課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当グループは、目指す企業グループ像を明確にするため、次のとおり存在意義(パーパス)、経営理念(ミッション)、目指す姿(ビジョン)、行動規範(バリュー)を定めております。

 

 

 

存在意義 Purpose

 

 

 

 

 

 

 

信託の力で、新たな価値を創造し、お客さまや社会の豊かな未来を花開かせる

 

 

 

経営理念 Mission

 

 

 

 

 

 

 

  ①高度な専門性と総合力を駆使して、お客さまにとってトータルなソリューションを迅速に提供してまいります。
  ②信託の受託者精神に立脚した高い自己規律に基づく健全な経営を実践し、社会からの揺るぎない信頼を確立

   してまいります。
  ③信託銀行グループならではの多彩な機能を融合した新しいビジネスモデルで独自の価値を創出し、株主の期待

   に応えてまいります。
  ④個々人の多様性と創造性が、組織の付加価値として存分に活かされ、働くことに夢と誇りとやりがいを持てる

   職場を提供してまいります。

 

 

 

目指す姿(Vision)

 

 

 

 

 

 

 

「The Trust Bank」の実現を目指して

  当グループは、信託の受託者精神に立脚し、高度な専門性と総合力を駆使して、銀行事業、資産運用・管理事業、

  不動産事業を融合した新しいビジネスモデルで独自の価値を創出する、本邦最大かつ最高のステイタスを誇る

  信託銀行グループとして、グローバルに飛躍してまいります。

 

 

 

行動規範(Value)

 

 

 

 

 

 

 

当グループの役員・社員は、グループ経営理念を実践するため、以下の6つの行動規範を遵守してまいります。

 

お客さま本位の徹底 -信義誠実-

私たちは、最善至高の信義誠実と信用を重んじ確実を旨とする精神をもって、お客さまの安心と満足のために
行動してまいります。

 

社会への貢献 -奉仕開拓-

私たちは、奉仕と創意工夫による開拓の精神をもって、社会に貢献してまいります。

 

組織能力の発揮 -信頼創造-

私たちは、信託への熱意を共有する多様な人材の切磋琢磨と弛まぬ自己変革で、相互信頼と創造性にあふれる
組織の力を発揮してまいります。

 

個の確立 -自助自律-

私たちは、自助自律の精神と高い当事者意識をもって、責務を全うしてまいります。

 

法令等の厳格な遵守

私たちは、あらゆる法令やルールを厳格に遵守し、社会規範にもとることのない企業活動を推進してまいります。

 

反社会的勢力への毅然とした対応

私たちは、市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対して、毅然とした姿勢を貫いてまいります。

 

 

(2) 金融経済環境

当連結会計年度の金融経済環境を見ますと、国内外ともに新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進展し経済活動の再開が進みましたが、繰り返される感染拡大が依然として経済活動の重石となりました。国内の生産・輸出は、夏場以降、半導体などの部品供給不足等の影響で下振れしました。また、ウクライナ危機の影響で先行きの不確実性が高まったほか、コモディティ価格が高騰しインフレ懸念に拍車をかけました。

金融市場では、米国のインフレ進行や利上げ時期などに注目が集まりました。日経平均株価は、長引く行動制限の影響などから上値の重い展開が続き、ウクライナ危機を受けて一時25,000円前後まで下落しました。10年国債利回りは、概ね0%近辺のプラス圏で推移していましたが、2022年に入ると米金利の上昇に連動して0.2%超まで上昇しました。ドル円レートは、日米金利差の拡大を背景に円安傾向が強まり、3月末には120円を超える水準となりました。

 

(3) 事業の経過

当グループは、2020年度からスタートさせた中期経営計画の3年間を、継続的・安定的な成長に向けた基盤を確かなものとする期間と位置付けています。

過去より進めてきたビジネスモデル変革をもう一段進めるとともに、我々の存在意義(パーパス)を胸に、個人、法人、投資家のお客さまそれぞれに生じる社会課題に真正面から取り組み、当グループの持続的・安定的な成長に向けて取り組んでいきます。

