当連結会計年度における当行グループ(当行及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
2021年度のわが国経済につきましては、新型コロナウイルス感染症が世界的に再拡大する中、企業収益や雇用・所得環境の低迷等によって消費マインドが低下するなど、厳しい状況が続きました。しかしながら、秋口からは海外経済の回復や各種政策効果にも支えられ、供給制約の影響を残しつつも、生産・輸出が増加するなど基調としては持ち直しつつあります。ただし、ロシアのウクライナ侵攻により地政学的リスクや資源価格の大幅上昇などインフレリスクが高まっているほか、新たな変異株による感染拡大も懸念されるなど不確実性は高く、先行きについては下振れリスクが大きいと考えられます。
この間、金融・為替市場では、秋口以降、欧米の金融緩和政策の変更に向けた動向によって不安定な動きが続いており、特に年度末にかけては米国長期金利の上昇から大きく円安が進行しました。
県内経済につきましては、基調としては持ち直しの動きがみられるものの、国内景気と同様、感染症の再拡大により、厳しい景況感が続いております。
このような環境下、当期につきましても、新型コロナウイルス感染症への対応を最優先課題として継続し、感染防止に努めるとともに、お客さまへのきめ細やかな資金繰りのご相談をはじめ経営支援に全力で取組みました。また、長期経営計画「As One」の最終ステージにあたり、基本戦略「構造改革と永代取引の進化」のもと、さまざまな施策に取組みました。
こうした中、当連結会計年度の経営成績等につきましては、次のとおりとなりました。
預金及び預かり資産につきましては、お客さまの多様化するニーズへの対応に努め、お取引の拡大を図りました。この結果、譲渡性預金を含めた預金は、法人預金が減少したものの、個人預金・公金預金は順調に増加したことから、前連結会計年度末比817億円増加し、当連結会計年度末残高は3兆3,005億円となりました。預かり資産の残高は、個人年金保険等が前連結会計年度末比101億円増加し、当連結会計年度末残高は2,344億円となりました。また、野村證券株式会社旧徳島支店からの移管口座を含めた金融商品仲介業務における預かり資産残高につきましては、8,355億円となりました。
※当行の証券口座(公共債・投資信託)は、野村證券株式会社との金融商品仲介業務における包括的業務提携(以下、「野村證券との提携」という。)により、2021年6月21日に野村證券株式会社を委託元とする金融商品仲介口座へ移管いたしました。なお、野村證券仲介口座につきましては、2021年6月末比115億円増加の8,240億円となりました。
貸出金につきましては、地域密着型金融を推進する中、さまざまな資金ニーズに積極的にお応えした結果、前連結会計年度末比301億円増加し、当連結会計年度末残高は2兆1,170億円となりました。
有価証券につきましては、投資信託の増加を主因として、当連結会計年度末の有価証券残高は前連結会計年度末比307億円増加し、1兆318億円となりました。また、当連結会計年度末の有価証券の評価損益は、海外金利の上昇により外国証券を中心に下落したことなどから、前連結会計年度末比213億円減少し、854億円の評価益となりました。
当連結会計年度の損益につきましては、経常収益は、有価証券利息配当金など資金運用収益が増収となったことに加え、野村證券との提携が本格的にスタートし、役務取引等収益も増収となったことから、前連結会計年度比23億50百万円増収の679億38百万円となりました。
一方、経常費用は、野村證券との提携などにより営業経費が増加したものの、与信費用が減少したことなどから、前連結会計年度比11億20百万円減少の518億3百万円となりました。
この結果、経常利益は、前連結会計年度比34億71百万円増益の161億34百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比26億13百万円増益の111億12百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
銀行業の経常収益は、役務取引等収益の増収などから、前連結会計年度比25億49百万円増収の538億52百万円となり、経常利益は、前連結会計年度比36億12百万円増益の158億73百万円となりました。
リース業の経常収益は、リース売上高の減収から、前連結会計年度比82百万円減収の149億48百万円となり、経常利益は、前連結会計年度比20百万円減益の7億81百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、預金の増加などにより、966億72百万円のプラスとなりました。前連結会計年度比では2,048億84百万円の減少となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出が売却及び償還による収入を上回ったことなどにより、370億30百万円のマイナスとなりました。前連結会計年度比では838億61百万円の減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い及び自己株式の取得などにより、22億67百万円のマイナスとなりました。前連結会計年度比では1億71百万円の増加となりました。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比573億78百万円増加し、6,886億5百万円となりました。
