課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営の基本方針

当社は、グループ経営ビジョンに基づき、金融持株会社として、当社グループ全体の健全かつ適切な運営を確保するため、当社の中核子会社である銀行子会社を中心とした子会社の経営管理を行い、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図っていきます。

 

<グループ経営ビジョン(目指すべき金融グループの姿)>

「お客さま第一主義」     お客さま第一主義の経営を徹底し、それぞれのお客さまのニーズに応じた最良の金融サービスを提供します。

「お客さまとともに成長」   地域において持続的安定的な金融仲介機能を発揮し、地域のお客さまとともに成長し続けます。

「信頼と安心の経営」     グループとしてより強固な経営基盤を構築し、お客さまから信頼され安心して末長くおつきあいいただく存在になります。

 

(2) 経営計画

当社は、平成31年4月より新たな4か年計画として、第4次経営計画『変革と進化への挑戦 ~ 変わる“トモニ” 変わらぬ“ともに” ~』をスタートさせました。第4次経営計画では、グループ経営ビジョンに基づき『変革し進化する広域金融グループ』を目指し、4つの基本戦略の展開を通じて、当社グループの更なる企業価値の向上に努めてまいります。

 

<第4次経営計画の概要>

[名  称]

第4次経営計画『変革と進化への挑戦 ~ 変わる“トモニ” 変わらぬ“ともに” ~』

[計画期間]

平成31年4月~令和5年3月(4年間)

[目指す姿]

変革し進化する広域金融グループ

1.「“ともに”協調しあって、地域のお客さまとともに、明日への発展を支えていく」という当社のブランドマークに託した設立当初からのビジョンに基づき、これまで築いてきた地域のお客さまとの信頼関係を変わらず維持する一方で、時代の変化とともに今後も地域のお客さまとともに成長し続けられるよう、「地域商社的金融グループ」への脱皮を図るなど自ら積極的に変革していく。

2.営業面では「複数行体制」、すなわち徳島大正銀行と香川銀行がそれぞれ取引の拡大・深化を図る一方で、組織運営面では「最大限のワンバンク化」を目指し、持株会社やグループ会社の機能を活用した更なる効率化を図るなど、「トモニスタイル」を進化させ、全体として利益の最大化を図っていく。

3.組織がダイナミックに変革し進化していくために、社員の「やってみたい」という気持ち・チャレンジ精神を大事にする「自ら考え行動する企業集団」を目指していく。

[基本戦略]

Ⅰ ガバナンス戦略 ~ 変革と進化 ~

1.ガバナンスについては、

(1)「会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上」という取締役会の責務を適切に果たしていく観点から、取締役会機能の更なる発揮を実現する。

(2)資本充実、成長投資(資本活用)、株主還元の3つの観点から、最適な資本政策を実現する。

(3)銀行内の業務・人員効率化の推進に加え、持株会社の更なる活用により、グループ全体として一層効果的・効率的な経営管理を実現するとともに、グループ会社も活用し「事務システムのワンバンク化」など共通・重複業務の効率運営を実現する。

(4)徳島銀行と大正銀行の合併を円滑に遂行するとともに、銀行子会社の組織の共通化に着手し、将来に向けて、さらに柔軟かつ効率的なグループ運営の基盤を構築する。

(5)デジタライゼーションへ対応し、金融サービスの高度化を進めるためにIT戦略を構築する。

 

2.コンプライアンス及びリスク管理については、

(1)お客さまから信頼され、安心して末長くおつきあいいただけるよう、マネー・ローンダリング等防止などの社会からの要請や制度変更にしっかり対応するとともに、コンプライアンス意識の浸透に万全を期す。

(2)景気の変動や市場の不安定化に従来以上に目配りをし、先見的なリスク管理や自己資本の充実などによって、リスクの顕現化に対して万全の備えを図るとともに、そうした態勢をしっかり取ることを前提に、成長戦略に取り組む上で適切なリスクテイクを行う。

Ⅱ 営業戦略 ~ お客さまとともに ~

1.法人戦略については、

(1)これまで築いてきた地域のお客さまとの信頼関係を変わらず維持するとともに、お客さまの様々なニーズを組織的に受け止め、最良の金融サービス提供につなげていく流れを確立する(渉外の目利き力の向上)。

(2)預金・貸出といった昔ながらのサービスに加え、プロモーションやビジネスマッチング、創業支援やM&Aなど、幅広いサービスを提供できる「地域商社的金融グループ」を目指す。

