(1) 経営成績等の概要
当連結会計年度におきましても、新型コロナウイルス感染症は感染拡大と縮小を繰り返し、経済・社会活動に多大な影響を及ぼしました。
国内では新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進展する一方で、感染力が強い変異株の感染拡大により、断続的に緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が実施されたことで個人消費や生産活動が弱含みで推移するなど、国内景気は厳しい状況が続きました。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が解除されると、国内景気は持ち直しの動きを見せつつありますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は依然として収束の時期が見とおせないほか、ロシアのウクライナ侵攻を背景とした原油や原材料価格の世界的な高騰、米国でのインフレ懸念に伴う金利上昇、それらを要因とした急激な円安の進行などにより、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境の下、当社グループは、2021年4月から「事業基盤の拡充」と「企業態勢の高度化」を基本方針とする中期経営計画「共創 2024 ~Challenge for the Future~」(計画期間:2021年4月~2024年3月)をスタートさせました。本計画の基本方針の1つである「事業基盤の拡充」の重点戦略として掲げている「環境関連分野への取組強化」、業務提携やM&Aによる「新たな事業領域への挑戦」、ファイナンス事業及び不動産事業を中心とした「コア事業の更なる深化」、「地方創造への貢献、新たなマーケットへの進出」に積極的に取り組みました。
この結果、当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ1,295百万円増加し29,555百万円(前期比4.6%増)、営業利益は前連結会計年度に比べ342百万円減少し3,250百万円(前期比9.5%減)、経常利益は前連結会計年度に比べ436百万円減少し3,299百万円(前期比11.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ267百万円増加し2,127百万円(前期比14.4%増)となりました。また、環境関連ビジネス向けを中心に、積極的な営業活動を行った結果、営業資産残高は20,071百万円増加し156,280百万円(前期末比14.7%増)となりました。
当連結会計年度の財政状態につきましては次のとおりであります。
資産合計は、前連結会計年度末に比べ
20,893百万円増加
し
169,417百万円
(前期末比
14.1%増
)となりました。これは主に、リース債権及びリース投資資産の増加3,728百万円、割賦債権の増加2,806百万円、営業貸付金の増加5,078百万円、賃貸資産(航空機)の増加5,796百万円などであります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ 19,459百万円増加 し 135,950百万円 (前期末比 16.7%増 )となりました。これは主に借入金の増加20,880百万円などであります。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ 1,433百万円増加 し 33,467百万円 (前期末比 4.5%増 )となりました。これは主に利益剰余金の増加1,746百万円などであります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
リース・割賦
売上高は前連結会計年度に比べ751百万円増加し17,283百万円(前期比4.5%増)となり、営業利益は前連結会計年度に比べ178百万円減少し1,132百万円(前期比13.6%減)となりました。
ファイナンス
売上高は前連結会計年度に比べ236百万円増加し1,667百万円(前期比16.5%増)となり、営業利益は前連結会計年度に比べ94百万円増加し927百万円(前期比11.3%増)となりました。
不動産
売上高は前連結会計年度に比べ 244百万円増加 し 9,171百万円 (前期比 2.7%増 )となり、営業利益は前連結会計年度に比べ 224百万円減少 し 1,487百万円 (前期比 13.1%減 )となりました。
フィービジネス
売上高は前連結会計年度に比べ 3百万円増加 し 399百万円 (前期比 0.9%増 )となり、営業利益は前連結会計年度に比べ 5百万円減少 し 146百万円 (前期比 3.7%減 )となりました。
環境ソリューション
売上高は前連結会計年度に比べ 71百万円増加 し 1,000百万円 (前期比 7.7%増 )となり、営業利益は前連結会計年度に比べ 0百万円増加 し 88百万円 (前期比 1.1%増 )となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ224百万円増加し4,947百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは19,882百万円の資金流出(前連結会計年度は1,267百万円の資金流出)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益3,194百万円、減価償却費1,144百万円などによるものであり、主な減少要因は、賃貸資産の取得による支出6,994百万円、営業貸付金の増加5,078百万円、販売用不動産の増加1,827百万円、リース債権及びリース投資資産の増加3,938百万円、割賦債権の増加2,910百万円などによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは81百万円の資金流出(前連結会計年度は2百万円の資金流出)となりました。主な増加要因は、投資有価証券の売却及び償還による収入111百万円などによるものであり、主な減少要因は、投資有価証券の取得による支出171百万円などによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは20,188百万円の資金流入(前連結会計年度は665百万円の資金流入)となりました。主な増加要因は、長期・短期借入金の純増減額(収入)20,880百万円によるものであり、主な減少要因は、配当金の支払額403百万円、リース債務の返済による支出172百万円、社債の償還による支出100百万円などによるものであります。
③ 営業取引の状況
当連結会計年度における契約実行実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 ファイナンス・リースについては、当連結会計年度に取得した賃貸用資産の取得金額、割賦販売については、実行時の割賦債権(物件購入金額)を表示しております。