当連結会計年度の資金運用収支は、有価証券利息配当金の増収などから、前連結会計年度比17億円増益の371億円となりました。
また、役務取引等収支は、野村證券との提携による役務取引等収益の増収などから、前連結会計年度比13億円増益の83億円となりました。
その他業務収支は、国債等債券損益の減益などから、前連結会計年度比9億円減益の12億円となりました。
(注) 1 国内業務部門は国内店の円建取引、国際業務部門は国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分は国際業務部門に含めております。
2 相殺消去額は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。
3 資金調達費用は金銭の信託運用見合額の利息(前連結会計年度―百万円、当連結会計年度0百万円)を除して表示しております。
当連結会計年度の資金運用勘定の平均残高は、貸出金等が増加したことから前連結会計年度比3,340億円増加の3兆5,601億円となりました。
また、資金調達勘定の平均残高は、預金等が増加したことから前連結会計年度比3,126億円増加の3兆4,666億円となりました。
利回りでは、資金運用勘定の利回りは、貸出金利回り等の低下から前連結会計年度比0.08ポイント低下の0.93%となり、資金調達勘定の利回りは、前連結会計年度と同水準の0.02%となりました。
この結果、資金運用利息は、前連結会計年度比7億円増収の333億円、資金調達利息は、前連結会計年度比1億円減少の8億円となりました。
(注) 1 国内業務部門は国内店の円建取引であります。
2 平均残高は日々の残高の平均に基づいて算出しております。
3 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度16,041百万円、当連結会計年度18,508百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度―百万円、当連結会計年度82百万円)及び利息(前連結会計年度―百万円、当連結会計年度0百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
当連結会計年度の資金運用勘定の平均残高は、貸出金及び有価証券が増加したことから、前連結会計年度比535億円増加の3,021億円となりました。
一方、利回りについては、貸出金利回りの低下などから、前連結会計年度比0.18ポイント低下の1.79%となりました。
この結果、資金運用利息は、前連結会計年度比5億円増収の54億円となりました。
(注) 1 国際業務部門は国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分は国際業務部門に含めております。
2 平均残高は日々の残高の平均に基づいて算出しております。
3 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度162百万円、当連結会計年度147百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度―百万円、当連結会計年度―百万円)及び利息(前連結会計年度―百万円、当連結会計年度―百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
4 国際業務部門の国内店外貨建取引の平均残高は、月次カレント方式(前月末TT仲値を当該月のノンエクスチェンジ取引に適用する方式)により算出しております。
(注) 1 平均残高は日々の残高の平均に基づいて算出しております。
2 資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度16,203百万円、当連結会計年度18,656百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度―百万円、当連結会計年度82百万円)及び利息(前連結会計年度―百万円、当連結会計年度0百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
3 相殺消去額は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息であります。
当連結会計年度の役務取引等収益は、前連結会計年度比14億円増益の95億円となりました。
種類別では、証券関連業務は13億円増収の24億円、代理業務は1億円減収の10億円となりました。
(注) 国内業務部門は国内店の円建取引、国際業務部門は国内店の外貨建取引であります。ただし、円建対非居住者取引、特別国際金融取引勘定分は国際業務部門に含めております。
(注) 「各種サービス業」の内訳は、「学術研究,専門・技術サービス業」「宿泊業」「飲食業」「生活関連サービス業,娯楽業」「教育,学習支援業」「医療・福祉」「その他のサービス」となっております。
「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は提出会社1社であります。
(自己資本比率の状況)
(参考)
