(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当行グループ(当行及び連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営環境
2021年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響を大きく受けながらも、全体としては緩やかな持ち直しの動きをたどりました。
昨年5月をピークとする第四波、8月をピークとする第五波、今年2月をピークとする第六波と、繰り返し新型コロナウイルスの感染拡大に見舞われるなか、緊急事態宣言の発出や解除にも影響され、個人消費は一進一退となりました。ただし、企業収益は、原油価格の高騰等による下押しをうけつつも持ち直し、設備投資は、前年からの繰越需要が顕在化して緩やかな増加傾向をたどりました。一方、いち早く復調した米中経済のけん引等により、企業の生産活動は当初は増加基調となりましたが、半導体不足に加え、世界的な感染拡大の影響も重なって、人手不足や物流の停滞から供給制約が強まったため、年央以降はやや弱含みとなりました。また、雇用・所得環境は、失業率が近年のなかでは高水準となるなど、厳しさが残る状況が続きました。
当行グループの主要営業基盤である山形県内経済も、企業の生産活動を中心に緩やかな持ち直しの動きをたどりましたが、後半にかけては持ち直しペースの鈍化が目立ちました。
企業の生産活動は、主力の電子部品・デバイスや一般機械を中心に、前年を上回る水準での推移が続き、設備投資や住宅投資は、前年の落ち込みの反動もあって持ち直しの動きをたどりました。こうしたなか、雇用・所得環境は、折からの人手不足を背景に、製造業を中心に改善傾向となりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大によって、今年1月から2月にかけて初めて県内で「まん延防止等重点措置」が適用されたことなどもあり、当初は底堅く推移していた個人消費は、後半にかけて弱含みとなりました。
金融面をみますと、日本銀行による「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」政策の継続によるマイナス金利の影響から、金融機関が資金のやり取りを行うコール市場における無担保翌日物金利(短期金利)は、おおむね△0.05%から△0.01%で推移しましたが、資金需要の高まりから、期末には0%近傍まで上昇しました。10年物国債利回り(長期金利)は、米国の早期利上げ観測をうけて年明け以降一段と上昇圧力が高まり、長期金利の変動幅上限とする0.25%に近づいたため、期末にかけて連続指値オペが初めて実施されて、期末には0.21%となりました。円相場は、内外金利差が拡大するなかで円安ドル高傾向が強まり、期末にかけては約6年ぶりに120円台での推移となりました。こうしたなか、日経平均株価は、昨年9月には30,000円台を回復して約31年ぶりの高値圏に上昇しましたが、その後は弱含み、今年2月下旬以降はロシアのウクライナ侵攻への警戒感から24,000円台まで下落し、期末にはやや反発して28,000円前後の水準となりました。
こうした環境のなか、当行グループは、株主の皆さまはもとより、お客さまのご支援のもと、役職員一体となり一層の経営体質強化と業績向上努力を継続しました結果、当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりとなりました。
② 財政状態
ア.貸出金
貸出金は、当連結会計年度中306億円減少し、当連結会計年度末残高は1兆7,091億円となりました。地方公共団体向けや個人向け貸出が減少しました。
イ.有価証券
有価証券は、投資信託などの収益が見込まれる資産への投資を進めた結果、当連結会計年度中1,859億円増加し、期末残高は1兆875億円となりました。
ウ.預金等(譲渡性預金含む)
預金ならびに譲渡性預金は、個人預金や法人預金の増加などにより、当連結会計年度中1,438億円増加し、当連結会計年度末残高は2兆8,040億円となりました。また、預かり金融資産は、投資信託の増加を主因に、全体では当連結会計年度中126億円増加し、当連結会計年度末残高は2,910億円となりました。なお、生命保険は有効契約残高にて集計しております。
エ.純資産
純資産の部は、その他有価証券評価差額金が減少したことなどから、当連結会計年度中61億円減少し、当連結会計年度末残高は1,556億円となりました。
③ 経営成績
ア.損益状況
経常収益は、有価証券利息配当金などの資金運用収益の増加を主な要因として、前連結会計年度比28億0百万円増収の440億26百万円となりました。経常費用は、国債等債券売却損などのその他業務費用の増加を主因に前連結会計年度比21億50百万円増加し、385億36百万円となりました。この結果、経常利益は前連結会計年度比6億50百万円増益の54億89百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同5億45百万円増益の33億98百万円となりました。
イ.セグメント業績
