文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題
わが国の経済は、2020年度初頭からの新型コロナウイルス感染症の断続的な拡大により深刻な影響を受けてまいりました。
さらに少子高齢化や生産年齢人口割合の低下など人口動態の変化に加え、新型コロナウイルス感染症の影響による生活様式の変化、またAI、IoT、5G、フィンテックなどの技術革新の進展により、当社グループを取り巻く事業環境は今後も大きく変化することが予想されます。
当社が認識する課題・事業環境は、以下のとおりです。
「顧客・市場」
・新型コロナウイルス感染症による景気悪化懸念
・新技術を活用した新ビジネスの出現
・SDGs対応への期待の高まり
「競合他社」
・事業の多角化
・業界を超えた業務提携・協業
・地方銀行など異業種との競合激化
「自社」
・“「リース」の先へ”の実現に向けたチャレンジ
・住宅賃貸・発電事業など資産の多様化
・将来の成長に向けた基盤強化(人財、IT)
・経営理念の改定(2019年度)
このような課題・事業環境に対応していくため、当社グループは、2020年度より3ヵ年の中期経営計画をスタートさせました。『循環創造企業へ』という中長期ビジョンのもと、「E:環境循環」、「S:ソーシャル&コミュニティ」、「G:ビジネス&ガバナンス」の3つの事業ドメインにおいて事業成長戦略を推進し、組織能力強化戦略により事業基盤を強化することで更なる企業価値の向上を目指します。
①中長期ビジョン:『循環創造企業へ』
「個を中心に据えた経営」で環境・社会・経済における良い循環を創造し、豊かな未来への架け橋となる
②事業ドメイン
「E:環境循環」:適正な環境循環・環境再生への貢献
「S:ソーシャル&コミュニティ」:多様なお客様に安心・安全な「住まう」、「暮らす」環境を実現し、豊かで活発な地域社会の創生に貢献
「G:ビジネス&ガバナンス」:社会が持続的成長をするための「働く」、「商う」、「作る」経済活動への貢献
③中期経営計画の戦略
a.事業成長戦略
イ.ベンダーリースの更なる進化と顧客提供価値の強化
ベンダー支援機能の更なる充実とお客様向けポータル構築による提供価値を強化します。また、資産の更なる優良化のための施策を展開します。
ロ.安心・安全・快適な「住まう」、「暮らす」環境の創造
住宅賃貸事業プラス周辺サービスによる地域社会再生への貢献、外部環境に合わせた多様なローンの提供及びヘルスケア&ウェルネス分野のソリューション営業を強化します。
ハ.環境循環に根ざしたクリーンな地球環境への貢献
再生可能エネルギー分野へのファイナンス提供と発電事業投資を行い、環境循環・環境負荷低減に資する3R(リデュース、リユース、リサイクル)を進めます。
ニ.新たな事業領域の開拓とビジネスモデルの創造
ファイナンス手法の多様化による新分野の開拓、出資先・提携先との協働による新規ビジネスの創出を進めます。また、「E・S・G」にフォーカスした事業投資や海外へのチャレンジに取り組みます。
ホ.レンタル事業の再構築
リコーグループとの協業によるレンタル事業とICT分野の取り組みを拡大し、新しいレンタルサービスを展開します。
ヘ.アセットに拠らないビジネスの拡大
既存商品での新分野開拓を強化するとともに、社会・お客様の期待や要望に応えるサービスを開発していきます。
ト.みずほリースとの提携による事業拡大
既存事業の強化及び新たな事業機会を創出します。
b.組織能力強化戦略
イ.高品質・高効率化を追求する基幹システム及び業務体制の構築
新基幹システムを構築し、審査・与信機能改革(仕組みとAI活用)を行なうとともに、標準化・自動化による業務効率の推進と品質の改善を進めます。
ロ.社員の幸福を会社業績拡大につなげる人財マネジメント
社員の幸福(ハピネス)向上のための施策の展開やダイバーシティ&インクルージョンの継続を推進し、事業成長実現のための人材獲得と育成を行います。
ハ.ガバナンス強化
企業価値向上のための施策を展開し、内部統制・内部監査の充実を図ります。
また、長期的な方向性として、経営理念に沿った経営戦略を遂行することで、「社会への貢献」、「お客様への貢献」、「社員ハピネス」といった継続的な価値を創造し、変化するトレンド(人口動態の変化、地球環境の変化、テクノロジーの飛躍)に対応しながら、持続可能な循環社会を創造し、企業価値の向上を図ります。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、営業利益、営業資産残高、ROA、ROEであります。
中期経営計画(2020年4月~2023年3月)における目標値は、以下のとおりです。
|
2022年3月期 |
2023年3月期 |
2023年3月期 中計目標 |
営業利益 |
192億円 |
200億円 |
200億円 |
営業資産残高(リース債権流動化控除前) |
10,550億円 |
10,960億円 |
12,000億円 |
ROA(総資産当期純利益率) |
1.15% |
1.12% |
1.1%以上 |
ROE(自己資本利益率) |
6.9% |
6.5% |
6.7%以上 |
(注)上記2023年3月期業績予想は、現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は、様々な要因により大きく異なる場合があることをご承知おきください。
(3)次期の連結業績予想
2022年度の経営環境は、新型コロナウイルス感染症の影響に加え、当連結会計年度より顕在化した半導体不足や部品の調達難が継続するものと見込まれる一方、企業の設備投資については一部で先送りにしていた投資の再開などの動きもあり、徐々に回復するものと予想されます。当社グループとしても、設備投資の再開に合わせ、事業機会の増加が見込まれます。
このような環境の中、当社グループは、2020年4月より3ヵ年の中期経営計画(2020年4月~2023年3月)をスタートさせており、『循環創造企業へ』という中長期ビジョンのもと、7つの事業成長戦略と3つの組織能力強化戦略を遂行していくことで、更なる企業価値の向上を目指します。
連結業績予想は、以下のとおりです。営業利益において中期経営計画の目標を達成し、増収増益を予想しています。
|
2022年3月期 |
2023年3月期 |
売上高 |
3,038億円 |
3,060億円 |
営業利益 |
192億円 |
200億円 |
親会社株主に帰属する当期純利益 |
134億円 |
135億円 |
(注)上記2023年3月期業績予想は、現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は、様々な要因により大きく異なる場合があることをご承知おきください。
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