 


 

 


 

 

2021年度は、金融経済環境の不確実性に加え、気候変動問題など社会課題に対する関心が高まりを見せる中、当グループは、変化を捉え、「社会的価値創出と経済的価値創出の両立による持続的・安定的な成長」を果たすべく、以下の取り組みを進めました。

 

(3つの重点テーマ)

1.お客さまの期待を上回る業務品質の高度化

2.グループのサステナビリティの盤石化

3.成長実現の確度を高める経営インフラの高度化

 

1.お客さまの期待を上回る業務品質の高度化

お客さまに提供する商品・サービスの品質こそが、お客さまから信任をいただき、当グループの競争優位につながる基盤であるとの考えのもと、商品・サービスの提供状況を定期的に評価し、お客さまのニーズへの対応力・サービス品質を高める取り組みを進めました。

 

個人のお客さまには、三井住友信託銀行において、人生100年時代を見据えて既存商品を改良し、認知症などの将来不安に備えつつ長期の資産運用を実現する「人生100年パスポートプラス」の取り扱いを開始しました。

お客さまのライフスタイルの多様化に伴う不動産関連のニーズの変化に対しては、グループ各社にて、お客さまの利便性を向上させる様々なサービスを開始しました。三井住友信託銀行において、住宅ローンご契約者さまの万一の場合に、ご自宅の相続を円滑にサポートする「ハウジングウィル」の取り扱いを開始するとともに、三井住友トラスト・ライフパートナーズ株式会社が取り扱う火災保険を、全店舗でご相談・お手続きいただける体制を整えました。また、三井住友トラスト不動産株式会社において、お客さまの住み替えニーズを的確にお伺いし、住宅仲介の取り扱い件数を着実に伸ばしました。

住信SBIネット銀行株式会社においては、テクノロジーを活用した利便性とセキュリティ強化による安全性を追求した高品質なサービスが高く評価され、預金口座数が前年度比約2割増となり500万件を突破するとともに、公益社団法人企業情報化協会のカスタマーサポート表彰制度において「優秀賞」を2年連続で受賞しました。

三井住友トラストクラブ株式会社においては、お客さまのプライベートを豊かにする会員サービスの向上に加え、「ビジネスカード」の刷新や、新商品「プレミアムビジネスカード」を発行し、お客さまのビジネス活動をサポートする取り組みを強化しました。

 

法人のお客さまには、企業経営において、SDGsやESGへの取り組みが益々重要となる中、グループ各社が連携し、ガバナンス体制の整備や人的資本の充実など、お客さまのサステナブル経営と企業価値の向上を支援するソリューションを拡充しました。

巨額の資金が必要とされるカーボンニュートラル社会の実現に向けては、三井住友信託銀行において、次世代エネルギーなどの優れた技術の社会実装を、自らが投資者となって後押しする「インパクト・エクイティ投資」の枠組みを整備しました。また、国内の再生可能エネルギーの開発についても、高い技術力を有する事業会社や三井住友トラスト・インベストメント株式会社と連携して、開発を加速させるための投資ファンドを設立しました。

三井住友トラスト・パナソニックファイナンス株式会社においては、資金使途を環境改善効果のある事業に限定するグリーンボンドを発行し、エネルギー効率化に資する施設や再生エネルギー設備の導入などに活用しました。三井住友トラスト・ローン&ファイナンス株式会社においては、グループ各社と連携し、独自の専門的審査ノウハウを強みに、質・量のバランスを重視した貸出運営に努めました。

 

企業年金・公的年金や金融法人など投資家のお客さまには、三井住友信託銀行において、株・債券以外の非伝統資産や実物資産、地域活性化に資するスタートアップ企業を投資対象とする投資ファンドなど、運用商品の開発・提供を進め、預かり残高を拡大させました。また、確定拠出年金業務では、ESG関連の商品ラインナップ拡充や動画を活用した投資教育に注力し、加入者数や預かり残高を順調に増加させ、業界トップのシェアを堅持しました。

