有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当行グループ(当行及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資判断上、あるいは当行グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家に対する情報開示を積極的に行っております。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当行グループが判断したものであります。
(主要なリスクについて)
当行グループの財政状態、経営成績等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下に記載したとおりです。そのなかで、特に信用リスク及び市場リスク(価格変動リスク、金利リスク)については、統計的手法であるVaRを用いて、ある確率(信頼水準99%)のもと一定期間(例えば1年間)に被る可能性のある最大損失額(リスク量)を見積り・把握しております。
これらのリスクが顕在化した場合、当行グループの業績・業務運営に影響を及ぼす可能性があるため、当行グループでは業務の継続性を確保する観点から、リスク量が自己資本の範囲内に収まるよう資本配賦制度(リスク量に対する資本の割り当て)を用いた業務運営を行い、経営戦略と一体となったリスク管理を実践しております。
当行グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努めます。
なお、これらのリスク管理体制等については、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載しております。
当行は資産の自己査定基準等に基づき適切な引当・償却を行っておりますが、国内外の景気動向、取引先の経営状態の悪化、担保価値の下落等により、不良債権及び信用コスト(不良債権の引当・償却費用)が増加し、業績や財務内容に影響を及ぼす可能性があります。
当行は、自己査定を行い、その結果に基づいて貸倒引当金を計上しております。実際の貸倒れによる損失が貸倒引当金の見積りと乖離し、貸倒引当金の額を超える場合があります。また、担保価値の下落及びその他予期せぬ理由により、貸倒引当金の積み増しが必要となり、与信費用が増加する場合があります。
当行は、担保価値の下落や不動産市場における流動性の欠如、有価証券の価格の下落等の事情により、担保権を設定した不動産や有価証券の換金、または貸出先の保有するこれらの資産に対する強制執行ができない場合があります。この場合、信用コストが増加するとともに不良債権処理が進まない恐れがあります。
当行は、市場性のある株式、債券等を保有しております。これら有価証券の価格下落により損失が発生し、当行の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
資産と負債の金利または更改期間が異なることから、金利の変動によって利益が減少ないし損失が発生し、当行の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
外貨建資産・負債について、為替の価格変動により、当行の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
社債、クレジット・デリバティブ等について、信用スプレッドが変動することによって、現在価値および期間損益に影響を与え、当行の業績等に影響を及ぼす可能性があります。
当行の財務内容の悪化や市場の風評等により必要な資金の確保ができなくなり、資金繰りが悪化する場合や、資金の確保に通常よりも著しく不利な条件での資金調達を余儀なくされる可能性があります。
当行の役職員が正確な事務を怠り、または事故を起こし、もしくは不正をはたらくことにより、当行が損失を被り経営成績等に影響を与える可能性がありますが、内部統制・業務フロー等を遵守・適宜見直ししていくことで、事業リスクにつながるような大きな事務リスクの顕在化を防止しております。
当行が利用しているコンピュータシステムの停止または誤作動等、システムの不備等の事態が発生した場合、業務が遂行できず、経営成績に影響を与える可能性があります。これに対応するため、「セキュリティポリシー」「システムリスク管理規程」を定め、システムリスクへの体制・対応を整備しつつ、大規模な障害時は、「システム障害対応計画」により対応を行うこととしています。また、ホストオンラインシステム・インターネットバンキングシステムについては、バックアップセンターを設置し、災害時にも業務継続できるよう対策を講じております。
自己資本比率は、法令等に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。当行グループは、国内基準を適用しており、自己資本比率を4%以上に維持することを求められております。
当行グループの自己資本比率が4%を下回った場合には、業務の全部または一部の停止命令を含む早期是正措置等が発動されることとなります。
