課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当行及び当行の連結子会社(以下「当行グループ」という。)が判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

 北洋銀行グループは、厳しさを増している経営環境下において、職員一人ひとりが果たすべき役割とそれを通じて北海道の未来に貢献するという使命を明確にするため、2020年3月、新たにグループとしての統一した経営理念を策定しました。また、その実現のために4つの具体的な行動規範を定めました。

<経営理念>

 「お客さま本位を徹底し、多様な課題の解決に取り組み、北海道の明日(あす)をきりひらく」

<行動規範>

 ① コンプライアンス・社会的責任を常に意識し、誠実に向き合う

 ② お客さまからの「ありがとう」を追求する

 ③ 職員一人ひとりを尊重し、チームワークを最大化する

 ④ 変化を恐れず、自ら考え挑戦する

 

 この経営理念及び行動規範に基づき、当行グループは、お客さまの信頼の下にあることを意識し、お客さま・地域の多様化するニーズや課題に最善の提案を持って応えるとともに、こうした一つひとつの取組みを通じて、北海道の持続可能な未来のために、自ら困難に立ち向かってまいります。

 

(2)経営戦略

 当行は、新たな経営理念のもと、中期経営計画「『共創の深化』~お客さま・地域から最も信頼されるパートナーを目指して~」(2020年4月~2023年3月)をスタートさせており、目指すべき姿として次の4点を掲げております。

 ① お客さま本位の徹底と事業性理解の取組みによりシェアアップ

 ② コンサルティングの強化による法人及び個人役務収益の増強

 ③ 高度人財の育成

 ④ 利回り低下による収益減少を効率的アプローチによる収益拡大とコスト削減でカバーし筋肉質な組織へ

 

 これらを着実に実践していくことで、お客さまの満足や価値の最大化を図り、当行グループの収益力の向上につなげ、最終的には北海道の持続可能性に貢献していくことを経営戦略の方向性としております。

 

(3)目標とする経営指標

 中期経営計画『共創の深化』では、以下の指標を目標として掲げ、各種施策に取り組んでおります。収益性や健全性、効率性などの持続可能性に重要と考えられる指標を掲げているほか、今後のマーケット縮小を見据え、ボリュームを単に追うのではなく、道内マーケットに対するシェアを維持・拡大させていくことが必要不可欠と考え、「道内貸出シェア」のアップを独自指標として掲げております。

 

目標とする経営指標

2022年度(計画)

3年間増減

経常利益              (連結)

158億円

31億円

親会社株主に帰属する当期純利益   (連結)

105億円

30億円

自己資本比率            (連結)

12%程度

△0.61%程度

貸出金平均残高           (単体)

7兆円

0.4兆円

一人当たり生産性          (単体)

4.2百万円

1.2百万円

 

 

長期的に目指す経営指標

2022年度(計画)

3年間増減

長期目標

ROE            (連結)

2%程度

0.16%程度

5%以上

コアOHR          (単体)

83%程度

2.5%程度

70%以下

道内貸出シェア       (単体)

33.6%

0.7%

34.7%

注)1.一人当たり生産性=当期純利益÷年度末人員数

2.ROE=親会社株主に帰属する当期純利益÷{(期首自己資本+期末自己資本)÷2}

3.コアOHR=経費÷コア業務粗利益

4.道内貸出シェア=地公体等向け貸出を除く道内の貸出残高(北海道財務局「金融月報」の各月末残高を足し12で除した年度のみなし平均残高)に占める当行のシェア

 ※2020年度初めより政府施策の実質無利子・無担保融資の取扱いが先行した政府系金融機関の大幅な貸出増加の影響から、計画が実態と乖離したことを補正するため、政府系金融機関を除いた道内貸出のシェア目標へ修正

 

(4)経営環境及び対処すべき課題

 当行が営業基盤とする北海道経済は、新型コロナウイルス感染症の変異株出現による社会的自粛の継続や資材・資源価格高騰などから引き続き厳しい状況が続いております。

 また、少子高齢化を伴う人口減少の加速、後継者不在による事業所数の減少などにより、マーケットは中長期的な縮小が見込まれているほか、金融業界を取り巻く環境においても、米国の政策金利の引上げや日本国内における超低金利政策の長期化、デジタル化の急速な進展やそれらに伴う異業種の参入、CO₂排出量削減をはじめとする環境課題への対応など、これまで以上に厳しい経営環境が続くものと認識しております。

 このような環境のなか、当行としては、経営理念・行動規範の更なる徹底が必要であること、既存金融サービスでの差別化が難しくなっていることから新たなビジネスモデルの構築が必要であること、お客さま本位の商品・サービスを提案するための高度専門人財が不可欠であること、サービス・業務のデジタル化による生産性向上が今まで以上に必要であることなどを課題として認識しております。

 今年度は現中期経営計画『共創の深化』の最終年度であり、当行が掲げた経営理念・行動規範の真の実践を目指すとともに2023年1月に迎えるTSUBASA基幹系共同化システムへの確実な移行を2022年度の最重要テーマと位置づけております。また経営計画の基本方針を以下の通り定め、それぞれの戦略を着実に実践し、当行銀行グループの企業価値の向上を図ってまいります。

 

① お客さまの真のニーズ基づくコンサルティング営業の徹底

 貸出・預金に付随する高度な金融サービスを提供することで顧客価値を高め、お客さまからの支持を得ること。グループ会社である「北海道共創パートナーズ」「北洋証券」の機能を強化し、グループ全体でお客さまの真のニーズ・課題に応えること。

② 将来を見据えた高度専門人財の育成・採用

 高度専門人財を確保するために長期的な人財育成と中途採用の拡大に取り組むこと。

③ お客さま利便性確保と生産性向上の両立

 お客さまの利便性を最大限確保しつつ、店舗・ATMの効率的運営に取り組むこと。

④ デジタルサービスの浸透とシステム移行後のDX推進の加速

 既存デジタルサービスの浸透に重点を置き、システム移行後に向けたデジタルサービスの開発・準備を行うこと。

 

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