資産運用業務においては、グループ一体での運用戦略の下、三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社や日興アセットマネジメント株式会社において、ESG分野における投資ニーズの高まりを捉え、グループ全体で資産運用残高を拡大させました。具体的には、三井住友トラスト・アセットマネジメント株式会社において、同社初の設定となる上場投資信託「SMT ETFカーボン・エフィシェント日本株」を東京証券取引所に上場しました。日興アセットマネジメント株式会社においては、先進国や新興国の脱炭素関連企業を投資対象とする複数の新たな公募投資信託を設定しました。

資産管理業務においては、株式会社日本カストディ銀行や三井住友信託銀行を中心に、ITやデジタル技術を活用した資産管理のインフラ強化や業務効率化を通じたコスト削減を進め、競争力の強化に取り組みました。

 

2.グループのサステナビリティの盤石化(経営資源のより有効な活用)

社会やお客さまが抱える中長期の課題に対し、継続的に貢献していくためには、当グループ自身がサステナブルな存在であることが不可欠との認識のもと、守り/攻めの強化領域に、重点的に資本・経費・人員等を投入するなど、経営資源のより有効な活用に向けた取り組みを意識的に進めました。

具体的には、守りの観点では、リスク管理・コンプライアンス体制の強化に向け、人員配置、システム投資を重点的に行いました。一方で、攻めの観点では、新たな成長分野への投資として、2021年8月、「UBS SuMi TRUSTウェルス・マネジメント株式会社」の株式49%を取得しました。同社を通じて、UBSグループの資産運用・証券サービスと、当グループの相続・資産承継、不動産等の機能を組み合わせ、企業オーナーを中心とするお客さまへの提供価値を高める活動をスタートさせています。

 

また、政策保有株式については、当グループの資本効率の改善のみならず、日本の資本市場の健全な発展に寄与することを目的として、「従来型の安定株主としての政策保有株式」は原則すべて保有しない方針へ転換しました。方針発表を行った2021年5月以降、三井住友信託銀行において、法人のお客さまと丁寧な対話を重ね、2021年度における国内上場株式の売却額(取得原価ベース)は538億円となり、これまでを大幅に上回るスピードで削減が進展しました。

なお、グループ全体における資本の十分性確保に目処が立ちつつあることを踏まえ、資本効率性の改善を目的に、自己株式300億円を上限として取得のうえ、消却することを予定しております。

 

3.成長実現の確度を高める経営インフラの高度化

上記に加え、成長の実現確度をより高めるために、以下の取り組みを進めました。

 

(1)デジタル・トランスフォーメーション

従来の常識にとらわれない柔軟な発想でのデジタル・トランスフォーメーション(以下、「DX」といいます。)を推進するため、2021年4月、戦略子会社「Trust Base株式会社」を設立しました。専門人材の採用も活用しつつ、体制強化を進め、DX化を牽引する活動を拡大しています。ビジネス面では、家計・資産を一括管理するスマートフォンアプリ「スマートライフデザイナー」の開発や、データの集計・分析等に関する業務プロセスの自動化などを進め、新たなお客さま基盤の拡充と、当グループのコスト構造改革の両立に取り組みました。

 

(2)人材活躍の推進

当グループでは、多様で専門性の高い社員の一人ひとりが能力を最大限発揮できるよう社員のWell-beingの向上に取り組むとともに、ダイバーシティ&インクルージョンを一層加速するため、女性活躍推進、育児や介護と仕事の両立支援、人権・LGBTQなどに資するインフラの整備拡充に取り組みました。

その結果、Bloomberg社より、男女平等を推進する企業として「Bloomberg Gender-Equality Index」に2022年まで4年連続で選定されるとともに、三井住友信託銀行においては、NPO法人J-Winより、「2022 J-Win ダイバーシティ・アワード」の企業賞・ベーシック部門で準大賞を受賞しました。

