目標を定めました。「お客さまも、りそなも、変化への適応力を備えたビジネスモデル、ライフスタイルに進化を遂げること」「お客さまのSX(※)に最も貢献する企業になること」を目指し、現在地から一つひとつ課題を克服しながら取り組んでまいります。
(※)サステナビリティ・トランスフォーメーションの略。当グループでは「持続可能な社会に向けた世の中の変化を先取りし、企業のビジネスモデルや個人のライフスタイルを自ら変化させていくこと」と整理しています
(中期経営計画について)
当グループでは、中長期的な環境変化、お客さまの行動多様化の継続を踏まえ、従来型のビジネスモデルを時代の変化へ適合させることを、重要な経営課題として認識しております。これらの課題の克服に向けて、「お客さまの喜びがりそなの喜び」という基本姿勢を貫き、以下の戦略に基づく取り組みを加速するとともに、「リテールNo.1」のサービスグループを目指して、企業価値の最大化に努めてまいります。
① 基本方針
レゾナンス・モデルの確立とは、お客さまのこまりごと・社会課題を起点に、従来の銀行の常識や枠組みにとらわれることなく、新しい発想、幅広いつながりが育む様々な「共鳴」を通じて、時代の変化に適合し、お客さまに新たな価値を提供することです。レゾナンス・モデルを従業員一人ひとりが意識・行動する軸に据え、本計画を実現してまいります。
(ア) お客さまのこまりごと・社会課題を起点
(イ) 新しい発想、幅広いつながりが育む様々な「共鳴」
(※) 3つのドライバー
当グループがリテールにフォーカスし、長年培ってきたお客さまとの揺るぎないリレーションを基軸に、「デジタル&データ」「デザイン思考」「オープン」をドライバーとして、ビジネスモデル・経営基盤を次世代化してまいります
② ビジネス領域
伝統的な間接金融業務(信託+商業銀行)を徹底的に“差別化”する「深掘」と、“脱・銀行”へ向けた新たな発想で取り組む新規ビジネスへの「挑戦」を通じて、中長期的に次世代のリテールサービスを提供するグループへと進化を遂げるとともに、収益構造改革を実現してまいります。
(ア) 深掘
(イ) 挑戦 (オープン・イノベーション)
③ 基盤の再構築
ビジネスの「深掘」と「挑戦」の実現には、リテールに内在する高コスト体質を打破し、経営資源を適正に配分することが必要不可欠です。3つのドライバーを軸に、ビジネスモデル・経営基盤を再構築し、営業力強化と生産性向上に取り組んでまいります。
(ア) 人財
(イ) 業務プロセス
(ウ) 営業スタイル
(エ) チャネルネットワーク
(オ) システム
④資本政策の方向性
健全性、収益性、株主還元のバランス最適化を追求し、企業価値向上の実現に取り組んでまいります。
(ア)健全性
本計画の最終年度における自己資本比率の目標水準については、主に以下の3点を踏まえ、現在適用している国内基準において十分な自己資本を確保するとともに、国際統一基準においても、普通株式等Tier1比率(バーゼル3最終化影響反映後・その他有価証券評価差額金を除く)で10%を目指してまいります
a.安定した資金供給・サービス提供等を通じた地域社会・経済発展への一層の貢献
b.国際的な目線においても信用力ある金融機関としての資本確保と持続的成長の実現
c.投資機会・金融規制への対応に備えた戦略的機動性の確保
(イ)収益性
資本効率、リスク・コスト・リターンを重視した財務運営の継続に努め、8%を上回るRОEの確保を目指してまいります。
(ウ)株主還元
安定配当を継続するとともに 、健全性・収益性とのバランスや成長投資の機会を考慮しつつ、株主還元の拡充に取り組んでまいります。
具体的には、総還元性向の水準として、中期的に40%台半ばを目指してまいります。
(目標とする経営指標)
中期経営計画において目標とする主な経営指標(2022年度)は以下のとおりです。
〔2022年度前提条件:無担保コールO/N △0.05%、10年国債△0.05%、日経平均株価23,000円〕
(注) 1 親会社株主に帰属する当期純利益÷株主資本(期首・期末平均)
2 バーゼル3最終化ベース、その他有価証券評価差額金除き
3 FTSE Blossom Japan Index、FTSE Blossom Japan Sector Relative Index、MSCIジャパン ESGセレクト・リーダーズ指数、MSCI日本株女性活躍指数、S&P/JPXカーボン・エフィシェント指数
中長期的な収益構造改革の実現に向け、連結フィー収益比率35%以上、連結経費率60%程度を目指してまいります。また、健全性・収益性とのバランスや成長投資の機会を考慮しつつ、株主還元の拡充に取り組むため、株主資本ROEは8%程度、有価証券評価差額金を除く普通株式等Tier1比率(バーゼル3最終化勘案ベース)で10%程度を目標としております。
加えて、本業を通じて、社会課題解決を目指すSDGs経営を加速させていきたいという狙いから、「持続可能な社会の実現」に向けたKPIとして、引き続き、GPIFが選定するESG指数すべてに選定されることも目標としております。
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