本項には、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1)経営方針
当行では、「共創力と提案力で地域の豊かな未来を実現する」を経営理念として掲げ、その実践に努めることで、企業価値の向上に取り組んでおります。
地域金融機関として、地域のお客さまとより良い関係を構築していくことは重要なことと考えております。こうした関係性を基本とし、お客さまの良きパートナーとして、様々な悩みに対してその解決策を真剣に考えご提案することで、共に新たな価値を創造してまいりたいと考えております。このような取組みを通じて、地域の豊かな未来を創造してまいります。
(2)経営環境及び対処すべき課題
[経営環境]
当期におけるわが国経済は、感染対策と経済社会活動の両立を進める中で持ち直しの動きが続いておりますが、オミクロン株の感染急拡大など、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況や供給制約、原材料価格の高騰などの影響から、一部に弱い動きがみられました。
当行の主たる営業基盤である福島県の経済動向をみますと、個人消費は新型コロナウイルス感染症による下押しの影響により、外食や旅行等のサービス消費を中心に弱い動きが続きましたが、主要小売業販売額など一部に持ち直しの動きが見られました。一方、公共投資は、東日本大震災からの復興関連工事を中心に減少が見られました。企業倒産件数は政府や日本銀行による各種資金繰り支援や需要喚起策を背景に、前年に引き続き抑制された水準で推移しました。
[当期の経過及び成果]
こうした環境のもと、「共創力と提案力で地域の豊かな未来を実現する」という経営理念の実現に向け、2020年度からの3年間を計画期間とする「第五次中期経営計画」に取り組んでおります。
(法人のお客さまに向けた取組み)
新型コロナウイルス感染症の影響が続く中、事業を営んでおられるお客さまに対しては、引き続き資金繰り支援を行うなど、金融仲介機能の発揮に全力で取り組んでまいりました。また、お客さまが抱える経営課題や、地域の産業構造変革に対応するため、創業支援のほか、事業承継やM&A、事業再生支援等のコンサルティング活動にも積極的に取り組んでまいりました。
このほか、お客さまの設備資金ニーズに対し融資、リースをワンストップかつ迅速に提案するため、リース媒介業務の取組みも強化いたしました。さらに、地域の生産性向上に向けて、お客さまのデジタル化を支援する取組みとして、新たにICTコンサルティングのサービスをスタートさせました。
(個人のお客さまに向けた取組み)
個人のお客さまに対しては、お客さまの資産状況やライフプランに合わせ、最適なご提案が出来るよう、投資信託及び保険商品のラインナップの見直しを実施いたしました。このほか、幅広い住宅取得ニーズにお応えするため、住宅ローンの商品内容の拡充を行いました。これと併せて、ローンセンターの人員配置や所在地の見直しなどサービス提供体制の強化も実施いたしました。
こうした取組みを客観的に評価する指標として、いくつかの経営指標を掲げておりますが、その達成状況は次のとおりであります。
〔目指す経営指標〕修正計画2021年5月14日公表
指標 |
修正計画 |
2021年度実績 |
当期純利益 |
毎期10億円 |
11億円 |
コア業務純益(除く投資信託解約損益) |
最終年度20億円 |
29億円 |
(人材活躍に向けた取組み)
年齢や性別にとらわれない多様な人材の活躍を促進するため、人材育成の環境整備や人事制度の見直しなどに継続的に取り組んでまいりました。このほか、働きやすい職場環境の創出や生産性の向上に向け、新たに「健康経営宣言2021」を策定し、従業員及びその家族の健康の維持・増進に取り組んでまいりました。この結果、経済産業省が実施する健康経営優良法人認定制度において、「健康経営優良法人 2022」の認定を受けました。
(サステナビリティ経営に向けた取組み)
地域社会の課題解決に向けた活動を通し、地域の発展と持続的な企業価値の向上に努めることを目的として、新たに「サステナビリティ方針」を制定いたしました。この方針のもと、新たに「ESG 取組方針」を制定するとともに、「SDGs取組方針」についてもその取組み内容の見直しを行いました。このほか、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明いたしました。今後は気候変動・環境問題への対応を一層強化していくとともに、気候変動のリスクや機会に関する情報開示の充実にも努めてまいります。
[経営環境の認識及び対処すべき課題]
長引く新型コロナウイルス感染症の影響から、企業業績や資金繰りの悪化などの懸念が高まっております。このほか、ウクライナ情勢等による不透明感がみられる中で、原材料価格の上昇や金融資本市場の変動、供給面での制約など、不確実性は高まりをみせております。こうした状況において、国、地方自治体、金融機関が一体となって地域経済を支えていくことが重要であるとの認識のもと、当行は営業地域における金融仲介機能発揮のほか、お客さまが抱える課題の解決に全力で取り組んでまいります。
また、脱炭素に向けた取組みの加速など、持続可能な社会の構築に向けた社会的要請は高まりを見せております。当行は「サステナビリティ方針」のもと、地域社会の課題解決に向けた活動を通し、地域の発展と持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
上記課題への対応を含め、経営計画の着実な履行により企業価値の更なる向上に努めてまいります。
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