さらに、2024年10月までに、マネジメント業務を担う女性比率を30%以上とする行動計画を新たに策定し、能力本位での管理職登用を推進しています。

また、専門人材の融合や交流が新たな価値創造に不可欠なものと捉え、ESGや脱炭素、デジタル等の注力領域では、専門知識を有するエキスパート人材の確保に注力し、多様な人材ポートフォリオの構築を進めました。

 

(3)サステナビリティ経営

当グループは、社会的価値創出と経済的価値創出の両立を掲げ、社会課題の解決と当グループの経営戦略を統合的に捉えた価値創造に取り組んでおります。

その中でも、全世界で加速する気候変動問題に対して脱炭素社会の構築へ貢献するために、当グループ自身の事業活動と、投融資ポートフォリオ全体から排出される温室効果ガスの、ネットゼロを掲げた「カーボンニュートラル宣言」を公表しました。

具体的な取り組みとしては、サステナブルファイナンス商品や各種コンサルティングの提供に加え、先進技術の社会実装を金融的側面から支援するため、理系博士号を保有する専門家のチームを組成し、水素バリューチェーンの実証事業や、ESG地域金融の枠組み構築などの取り組みを開始しております。

また、責任銀行原則(PRB)の署名機関として、自らがインパクトの創造に主体的に関与することを宣言し、ポジティブ・インパクト・ファイナンス、株式投資、実物資産、ベンチャーキャピタルなど、手法を多様化させつつ、当グループのインパクトファイナンスを拡大させています。

こうした取り組みが評価され、環境省の「第3回ESGファイナンス・アワード・ジャパン」における間接金融部門にて、三井住友信託銀行が銀賞(環境大臣賞)を受賞しました。

 

(4) 中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題

少子高齢化や格差の拡大、自然災害の激甚化など、様々な社会構造や自然環境の変化が、社会や個人、企業経営との関連性を強め、解決すべき重要テーマとなりつつあります。そして、これら社会課題を解決しようとする動きは、社会インフラや産業構造を根底から大きく変える一大潮流になるものと認識しております。

当グループは、このような時代の転換期において、信託の力を最大限に発揮し、「企業価値の向上による果実を家計にもたらす資金・資産・資本の好循環」を促し、リードしていくことで、将来世代に豊かな社会を承継し、当グループ自身も持続的な成長を遂げることを目指してまいります。

中期経営計画の最終年度となる2022年度は、付加価値の高い商品・サービスの提供と、新たな価値を創造するための投資などを通じ、様々なステークホルダーによる資金の好循環を、当グループ自らが促進・先導していく姿を目指し、以下の3つの重点テーマに取り組んでまいります。

 

イ.好循環を加速する事業ポートフォリオ強化

社会の変化によって生じるお客さまの新たな課題に対して、最適なソリューションを提供し、また経済主体間の好循環を加速するため、三井住友信託銀行において、個人・法人・投資家のお客さまを軸とした事業体制に再編しました。多彩な信託機能と銀行機能を組み合わせることで、個人のお客さまに対しては、「人生100年時代」の安心・安全と投資運用コンサルティングの提供で投資を促し、法人のお客さまに対しては「ESG/サステナブル経営」の観点で企業価値向上や脱炭素化に向けた事業のトランジション(移行)をサポートし、投資家のお客さまに対しては、当グループ内外の「ネットワーク」を活用した投資機会を提供することで、主体的・能動的に資金の好循環を促してまいります。

併せて、資金循環の要諦となる資産運用ビジネスにおいては、ESG関連の商品開発やオペレーションの共通化など、グループ各社間の連携・協働の実効性を高める枠組みを強化し、グループシナジーをこれまで以上に発揮してまいります。

 

ロ.持続的成長に向けた戦略投資の推進

社会やお客さまが抱える中長期の課題解決に貢献することと、当グループ自身の持続的な成長を両立して実現するため、資本・経費・人員等に関して戦略的な投資を行い、新たな成長機会や市場を創造する取り組みを進めてまいります。