銀行業では、経常収益は前連結会計年度比27億49百万円増加し、373億31百万円となり、セグメント利益は同4億19百万円増加し、47億49百万円となりました。リース業では、経常収益は前連結会計年度比31百万円増加し、60億47百万円となり、セグメント利益は同55百万円増加し、2億61百万円となりました。信用保証業では、経常収益は前連結会計年度比28百万円減少し、9億18百万円となり、セグメント利益は同20百万円減少し、6億66百万円となりました。また、その他事業では、経常収益は前連結会計年度比19百万円増加し、15億23百万円となり、セグメント利益は同88百万円増加し、2億94百万円となりました。
④ キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、預金や借用金の増加などから、4,502億円の収入(前連結会計年度比100億円収入増)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出が有価証券の売却・償還による収入を上回ったことなどから、1,946億円の支出(前連結会計年度比617億円支出増)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払などから、15億円の支出(前連結会計年度比5億円支出増)となりました。
以上から、現金及び現金同等物は当連結会計年度中2,540億円増加し、当連結会計年度末残高は6,359億円となりました。
(国内・国際部門の状況)
(1) 国内・国際業務部門別収支
(国内業務部門)
資金運用収支は、資金運用収益が前連結会計年度に比べ26億64百万円増加し、資金調達費用が同93百万円減少したため、同27億57百万円増加し、242億29百万円となりました。
役務取引等収支は、役務取引等収益が前連結会計年度に比べ2億81百万円増加し、役務取引等費用が同1億16百万円減少したため、同3億97百万円増加し、52億18百万円となりました。
その他業務収支は、その他業務収益が前連結会計年度に比べ7百万円減少し、その他業務費用が同14億73百万円増加したため、同14億80百万円減少し、△20億68百万円となりました。
(国際業務部門)
資金運用収支は、資金運用収益が前連結会計年度に比べ4億53百万円増加し、資金調達費用が同63百万円減少したため、同5億17百万円増加し、21億39百万円となりました。
役務取引等収支は、役務取引等収益が前連結会計年度に比べ4百万円減少し、役務取引等費用が同15百万円増加したため、同20百万円減少し、△0百万円となりました。
その他業務収支は、その他業務収益が前連結会計年度に比べ2億58百万円減少し、その他業務費用が同2億39百万円増加したため、同4億97百万円減少し、△3億95百万円となりました。
(注) 1. 「国内」とは、国内店の円建取引及び国内(連結)子会社の取引であります。
2. 「国際」とは、国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は「国際」に含めております。
3. 相殺消去額は、「国内業務部門」と「国際業務部門」の間の資金貸借の利息であります。
(2) 国内・国際業務部門別資金運用/調達の状況
国内業務部門においては、資金運用勘定は主に貸出金、有価証券で構成されております。前連結会計年度に比べ平均残高は4,769億36百万円増加し、3兆65億72百万円となりました。資金調達勘定は主に預金、譲渡性預金で構成されております。前連結会計年度に比べ平均残高は4,779億32百万円増加し、3兆748億5百万円となりました。
国際業務部門においては、資金運用勘定は有価証券、貸出金、コールローンで構成されております。前連結会計年度に比べ平均残高は426億34百万円増加し、1,818億61百万円となりました。資金調達勘定は預金、コールマネー、債券貸借取引受入担保金で構成されております。前連結会計年度に比べ平均残高は423億90百万円増加し、1,820億44百万円となりました。
① 国内業務部門
(注) 1. 平均残高は、原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、金融業以外の国内(連結)子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
2. 「国内」とは、国内店の円建取引、及び国内(連結)子会社の取引であります。
② 国際業務部門
(注) 「国際」とは、国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は「国際」に含めております。
③ 合計
(注) 平均残高および利息の相殺消去額は、「国内業務部門」と「国際業務部門」の間の資金貸借であります。
(3) 国内・国際業務部門別役務取引の状況
国内業務部門においては、役務取引等収益は前連結会計年度に比べ2億81百万円増加し、76億57百万円となりました。役務取引等費用は前連結会計年度に比べ1億16百万円減少し、24億38百万円となりました。
国際業務部門においては、役務取引等収益は主に為替取引で構成されております。前連結会計年度に比べ4百万円減少し、42百万円となりました。役務取引等費用は前連結会計年度に比べ15百万円増加し、42百万円となりました。
(注) 1. 「国内」とは、国内店の円建取引及び国内(連結)子会社の取引であります。
2. 「国際」とは、国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は「国際」に含めております。
(4) 国内・国際業務部門別預金残高の状況
○ 預金の種類別残高(末残)
(注) 1. 「国内」とは、国内店の円建取引及び国内(連結)子会社の取引であります。