自己資本比率は、銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(2006年金融庁告示第19号)に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当行は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては標準的手法を、オペレーショナル・リスク相当額の算出においては、粗利益配分手法を採用しております。
(単位:百万円、%)
(単位:百万円、%)
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(1998年法律第132号)第6条に基づき、当行の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(1948年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2 危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3 要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4 正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
「生産、受注及び販売の状況」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
経営者の視点による当行グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は以下のとおりであります。
なお、当行グループにおいては、銀行業が大部分を占めるため、当該銀行業を中心に記載しております。
また、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。
当連結会計年度の損益につきましては、有価証券利息配当金の増収及び資金調達費用の減少などにより資金利益が増益となったことや、役務取引等利益も増益となったことなどから、連結コア業務純益は、前連結会計年度比15億51百万円増益の184億29百万円となりました。また、臨時的な性格のある投資信託解約損益を除いた連結コア業務純益(除く投資信託解約損益)は、前連結会計年度比19億11百万円の増益となりました。
経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は、有価証券関係損益は減益となったものの与信費用が減少したことから、それぞれ前連結会計年度比34億71百万円増益の161億34百万円、同26億13百万円増益の111億12百万円となりました。
コア業務粗利益は、資金利益、役務取引等利益及びその他業務利益(債券関係損益を除く)で構成され、当行グループの基本的な利益を測る重要な指標であると認識しております。当連結会計年度におきましては、資金利益、役務取引等利益及びその他業務利益(債券関係損益を除く)が増益となったことから、前連結会計年度比32億93百万円の増益となりました。
資金運用勘定の平均残高においては貸出金及び有価証券が大部分を占めており、これを源泉とする貸出金利息及び有価証券利息配当金は、資金利益を構成する項目の中で最も重要な項目であると認識しております。当連結会計年度の資金利益は、前連結会計年度比17億93百万円の増益となりました。内容は以下のとおりであります。
貸出金利息につきましては、前連結会計年度に続き増収となりました。これは、長期にわたる金利低下が続く中、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたお客さまの資金繰り支援に全力で取組んだほか、事業性評価に基づき、さまざまな資金ニーズに積極的にお応えした結果、貸出金残高が増加したためであり、一定の評価をしております。今後も、事業性評価を軸として企業支援に取組み、より付加価値の高いサービスの提供に努めてまいります。
有価証券利息配当金につきましては、マイナス金利の長期化により、収益確保のため投資対象の選定が重要となっております。当連結会計年度におきましては、投資信託解約益が減益となったものの、株式の配当金が増収となったことなどから、前連結会計年度比6億75百万円の増収となりました。
資金調達費用につきましては、外貨調達費用の減少などにより、前連結会計年度比5億1百万円の減少となりました。
当行グループが掲げる「永代取引」を実践するためには、取扱商品の多様化や人材の育成等、総合金融サービス機能の高度化が不可欠であります。お客さまの課題解決のために提供するさまざまなサービス提供の成果である役務取引等利益は、収益構造の観点からも重要な分野であると認識しております。
当連結会計年度は、預かり資産関連業務において、野村證券との提携により預金・証券・保険の総合金融サービス機能の高度化を図ることで、一生涯を通じてお客さまの人生設計をサポートし、お客さまの資産を守り育て、豊かさの実現をめざすファミリーサポート営業を強化しました。利回りの低下により個人年金保険等保険代理業務に係る手数料は減少しましたが、証券関連業務手数料が大幅に増加しました。この結果、当連結会計年度の役務取引等利益は、前連結会計年度比13億58百万円の増益となりました。
当行グループが継続的に発展していくためには、サービスの品質向上及び業務効率化等への取組みが必要であると認識しております。当連結会計年度におきましては、野村證券との提携に伴い、出向者分費用など人件費や物件費が増加したことから、当連結会計年度の経費は前連結会計年度比17億41百万円増加いたしました。