2 オペレーティング・リースについては、賃貸物件の取得価額を記載しております。なお、再リース取引の
実行高は含んでおりません。
営業資産残高をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
前連結会計年度
当連結会計年度
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2022年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.事業全体の状況
売上高
新規契約高が堅調に推移したことによるリース・割賦事業の増収及び営業資産の積み上げに伴うファイナンス事業の増収等、各セグメントにおいて概ね計画通りに推移したことにより、売上高は前連結会計年度に比べ1,295百万円増加し29,555百万円(前期比4.6%増)となりました。
売上総利益、営業利益、経常利益
売上総利益は、不動産売却益の減少により前連結会計年度に比べ 123百万円減少し 5,967百万円 (前期比 2.0%減 )となりました。販売費及び一般管理費は、顧客の業績悪化に備えた貸倒引当金の積み増しなどにより、前連結会計年度に比べ218百万円増加し2,717百万円(前期比8.8%増)となりました。この結果、営業利益は前連結会計年度に比べ342百万円減少し3,250百万円(前期比9.5%減)となりました。
経常利益は、前期に計上されていた投資有価証券売却益の減少などにより、前連結会計年度に比べ436百万円減少し3,299百万円(前期比11.7%減)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益
特別損失の減少により、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ267百万円増加し2,127百万円(前期比14.4%増)となりました。
b.セグメント情報に記載された区分ごとの状況
リース・割賦
商業用設備などを中心に新規取扱高が好調に推移したことによりリース料収入は増加したものの、顧客の業績悪化に備えた貸倒引当金の積み増しなどにより、 売上高は17,283百万円(前期比4.5%増)、営業利益は1,132百万円(前期比13.6%減)となりました。
営業資産残高はファイナンス・リース資産が増加し81,359百万円(前期末比17.7%増)となりました。
ファイナンス
環境関連ビジネス向けの取組増加などによる営業資産の積み上げに伴い、利息収入等が増収となり、 売上高は1,667百万円(前期比16.5%増)、営業利益は927百万円(前期比11.3%増)となりました。
営業資産残高は、32,453百万円(前期末比18.6%増)となりました。
不動産
賃貸収入の増加などにより、 売上高は9,171百万円 (前期比 2.7%増 )となりましたが、前期に売却した大口不動産の反動による不動産売却益の減少により、 営業利益は1,487百万円 (前期比 13.1%減 )となりました。
営業資産残高は 37,792百万円 (前期末比 7.8%増 )となりました。
フィービジネス
損害保険代理店収入及び自動車関連の手数料収入などが概ね計画通りに推移したことにより、 売上高は399百万円 (前期比 0.9%増 )、管理費用の増加により 営業利益は146百万円 (前期比 3.7%減 )となりました。
環境ソリューション
前連結会計年度に取得した太陽光発電所の収益貢献に加えて、LED照明などの環境関連機器の販売が増収となり、 売上高は1,000百万円(前期比7.7%増)、売電事業における減価償却費の減少により営業利益は88百万円(前期比1.1%増)となりました。
営業資産残高は新たに2物件の太陽光発電所を取得したことにより 4,675百万円 (前期末比 0.6%増 )となりました。
c.目標とする経営指標の達成状況等
経営目標の達成状況を判断するための客観的指標と2022年3月期の実績につきましては、次のとおりであります。
中期経営計画で目標とする経営指標の2022年3月期の実績
中期経営計画「共創 2024 ~Challenge for the Future~」(計画期間:2021年4月~2024年3月)の最終年度の目標値の達成を目指し、本計画の基本方針の1つである「事業基盤の拡充」の重点戦略として掲げている「環境関連分野への取組強化」、業務提携やM&Aによる「新たな事業領域への挑戦」、ファイナンス事業及び不動産事業を中心とした「コア事業の更なる深化」、「地方創造への貢献、新たなマーケットへの進出」に積極的に取り組み、計画初年度において順調な実績を計上しております。
d.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、景気動向、市場金利動向、不動産市況など様々なリスク要因があることを認識しております。そのため、当社グループは常に経営リスクの動向を注視しつつ、内部管理体制を充実させ、リスク管理体制の強化に努めてまいります。
② 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループにおける資金需要は、リース・割賦物件及び不動産の購入に係る設備資金やファイナンス事業に係る貸付金が主なものであり、資金調達は金融機関からの借入及び自己資金を基本としております。
借入金残高は営業資産の増加に伴い、前連結会計年度末に比べ20,880百万円増加し116,879百万円(前期末比21.8%増)となりました。また、有利子負債全体では前連結会計年度末に比べ20,299百万円増加し120,996百万円(前期末比20.2%増)となりました。
当社グループは、引き続き資金調達の安定性確保と多様化並びに調達コストの削減に努めてまいります。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ224百万円増加し4,947百万円となりました。当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りのうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(3) 特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく営業貸付金の状況
「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(1999年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく、当社における営業貸付金の状況は次のとおりであります。
a.貸付金の種別残高内訳
2022年3月31日現在
b.資金調達内訳
2022年3月31日現在
c.業種別貸付金残高内訳
2022年3月31日現在
d.担保別貸付金残高内訳
2022年3月31日現在
e.期間別貸付金残高内訳
2022年3月31日現在
(注) 期間は、約定期間によっております。なお、残存期間別貸付金残高内訳は以下のとおりであります。
2022年3月31日現在
お知らせ