2. 「国際」とは、国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は「国際」に含めております。
(5) 国内・国際業務部門別貸出金残高の状況
① 業種別貸出状況(末残・構成比)
(注) 「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内(連結)子会社であります。
② 外国政府等向け債権残高(国別)
該当する債権はありません。
(6) 国内・国際業務部門別有価証券の状況
○ 有価証券残高(末残)
(注)1.「国内」とは、国内店の円建取引及び国内(連結)子会社の取引であります。
2.「国際」とは、国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引は「国際」に含めております。
3.「その他の証券」には、外国債券及び外国株式を含んでおります。
(参考)
(注) 1. 業務粗利益=資金運用収支+役務取引等収支+その他業務収支
2. コア業務純益=実質業務純益-債券関係損益-金融派生商品損益(債券関係)
3. 業務純益=業務粗利益-経費(除く臨時処理分)-一般貸倒引当金繰入額
4. 債券関係損益=国債等債券売却益+国債等債券償還益-国債等債券売却損-国債等債券償還損-国債等債券償却
5. 株式等関係損益=株式等売却益-株式等売却損-株式等償却
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準) (単位:億円、%)
単体自己資本比率(国内基準) (単位:億円、%)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。なお、区分対象となる社債のうち、「その他有価証券」目的で保有しているものは、時価(貸借対照表計上額)で区分されております。
1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3 要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
「生産、受注及び販売の状況」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当行グループが判断したものであります。
また、新型コロナウイルスの感染拡大により、当行グループの主要営業基盤である山形県内経済は、年度後半にかけて持ち直しペースの鈍化が目立ちましたが、当連結会計年度における当行グループの業績への大きな影響は見られておりません。今後については、その収束には相応の期間を要し、営業基盤地域の経済活動に一定の影響を与えるものと判断しております。
① 財政状態
ア.主要勘定の状況
預金等(譲渡性預金含む)の期中平均残高については、個人預金および法人預金が増加したことから当連結会計年度中1,668億38百万円増加し、2兆7,100億52百万円となりました。
これは、新型コロナウィルス感染症により、個人消費が落ち込み個人預金が増加したこと、および事業活動が停滞し安全性を確保するため法人預金が増加した結果であります。
貸出金の期中平均残高については、地方公共団体向け貸出が減少したことなどから当連結会計年度中272億65百万円減少し、1兆7,014億15百万円となりました。
これは、債券による引受が主だったことにより減少した結果であります。
有価証券の期中平均残高については、国債は減少したものの、投資信託や外国債券が増加したことなどから、当連結会計年度中1,371億0百万円増加し、9,850億71百万円となりました。
これは、国内外の投資環境や市場動向に留意しながら、国債への再投資を抑制する一方、投資信託などの収益が見込まれる資産への投資を進めた結果であります。
なお、リスク管理債権残高については、当連結会計年度中34億61百万円減少し、213億17百万円となりました。また、総与信残高に占める比率については、当連結会計年度中0.17ポイント低下し、1.22%となり、引き続き良好な水準を維持しております。
これは、厳格な基準に基づいた自己査定を実施するとともに、お取引先の経営改善支援に積極的に取り組んだ結果であります。
(注)表中( )内は、総与信残高に占める比率であります。
② 経営成績
ア.連結業務粗利益
連結業務粗利益は、その他業務収支は減少したものの、資金運用収支や役務取引等収支が増加したことから、前連結会計年度比16億75百万円増加し、291億24百万円となりました。
資金運用収支は、前連結会計年度比32億75百万円増加し、263億69百万円となりました。これは、貸出金利息収入が減少したものの、有価証券利息配当金収入が増加したためであります。
役務取引等収支は、前連結会計年度比3億77百万円増加し、52億18百万円となりました。これは、預かり資産関連手数料や法人関連手数料などが増加したためであります。
その他業務収支は、前連結会計年度比19億78百万円減少し、△24億64百万円となりました。これは、国債等債券売却損等のその他業務費用が増加したためであります。
イ.連結業務純益(一般貸倒引当金繰入前)
連結業務純益(一般貸倒引当金繰入前)は、連結業務粗利益の増加や営業経費が減少したことなどから、前連結会計年度比14億18百万円増加し、71億18百万円となりました。
ウ.経常利益
経常利益は、連結業務純益(一般貸倒引当金繰入前)が増加したことなどから、前連結会計年度比6億50百万円増加し、54億89百万円となりました。