具体的には、カーボンニュートラルなどの社会課題で、解決には巨額な資金が必要となる領域に対し、自己勘定からの投資を呼び水として、投資家のお客さまの資金を呼び込む取り組みを進めるほか、社会やお客さまの課題を解決しうる企業群のネットワークづくりに資する投資を推進します。同時に、新たな価値を創出するデジタル・トランスフォーメーションや、未来に適合したビジネスを創造できる人材への投資も推進します。

その一方で、政策保有株式については、「従来型の安定株主としての政策保有株式」は原則すべて保有しない方針を維持し、法人のお客さまの理解を得ながら削減することにより、資本効率の高い収益構造への転換を進めてまいります。

 

ハ.お客さまの信任に応える業務品質の向上・高度化の取り組み

サステナブルな社会実現に向けて企業の役割が拡大する中、創業来、受託者精神に立脚し、社会やお客さまの利益となる価値提供を本業としてきた信託銀行グループへの期待は高まっていると認識しております。当グループでは、その信任に応え続けていくため、業務品質の高度化に向けた取り組みを継続して進めてまいります。

具体的には、各ステークホルダーへの価値提供を、当グループのバリューチェーン全体で捉え、商品やサービスの連関を高め、パッケージ化してご提供することで相乗効果を生み出していく取り組みや、品質の高度化に向けた取り組み等について、お客さまからの評価を真摯に受け止めつつ、グループ一体で進めてまいります。

 

なお、当グループは、付加価値の高い商品・サービスの提供と、新たな価値を創造するための投資等を通じ、様々なステークホルダーによる資金・資産・資本の好循環を促進・先導していくことを目的として、2022年4月1日付で三井住友信託銀行株式会社の改組を実施し、報告セグメントを変更しております。

変更後の報告セグメントにおける目指すべきビジネスモデルは、以下のとおりであります。

 

イ.個人事業

人生100年時代を迎え、お客さまの「長く充実した人生を過ごすこと」への関心がますます高まるとともに、将来に向けた資産形成・運用や高齢期における資産管理、相続・資産承継に関する悩み・不安が、各世代における社会課題として顕在化してきています。

個人事業では、信託銀行グループならではの高度な専門性と多彩な商品・サービスを駆使しながら、個人のお客さまの世代やライフイベントなどに応じて変化する資産・負債の特性を踏まえたトータル・コンサルティングを通じてお一人お一人に寄り添った最適なソリューションをご提供することで、お客さまの「ベストパートナー」となり、長期間にわたる信頼と安心を培っていくことを目指しています。

 

ロ.法人事業

革新的なIT技術・産業素材・工業技術の登場とライフサイクルの短期化、デジタル化の急速な進展、ステークホルダーとの対話の重要性拡大、脱炭素化・SDGs実現に向けた対応の加速など、企業を取り巻く環境は従来以上のスピードで変化するとともに、ますます複雑さを増しています。

創業来培ってきた「信託銀行ならではの多彩さ・専門性を強化」し、これらを複雑・高度に融合させ、お客さまと社会の顕在化した課題はもとより、潜在的な課題の解決にも貢献する「トータルソリューションモデルを進化」させることを通じて、お客さまと社会から「ベストパートナー」に指名される金融機関を目指しています。

 

ハ.投資家事業

投資家事業においては、ESG投資など社会課題解決に繋がる運用商品の開発や社会的価値の創出に注力することに加え、資産管理事業においては、IT・デジタル技術の活用による資産管理・データサービスの強化など資金等の好循環を創出する各種サービスの高度化に取り組みます。また、地産地消型のエネルギー循環など地域経済エコシステム構築への貢献やライフプランマネジメントを通じたFinancial Well-beingサポートなど、多様な投資家のお客さまの経営課題に寄り添いながら社会課題解決に貢献していきます。

 

ニ.不動産事業

法人向け不動産仲介・コンサルティングは、国内外の金融機関・不動産会社等とのネットワークも生かして、不動産に関する多彩な機能をご提供し、企業価値向上と経営課題の解決を目指します。個人向け不動産仲介は、お客さまのライフステージに即した不動産情報のご提供を拡充し、お客さまの資産価値最大化を追求します。