(3)広域金融グループとして、地域と地域を結ぶ「ベストパートナー金融グループ」を目指す。

2.個人戦略については、

(1)地域とともに歩んできた金融グループとして、店舗ネットワークも活用しつつ、高齢者が安心して暮らせる社会づくりをサポートする。

(2)これから社会を支える若者が、暮らしの中で上手に金融サービスを享受できるようサポートしていく。

(3)地域に根を張る金融グループとして、お客さまの多様なニーズにお応えする。

Ⅲ エリア戦略・地方創生戦略 ~ 地域とともに ~

(1)「四国・岡山・淡路地区」は、当社グループにとってのホームグラウンドであって、とりわけ「徳島・香川地区」はふるさとであることから、地域の実情に沿った効率的・効果的な運営を行い、多くのお客さまにとって、最も頼りになる金融グループになることを目指す。

(2)「大阪地区」は、当社グループが将来に向けて成長を続けていく上での戦略的エリアと位置付け、また、第2のふるさととして、徳島大正銀行と香川銀行とが、法人・個人それぞれのお客さまのニーズに応じた最良の金融サービスを提供することで、取引の拡大・深化を目指す(貸出金利回りの低下や信用コストの発生に留意しつつ、第4次経営計画終了時点での貸出金残高1兆円を目標とする)。

(3)「東京地区」は、わが国最大のビジネス市場であり、人口の流入が続く中で、今後とも有望な営業エリアであるだけでなく、地域のお客さまの成長にとっても重要なエリアであることから、店舗を基盤とした営業活動に加え、様々な形でネットワークの拡大を目指す。

Ⅳ 人財戦略 ~ 一人ひとりの“やる気”を“本気”に ~

(1)意欲とチャレンジ精神に溢れた人財を作り出す人事制度を検討・導入する。

(2)社員一人ひとりが働き甲斐を感じ、最大限の能力発揮ができるよう、自己研鑽機会の拡大や効果的な研修の実施などに取組む。

(3)人財の多様性を大切にし、社員一人ひとりが働きやすい環境を整備する。

[目標とする経営指標]

 

 

令和5年3月期

親会社株主に帰属する当期純利益(連結)

収益性

110億円

本業利益(銀行子会社単体合算)

収益性

100億円

ROE(連結)

効率性

5.0%以上

コア業務粗利益OHR(銀行子会社単体合算)

効率性

66.0%以下

自己資本比率(連結)

健全性

9.0%以上

貸出金残高(銀行子会社単体合算)

成長性

3兆円以上

大阪地区貸出金残高(銀行子会社単体合算)

成長性

1兆円以上

(注)1.本業利益=貸出金平残×預貸利鞘+役務取引等利益-経費

2.ROE=親会社株主に帰属する当期純利益/((期首株主資本+期末株主資本)×1/2)×100

3.大阪地区=大阪府、兵庫県(除く淡路島地区)及び京都府

 

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(3) 経営環境及び対処すべき課題

地域金融機関を取り巻く環境につきましては、人口減少や少子高齢化の進行、低金利政策の長期化等により厳しい状況が続く中、業務の効率化も含めた経営基盤の強化が求められるとともに、新型コロナウイルス感染症の拡大や資源価格の高騰により影響を受けた個人・中小企業者の皆さまへの資金繰りや経営改善の支援など、金融仲介機能の円滑な発揮によりお客さまや地域経済を支え続けていくことが強く求められております。また、デジタライゼーションへの対応、SDGs・ESGへの取組み等も重要な課題となっており、こうした取組み等により、地域の実情等を踏まえた持続可能なビジネスモデルへの転換が強く求められております。

 こうした中、当社は、令和4年度が最終年度となる第4次経営計画『変革と進化への挑戦 ~ 変わる“トモニ” 変わらぬ“ともに” ~』における4つの基本戦略の展開を通じて、『変革し進化する広域金融グループ』を目指し、地域のお客さまとともに成長し続けることにより、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。

また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が年度を通して継続し、経済活動に大きな制約を受け非常に厳しい状況で推移する中、ワクチン接種の促進等により感染予防・拡大防止対策を進めるとともに、各種政策の効果や海外経済の改善もあり、景気は持ち直しの動きが見られております。しかしながら、感染力の強い変異株の発生等により、感染症は依然として収束しておらず、また、世界経済においては、ウクライナ情勢などの地政学リスクや原油を始めとする資源価格の高騰もあり、景気の先行きは依然として不透明な状況となっており、非常に厳しい状況が続いております。こうした状況の中、当社グループにおいては、銀行子会社において取引先企業の資金繰り支援や経営改善支援に注力しておりますが、今後においても新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響が長期化することや資源価格の高騰等により、取引先企業では厳しい業況が続くことが予想されることから、与信関連費用の増加などのリスクが潜在しております。

当社グループとしては、取引先企業における新型コロナウイルス感染症や資源価格の高騰の影響等を十分把握したうえで、円滑な金融仲介機能の発揮に努めるとともに、適切なリスク管理に努めてまいります。

 

 

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