エ.親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益が増加したことなどから、前連結会計年度比5億45百万円増加し、33億98百万円となりました。
<主要な損益の状況の増減状況>
オ.業績の達成状況
2021年5月13日に公表しました当連結会計年度の業績予想と実績について、経常利益は、資金運用収支や役務取引等収支が増加したことなどから、業績予想比22億89百万円増加の54億89百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の増加などから、業績予想比13億98百万円増加の33億98百万円となりました。
カ.セグメント業績
銀行業では、経常収益は前連結会計年度比27億49百万円増加し、373億31百万円となり、セグメント利益は同4億19百万円増加し、47億49百万円となりました。リース業では、経常収益は前連結会計年度比31百万円増加し、60億47百万円となり、セグメント利益は同55百万円増加し、2億61百万円となりました。信用保証業では、経常収益は前連結会計年度比28百万円減少し、9億18百万円となり、セグメント利益は同20百万円減少し、6億66百万円となりました。また、その他事業では、経常収益は前連結会計年度比19百万円増加し、15億23百万円となり、セグメント利益は同88百万円増加し、2億94百万円となりました。
今後においても、当行グループ一体となって「総合金融サービス力」を強化し、収益力の向上に取り組んでまいります。
③ キャッシュ・フローの状況
当行グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローについては、預金や借用金の増加などから、4,502億円の収入(前連結会計年度比100億円収入増)となりました。また、投資活動によるキャッシュ・フローについては、有価証券の取得による支出が有価証券の売却・償還による収入を上回ったことなどから、1,946億円の支出(前連結会計年度比617億円支出増)となりました。さらに、財務活動によるキャッシュ・フローについては、配当金の支出等により15億円の支出(前連結会計年度比5億円支出増)となりました。
その結果、現金及び現金同等物は当連結会計年度中2,540億円増加し、当連結会計年度末残高は6,359億円となりました。
なお、当面の設備投資や株主還元等については自己資金で対応する予定であります。
④ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当行グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の見積りの判断が当行グループの財政状態および経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(貸倒引当金)
当行グループにおける貸出金、支払承諾見返等の債権の残高は多額であり、経営成績等に対する影響が大きいため、会計上の見積りにおいて重要なものと判断しております。
貸倒引当金は、将来の貸倒れによる予想損失額を、債務者区分、債権の保全状況及び過去の貸倒実績率等を基礎に算出し計上しております。また、債務者区分は、債務者の業績、財務内容及び返済状況等の実績、並びにこれらの将来見通し等に基づき判定しております。
貸倒引当金の算出に係る仮定は、債務者区分の判定における個別債務者の業績等の将来見通し、担保の処分可能見込額の算定に使用する担保掛目、過去の貸倒実績率等に基づく予想損失率、破綻懸念先の予想損失額の算定における合理的に見積られたキャッシュ・フローであります。なお、債務者区分の判定において、債務者が経営改善計画等を作成している場合には、当該経営改善計画等の評価も考慮の上、業績等の将来見通しを仮定しております。また、新型コロナウイルス感染症の収束時期とその影響について一定の仮定を設けております。
当行グループの貸倒引当金の具体的な算定方法等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(固定資産の減損)
当行グループは、固定資産のうち営業利益の減少によるキャッシュ・フローの低下、地価の下落及び店舗統廃合の決定等の減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しており、会計上の見積りにおいて重要なものと判断しております。
固定資産の減損に係る仮定は、割引前将来キャッシュ・フロー及び割引率であります。
割引前将来キャッシュ・フローは、金利低下や人口動態による将来的な収益減少を加味し保守的に算出しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産)
当行グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できること等に基づき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しており、会計上の見積りにおいて重要なものと判断しております。
繰延税金資産の計上に係る仮定は、将来の利益計画に基づく課税所得、将来減算一時差異及び将来加算一時差異の解消時期と金額であります。
繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
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