当行グループでは、繰延税金資産を現時点の会計基準に基づいて計上しております。この繰延税金資産の計算は、将来の課税所得に関する様々な予測・仮定に基づいており、実際の結果がかかる予測・仮定とは異なる可能性があります。法令等の改正により法人税率等の引下げが行われた場合、あるいは、当行グループが将来の課税所得の予測・仮定に基づいて繰延税金資産の一部または全部の回収ができないと判断した場合、繰延税金資産を減額することとなり、その結果、当行グループの業績や財務内容に影響を与えるとともに、自己資本比率の低下につながる可能性があります。
当行グループの退職給付費用及び債務は、割引率等の数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響額は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。今後の割引率や運用利回りの変動によっては、当行グループの業績と財務内容に影響を及ぼす可能性があります。
当行グループが保有する固定資産については、「固定資産の減損に関する会計基準」(企業会計審議会)を適用しております。保有する固定資産は、使用範囲又は方法の変更、市場価格の著しい下落、収益性の低下などにより減損損失を計上し、当行グループの業績と財務内容に影響を及ぼす可能性があります。
当行は外部格付機関より格付を取得しておりますが、外部格付機関が格付を引き下げた場合、当行の資金調達等に影響を及ぼす可能性があります。主に預金流出や株式の売却が想定されますが、その場合、預金流出防止のための預金金利引上げにより資金調達コストが上昇し、当行の業績と財務内容に影響を及ぼす可能性があります。当行は経営に関する指標や情報について、適切かつタイムリーな開示に努め、経営の透明性を高めてまいります。
当行グループに関して事実に基づかない風評等により預金の流出が発生した場合、預金流出防止のための預金金利の引上げにより資金調達コストが上昇し、当行グループの業績と財務内容に影響を及ぼす可能性があります。当行グループは非常事態や突発的なリスク対応のための行内ガバナンス態勢の整備を図るとともに、有事を想定した訓練等を日ごろから実施しております。
③情報漏洩
当行グループは、業務上、多数の顧客情報を保有しておりますが、法令等に則り内部規程を定め情報管理の徹底を図っております。こうした情報が万一漏洩した場合には、当行グループの業務運営や業績に影響を及ぼす可能性があります。
当行グループの業務遂行が法令等に違反したものであった場合、訴訟の提起や行政処分を受ける可能性があります。また、行政処分等によって当行グループの業務遂行が停止した場合には、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当行グループは、内部統制システム構築の基本方針に基づいて、役職員の職務執行の法適合性を確保するため、コンプライアンス基本方針及びコンプライアンス・マニュアルを制定しコンプライアンス重視の組織風土の醸成に取り組み、その実践においてはコンプライアンス・プログラムに基づいて実施しております。
将来における法令等の改正並びに、政策、法令解釈及び実務慣行等の変更により、当行グループの業務遂行に影響を及ぼすリスクがあり、当該リスクが顕在化した場合には、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。法令等の改正などにおいては、全ての部門が組織横断的に連携して対応にあたり、その進捗及び結果については経営陣へ報告がなされております。
当行グループの主要な事業拠点やシステム拠点がある地域において、大規模な震災、自然災害等が発生した場合、事業活動に支障が生じ、業績や財務内容に影響を及ぼす可能性があります。大規模災害発生時は、緊急対策本部を設置し、「業務継続基本規程」や「システム障害対応計画」に基づき、初動対応や業務継続に向けた取組みを行うこととしています。
今般世界的に拡大している新型コロナウイルス感染症等の感染症の流行により、地域の経済活動が停滞し、当行グループの事業活動に支障が生じ、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(新型コロナウイルス感染症について)
今般の新型コロナウイルス感染症の拡大及び長期化により、国内の経済活動が大きな影響を受けており、当行グループの事業活動にも影響を及ぼしております。当行グループでは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたお客さまを全力で支援するために「金融相談窓口」を設置し、資金繰りを含めた経営に関するご相談や、住宅ローンの返済に関するご相談等の総合的な金融サービスの提供による支援に取り組んでおります。しかしながら、今後、新型コロナウイルス感染症の影響がさらに拡大及び長期化する場合には、信用コストの増加等により、財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。
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