本邦No.1の規模である不動産証券化信託や不動産投資法人関連業務は、不動産投資市場の拡大を支えるインフラとして、堅確な業務継続を実現し社会的使命を果たします。これらの業務を通じ、お客さまの不動産のベストパートナーを目指します。

 

ホ.マーケット事業

先進国の金融政策、新興国の景気動向に加えて、世界的な政治情勢、地政学リスク、パンデミック発生など市場を取り巻く不確実性は高まっています。お客さまの保有資産やバランスシートにも市場リスクが存在しており、マーケットボラティリティ(市場変動)を適切にマネージするソリューションをご提供することでお客さまの資産価値を守っていきます。

マーケティング業務・マーケットメイク業務の知見に加えて、投資業務や財務マネージ業務における長年の経験に裏打ちされた市場リスクコントロールの技術も活用するなど、専門家集団によるボラティリティマネージのあらゆるノウハウを活用し、お客さまに最適なソリューションをご提供していきます。

 

ヘ.運用ビジネス

今後も長期的にグローバルな資産運用ビジネスの成長が見込まれる一方、地政学リスク、新型コロナウイルス感染症などのパンデミックリスクに加え、競争激化や規制強化による運用手数料低下圧力が一層強まっており、短中期的なビジネス環境は不透明さを増しています。こうした環境を機会と捉え、グローバルベースの先駆的なESG活動を含めた海外ビジネスの拡大に加え、海外の運用会社への提携戦略(出資などを含む)を通じ、グループとしてグローバル展開を加速します。

また、グループ内に特長が異なる運用会社を複数持つ強みを生かして、パッシブからアクティブ、オルタナティブまでフルラインをカバーし、国内外の機関投資家から個人投資家まで幅広いお客さまの多様化する投資ニーズにお応えしていきます。

 

(5) 目標とする経営指標

当グループは、2020年度からスタートさせた中期経営計画の3年間を、持続的・安定的な成長に向けた基盤を確かなものとする期間と位置づけ、最終年度である2022年度及び中長期の財務目標(KPI)として以下を定めております。

 

 

2020年度
(実績)

2021年度
(実績

2022年度
(目標)

中長期
ターゲット

実質業務純益

2,947億円

3,460億円

3,100億円

親会社株主に帰属する
当期純利益

1,421億円

1,690億円

1,900億円

経費率(OHR)

60.1%

 57.1%

60%台前半

50%台後半

普通株式等Tier1比率※

9.4%

9.9%

10%台前半

安定的に
10%台維持

自己資本ROE

5.41%

6.25%

7%程度

9%程度

手数料収益比率

52.9%

54.0%

50%台半ば

安定的に
60%以上

 

※バーゼルⅢ最終化(試算値)ベース

 

(注)1.実質業務純益:経常利益から与信関係費用や株式等関係損益などの臨時的な要因の影響を控除したもので、実質的な銀行(及びグループ)の本業の収益を表す指標。

2.経費率(OHR):実質業務粗利益(実質業務純益に総経費を足し戻した計数)に対する総経費の比率。利益を稼ぐ効率性を示す指標であり、この比率が低いほど、経費を効率的に使って粗利益を稼いでいることを示します。

3.普通株式等Tier1比率:資本金、資本剰余金及び利益剰余金など、自己資本の中でも中核的な資本に対するリスクの割合を表すもの。資本の十分性を示す規制指標であり、この比率が高いほど、リスクに対する備えが厚いことを示します。

4.自己資本ROE:自己資本に対する当期純利益の比率。利益を稼ぐ効率性を示す指標であり、この比率が高いほど、自己資本を効率的に使って純利益を稼いでいることを示します。

5.手数料収益比率:実質業務粗利益に対する各種手数料収益(受託財産に係る信託報酬や不動産仲介手数料、投資信託の販売手数料等)の比率であり、当グループが注力する手数料ビジネスからの収益量を示す指標。

 

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