修正ОHRは、コア業務粗利益が増益となったことから0.65ポイント改善し、61.63%となりました。効率的な業務運営により、引続き修正OHRの改善に努めてまいります。
(注) 修正OHR(経費率)=経費÷コア業務粗利益
有価証券関係損益は、前連結会計年度比10億9百万円減益となりました。
実質与信費用は、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮し予防的な引当強化を実施した一方、企業倒産が低水準で推移したことなどから、前連結会計年度比27億74百万円減少しました。
貸出金は、新型コロナウイルス感染症への対応として資金繰り支援に全力で取組んだほか、事業性評価に基づき、さまざまな資金ニーズにお応えした結果、幅広い業種で残高が増加しました。当連結会計年度末残高は2兆1,170億円となり、前連結会計年度末比301億円増加しました。今後も引続きさまざまな資金ニーズにお応えし、主力の中小企業向け貸出金の増強に注力してまいります。
有価証券は、投資信託の増加を主因として、前連結会計年度末比307億円増加し、当連結会計年度末残高は1兆318億円となりました。
また、有価証券評価損益は、海外金利の上昇により外国証券を中心に下落したことなどから、前連結会計年度末比213億円減少し、評価益は854億円となりました。
有価証券残高(末残)
有価証券評価損益
(注) 連結貸借対照表の「有価証券」のほか、「買入金銭債権」中の信託受益権を含めて記載しております。
譲渡性預金を含めた預金は、個人預金及び公金預金が順調に増加したことから、前連結会計年度末比817億円増加し、当連結会計年度末残高は3兆3,005億円となりました。
野村證券との提携により、野村證券株式会社の取扱商品・サービスをはじめ預金や保険も含めた付加価値の高い総合金融サービスをワンストップでご提供できるようになりました。なお、野村證券仲介口座につきましては、2021年6月末比115億円増加の8,240億円となりました。
また、当連結会計年度末の譲渡性預金を含めた預金、個人年金保険等及び金融商品仲介口座残高の合計は、4兆3,705億円となりました。引続き多様な資金運用ニーズに対応できるよう注力してまいります。
預金等残高
預かり資産残高
(注)1 当行の証券口座(国債等・投資信託)は、野村證券との提携により、2021年6月21日に野村證券株式会社を委託元とする金融商品仲介口座へ移管いたしました。当連結会計年度の野村證券仲介口座残高は、当行と野村證券株式会社旧徳島支店からの移管口座の残高等を合算して記載しております。
2 四国アライアンス証券㈱・大和証券㈱・㈱SBI証券を委託元とする金融商品仲介口座であります。
経営改善支援など中小企業金融の円滑化に継続して取組む中、債務者区分の見直しにより、リスク管理債権残高は、前連結会計年度末比39億円増加し、当連結会計年度末残高は514億円となりました。
また、リスク管理債権比率は2.37%と、前連結会計年度末比0.16ポイント上昇いたしました。
リスク管理債権残高
(注) リース債権及びリース投資資産を含んでおります。
リスク管理債権比率
(注)「銀行法施行規則等の一部を改正する内閣府令」(2020年1月24日内閣府令第3号)が2022年3月31日から施行されたことに伴い、銀行法の「リスク管理債権」の区分等を、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律に基づく開示債権の区分等に合わせて表示しております。これに伴い、前連結会計年度の銀行法の「リスク管理債権」の区分等も、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律に基づく開示債権の区分等に合わせて表示しております。
連結自己資本比率は、内部留保の充実や保有資産の健全性を受け、前連結会計年度末比0.09ポイント上昇し、11.31%となり、引続き高い水準を維持しております。
(単位:百万円、%)
営業活動によるキャッシュ・フローは、預金の増加などにより、966億72百万円のプラスとなりました。前連結会計年度比では2,048億84百万円の減少となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の取得による支出が売却及び償還による収入を上回ったことなどにより、370億30百万円のマイナスとなりました。前連結会計年度比では838億61百万円の減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い及び自己株式の取得などにより、22億67百万円のマイナスとなりました。前連結会計年度比では1億71百万円の増加となりました。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比573億78百万円増加し、6,886億5百万円となりました。
銀行業における資金調達の中心は、お客さまからの預金であります。当連結会計年度においては、コロナ禍における消費・投資の減少や手元資金を確保する傾向が続き個人預金を中心に預金残高が増加し、貸出金及び有価証券の運用に対して、安定した資金調達を維持しております。一方で、新型コロナウイルス感染症の影響を受けたお客さまの資金繰り支援や新たな資金需要に対して今後も安定的に対応していく必要があるため、引続き流動性及び自己資本の確保に努めてまいります。外貨建貸出金及び外貨建有価証券の運用につきましても、外貨建預金の増強等により安定した資金調達に努めております。
