以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末日現在において判断したものであります。
(1)経営方針・経営環境等
2021年度の金融経済情勢を顧みますと、わが国経済は、新型コロナウイルス感染症の長期化により、個人消費を中心に厳しい状況が続きました。秋頃から、ワクチン接種の進展に伴う経済活動の再開により、個人消費や生産など一部で持ち直しの動きがみられましたが、年明け以降、感染症の再拡大などにより、持ち直しの動きに足踏みがみられました。さらにはウクライナ情勢を巡る地政学リスクの影響もあり、依然として先行きは不透明な状況にあります。
当行の営業基盤である千葉県経済においても、雇用情勢に弱い動きが続くなど、依然として厳しい状況にあります。
金融面においては、日本銀行の金融緩和や経済正常化期待などを背景に、日経平均株価は9月にバブル崩壊後の最高値を更新したものの、感染症の再拡大や地政学リスクの高まりなどによって下落基調に転じ、年度末の終値は2年ぶりの下落となりました。また、長期金利は、2021年内は概ね0%近傍で推移しましたが、年度末にかけては、米金利上昇などを背景に一時0.25%まで上昇しました。
こうした中、京葉銀行グループは「お客さまに信頼と利便性、高い満足度を提供する魅力のある、活力あふれる銀行」を目指す銀行像とし、2021年度から2023年度までの3年間を計画期間とする、第19次中期経営計画「α ACTION PLAN 2024~さらなる進化~」を推進しております。本計画において目標とする経営指標は、親会社株主に帰属する当期純利益、自己資本比率(連結)、OHR(単体)であります。
(2)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
地域金融機関を取り巻く経営環境は、低金利政策の長期化による資金運用利回りの低下に加え、足元では新型コロナウイルス感染症の長期化や、原材料価格高騰の影響により企業業績の先行きが不透明な状況が続くなど、厳しい環境が継続しています。また、少子高齢化・人口減少の進行やライフスタイルの変化、デジタル技術の進展を背景に、お客さまの課題やニーズは、年々多様化・高度化しています。さらに、気候変動などの環境・社会問題の解決に取り組んでいくことも重要な責務となっております。
こうした中、京葉銀行グループは、第19次中期経営計画「α ACTION PLAN 2024~さらなる進化~」で掲げた以下の3つの基本戦略に基づき、経営環境の変化にも揺るがない、持続可能なビジネスモデルの構築を図っていくとともに、これまで以上に地域経済へ積極的に貢献することで、地域やお客さまとの「確かな“きずな”を、未来へ。」とつなげてまいります。
〔基本戦略① 課題解決型営業の強化〕
お客さまのさまざまな課題にお応えするため、京葉銀行グループ一体でソリューション営業態勢の高度化を図るとともに、りそなホールディングスなど戦略的外部パートナーとの連携・協業を加速させてまいります。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けているお客さまに対しては、引き続き資金繰り支援を徹底するとともに、補助金活用や業務のデジタル化支援、経営人材の紹介など、アフターコロナを見据えた本業支援の取り組みを強化してまいります。
また、「人生100年時代」におけるさまざまな課題にお応えするため、お客さまお一人おひとりに最適な資産運用や資産承継の提案を行うとともに、長期にわたる信頼関係を構築するため、アフターフォローの充実に努めてまいります。
〔基本戦略② 生産性の向上と人財の育成〕
2021年度に全店展開した「エリア制」の取り組みを軌道に乗せるとともに、デジタル技術を活用した業務改革・働き方改革をさらに推し進めてまいります。併せて、非対面チャネルの機能強化に取り組むことで、「オムニチャネル戦略」を進化させ、対面・非対面の双方で、お客さまへ高い付加価値を提供してまいります。
また、従業員の自律的な成長を促す企業風土の醸成に努めるとともに、戦略的な再配置や外部との人事交流を積極的に活用することで、お客さまの課題解決やDX推進、リスク管理などを担う、多様な専門人財を育成してまいります。
〔基本戦略③ 経営基盤の強化〕
貸出や有価証券運用などの業務において、適切なリスクテイクを行うため、リスク管理態勢とコンプライアンス態勢のさらなる高度化を図ってまいります。また、お客さまサービス向上に資する前向きな投資は維持しつつも、生産性向上を通じた経費削減を推し進め、収益力の強化を図ってまいります。加えて、財務の健全性、資本効率及び株主還元の最適なバランスを追求し、企業価値の向上に努めてまいります。
SDGsの取り組みにおいては、頭取を委員長とする「サステナビリティ委員会」を設置し、ガバナンス態勢の強化を図るとともに、2030年度までの長期目標としてCO2排出量50%削減(2013年度比)とESG関連投融資実行7,000億円を設定し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを強化してまいります。
全てのステークホルダーの皆さまからの信頼、ご期待にお応えできるよう、京葉銀行グループの役職員一同全力を尽くしてまいりますので、引き続き力強いご支援を賜りますようお願い申し上げます。
<第19次中期経営計画で目標とする3つの経営指標>
項目 |
2024年3月期目標 |
親会社株主に帰属する当期純利益 |
80億円 |
自己資本比率(連結) |
11%程度 |
OHR(単体) |
60%台 |
お知らせ