なお、日本銀行によるマイナス金利政策の導入により、余剰資金である日銀預け金にはマイナス金利が付されることとなっておりますが、当行は増加した預金についてお客さまの資金繰り支援のための貸出金等として積極的な運用を行っているため、直接的なマイナス金利の影響は限定的なものとなっております。
店舗等設備につきましては、翌連結会計年度以後、店舗新築及び事務機器等(ソフトウエアを含む)の新設などから54億円の資本的支出を予定しておりますが、その資金につきましては自己資金にて対応する予定であります。
配当金の支払いにつきましては、当行は株主への利益還元を重要な経営課題として認識しており、年間25円(中間・期末各12円50銭)を安定配当として堅持しつつ、これに各期の業績に応じた加算をしてお支払することとしております。引続き内部留保と配当のバランスを取りながら、株主各位に対し安定的かつ積極的な利益還元を継続してまいります。
以上のとおり、安定した資金調達と計画的な資金運用により資金の流動性は安定して推移しております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りのうち、重要なものは「貸倒引当金」であります。また、当該見積に用いた仮定のうち重要なものは、「債務者の将来の業績見通し」であります。これらの事項につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。なお、当行グループは、現時点では貸倒引当金について十分な計上を行っており、その計上基準は適正であると認識しております。
新型コロナウイルス感染症の影響は、感染再拡大により2021年度も営業活動に一定の制約が生じました。こうした中、野村證券との提携が本格的にスタートし、役務取引等利益につきましては、前連結会計年度比13億58百万円の増益となりました。また、実質与信費用は、各種政策による支援などにより企業倒産が低水準で推移したことなどから、前連結会計年度比27億74百万円減少しました。
「新型コロナウイルス感染症拡大に伴う経済への影響」は、2022年度は、全体としては前年度並み若しくは若干低下するものの、「宿泊業」、「飲食業」など特定の業種においては依然として影響が大きいと予想しております。「宿泊業」、「飲食業」など特定の業種の債務者については、他の業種と比べて信用リスクが高まると仮定し、貸倒引当金を算定し、追加引当額785百万円を計上しました。個々のお客さまへの影響は業種や事業規模に応じてさまざまであるため、引続きそれぞれのお客さまに寄り添い課題解決に取組むとともに、お客さまの経営実態を把握し適切な引当てを行うことが重要と考えております。
当行は、2018年4月から「構造改革と永代取引の進化」をテーマとした長期経営計画「As One」を展開しております。計画最終年度となる2022年度にコア業務純益180億円以上を計上できる収益体質の構築を図り、当行グループ役職員が一丸となって、お客さま感動満足を創造することで、お客さまから選ばれ続ける卓越した銀行をめざしています。
経営目標の進捗については、以下のとおりであります。
(注) 2022年3月期の貸出金徳島県内シェアにつきましては、2021年9月現在のものであります。
コア業務純益は、経営目標(2023年3月期)の180億円以上に対し、2022年3月期は177億円となりました。前事業年度比では16億円の増益(コア業務純益(除く投資信託解約損益)は20億円の増益)となっており、引続き事業性評価を軸とした企業支援や野村證券との提携によるサービスの高度化を通じ、安定して経営目標を上回る水準のコア業務純益を計上できる収益体質の構築を図ってまいります。
コア業務純益ROAは、コア業務純益が増益となったことから上昇し、経営目標0.48%以上に対し0.45%となりました。金融商品仲介業務手数料等の増収などにより役務取引等利益の増益を図り、また中小企業取引において経営者の個人取引も含めた複合取引を推進し、貸出金等の資産に対する実質的な収益力を高めてまいります。
修正OHRは、業務粗利益が増益となったことから、前事業年度比改善し、経営目標62%未満となりました。引続き収益構造、コスト構造改革を実践し、経営目標の達成に取組んでまいります。
当期純利益ROEは、実質与信費用が減少したことなどから当期純利益が増益となり、前事業年度比上昇し経営目標4%以上に対し3.91%となりました。引続きお客さまの経営実態を把握し、必要に応じて適切な引当てを実施することにより、将来的な与信費用の増加を予防し安定して当期純利益を計上できる収益体質の構築を図ってまいります。
貸出金徳島県内シェアは経営目標50%以上に対し、46.06%となりました。徳島県内は地元として最も重要な営業エリアであると認識しており、お客さまに付加価値の高いサービスを提供することはもとより、営業体制及び地区管理も強化し、シェアを高めてまいります。
CIS指標は「お客さまからの評価」項目が上昇したことなどから86.7ポイントとなり、前事業年度比0.9ポイントの上昇となりました。今後も「お客さまの声」を活かし改善を図ることで、「お客さま感動満足」のさらなる向上に取組んでまいります。
なお、「As One」の主要戦略及び経営目標等の詳細につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
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